株式会社壱番屋のM&A実績
カレーチェーンの本業とは別に、行列のできる個人店・小さなチェーンを創業者から買い、多店舗化する方針の会社です。対象は1店舗だけの有限会社から10店舗未満の会社まで、いずれも小規模。決算短信でも「M&Aで取得した各業態の展開を進め」「引き続き新たなM&A案件の成立を目指してまいります」と明言しています。
株式会社壱番屋が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 愛知県一宮市
- 設立
- ―
- 事業内容
- 「カレーハウスCoCo壱番屋」を国内外で約1,500店展開する外食チェーン。M&Aで取得したジンギスカン、ラーメン、もつ鍋、夜パフェなどの業態も子会社で運営
- 売上高
- 655億1,800万円(2026年2月期(連結))
- 営業利益
- 47億1,500万円
- 純資産
- 328億8,500万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- ジンギスカン専門店/ラーメン店/夜パフェ専門店/スパイスカレー店
- 対象の規模
- 対象の売上は全件非開示。店舗数で1店舗〜9店舗
- 手法
- 株式譲渡で全株式を取得(100%子会社化)。契約と同じ日に譲渡を実行し、事後に開示する形
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残し、ブランドもそのまま使っています。2026年2月期の決算短信では、大黒商事・竹井・LFD JAPAN・KOZOU・GAKUがそれぞれ別会社として店舗数と売上を報告されています。
- 取得価額も対象の業績も、開示されていません。開示文は理由と会社概要だけで、「当社連結業績への影響は軽微」と書かれるのが毎回の形です
- 1店舗の店を買って11店舗まで増やした実績があります。2020年に買った旭川のジンギスカン店「大黒屋」は、2026年2月期に11店舗・店舗売上19億2,500万円(前期比48.0%増)まで伸び、福岡や台湾にも出ています
- 開示の取得理由では毎回、創業者が「行列のできるお店を育ててこられた」ことに触れています。評価しているのは規模よりも商品力とブランドだと読めます
- 名鑑に載せた3件のほか、決算短信にはM&Aで取得した業態として「麺屋たけ井」(株式会社竹井、14店舗・売上13億100万円)、「博多もつ鍋前田屋」(株式会社LFD JAPAN、9店舗・売上11億9,700万円)、「らーめん小僧」(株式会社KOZOU、7店舗・売上3億500万円)も出ています
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社me
スパイスカレー店「旧ヤム邸」の運営(大阪3店舗・東京2店舗)/大阪府大阪市/2020年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株主構成は非開示(創業者の植竹大介氏が代表取締役)/記載なし。「今期の当社連結業績への影響は軽微」とのみ開示
買収理由:ブランド力の高いスパイスカレー業態の取得
資本金900万円、設立5年あまり、5店舗の会社です。同じカレーでも、本業のチェーンとは正反対の「こだわりの個人店」系の業態を、そのまま買っています。大手チェーンにとって、自社では作れない尖ったブランドは買う理由になります。
株式会社GAKU
夜パフェ専門店「パフェテリア パル」等の運営(9店舗、うちFC1店舗)/北海道札幌市/2010年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株主構成は非開示(創業者の橋本学氏が代表取締役)/記載なし。「今期の当社連結業績への影響は軽微」とのみ開示。なお2026年2月期の連結キャッシュ・フロー計算書には「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」13億600万円があり、同期中の株式取得として開示されたのはGAKUのみ(この額は取得価額から対象会社の現金を差し引いた純額で、取得価額そのものではない)
買収理由:商品力・成長性の高い夜パフェ業態の取得
資本金100万円の会社です。2015年に札幌で開いた「夜パフェ専門店」を9店舗まで育てたところで譲渡しています。カレーとは関係のない業態でも買われており、買い手が見ているのは業種より「行列ができるかどうか」だと分かります。開示上の金額はありませんが、同じ期の子会社株式取得の支出は13億円規模でした。
2026年2月期の決算短信の国内業態別出店状況に「(株)GAKU パフェテリア パル 他」9店舗として記載されています。
有限会社大黒商事
ジンギスカン専門店「成吉思汗 大黒屋」1店舗の運営/北海道旭川市/2006年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:織田賢児90.0%、ほか3名10.0%(個人4名)/相手方との協議により非公表。第三者算定機関の評価等を勘案して決定
買収理由:繁盛店の多店舗展開。創業者が年齢を考え、多店舗化の夢を託した
旭川の1店舗だけ、資本金300万円の有限会社です。開示文には、創業者が「多店舗展開の夢」を持ちながら「ご自身の年齢に鑑みて、自らの夢の実現を当社に託すことを決断」したと書かれています。その後、大黒屋は11店舗・店舗売上19億2,500万円(2026年2月期)まで増えました。後継者がいなくても、自分の店を広げてくれる相手に渡すという出口があることを示す例です。
2026年2月期の決算短信の国内業態別出店状況に「(株)大黒商事 大黒屋」11店舗として記載されています(表記は有限会社ではなく株式会社)。
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本ページは株式会社壱番屋が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日