9337東証グロース

株式会社トリドリのM&A実績

SNS・Web広告まわりの小さな会社や事業を、創業者個人から買っている会社です。中期経営計画で中堅・大手向けの領域を「M&Aをはじめとしたケイパビリティの強化」で伸ばすと掲げています。3件とも全部は買わず、51%や70%だけを取得して売り手側に株を残す形が特徴です。

株式会社トリドリが公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都渋谷区
設立
―
事業内容
インフルエンサーマーケティングのプラットフォーム「toridori base」を軸に、成果報酬型広告やタイアップ広告などSNSを使った集客・認知の支援を行う
売上高
53億7,200万円(2025年12月期(連結))
営業利益
7億700万円
純資産
19億700万円

どんな会社を買っているか

買う業種
デジタルマーケティング・広告プランニング/インサイドセールス・営業代行/EC支援
対象の規模
対象の売上は全件非開示(取得価額は1.4億円〜6億円)
手法
株式譲渡で過半数を取得する形、新会社を作って事業を譲り受ける形(売り手が新会社の株を49%持つ)、会社分割で切り出した新会社の株式を70%取得する形
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は子会社として残し、売り手の創業者が代表を続ける形です。トリドリISでは、事業を売った創業者が49%を持ったまま社長を務め、約2年後の2026年7月に残りの49%も買い取られています。
  • 3件中2件で金額が開示されています。事業譲受6億円(税抜)、会社分割で作った新会社の70%が1億4,000万円
  • 一部だけ売って、残りを後で売る形が実際に起きています。トリドリISは51%で始まり、2年後に創業者の持つ49%を取得して完全子会社になりました。その買取資金としてみずほ銀行から12億円を借り入れています
  • 対象の業績はほとんど出てきません。OverFlowは売上高の代わりに売上総利益だけ、XiMとchipperは「情報を入手していない」「守秘義務」を理由に非開示でした

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2024年8月28日新設会社分割で事業を切り出し、その株式の70%を取得(子会社化)

株式会社blends(株式会社chipperのEC支援事業を新設分割で切り出した会社)

EC支援(D2C・EC特化型のグロースハック支援)/東京都渋谷区/2024年10月(新設予定)。分割会社chipperは2017年2月設立設立

取得価額
1億4,000万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
500万円

決算期:新設会社のため決算なし(純資産は設立時の予定額)/譲渡前の株主:株式会社chipper(十時 悠径が73.5%を保有)が100%保有。譲渡後もchipper側に30%が残る計算/株式70%(700株)の取得価額。アドバイザリー費用等の概算5百万円を加えた合計は145百万円。100%に換算すると2億円の評価。新設時の純資産は5百万円の予定

買収理由:中堅・大手企業向けのマーケティング支援でEC分野を強化する

会社を丸ごとではなく、EC支援の事業だけを新会社に切り出して、その70%を1億4,000万円で売っています。分割会社chipperの業績は「情報を入手していない」として開示されていません。純資産500万円の新会社に100%換算で2億円の値がついたことになり、価格のほぼ全額が事業そのもの(顧客・人・ノウハウ)への評価です。30%を手元に残しているので、売り手は譲渡後の成長の分け前も持ち続けます。

買収後不明2026年10月12日時点

2024年10月1日に株式譲渡実行予定として開示されました。2025年12月期の決算短信では、前期(2024年12月期)の連結キャッシュ・フロー計算書に「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」140百万円が計上されていますが、社名の記載はなく、その後の状況は手元の開示では確認できません。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社chipperの新設分割会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年7月29日新会社トリドリIS(トリドリ51%・XiM代表の雨瀧浩一郎氏49%)を設立し、XiMから事業を譲り受け

株式会社XiMのインサイドセールス及びマーケティング事業

中小事業者向けのインサイドセールス・マーケティング/東京都渋谷区/2017年4月(XiM)設立

取得価額
6億円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社XiM(雨瀧 浩一郎が100%保有)/譲受価額600百万円(税抜)、現金決済。譲受事業の売上高・経常利益は守秘義務により非開示

買収理由:「toridori base」の中小事業者向け営業・マーケティング機能を強化し、利用顧客を広げる

もともとトリドリの営業を業務委託で請けていた会社です。取引先だった会社の事業を、6億円で引き取っています。売り手の雨瀧氏は事業を売ると同時に新会社の49%を持ち、社長として残りました。そして約2年後に残りの49%も買い取られています(下記)。開示文では、買い手が持分を買い増す理由として、ノウハウが外部の出向人材に依存していることや、シナジーの一部が少数株主に流れることを挙げています。一部を残して経営に残ると、のちに買い増しの話が来ることがあるという実例です。

買収後存続2026年10月12日時点

受け皿の株式会社トリドリISは連結子会社として残り、2026年7月31日付で雨瀧浩一郎氏の保有する49%(4,900株)を取得して完全子会社化されました。取得価額は守秘義務で非開示ですが、資金としてみずほ銀行から12億円を借り入れると開示されています。雨瀧氏は引き続き代表取締役社長として開示に記載されています。

確認元:株式会社トリドリISの完全子会社化及び財務上の特約が付された金銭消費貸借契約の締結に関するお知らせ

出典:新会社設立及び事業譲受に関するお知らせ

2023年9月29日株式譲渡。発行済株式の51.0%のみを取得(子会社化)

株式会社OverFlow

デジタルマーケティングコンサルティング(広告プランニング、クリエイティブディレクション)/東京都渋谷区/2018年8月設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
△300万円
対象の純資産
△900万円

決算期:2022年7月期/譲渡前の株主:個人1名(町山 博彦)が100%保有/非開示。「当社の直前期(2022年12月期)の連結純資産及び個別純資産の15%未満」と記載。2022年12月期の純資産は手元の開示に無いため上限額は算出していない/売上高は「開示方法について監査法人と協議中」として非開示。代わりに売上総利益57百万円が開示されている

買収理由:中小事業者向けに提供してきたインフルエンサー施策を、大企業・中堅企業向けに広げる

営業赤字・債務超過(純資産マイナス900万円)の会社です。資本金400万円、売上総利益5,700万円の小さな会社でしたが、買い手とすでに業務委託で取引があり、大手向けの提案力が評価されました。営業利益は△100万円→△1,400万円→△300万円と赤字が続いていても、買い手が持っていない顧客層への入口があれば買われます。全株ではなく51%の取得で、創業者が49%を持ち続ける形でした。

買収後不明2026年10月12日時点

2023年11月1日に株式譲渡予定として開示されました。その後の決算短信に社名の記載はなく、商号変更・合併・追加取得の有無は手元の開示では確認できません。

確認元:株式会社OverFlowの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社OverFlowの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社blends(株式会社chipperのEC支援事業を新設分割で切り出した会社)1億4,000万円
  • 株式会社XiMのインサイドセールス及びマーケティング事業6億円

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社トリドリが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日