【比較】主要M&A仲介会社の手数料まとめ ― 同じ1億円の売却で支払額はいくら違うか

監修 長谷川 桂介ファミリーコンサルティング株式会社 代表取締役公開 2026年9月17日
【比較】主要M&A仲介会社の手数料まとめ ― 同じ1億円の売却で支払額はいくら違うか

M&A仲介会社の手数料は、料率だけを見ても比較になりません。同じ「レーマン方式5%」でも、算定の基礎が株価か移動総資産かで、支払う金額は2倍以上変わります(M&A仲介の手数料の仕組み)。

このページでは、各社が公式サイトで公開している条件を、同じ物差しで並べ直しています。

比較表(譲渡企業側)

各社の公式サイトの記載を、2026年9月17日時点で転記しています。公式サイトに書かれていない項目は「記載なし」としました。「記載なし」は「無い」という意味ではありません。実際には設定されていることが多いので、契約前に必ず書面で確認してください。

会社名 着手金 中間金・基本合意時 成功報酬の基準額 5億円以下の部分 最低報酬
日本M&Aセンター あり(金額は非掲載) 記載なし 時価総資産(移動総資産) 5% 記載なし
M&Aキャピタルパートナーズ なし 手数料総額の約10% 株式価額のみ 5% 記載なし
ストライク なし 100〜300万円(資産総額別) オーナー受取額(株式対価+オーナー借入金等) 4億円以下は一律2,000万円 実質2,000万円
M&A総合研究所 なし なし 譲渡価格のみ 5% 記載なし
fundbook なし 合意により発生する場合あり 時価総資産 5億円以下は一律2,500万円 実質2,500万円
名南M&A 66〜220万円(簿価総資産別・税込) 記載なし 移動総資産 5.5%(税込) 1,100万円(税込)
オンデック 30万円(資料作成料) 成功報酬の10%(最低100万円・成約時に充当) 仲介は時価純資産/FAは移動総資産 5% 記載なし
インテグループ なし なし 株式価額のみ 5% 1,500万円(税別)

レーマン方式の料率は、8社とも5億円以下5%、5〜10億円4%、10〜50億円3%、50〜100億円2%、100億円超1%です(名南M&Aは税込表記で5.5%〜1.1%)。料率は横並びで、差は基準額と最低報酬と着手金で決まります。

マッチングサイト(売り手は無料)

サービス 売り手 買い手
BATONZ(バトンズ) 無料(有料の専門家サポートを付ける場合は別) 成約価格の2%、最低38.5万〜165万円(税込・成約価格別)
TRANBI(トランビ) 無料 月額利用料のみ、成約手数料なし

同じ案件でいくら違うか

料率表を眺めても判断できません。具体的な案件に当てはめた総額で比べます。

モデルケース

  • 株式の譲渡対価:1億円
  • 有利子負債:5,000万円(うちオーナー借入金はなし)
  • 負債総額:1億2,000万円
  • 移動総資産(譲渡対価+負債総額):2億2,000万円
会社名 基準額 成功報酬 着手金・中間金 支払総額の目安
M&A総合研究所 1億円(譲渡価格) 500万円 なし 500万円 ※最低報酬が非掲載
M&Aキャピタルパートナーズ 1億円(株式価額) 500万円 中間金は成功報酬に含む 500万円 ※最低報酬が非掲載
オンデック(仲介) 1億円(時価純資産) 500万円 着手金30万円、基本合意報酬100万円は充当 530万円 ※最低報酬が非掲載
日本M&Aセンター 2.2億円(時価総資産) 1,100万円 着手金あり(非掲載) 1,100万円+着手金 ※最低報酬が非掲載
名南M&A 2.2億円(移動総資産) 1,210万円(税込) 着手金66万円(税込) 1,276万円(税込)
インテグループ 1億円(株式価額) 500万円 → 最低報酬が適用 なし 1,500万円(税別)
ストライク 1億円(オーナー受取額) 4億円以下の一律額 基本合意報酬100万円 2,100万円
fundbook 2.2億円(時価総資産) 5億円以下の一律額 なし 2,500万円

同じ1億円の取引で、支払総額は500万円から2,500万円まで開きます。手取りに直結する差です。

ただし、上位3社の「500万円」は公式サイトに最低報酬の記載がないため、料率どおりに計算した数字です。この規模の案件では、実際には最低報酬が適用される可能性が高い。「安く見える会社ほど、最低報酬を書面で確認する」と覚えておいてください。

もう一つ見えるのは、譲渡額が小さいほど、基準額の取り方より最低報酬と一律額の影響が大きいことです。ストライクとfundbookは基準額が売り手に有利な設計でも、1億円規模では一律額が効いて総額が上がります。逆に譲渡額が5億円を超えると、この2社の設計が有利に働く場面が出てきます。自社の想定譲渡額で計算しないと、順位は入れ替わります。

数字の読み方 ― 3つの論点

基準額:株価か、移動総資産か

株式1億円・負債1.2億円の会社なら、株価基準で1億円、移動総資産基準で2.2億円。同じ5%でも成功報酬は500万円と1,100万円で、2.2倍違います。負債の多い会社ほど差が開きます。

M&Aキャピタルパートナーズ、M&A総合研究所、インテグループは株価基準。日本M&Aセンター、名南M&A、fundbookは移動総資産基準。ストライクは「オーナー受取額」で、株式対価にオーナー貸付金の返済額などを加えた独自の基準です。オンデックは仲介形式なら時価純資産、FA形式なら移動総資産と、契約形態で変わります。

最低報酬:小さい案件ほど効く

譲渡額が3億円を下回ると、料率より最低報酬が総額を決めます。最低報酬2,000万円の会社に譲渡額5,000万円の案件を持ち込むと、実効料率は40%です。

公式サイトに最低報酬を明記しているのは、この表では名南M&Aとインテグループの2社。ストライクとfundbookは一律額という形で実質的に明記しています。他の4社は非掲載なので、必ず書面で確認してください。

着手金:成約しなくても戻らない

日本M&Aセンター、名南M&A、オンデックは着手金があります。名南M&AとオンデックはWebに金額を出していますが、日本M&Aセンターは非掲載です。着手金は成約しなくても返りません。

着手金がある会社が悪いわけではありません。着手金を取る会社は初期の企業評価や資料作成に工数をかける傾向があり、それが買い手探しの質につながることもあります。「着手金ゼロ」だけで選ぶと、別のところで差が出ます。

自分で比較するときの手順

比較表は参考にしていただくものですが、最終的には自社の条件で各社に出させるのが確実です。手数料体系は改定されますし、案件の規模によって適用条件が変わることもあります。

1. M&A支援機関登録制度で登録の有無を確認する

中小企業庁の登録制度のサイトで検索できます。登録業者は手数料体系の公表が求められています。未登録の業者を選ぶ積極的な理由は通常ありません。

2. 17項目の書面を求める

2024年8月の中小M&Aガイドライン第3版により、契約締結前の書面説明が求められています。書面が出てこない業者は、その時点で候補から外して構いません(仲介契約前に確認する17項目)。

3. 自社の想定価格で総額を出させる

料率表ではなく、円で出させてください。次の3パターンを同じ条件で依頼します。

  • 想定どおり(例:1億円)で成約した場合の総額
  • 想定を下回った場合(例:5,000万円)の総額。最低報酬の影響が出ます
  • 成約しなかった場合に支払う金額。着手金・月額報酬が返らない額です

4. 手数料以外の条件も並べる

  • 買い手候補を何社出せる見込みか
  • 専任条項の期間、解除条件、テール条項
  • 担当者が最後まで変わらないか
  • 買い手側から受け取る手数料の水準

5. 手取りで比較する

最後は「手数料の安さ」ではなく、想定譲渡価格 − 想定手数料で比べてください。手数料が500万円高くても、買い手を多く集めて譲渡価格が2,000万円上がるなら、そちらが正解です(M&A仲介会社の選び方)。

比較表に載せていない選択肢

仲介会社以外にも道があります。自社の規模によっては、そちらのほうが合理的です。

選択肢 向く規模 特徴
FA(アドバイザー) 譲渡額3億円以上 片方だけの味方。利益相反がない。費用は同等以上
マッチングサイト 譲渡額3,000万円以下 売り手は無料。交渉と書類は自力
事業承継・引継ぎ支援センター 規模を問わない 公的機関。相談無料。セカンドオピニオンに有効

違いはM&A仲介・FA・マッチングサイトの違いと使い分けにまとめています。

このページの立場について

本サイトの運営者はM&A仲介会社ではありません。掲載順は手数料体系の分かりやすさで決めており、掲載料による順位付けは行いません。提携関係のある会社を掲載する場合は、その旨を明記します。このページに掲載した10社との間に、掲載に関する金銭のやり取りはありません。

情報は各社の公式サイトに基づきます(確認日:2026年9月17日)。条件は改定されます。契約前に必ずご自身で最新の条件をご確認ください。

転記元

  • 日本M&Aセンター:手数料・料金について(nihon-ma.co.jp/service/fee/)
  • M&Aキャピタルパートナーズ:弊社の手数料(ma-cp.com/about/fee/)
  • ストライク:安心の報酬・料金体系(strike.co.jp/feature/fee.html)
  • M&A総合研究所:着手金無料のM&A仲介会社(masouken.com)
  • fundbook:譲渡の報酬体系(fundbook.co.jp/sellside/fee/)
  • 名南M&A:料金体系(meinan-ma.com/business/ma/support/fee.html)
  • オンデック:M&A支援の料金・手数料について(ondeck.jp/fee)
  • インテグループ:他社の料金体系との違い(integroup.jp/fee/comparison.html)
  • BATONZ:利用料金(batonz.jp/lp/batonz_fee_structure/)
  • TRANBI:機能の利用条件(tranbi.com/page/rule-company/)

監修

長谷川 桂介

長谷川 桂介ファミリーコンサルティング株式会社 代表取締役

経営者。1,800社の財務コンサル実績があるファミリーコンサルティング株式会社 代表取締役。これまで4社を経営。経営者として投資や節税、資金調達、事業売却(M&A)など法人の財務に関する実務を経験してきた企業財政のエキスパート。

YouTube「社長の資産防衛チャンネル」(登録者25万人)と「社長のM&Aチャンネル」を運営。M&Aチャンネルでは、実際に会社を譲渡したオーナー経営者へのインタビューを継続して行っている。

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