会社売却の全体像
売るという選択肢を初めて検討する段階で、最初に押さえておくべきこと。
会社を売るかどうか、まだ決めていない段階で読むところです。
最初に見ていただきたいのは会社売却とはです。何がどの順で起きるのかが分かると、残りの判断がしやすくなります。そのうえで、売るか・たたむか・親族に継がせるかで迷っている方は事業承継の4つの選択肢とたたむと売るはどちらが得かを、手残りで比べてみてください。
次に多いのが「今でいいのか」という迷いです。売却のタイミングに書いたとおり、実際に損が出やすいのは早すぎる決断ではなく遅すぎる決断のほうです。社員や取引先に知られたくないという不安は秘密保持はどこまで守られるかで整理しています。
動き出すと決めたら譲渡側が最初にやるべき準備へ。決算書3期分と株主名簿の整理から始まります。

会社売却とは?オーナー社長が最初に知るべき全体像と流れ
会社売却は「株式を売る」か「事業を売る」かで手取りも手続きも変わります。検討開始から着金までの流れ、かかる期間と費用、そして何から手を付けるべきかを、最初に知っておくべき順に整理します。

会社分割で「一部だけ」売る ― 開示136件の使われ方
会社を丸ごと渡したくない、不採算部門は手元に残したい、不動産は持っておきたい。そういうときに使われるのが会社分割です。上場企業の適時開示には会社分割を使った取引が136件、事業譲受が186件あります。どういう場面で選ばれているのかを実例で整理します。

名義株・少数株主の整理 ― 売る前に片付けておくべき最優先事項
株主名簿に載っている人が、本当の株主とは限りません。設立時の名義借り、相続で分散した株、退職した役員が持ったままの株。これらは売却の直前に発覚すると、取引を止めます。なぜ最優先なのか、どう整理するのかを実務の順で書きます。

創業何年の会社が売れているか ― 1,673件の設立年を数えた
老舗でないと売れない、逆に若い会社でないと買われない。どちらもよく聞きますが、実際の取引を数えると分布はかなり広いものでした。上場企業に買われた会社1,673件の設立年から、創業からの年数の中央値は21年。10年未満も50年以上も、それぞれ相当数あります。

持株会社にしておくと売りやすいのか ― 開示から見た実態
複数の会社を持っている社長から「持株会社にまとめたほうが売りやすいか」と聞かれます。上場企業の適時開示には、持株会社ごと引き取った取引がいくつもあります。まとめて渡せる利点がある一方、単体の決算書では実態が伝わらないという落とし穴もあります。

後継者がいない会社の現実的な出口 ― 60代社長が今から取れる3手
後継者がいないまま60代を迎えた社長に残された時間は、体感より短いのが実情です。M&A、社内承継、廃業のうち何が選べるのかを判断する順序と、いま着手すべき3つの手を具体的に示します。

株式譲渡と事業譲渡の違い ― どちらを選ぶべきか
売り手には株式譲渡、買い手には事業譲渡が有利という利害の対立があります。税金、許認可、従業員、簿外債務の4点で何が変わるのかを整理し、事業譲渡を求められたときの交渉材料までを示します。

M&Aで会社を売るメリット・デメリットを経営者目線で整理する
創業者利益、経営者保証からの解放、従業員の雇用維持といった利点の一方で、社長には引き継ぎ期間の拘束や決定権の喪失が待ちます。きれいごとを抜きにして、実際に何が得られ何を失うのかを整理します。

M&A仲介・FA・マッチングサイトの違いと使い分け
仲介は売り手と買い手の双方につき、FAは片方だけの味方につきます。この構造の差が手数料と交渉の結果を左右します。3つの相談先の違いと、自社の規模ならどれを選ぶべきかを整理します。

事業承継の4つの選択肢 ― 親族内・従業員・M&A・廃業を手残りで比較する
事業承継には親族内承継、従業員承継、M&A、廃業の4つの道があります。それぞれで社長の手元にいくら残り、従業員と取引先はどうなるのか。感情論を挟まず、条件と数字で比較します。

会社売却のタイミング ― 「早すぎる」より「遅すぎる」が損な理由
買い手は将来の利益を買うため、業績が伸びている局面が最も高く売れます。社長の年齢、業績の波、業界の環境、そして準備期間。売り時を決める4つの軸から、逆算して動く時期を示します。

会社を「たたむ」と「売る」はどちらが得か ― 廃業コストとの比較
廃業は「たためばゼロ」ではありません。退職金、原状回復、設備の撤去、清算課税。手元がマイナスになることもあります。廃業と売却の手残りを、同じ会社で並べて比較します。

中小M&Aガイドライン(第3版)で何が変わったか ― 売り手が守られる仕組み
2024年8月の第3版改訂で、仲介会社には手数料17項目の事前書面説明が求められるようになりました。最低手数料と買い手側手数料が見えることの意味、そして売り手が実際に使う方法を解説します。

譲渡側が最初にやるべき準備 ― 決算書3期分と株主名簿の整理
相談に行く前に揃えるべき資料と、先に確認すべきこと。特に株主名簿は、名義株や所在不明株主があると解決に年単位かかり、そもそも売れなくなります。着手順に整理しました。

秘密保持はどこまで守られるか ― 社員・取引先に知られずに進める方法
ノンネームシートの作り方次第で会社は特定されます。誰にいつ伝えるか、NDAで何が守られ何が守られないか、そして情報が漏れる典型的な経路と、その塞ぎ方を整理します。

M&Aにかかる期間 ― 検討開始から着金までの実際
標準は6〜12ヶ月。ただし買い手探しの期間が最も読めず、株式の問題があると年単位で止まります。段階別の所要期間と、長引く原因、短縮できる部分・できない部分を整理します。