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株式会社ユーグレナのM&A実績

健康食品・化粧品の通販ブランドを中心に、ネット通販、広告代理店、化粧品の受託製造、肥料メーカーまで買ってきた会社です。売り手の多くは創業者や創業家の個人で、対価は現金ではなく自社株(株式交換)が基本です。開示文では「当社グループ売上の成長は(中略)昨今のM&Aが牽引」と自ら書いています。

株式会社ユーグレナが公表した適時開示7件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都港区
設立
2005年8月
事業内容
微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)・クロレラを使った健康食品・化粧品の販売を軸に、化粧品ODM、バイオ燃料、肥料などを手がける
売上高
503億7,000万円(2025年12月期(連結))
営業利益
31億2,300万円
純資産
285億2,600万円

どんな会社を買っているか

買う業種
健康食品・化粧品の通販ブランド/化粧品のODM(企画から製造までの受託)/インターネット広告・デジタルマーケティング/有機肥料の製造販売/健康食品の素材(クロレラ製品)
対象の規模
対象の売上 7.2億円〜89億円
手法
簡易株式交換(自社株を対価にする)が中心。株式譲渡(現金)と組み合わせる形、事業譲受、ファンドとの共同出資会社(SPV)を通じた取得も使う
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。ただし合わなければ手放すこともあり、広告代理店のはこは2年弱で創業者に買い戻されています。グループ内で事業を寄せ直すこともあり、2025年には自社の遺伝子解析事業を買収先のジーンクエストへ移しています。
  • 取得価額を毎回はっきり開示しています。株式交換でも「1株あたり◯円」と円建ての評価額を先に決める「変動性株式交換比率方式」を使うため、売り手の受け取る価値が金額で読めます。8件中6件で金額が分かりました(残る2件は事業譲受とファンドとの共同取得)
  • 算定方法はほぼ毎回DCF法です。第三者の算定レンジ(例:サティス製薬は1株4,298円〜5,428円)の中で価格を決めた経緯まで書かれています
  • 対価が自社株なので、売り手はユーグレナの株主になります。サティス製薬の親会社だった綺麗創造ホールディングスは、2024年末時点でユーグレナの筆頭株主(9.65%)として開示に出ています
  • 営業赤字や債務超過の会社も買っています。フック(営業利益マイナス2,700万円)は18億円、債務超過のナユタは300円でした
  • 経営者に残ってもらう前提の買い方です。MEJでは「現金ではなく当社株式を対価」とした理由を、社長のコミットメントを高めるためと説明し、業績条件付きのストック・オプションも付けています

買収の履歴7件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年1月5日事業譲受

ジェファー株式会社の「ジェファー液」等の事業

健康食品(クロレラエキス「ジェファー液」、クロレラ粉末、バモント酢)の販売/東京都新宿区

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:ジェファー株式会社(代表取締役 升谷悦子)/非開示(プレスリリースのみで金額の記載なし)

買収理由:微細藻類の食品分野での用途拡大。製麺・冷凍食品メーカーへの販路を広げる

ジェファー液の原料は、ユーグレナ・グループの八重山殖産が作るクロレラから抽出したエキスでした。開示には「長年の取引関係を踏まえて、ジェファー社から当社による事業継承の意向を受けました」とあり、売り手のほうから仕入先に事業の引き継ぎを持ちかけた案件です。会社ごとではなく製品の事業だけを渡しています。後継者がいないとき、長年の取引先が引き受け手になり得ることを示す例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2026年1月5日に事業譲受の効力が発生。製品は品質を守ったうえでユーグレナが販売を続ける方針と開示されています。その後の事業の扱いに関する開示は確認できていません。

確認元:「ジェファー液」等に関する事業譲受のお知らせ

出典:「ジェファー液」等に関する事業譲受のお知らせ

2024年1月10日簡易株式交換(2社とも完全子会社化)。同じグループのナユタは現金で取得

株式会社サティス製薬・日本ビューテック株式会社

化粧品のODM(D2Cブランド向けの企画・開発・製造)/埼玉県吉川市(日本ビューテックは長野県駒ヶ根市)/1999年12月(日本ビューテックは1973年8月)設立

取得価額
119億6,500万円
対象の売上
89億1,100万円
対象の営業利益
14億6,000万円
対象の純資産
47億7,100万円

決算期:2022年12月期/譲渡前の株主:株式会社綺麗創造ホールディングスが2社とも100%保有(ナユタは同社80%、山﨑尋士氏20%)/1株あたりの評価額をサティス製薬4,600円、日本ビューテック150,000円と円建てで固定(変動性株式交換比率方式)。発行済株式数(2,275,000株・10,000株)を掛けると10,465百万円+1,500百万円。DCF法の算定レンジはサティス製薬1株4,298円〜5,428円、日本ビューテック144,065円〜177,916円。ナユタは1株1円、総額300円/サティス製薬(8,365百万円)と日本ビューテック(546百万円)の合算。ナユタ(279百万円・2023年5月期)は含まない

買収理由:化粧品の生産工場を持っていなかったため、ODM機能を獲得して企画から製造まで一貫させる

2社合算で売上89億1,100万円・営業利益14億6,000万円、取得価額は約120億円で営業利益の約8.2倍です。開示には、工場を自前で建てるには「資金だけでなく、多大な時間を要する」とあり、時間を買う目的がはっきり書かれています。同時に、一体で事業をしていた債務超過(純資産マイナス6,300万円)・3期連続営業赤字のナユタは総額300円で引き取られました。稼ぐ会社と赤字の関連会社をセットで渡す形の実例です。対価は株式なので、売り手の持株会社はその後ユーグレナの筆頭株主になっています。

買収後存続2026年10月13日時点

2024年2月1日に株式交換の効力発生予定と開示。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:簡易株式交換による株式会社サティス製薬及び日本ビューテック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ

出典:簡易株式交換による株式会社サティス製薬及び日本ビューテック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ

2022年5月27日簡易株式交換(完全子会社化)

株式会社はこ

インターネット広告代理店(通販企業向けの広告運用・LP制作・CRM企画)/東京都中央区/2015年7月設立

取得価額
15億円
対象の売上
22億4,300万円
対象の営業利益
1億8,900万円
対象の純資産
7億4,200万円

決算期:2021年6月期/譲渡前の株主:創業者の亀谷誠一郎氏が100%保有/1株15,000,000円×100株。DCF法の算定レンジは1株13,872,410円〜17,214,048円

買収理由:はこの広告・マーケティングのノウハウを、ユーグレナの直販事業と組み合わせる

売上22億4,300万円・営業利益1億8,900万円で、取得価額は営業利益の約7.9倍。算定の前提に「2022年6月期において営業利益は前期比44%減」と減益見込みが明記されたうえでの価格です。ところが2年弱後の2024年3月、ユーグレナは全株式を亀谷氏に6億円で売り戻すと発表しました。理由は「シナジー創出が想定よりも進捗していない」ことと、亀谷氏と経営方針で「意見の一致に至ることができず」だったこと。開示は広告事業を「人的依存度が高く」と書いています。社長個人に依存する会社は、売った後に買い戻しになることもあるという実例です。

買収後再売却2026年10月13日時点

2024年3月13日、ユーグレナは保有する全株式を代表取締役の亀谷誠一郎氏に600百万円で譲渡すると開示(実行予定は2024年6月28日)。それまでに配当500百万円を受け取っており、回収額は計1,100百万円。のれん等の減損として最大809百万円の特別損失を見込むとしています。

確認元:連結子会社の異動(株式譲渡)及び特別損失の計上に関するお知らせ

出典:簡易株式交換による株式会社はこの完全子会社化に関するお知らせ

2021年11月2日簡易株式交換(完全子会社化)

大協肥糧株式会社

有機配合肥料の製造販売(オーダーメイド肥料)/大阪府藤井寺市/1959年8月設立

取得価額
12億8,000万円
対象の売上
13億9,200万円
対象の営業利益
9,000万円
対象の純資産
6億2,400万円

決算期:2021年6月期/譲渡前の株主:瀧川真史氏43.3%、瀧川英人氏43.3%、その他個人株主13.4%/1株2,000,000円×640株。DCF法の算定レンジは1株1,806,000円〜2,064,000円

買収理由:ユーグレナを肥料に使う研究を事業化するため、有機肥料の製造ノウハウと販路(JA・商社・ホームセンター等)を得る

創業1959年、従業員18名、売上13億9,200万円・営業利益9,000万円の肥料メーカーです。取得価額は営業利益の約14倍、純資産の約2倍。営業利益は4,700万円→5,800万円→9,000万円と伸びていました。買い手は「みどりの食料システム戦略」で有機肥料の需要が増えると見ており、地方の地味な製造業でも、政策の追い風がある分野なら高く評価されることが読み取れます。株主は親族2名がほぼ半々で、個人株主が他にもいる形でした。

買収後存続2026年10月13日時点

2021年12月1日に株式交換の効力発生予定と開示。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:簡易株式交換による大協肥糧株式会社の完全子会社化に関するお知らせ

出典:簡易株式交換による大協肥糧株式会社の完全子会社化に関するお知らせ

2021年1月21日簡易株式交換(完全子会社化)

株式会社LIGUNA

スキンケアブランド「あきゅらいず」の企画開発・通信販売/東京都小金井市/2003年11月設立

取得価額
20億円
対象の売上
18億3,000万円
対象の営業利益
1億900万円
対象の純資産
6億7,600万円

決算期:2020年5月期/譲渡前の株主:南沢典子氏51.67%、松本毅史氏48.33%(個人2名)/1株333,334円×6,000株(約2,000百万円)。DCF法の算定レンジは1株299,000円〜360,000円

買収理由:ユーグレナの直販顧客基盤・資金力と、LIGUNAの商品開発力・ブランド力を組み合わせる

売上18億3,000万円、営業利益は7,800万円→マイナス3,300万円→1億900万円と年によって振れていました。取得価額は営業利益の約18倍で、この一覧の中でもっとも高い倍率です。算定の前提として、買収後の「広告宣伝費の合理化や一般管理費の見直し」で大幅な増益を見込むと書かれており、買い手のもとで削れるコストまで価格に織り込まれていることが読めます。売り手の南沢氏は、その後ユーグレナの大株主欄(0.65%)に名前が出ています。

買収後存続2026年10月13日時点

2021年3月1日に株式交換の効力発生予定と開示。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:簡易株式交換による株式会社LIGUNAの完全子会社化に関するお知らせ

出典:簡易株式交換による株式会社LIGUNAの完全子会社化に関するお知らせ

2019年5月8日簡易株式交換(完全子会社化)

株式会社MEJ

健康食品・化粧品のネット専業ブランド(「AGEST」など)/東京都港区/2008年11月設立

取得価額
7億円
対象の売上
7億2,100万円
対象の営業利益
5,700万円
対象の純資産
2億3,300万円

決算期:2018年9月期/譲渡前の株主:株式会社KOGA HOLDINGS 57.9%、古賀徹氏38.6%、その他3.5%/1株13,500円×51,850株(約700百万円)。DCF法の算定レンジは1株11,602円〜16,575円。別枠で、社長に業績条件付きのストック・オプションを割り当てる

買収理由:紙・テレビ中心だった直販に、デジタルマーケティングと若い顧客層を取り込む

従業員2名、売上7億2,100万円の会社です。この一覧で最小の案件ですが、取得価額は約7億円(営業利益の約12倍)でした。開示は、社長の古賀氏に経営を続けてもらうため「現金ではなく当社株式を対価として交付する株式交換方式」を選んだと説明しています。さらに「売上高20億円かつ営業利益1.2億円」などの達成を条件にしたストック・オプションも付けており、アーンアウトに近い仕組みです。社長の腕そのものが評価された例と言えます。

買収後存続2026年10月13日時点

2019年6月1日に株式交換の効力発生予定と開示。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:簡易株式交換による株式会社MEJの完全子会社化に関するお知らせ

出典:簡易株式交換による株式会社MEJの完全子会社化に関するお知らせ

2018年2月9日株式譲渡(44.5%を現金で取得)と簡易株式交換(残り55.5%)の組み合わせで完全子会社化

株式会社フック

サプリメント・健康食品のEC販売(葉酸サプリ「美的ヌーボ」など)/東京都渋谷区/2009年4月設立

取得価額
18億円
対象の売上
11億9,400万円
対象の営業利益
△2,700万円
対象の純資産
7,000万円

決算期:2017年3月期/譲渡前の株主:Girl From Mars B.V.(オランダ法人。冨安優太氏が100%保有)が100%保有/1株1,500,000円×1,200株。うち534株は現金801百万円、残り666株は株式交換(当社株963,036株)。DCF法の算定レンジは1株1,398,000円〜1,669,000円

買収理由:女性中心の顧客基盤とブランド力を、ユーグレナの通販基盤・商品開発力と組み合わせる

直前期は営業赤字(マイナス2,700万円)、純資産7,000万円でしたが、取得価額は18億円です。売上は7億2,100万円→9億9,200万円→11億9,400万円と伸びており、事業計画では2年後に営業利益2億7,500万円を見込んでいました。赤字でも売上が伸びていれば、将来の利益で評価される例です。また、対価の半分弱を現金、残りを株式で受け取る形で、売り手が現金と株を組み合わせて受け取ることも交渉できると分かります。

買収後存続2026年10月13日時点

2018年4月1日に株式交換の効力発生予定と開示。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式取得及び簡易株式交換による株式会社フックの完全子会社化に関するお知らせ

出典:株式取得及び簡易株式交換による株式会社フックの完全子会社化に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された6件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社サティス製薬・日本ビューテック株式会社119億6,500万円(売上の1.34倍・営業利益の8.2倍)
  • 株式会社はこ15億円(売上の0.67倍・営業利益の7.9倍)
  • 大協肥糧株式会社12億8,000万円(売上の0.92倍・営業利益の14.2倍)
  • 株式会社LIGUNA20億円(売上の1.09倍・営業利益の18.3倍)
  • 株式会社MEJ7億円(売上の0.97倍・営業利益の12.3倍)
  • 株式会社フック18億円(売上の1.51倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社ユーグレナが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日