3323東証スタンダード

レカム株式会社のM&A実績

ビジネスホンや複合機を中小企業に売る会社で、同じように地域で事務機・OA機器を売ってきた会社を買っています。静岡の複合機販売店、関西の情報通信機器販売会社に続き、2025年からは岩手の有限会社カワハラ事務機、秋田の老舗とみやと、東北の事務機販売店を続けて取得しました。売り手は創業社長など個人オーナーが中心で、開示文には「事業承継」の言葉がはっきり出てきます。

レカム株式会社が公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都渋谷区
設立
1994年9月
事業内容
中小企業向けにビジネスホン・複合機などの情報通信機器、LED照明・業務用エアコン、BPOサービスを販売する法人向けソリューション会社。ASEAN・中国でも事業を展開
売上高
130億8,800万円(2025年9月期(連結・IFRS))
営業利益
4億700万円
純資産
54億900万円

どんな会社を買っているか

買う業種
事務機・OA機器・オフィス用品の販売、リース、保守/ビジネスホン・複合機など情報通信機器の販売/LED照明・業務用エアコンなど省エネ商材の販売/住宅用太陽光発電システムの販売(のちに売却)/BPO(業務の受託)
対象の規模
対象の売上 800万円〜19.8億円(事務機販売店に限ると2.2億円〜19.8億円)
手法
株式譲渡(100%取得)が中心。事業譲受、一部(51%)だけの取得、現金と自社株を組み合わせた株式譲渡+簡易株式交換も使う
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社を社名のまま残す例(カワハラ事務機)と、社名を「レカム◯◯」に変えて既存子会社と組み替える例(R・S→レカムジャパンウエスト、アイ・イーグループ・エコ→レカムIEパートナー)の両方があります。不採算になった事業は手放しており、太陽光の産電は約3年後に事業ごと別の会社へ、回線取次のG・Sコミュニケーションズも約2年半後に売却しています。
  • 2018年までは取得価額をほぼ毎回開示していました。コスモ情報機器2億2,000万円、R・S/G・Sの2社で5億6,000万円、産電7億5,500万円と、事務機・通信機器販売店の相場観をつかむ材料になります
  • 2025年以降の東北2件は「秘密保持契約により非開示」に変わりました。ただし対象の3期分の業績は開示されています
  • 直近期が営業赤字の会社も買っています。カワハラ事務機は2025年7月期に営業損失1,494万円、産電は単体で3期連続の営業赤字でした
  • 海外ではシンガポール・マレーシアの照明・電気部品の卸売会社なども買っていますが、この一覧には国内の案件だけを載せています
  • 中国・大連のBPO会社に関するもの(2014年の大連新涛社の付け替えなど)はグループ内の整理なので載せていません

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年8月17日株式譲渡(3,906株)で過半数を取得した後、簡易株式交換(985株、レカム株865,000株を交付)で残りを取得し完全子会社化

株式会社とみや

文具・事務用品・オフィス家具・OA機器・教材・計量器などの販売(湯沢本社・秋田営業所・大仙営業所と小売店舗)/秋田県湯沢市/1965年10月(創業は寛政9年=1797年)設立

取得価額
―
対象の売上
19億7,900万円
対象の営業利益
150万円
対象の純資産
6億6,900万円

決算期:2026年5月期/譲渡前の株主:個人1名(富谷 栄助)に譲渡前までに全株式を集約(自己株式を除く100%)/非開示(株式取得先との秘密保持契約による)。第三者算定機関(ユニヴィスコンサルティング)の株式価値算定を参考に決定。対価の一部はレカムの自己株式865,000株

買収理由:東北エリアの事業基盤拡充の第二弾。官公庁・法人・個人の顧客基盤に情報通信機器や省エネ商材をクロスセルする。開示文に「とみやの事業承継の実現」と明記

創業229年、売上19億7,900万円・純資産6億6,900万円。一方で営業利益は546万円→124万円→153万円と、売上に比べて本業の利益はほとんど出ていません。開示文が取得の理由に挙げているのは、利益ではなく官公庁・法人・個人との長年の顧客基盤と地域の販売網です。代金の一部を買い手の株式で受け取り、売り手が譲渡後も株主として関わり続ける形を取っている点も参考になります。代表取締役社長は、株式譲渡の実行日に富谷氏から田丸安孝氏へ交代しています。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年9月4日に株式譲渡、9月7日に株式交換の効力が発生し、社名のまま完全子会社になりました。代表取締役社長は富谷栄助氏から田丸安孝氏に交代しています。

確認元:株式会社とみやの株式取得(子会社化)の完了及び簡易株式交換の効力発生(完全子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社とみやの株式取得(子会社化)及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ

2025年11月13日株式譲渡(100%取得、子会社化)

有限会社カワハラ事務機

事務機器・IT機器・オフィス用品の販売、リース、レンタル、保守/岩手県盛岡市/1980年5月設立

取得価額
―
対象の売上
3億9,100万円
対象の営業利益
△1,500万円
対象の純資産
1億9,000万円

決算期:2025年7月期/譲渡前の株主:個人1名(川原 康広)が100%保有/非開示(株式取得先との秘密保持契約による)。デューディリジェンスを実施し交渉で決定と説明

買収理由:東北地方への本格進出。官公庁・建設業・医療福祉施設などの顧客に自社商材をクロスセルする

資本金300万円の有限会社。売上は3億9,100万円前後で横ばい、直近の2025年7月期は営業損失1,494万円の赤字でした。それでも純資産1億9,000万円を積み上げており、岩手で45年続いた顧客基盤と保守体制が評価されています。赤字に落ちた年に売っても、上場企業への譲渡は成立します。レカムにとって東北初の拠点で、この9か月後に秋田のとみやを買う足がかりにもなりました。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年1月9日に株式取得が完了。レカムのグループ会社紹介ページに、社名のまま国内グループ会社として載っています。

確認元:レカム株式会社 グループ会社紹介

出典:有限会社カワハラ事務機の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年12月17日株式譲渡(100%取得、子会社化)

株式会社産電

住宅用太陽光発電システム・オール電化・蓄電池の訪問販売と施工(施工子会社2社を含む)/大阪府大阪市/1999年1月設立

取得価額
7億5,500万円
対象の売上
17億1,000万円
対象の営業利益
△3,900万円
対象の純資産
3億2,300万円

決算期:2018年1月期(単体)/譲渡前の株主:投資ファンド(ACAシナジー3号投資事業有限責任組合)が100%保有/アドバイザリー費用(概算)2百万円を加えた合計は757百万円。2018年11月の月次業績を検証したうえで確定。第三者機関の株式価値算定報告書をもとに決定/産電単体の数値。施工子会社2社を簡易的に連結した営業利益は31百万円と開示

買収理由:LED照明・業務用エアコンに続く環境関連事業の強化。太陽光販売のノウハウをASEANでも活用する

売上は22億3,000万円→19億6,600万円→17億1,000万円と3期続けて減り、単体では3期連続の営業赤字でした。それでも7億5,500万円、純資産の約2.3倍の値段が付いています。売り手は創業家ではなく投資ファンドで、ファンドの下で人事制度を変えて営業人員を増やし、業績を戻しつつある途中での譲渡でした。ただしレカムは約3年後に、この事業を手放しています(下の「その後」参照)。

買収後再売却2026年10月9日時点

コロナ禍で不採算になったとして、2021年9月に産電の太陽光発電システム等の販売事業をNEXTAGE GROUP傘下のMED Communicationsへ事業譲渡し、施工子会社の産電テクノの全株式もNEXTAGE GROUPへ売却しました。法人としての産電のその後は開示で確認できていません。

確認元:連結子会社の異動(株式譲渡及び事業譲渡)に関する譲渡契約書締結のお知らせ

出典:(開示事項の経過)株式会社産電の株式譲受完了のお知らせ

2018年3月19日株式譲渡(2社とも100%取得、子会社化)

株式会社R・S/株式会社G・Sコミュニケーションズ

デジタル複合機などの情報通信機器販売、光回線・NTT回線の取次、ホームページ制作、電力小売の販売/大阪府大阪市(R・S)、兵庫県尼崎市(G・S)/2006年3月(R・S)、2008年6月(G・S)設立

取得価額
5億6,000万円
対象の売上
19億5,300万円
対象の営業利益
1億800万円
対象の純資産
1億2,100万円

決算期:R・S 2018年1月期/G・S 2017年5月期/譲渡前の株主:個人(氏名・持株比率は「大株主が個人であるため」非開示)。2社とも同じ代表者/2社分の株式とアドバイザリー費用(概算)の合計額。第三者機関の株式価値算定報告書をもとに決定/R・S(2018年1月期)1,431百万円とG・S(2017年5月期)522百万円の単純合計。営業利益・純資産も同じく2社の単純合計

買収理由:西日本の直販営業網の強化。関西の約2万社の顧客基盤を取り込み、ビジネスホンやセキュリティ機器を上乗せ販売する

2社合計で売上19億5,300万円・営業利益1億800万円・純資産1億2,100万円。営業利益の約5倍、純資産の4倍強で売れています。G・Sは2期前まで債務超過(純資産マイナス2,000万円)で、譲渡直前の期にようやく0円まで戻した状態でした。開示文には、売り手側が「同業の大手の傘下に入り、採用や商材の支援を受けたほうが成長できる」と判断したことが書かれています。後継者問題だけでなく、成長のために売るという理由も通ります。

買収後不明2026年10月9日時点

R・Sは2019年に社名をレカムジャパンウエストに変え、グループ内の吸収分割で西日本の販売会社になりましたが、現在のグループ会社紹介ページには載っていません。G・Sは2020年11月に回線取次事業をライト通信へ、株式をアクセスオンラインへ売却しています(再売却)。

確認元:連結子会社の異動(株式譲渡及び事業譲渡)に関する基本合意書締結及び関係会社株式売却益計上(見込み)のお知らせ

出典:子会社の異動を伴う株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ

2017年12月18日株式譲渡。発行済株式の51.0%のみを取得(残り49%は売り手が保有を継続)

株式会社アイ・イーグループ・エコ

LED照明・業務用エアコンの販売/東京都豊島区/2017年11月(親会社から事業を切り出した新設会社)設立

取得価額
5億1,000万円
対象の売上
38億2,500万円
対象の営業利益
5億8,200万円
対象の純資産
―

決算期:2017年3月期(親会社での事業ベース)/譲渡前の株主:株式会社アイ・イーグループ(OA機器販売、光通信グループ)が100%保有/51%分の株式の取得価額。アドバイザリー費用等(概算)5百万円を加えた合計は515百万円。光通信との資本業務提携とセットの取引/新設会社のため決算実績はなく、親会社アイ・イーグループでの当該事業(LED照明・業務用エアコン販売)の売上

買収理由:光通信グループと共同で、法人向けLED照明・業務用エアコンの販売を拡大する

事業の売上は19億7,200万円→22億7,500万円→38億2,500万円と伸びていて、営業利益は5億8,200万円。売り手は事業を新会社に切り出し、その51%だけを売って49%を持ち続けました。伸びている事業を全部手放さずに、上場企業と組んで育てる形です。51%で5億1,000万円なので、100%換算でも営業利益の2倍弱という水準でした。

買収後社名変更2026年10月9日時点

2018年2月1日にレカムIEパートナー株式会社へ社名変更。現在もグループ会社紹介ページに国内グループ会社として載っています。

確認元:(開示事項の経過)株式会社光通信子会社からの株式譲受完了のお知らせ

出典:(開示事項の経過)株式会社光通信子会社との株式譲渡契約書締結に関するお知らせ

2015年12月11日事業譲受(オフィス家具販売事業のみ。障がい者自立支援事業は売り手に残る)

邦英株式会社のオフィス家具販売事業

オフィスのレイアウト企画、オフィス家具・OA機器の販売、内装工事/大阪府大阪市/分割元は1962年5月設立設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:野村欣也55.0%、野村綾子30.0%、野村幸三15.0%(個人3名)/開示に記載なし

買収理由:オフィス家具・内装などファシリティ分野への本格参入。直営店でノウハウを蓄積し、FC店へ展開する

創業1962年の大阪の会社から、オフィス家具販売の事業だけを切り出して譲り受けた案件です。売り手は家族3名が株主の会社で、もうひとつの事業(障がい者自立支援事業)は手元に残しました。金額・業績とも開示はありませんが、長年の取引先との関係と、移転・新設の情報をいち早くつかむ営業力が評価されたと開示文にあります。

買収後不明2026年10月9日時点

2016年1月4日にレカム本体が事業を譲り受けました。その後この事業がどの会社に引き継がれたかは、開示で確認できていません。

確認元:オフィス家具販売事業の事業譲り受けに関するお知らせ

出典:オフィス家具販売事業の事業譲り受けに関するお知らせ

2015年6月12日株式譲渡(100%取得、完全子会社化)

株式会社コスモ情報機器

デジタル複合機などの情報通信機器の販売・保守/静岡県静岡市/1984年4月設立

取得価額
2億2,000万円
対象の売上
2億1,500万円
対象の営業利益
1,700万円
対象の純資産
8,000万円

決算期:2014年9月期/譲渡前の株主:川嶋秀史80.0%、川嶋眞理20.0%(個人2名)

買収理由:創業社長の事業承継問題の解決。仕入先の統合によるスケールメリットと、ビジネスホン・UTMなど自社商材の上乗せ販売

売上2億1,500万円・営業利益1,700万円・純資産8,000万円の複合機販売店が、2億2,000万円で売れています。営業利益の約13倍、純資産の約2.75倍です。営業利益は2,300万円→1,800万円→1,700万円と少しずつ下がっていましたが、静岡で30年続いた老舗として評価されました。開示文には「潜在的に抱えていた事業承継問題」とはっきり書かれており、事業承継に悩む事務機販売店の出口として機能した例です。

買収後不明2026年10月9日時点

現在のグループ会社紹介ページには社名がありません。合併や売却の開示は確認できておらず、その後の扱いは不明です。

確認元:レカム株式会社 グループ会社紹介

出典:株式会社コスモ情報機器の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

2014年4月22日株式譲渡(100%取得、子会社化)。中国の子会社も孫会社として取得

株式会社ニューウェイブビジネスソリューション

BPO(業務の受託)。中国・大連に子会社(大連新涛諮詢服務有限公司)を持つ/東京都千代田区/2010年8月設立

取得価額
2,000万円
対象の売上
800万円
対象の営業利益
△100万円
対象の純資産
3,200万円

決算期:2013年7月期/譲渡前の株主:梅本隼三82%、株式会社ウメモトマテリアル18%/概算額。2014年4月末の会計帳簿に基づく評価額で確定するとしていた

買収理由:別々に行っていた中国でのBPO事業を統合し、受託業務と従業員を引き継ぐ

売上800万円・営業損失100万円・純資産3,200万円という、立ち上げたものの伸びきらなかった事業です。価格は帳簿上の評価額で決めるとされ、概算2,000万円と純資産を下回る水準でした。本業(アスファルトなどの資材販売)とは別に始めた新規事業を、同じことをしている上場企業にまとめて引き取ってもらった形です。のれん代は付かなくても、従業員と受託業務を引き継いでもらえるという出口です。

買収後不明2026年10月9日時点

2014年5月に取得し、同年9月に中国の子会社をレカムの直接保有に付け替えています。現在のグループ会社紹介ページには社名がなく、その後の扱いは開示で確認できていません。

確認元:当社子会社(孫会社)の株式取得に関するお知らせ

出典:子会社の異動(取得)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された5件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社産電7億5,500万円(売上の0.44倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社R・S/株式会社G・Sコミュニケーションズ5億6,000万円(売上の0.29倍・営業利益の5.2倍)
  • 株式会社アイ・イーグループ・エコ5億1,000万円(売上の0.13倍・営業利益の0.9倍)
  • 株式会社コスモ情報機器2億2,000万円(売上の1.02倍・営業利益の12.9倍)
  • 株式会社ニューウェイブビジネスソリューション2,000万円(売上の2.50倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはレカム株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日