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株式会社フロンティアインターナショナルのM&A実績

イベント・プロモーションの会社が、広告・デジタル・映画館広告といった周辺の専門会社を買い足している会社です。決算短信でも「M&A戦略の着実な遂行」を業績の要因に挙げています。売り手はいずれも創業者・経営者個人で、全件で取得価額を開示しています。特徴は、100%ではなく50〜90%だけを買う形が多いことです。

株式会社フロンティアインターナショナルが公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都港区
設立
―
事業内容
企業のプロモーションイベント、ポップアップストア、店頭販促などの企画・運営。グループでデジタル広告、人材派遣、コンサルティングも手がける
売上高
299億4,800万円(2026年4月期(連結))
営業利益
21億円
純資産
103億4,400万円

どんな会社を買っているか

買う業種
広告・プロモーション/デジタルマーケティング/映画館広告(シネアド)/人材派遣・店舗運営受託/システム開発
対象の規模
対象の売上 4億円〜39億円
手法
株式譲渡(子会社化)。発行済株式の50.2%〜90%を取得し、残りは元のオーナー側が持ち続ける形が中心。少額出資から事業譲受に進んだ例もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名を残してグループ会社として並べています。2024年のシネブリッジ取得の開示では、2023年に買ったガイアコミュニケーションズを、自社で設立した会社と並べてグループの専門機能として紹介しています。
  • 取得価額を全件で開示しています。3,000万円(ヴァンクラフト)から5億円(NPU)まで、4件すべてで金額が出ています
  • 全株ではなく過半数〜9割だけを買うのが基本です。ガイア66.7%、シネブリッジは追加で52.94%(合計76.47%)、ヴァンクラフト90%、NPU50.2%。売り手が株を一部持ったまま残る形になります
  • 営業赤字の会社も買っています。ヴァンクラフトは3期連続の営業赤字で、純資産も2期前まではマイナスでした
  • シネブリッジは、もともと23.52%を持っていた取引先を買い増して子会社にした案件です。取引や出資の関係から買収に進む流れが見えます

買収の履歴5件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年6月10日事業譲受

株式会社KT Partnersのデジタルソリューション事業

システムの開発・保守(アプリ開発、デジタルサイネージシステム等)/東京都港区/2024年1月設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社KT Partners(2025年3月に当社が20%を取得済み。同社の大株主は取得時点で土屋繼90%、個人2名各5%)/非開示。適時開示基準に該当しない任意開示で、開示事項を一部省略していると明記

買収理由:アプリ開発やデジタルサイネージシステムの開発・運用力を取り込み、リアルとデジタルを掛け合わせた提案力を高める

KT Partnersには2025年3月に3,500万円で20%を出資していました(持分法適用関連会社化)。その約1年2か月後、会社ごとではなくデジタルソリューション事業だけを引き取っています。まず少額出資で関係をつくり、合う事業だけを後から譲り受けるという段階を踏んだ形です。業績や金額は省略されています。

買収後不明2026年10月12日時点

事業譲受の実行日は開示されておらず、その後の経過を示す開示も手元にありません。

確認元:事業譲受に関するお知らせ

出典:事業譲受に関するお知らせ

2025年8月28日株式譲渡(子会社化)。発行済株式の50.2%を取得

NPU株式会社

広告業(ファッション分野のトップブランドのイベント演出・空間プロデュース)/東京都港区/2007年1月設立

取得価額
5億円
対象の売上
20億9,800万円
対象の営業利益
1億4,700万円
対象の純資産
6億9,700万円

決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:浅野 則之 95.5%、自己株式4.5%(株式取得の相手先は秘密保持の合意により非開示)/50.2%分の価格。アドバイザリー費用等(概算)12百万円を加えた合計は512百万円。100%に換算すると約996百万円で、純資産697百万円の約1.4倍、営業利益147百万円の約6.8倍

買収理由:ラグジュアリー領域のクリエイティブ力とブランド理解を取り込み、ブランディングから実行までを一括で提供する体制をつくる

売上20億9,800万円・営業利益1億4,700万円・純資産6億9,700万円。この会社の案件で最大の5億円です。売上は30億3,900万円→19億2,900万円→20億9,800万円と一度大きく落ちていますが、純資産は4億5,000万円→6億9,700万円と積み上がっていました。買われたのは50.2%で、残りは売り手側に残る形です。世界の高級ブランドという顧客基盤そのものが評価されたと開示から読み取れます。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年4月期決算短信で、期中に新規連結した子会社として社名が挙がり、次期は通期で業績に寄与する前提と書かれています。

確認元:2026年4月期決算短信[日本基準](連結)

出典:NPU株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年3月31日株式譲渡(子会社化)。発行済株式の90%を取得

株式会社ヴァンクラフト

デジタルマーケティング支援(プロモーション、グラフィック、映像、キャンペーンサイト、ECサイト)/東京都港区/1989年7月設立

取得価額
3,000万円
対象の売上
4億60万円
対象の営業利益
△4,480万円
対象の純資産
690万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:榎本 有司 80%、榎本 桂子 10%、前川 英樹 10%(株式取得の相手先は秘密保持の合意により非開示)/90%分の価格。100%に換算すると約33百万円。売上の1割に満たない水準

買収理由:労働集約的なイベント事業の対極となるデジタルマーケティング機能を広げる

売上4億円・営業損失4,483万円・純資産690万円。営業赤字は3期連続で、しかも1,316万円→2,116万円→4,483万円と広がっていました。純資産も前々期まではマイナスです。それでも1989年設立の会社に3,000万円の値がついています。本業が赤字でも、買い手の事業に足りない機能を持っていれば値段はつきます。ただし価格は売上の1割未満で、赤字の分は金額に表れています。

買収後不明2026年10月12日時点

2025年4月30日に株式譲渡実行予定として開示されました。その後に社名が出てくる開示は手元になく、現状は確認できていません。

確認元:株式会社ヴァンクラフトの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社ヴァンクラフトの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年9月10日株式譲渡(追加取得で子会社化)。保有23.52%に52.94%を買い増して76.47%に

株式会社シネブリッジ

広告業(映画館でのシネアド、インシアタープロモーション)/東京都港区/2003年3月設立

取得価額
1億5,300万円
対象の売上
11億2,200万円
対象の営業利益
8,100万円
対象の純資産
4億3,800万円

決算期:2024年2月期/譲渡前の株主:長谷川 学 52.94%、株式会社フロンティアインターナショナル 23.52%、その他個人3名 23.54%(株式取得の相手先は秘密保持の合意により非開示)/追加取得した52.94%分の価格。アドバイザリー費用等(概算)3百万円を加えた合計は156百万円。100%に換算すると約289百万円で、純資産438百万円を下回る。開示でも負ののれんの発生を見込むとしている

買収理由:映画というコンテンツと体験価値の掛け合わせ。もともと資本・人・取引の関係があった会社

売上11億2,200万円・営業利益8,100万円・純資産4億3,800万円。売上は5億4,200万円→7億200万円→11億2,200万円と2年で倍増し、営業損益も赤字から8,100万円の黒字に転じた直後です。それでも価格は純資産を下回り、買い手側に負ののれん(割安に買えた利益)が出ています。すでに株主・取締役・取引先として深く関わっていた相手への売却で、買い手が1社しかいない状況だと、業績が伸びていても純資産より安くなることがある例です。

買収後不明2026年10月12日時点

2024年9月17日に株式譲渡実行予定として開示されました。その後に社名が出てくる開示は手元になく、現状は確認できていません。

確認元:株式会社シネブリッジの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社シネブリッジの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2023年12月19日株式譲渡(子会社化)。発行済株式の66.7%を取得

株式会社ガイアコミュニケーションズ

広告業(総合プロモーション、WEB広告)・労働者派遣業(店舗運営受託など)/東京都千代田区/1992年11月設立

取得価額
3億3,300万円
対象の売上
38億9,900万円
対象の営業利益
900万円
対象の純資産
1億4,500万円

決算期:2023年2月期/譲渡前の株主:蓮見 智威 55.5%、栗原 弘樹(代表取締役社長)38.1%、その他個人4名 6.4%(株式取得の相手先は秘密保持の合意により非開示)/66.7%分の価格。アドバイザリー費用等(概算)3百万円を加えた合計は336百万円。100%に換算すると約499百万円で、純資産145百万円の約3.4倍

買収理由:メディアプロモーションとWEB広告の制作・運用機能、店舗運営の人材プールを取り込む

売上38億9,900万円に対し、営業利益は900万円(利益率0.2%)、純資産1億4,500万円。利益はほぼ出ていませんが、純資産の3倍超の値段がついています。評価されたのは利益ではなく、広告と人材派遣の両方を持つ事業の幅と人材の厚みでした。薄利でも、売上規模と機能が買い手の事業にそのまま足りる会社は高く見てもらえます。社長が38.1%を持つ会社で、66.7%だけを譲る形でした。

買収後不明2026年10月12日時点

2024年9月のシネブリッジ取得の開示でグループ会社として社名が挙がっていますが、それ以降の確認はできていません。

確認元:株式会社シネブリッジの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社ガイアコミュニケーションズの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • NPU株式会社5億円(売上の0.24倍・営業利益の3.4倍)
  • 株式会社ヴァンクラフト3,000万円(売上の0.07倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社シネブリッジ1億5,300万円(売上の0.14倍・営業利益の1.9倍)
  • 株式会社ガイアコミュニケーションズ3億3,300万円(売上の0.09倍・営業利益の37.0倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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