西華産業株式会社のM&A実績
機械の専門商社です。買収の件数は多くなく、開示が出ている国内の買収は約10年で3件。いずれも、もともと取引や合弁でつながっていた相手を買っています。三菱重工製エンジンの北海道総代理店(敷島機器)、三菱重工グループの舶用エンジン販売・サービス事業(セイカダイヤエンジン)、ドイツとタイで合弁を組んでいた塗装機械メーカー(旭サナック)です。対象は売上40億円超の規模が中心です。
西華産業株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都千代田区
- 設立
- 1947年10月
- 事業内容
- 発電設備、産業機械、ポンプ・バルブ・舶用エンジンなどを扱う機械の専門商社。子会社で製造・保守も手がける
- 売上高
- 1,084億8,500万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 80億3,100万円
- 純資産
- 547億8,400万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 舶用・陸用エンジンの販売・サービス/塗装機械・圧造機械など産業機械の製造
- 対象の規模
- 対象の売上 42億円〜142億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)。大企業の事業を新設会社に切り出してもらい、その株式を取得する形も使う
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。決算短信では敷島機器、セイカダイヤエンジン、旭サナックが主要子会社として業績つきで載っています。三菱重工グループから譲り受けた会社だけは、取得時に「セイカダイヤエンジン」へ社名を変えました。
- 旭サナックの取得価額180億円が開示されています。売上141億6,100万円・営業利益16億8,500万円・純資産69億300万円に対し、営業利益の約10.7倍、純資産の約2.6倍です
- 旭サナックの契約時の開示では、金額は「相手先の意向により」伏せられていました。取得完了の開示で金額が出ています
- 取引先・合弁相手など、すでに関係のある会社を買っています。仕入先や販売店として付き合いのある上場商社が、そのまま買い手候補になりうるということです
- 敷島機器は取得後も子会社として残り、売上は取得時の42億4,300万円から2026年3月期の48億6,200万円に増えています
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
旭サナック株式会社
塗装機械、圧造機械、精密洗浄・コーティング装置の開発・製造・販売・アフターサービス/愛知県尾張旭市/2021年11月(創業1942年7月)設立
- 取得価額
- 180億円
- 対象の売上
- 141億6,100万円
- 対象の営業利益
- 16億8,500万円
- 対象の純資産
- 69億300万円
決算期:2025年5月期/譲渡前の株主:NMC四号投資事業有限責任組合(日本みらいキャピタルが運営する投資ファンド)が100%保有/取得完了の開示(2025年12月1日)で取得価額18,000百万円と開示。契約時は「相手先の意向により」非開示だった。2026年3月期の決算短信では取得原価18,816百万円、別にアドバイザリー費用等73百万円、のれん11,517百万円(暫定、16年償却)。直前期の営業利益の約10.7倍、当期純利益の約16.2倍、純資産の約2.6倍
買収理由:ドイツ・タイでの合弁などで関係のあった相手。商社の販売ノウハウを活かし、販売と事業開発の両面で協働を深める
売上141億6,100万円・営業利益16億8,500万円・純資産69億300万円。営業利益は14億6,500万円→15億7,900万円→16億8,500万円と3期続けて伸びていました。売り手は創業家ではなく投資ファンドです。法人の設立は2021年11月で、創業1942年の会社をファンドが買い取ったあとの形と読めます。ファンドに一度売った会社が、4年ほどで取引先の上場企業に渡った例です。金額は契約時には伏せられていましたが、取得完了の開示で180億円と出ました。
2025年12月1日に取得完了。2026年3月期の決算短信で主要子会社として業績(1か月分)が載っており、決算月を12月に変更したと書かれています。
三菱重工グループの国内舶用エンジン販売・サービス事業(現・セイカダイヤエンジン株式会社)
国内の船舶用エンジンの販売・サービス、関連商品の販売/東京都新宿区/事業譲受のための新設会社(設立日は非開示)設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 82億円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2019年度(譲受事業)/譲渡前の株主:三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社と、その100%子会社の三菱重工エンジンシステム株式会社(事業会社)/非開示。「2021年3月期の業績に与える影響は軽微」とのみ開示/譲受事業の2019年度の売上高(82億円)。新設会社のため会社としての決算はない
買収理由:北海道で敷島機器が手がけていた舶用エンジン事業を全国に広げる
売上82億円、従業員170名、国内20拠点の事業。メーカーが販売・サービス部門を切り出し、取引のある商社に渡した案件です。4年前に買った敷島機器(三菱重工製エンジンの北海道総代理店)の事業を全国に広げる位置づけでした。2026年3月期のセイカダイヤエンジンの売上は86億300万円・営業利益6億2,300万円です。
2020年10月1日の取得完了と同時に、MHI舶用機械販売株式会社からセイカダイヤエンジン株式会社に商号を変更。2026年3月期の決算短信でも主要子会社として業績が載っています。
出典:三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社との船舶用エンジン販売・サービス事業の譲受に関する株式譲渡契約の締結について
敷島機器株式会社
内燃機関、漁撈機械、ディーゼル発電装置などの製造・販売・施設工事(三菱重工製エンジンの北海道総代理店)/北海道札幌市/1975年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 42億4,300万円
- 対象の営業利益
- 3億3,600万円
- 対象の純資産
- 24億2,700万円
決算期:2015年12月期/譲渡前の株主:筆頭株主は株式会社敷島屋(不動産賃貸業、敷島ホールディングスの100%子会社)56.9%。残りの株主は非開示/非開示。「第三者専門機関による株式価値算定結果等も勘案のうえ決定」。連結業績への影響は「軽微」
買収理由:敷島機器の事業拡大と、西華産業の北海道地区の支店とのシナジー
売上42億4,300万円・営業利益3億3,600万円・純資産24億2,700万円。取得の手順に特徴があります。筆頭株主の敷島屋が持つ5,500株は、譲渡の前日までに敷島機器自身が自社株買いで引き取り、西華産業は残りの3,640株だけを買って100%にしました。株主ごとに売り方を分けて100%の譲渡をまとめた例です。取得後も社名のまま残り、2026年3月期は売上48億6,200万円・営業利益2億7,000万円です。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 旭サナック株式会社180億円(売上の1.27倍・営業利益の10.7倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは西華産業株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日