株式会社ハークスレイのM&A実績
「食のインテグレーション企業」を掲げ、生産・加工・物流・消費までを自社グループでそろえる方向で買っている会社です。開示では「M&Aを活用し、食の領域でコングロマリット経営を推進する」と方針を明言しています。対象は売上70億円台の食品メーカーが中心で、売り手は投資ファンドや持株会社でした。仕出し料理の会社や植物工場など、業績を開示しない小さめの案件もあります。
株式会社ハークスレイが公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 大阪府大阪市
- 設立
- 1980年3月
- 事業内容
- 持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」のフランチャイズ本部を軸に、飲食店向けの店舗リース・不動産、物流・カミッサリー、中華惣菜や菓子の製造までを手がける食品グループ
- 売上高
- 524億2,700万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 30億5,700万円
- 純資産
- 258億1,200万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 中華惣菜(焼売・餃子・春巻)の製造/落花生・ナッツ・豆菓子の製造販売/仕出し料理・ケータリング/植物工場での野菜生産
- 対象の規模
- 対象の売上 73億円〜78億円(業績が開示された2件。味工房スイセンとJリーフは非開示)
- 手法
- 株式譲渡で100%を取得(子会社化)。買収資金は自己資金と開示した案件もある
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。2026年3月期の決算短信にも、ホソヤコーポレーション、稲葉ピーナツ、谷貝食品の名前が事業の説明に出てきます。
- 取得価額が出ているのは稲葉ピーナツとアイファクトリーの2件だけです(合計43億5,000万円)。ほかは「相手先の意向」「守秘義務契約」で非開示でした
- 非開示の案件でも「第三者機関の株式価値算定をもとに双方協議の上で決定」と、決め方は書かれています
- 基本合意まで進んで破談した例があります。2018年12月に「おこわ米八」を持つ株式会社メイテンスの90%取得で基本合意しましたが、2019年3月に「株式取得の諸条件等についての協議が進まなかった」として終了しています
- ホソヤコーポレーションの取得は、公正取引委員会への届出と審査を経てから実行されました。売上70億円規模の会社を買うと、こうした手続きが入ることがあります
買収の履歴5件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
Jリーフ株式会社
完全人工光型植物工場(成田ファーム)でのリーフ系レタスの生産・販売/千葉県山武郡芝山町
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:非開示/非開示。同日のQ&Aで「買収資金は自己資金でまかなう」と開示。2026年3月期の連結業績への影響は「軽微」
買収理由:農業分野への進出。生産から小売までの食のバリューチェーンをそろえる
日産3万株(約4トン)、28段の栽培棚という設備を持つ植物工場です。業績も株主も開示されていませんが、Q&Aでは「他の植物工場より栽培日数が短い」「首都圏へのアクセスが良い」と、買い手が何を評価したかを具体的に書いています。グループの人材紹介会社で人手不足を補うことも、シナジーとして挙げられています。人手の確保に悩む製造業にとっては、こうした買い手の機能も売る理由になります。
株式取得日は2026年3月31日(予定)と開示されましたが、2026年3月期の決算短信にJリーフの名前はなく、取得の実行を確認できる開示は手元にありません。
株式会社ホソヤコーポレーション
焼売・餃子・春巻などの中華惣菜の製造・販売(「贅沢焼売」はチルド焼売の国内シェア1位)/千葉県佐倉市/2023年11月(事業の創業は1907年)設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 73億3,700万円
- 対象の営業利益
- 4億6,300万円
- 対象の純資産
- 15億5,600万円
決算期:2024年9月期/譲渡前の株主:J-GIA2号投資事業有限責任組合89.6%、JG II (Cayman), L.P. 10.4%(日本成長投資アライアンスが運営する投資ファンド)/株式取得の相手先との守秘義務契約に基づき非開示
買収理由:安定成長が見込まれる惣菜市場での地位確立と、製造拠点・販路の相互活用
売上73億3,700万円・営業利益4億6,300万円・純資産15億5,600万円。営業利益は1億6,400万円→3億100万円→4億6,300万円と3期続けて伸びています。売り手は投資ファンドで、創業1907年の老舗をファンドが一度持ち、その後に事業会社へ渡した流れです。修正EBITDA(一時費用を足し戻した数字)8億9,000万円も開示されており、買い手が見ていたのは利益の伸びとブランドの強さだと読み取れます。
2024年12月13日に取得済み。2026年3月期の決算短信に「2024年12月に子会社化した㈱ホソヤコーポレーション」として社名が出ています。
株式会社アイファクトリー
食品、菓子、珍味類の販売(直近2期は売上ほぼゼロ)/岐阜県岐阜市/1991年3月設立
- 取得価額
- 2億4,100万円
- 対象の売上
- 1円未満
- 対象の営業利益
- 1円未満
- 対象の純資産
- 2億4,100万円
決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:合同会社稲葉ピーナツホールディングス(東京都新宿区)が100%保有/稲葉ピーナツ(4,109百万円)と合わせた合計は概算4,350百万円
買収理由:稲葉ピーナツと一体での取得
売上は5,700万円→0円→0円、営業利益は「▲0百万円」(100万円未満の赤字)で、総資産と純資産がともに2億4,100万円。事業はほぼ止まっていて、取得価額2億4,100万円は純資産とちょうど同額です。事業の中身ではなく、会社が持っている資産を帳簿の値段で引き取った形と読めます。本体と一緒に、休眠に近い関連会社も整理して渡せることを示す例です。
取得から1年以上たっていますが、その後の決算短信やQ&Aに社名は出てこず、合併などの開示も手元にありません。
稲葉ピーナツ株式会社(子会社の株式会社谷貝食品を含む)
落花生・ナッツ・豆菓子の製造販売、ドライフルーツなどの販売。子会社の谷貝食品(茨城県筑西市)は木の実・乾き物の卸/岐阜県岐阜市/1952年12月設立
- 取得価額
- 41億900万円
- 対象の売上
- 77億9,200万円
- 対象の営業利益
- 8億8,000万円
- 対象の純資産
- 35億5,300万円
決算期:2022年1月期/譲渡前の株主:合同会社稲葉ピーナツホールディングス(東京都新宿区)が100%保有/同時に取得したアイファクトリー(241百万円)と合わせた合計は概算4,350百万円
買収理由:落花生・ナッツの商品作りが自社のミッションと中期経営計画に合うため。グループ拡大による多事業化
取得価額41億900万円が開示されています。売上77億9,200万円・営業利益8億8,000万円・純資産35億5,300万円に対し、営業利益の約4.7倍、純資産の約1.2倍の値段です。営業利益は6億7,600万円→5億6,600万円→8億8,000万円と、いったん下がって戻した局面での譲渡でした。株主は個人ではなく持株会社(合同会社)で、その持株会社が子会社2社をまとめて売っています。
株式会社味工房スイセン
仕出し料理の販売、法事・宴会・会合の企画運営、飲食店の経営/東京都品川区/1991年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:非開示/相手先の意向により非開示。第三者機関の株式価値算定をもとに双方協議の上で決定
買収理由:仕出し・ケータリング事業の強化と発展
資本金7,000万円。業績も価格も非開示で、開示基準に当たらない規模でしたが、任意で開示が出されています。価格を伏せたいという売り手の意向が通っており、上場企業に売っても条件を公表されずに済む例です。
2019年12月9日に取得済み。2026年3月期の決算短信には中食事業の中に「ケータリング部門及びセレモニー部門」がありますが、社名は出てこず、存続を確かめられる開示は手元にありません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社アイファクトリー2億4,100万円※営業利益ほぼゼロでの譲渡
- 稲葉ピーナツ株式会社(子会社の株式会社谷貝食品を含む)41億900万円(売上の0.53倍・営業利益の4.7倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社ハークスレイが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日