株式会社イエローハットのM&A実績
カー用品の全国チェーンが、店舗1つ、整備工場1つといった単位で、地域の同業を個人オーナーや創業家から引き取ってきた会社です。2013年の京都のカー用品店1店舗、2014年の埼玉のバイク販売チェーン、2020年の川崎の民間車検工場、2025年のスポーツサイクルチェーンと、件数は多くありませんが、本業の周辺を少しずつ買い足しています。中期経営計画では「クルマの総合メンテナンス企業」を掲げ、車検・整備の拡大を打ち出しています。
株式会社イエローハットが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都中央区
- 設立
- 1962年3月
- 事業内容
- カー用品店「イエローハット」、二輪用品店「2りんかん」、スポーツサイクル店「ワイズロード」などの店舗網によるカー用品・二輪用品等の販売と、グループ向けの賃貸不動産
- 売上高
- 1,712億8,000万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 150億8,700万円
- 純資産
- 1,238億9,700万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- カー用品店/二輪車両の販売/自動車の整備・民間車検工場/スポーツサイクルの販売
- 対象の規模
- 対象の売上が開示されたのは1件のみ(バイク販売チェーンのウィル、売上73億円)。ほかは従業員10名の1店舗、資本金1,500万円の整備工場など
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)が中心。店舗だけを引き取る事業譲受、自社株を対価にする株式交換も使う
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 引き取った店舗をイエローハットの屋号に替えて運営したり(2013年のあしだ)、買った会社の社名に「イエローハット」を付けたり(2026年にワイ・インターナショナルが「ワイズロード・イエローハット」へ社名変更)と、グループの看板に寄せていく傾向があります。店名・社名がそのまま残るとは限りません。
- 取得価額はすべて非開示です。溝ノ口自動車では「相手先との協議により非開示」、対象の業績も非開示でした
- 株式交換で買ったウィルでは、第三者算定機関の評価レンジ(収益還元方式で769〜1,031)のいちばん下の769で交換比率が決まっています。売り手が受け取ったのは現金ではなくイエローハットの株式でした
- ワイ・インターナショナルの取得では、のれん14億7,500万円とマーケティング関連資産(ブランド等)12億8,800万円を計上しています(2026年3月期決算短信)。店名・ブランドに値段がついたことが読み取れます
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社ワイ・インターナショナル
スポーツサイクルチェーン店「ワイズロード」の運営
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
非開示(取得時の開示本文は未確認)。2026年3月期決算短信によると、確定後ののれんは14億7,500万円(暫定時は23億7,100万円)。ほかにマーケティング関連資産12億8,800万円を無形固定資産として計上し、いずれも20年で償却
買収理由:取得時の開示本文は未確認。2026年3月期決算短信ではスポーツサイクルチェーン「ワイズロード」の連結取り込みとして記載
企業結合日は2025年1月31日。のれんとは別に、ブランドなどのマーケティング関連資産として12億8,800万円が計上されています。「ワイズロード」という店名そのものに値段がついた形です。一方で2026年1月には社名が「ワイズロード・イエローハット」に変わり、買い手の名前が入りました。店名は残しつつ、会社としてはグループの看板に寄せた例です。
2026年1月1日付で「株式会社ワイズロード・イエローハット」へ社名変更し、連結子会社として残っています(2026年3月期決算短信)。
溝ノ口自動車株式会社
自動車の整備・修理(関東運輸支局長指定の民間車検工場)、自動車部品・自動車保険の販売/神奈川県川崎市/1961年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人株主(秘密保持の観点から氏名・持株比率は非公開)/相手先との協議により非開示。デューデリジェンスを実施のうえ双方協議で決定
買収理由:車検・鈑金・整備の技術向上と、ピットサービス収益の拡大
1961年創業、資本金1,500万円の町の民間車検工場です。業績も金額も非開示ですが、取得理由に「高い整備技術と経験」が挙げられています。整備士と指定工場の認可という、人と資格の蓄積が買われた例です。カー用品チェーンが車検・整備を伸ばそうとしているとき、指定工場を持つ整備会社は買い手の側から求められる立場にあります。
2020年10月1日に株式譲渡実行予定として開示されましたが、その後の決算短信に社名の記載はなく、存続・合併を確認できていません。
株式会社ウィル
二輪車両の販売・修理・輸出入(「バイカーズステーションSOX」25店舗)/埼玉県川口市/1991年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 72億9,900万円
- 対象の営業利益
- 3億700万円
- 対象の純資産
- 12億1,300万円
決算期:2013年10月期/譲渡前の株主:持株会社ウィルホールディングスが100%保有。交換前に同社を吸収合併し、佐藤隆一81.0%・佐藤千代子19.0%(個人2名)となる予定/株式交換比率はウィル1株にイエローハット769株。第三者算定機関(ベネディ・コンサルティング)の評価レンジは収益還元方式769〜1,031、類似会社比準方式675〜720で、収益還元方式の下限に決まった/交換前に切り出した不動産管理事業(2013年10月期売上127百万円)を含む数値
買収理由:二輪事業の強化。イエローハットの店舗開発力・資金力を入れ、バイク用品子会社ドライバースタンドとの共同出店を進める
売上72億9,900万円・営業利益3億700万円・純資産12億1,300万円。在庫6,000台を持つバイク販売チェーンでした。譲渡の前に、不動産管理事業と有利子負債(資産12億9,600万円・負債11億9,100万円)を新設分割で切り出し、創業家側の会社へ移しています。店舗の建物を持っていた持株会社も合併で整理し、株主を創業家2名にそろえてから交換に臨んでいます。不動産と借入を手元に残し、本業だけを渡す組み立ての実例です。対価は上場会社の株式でした。
2014年5月1日に効力発生予定として開示されましたが、2026年3月期決算短信に社名の記載はなく、その後の存続・合併を確認できていません。
株式会社あしだの店舗事業(カープロショップあしだ1店舗)
自動車用品の販売、自動車の修理・用品取り付け/京都府京都市/譲渡元の株式会社あしだは1989年3月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社あしだ(代表取締役 芦田稔。株主構成は非開示)/開示に記載なし
買収理由:近畿圏の販売網の強化。タイヤなど消耗品と車検などカーメンテナンスの拡充
資本金1,000万円・従業員10名の会社から、店舗1つだけを譲り受けた案件です。譲受け当日の2013年10月1日に屋号をイエローハットへ替え、子会社のアクティブが運営を引き継いで営業を続けると開示されています。会社は売らずに店だけを渡す、看板は替わるが店は続くという形です。
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本ページは株式会社イエローハットが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日