5884東証グロース

株式会社クラダシのM&A実績

フードロス削減の通販を本業としながら、中期経営計画で「新規事業(M&A含む)」を成長の柱に掲げ、地方の老舗や個人が100%持つ会社を続けて買っている会社です。料理教室、冷凍弁当の宅配、電力小売、酒類の小売、ギフトの企画製造と、食まわりを中心に業種は広めです。売り手はいずれも個人オーナーまたはその会社で、2026年は5月から8月にかけて3社を買いました。

株式会社クラダシが公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都品川区
設立
―
事業内容
賞味期限が近い食品などを買い取って販売する通販サイト「Kuradashi」の運営。電力小売や系統用蓄電池などのエネルギー事業も手がける
売上高
37億6,400万円(2026年6月期(連結))
営業利益
1億円
純資産
19億6,700万円

どんな会社を買っているか

買う業種
冷凍弁当の宅配、オンライン料理教室/酒類・飲料の小売/オリジナルギフトの企画・製造・卸売/電力小売
対象の規模
対象の売上 2.7億円〜26億円
手法
株式譲渡が中心。全株を買うほか、70%だけを買う案件もある。売り手側の会社分割で、買う事業だけを新会社に移してから株を譲り受ける形も使う
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残しています。2026年6月期の決算短信では、クロスエッジ(冷凍弁当)とL'ATELIER de SHIORI(料理教室)が通期で業績に寄与したと書かれています。
  • 取得価額は、2024年のクロスエッジ(4億8,600万円)以外はすべて非開示です。ただし毎回「当社の純資産の15%以上に相当」と書かれます。直前期末の純資産はおよそ10億〜11億円なので、約1億5,000万円以上と読めます
  • アドバイザリー費用は毎回開示されます。3,100万〜4,000万円で、取得価額の下限(約1億5,000万円)と比べると2割を超える水準です
  • L'ATELIER de SHIORIでは「負ののれん」9,960万円を計上しています。取得価額が対象の純資産を下回ったということです
  • クロスエッジでは、会社ごと買ったあと、要らない事業を新会社に切り出して元のオーナーに1円で戻しています。売りたい事業と残したい事業を、取引の中で分けるやり方の実例です

買収の履歴5件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年8月6日株式譲渡(70%を取得)

株式会社みとわ

オリジナルギフトの企画・製造・卸売、群馬県名産品のカタログ販売、法人向けノベルティ/群馬県桐生市/1983年8月(創業1977年)設立

取得価額
―
対象の売上
10億3,700万円
対象の営業利益
6,500万円
対象の純資産
2億8,200万円

決算期:2025年12月期/譲渡前の株主:代表者(星野 一行)が100%保有。譲渡後も30%を持ち続ける/相手方の要請により非開示。「当社の純資産の15%以上に相当」。直前期末の純資産からみて約1億5,000万円以上と読める。アドバイザリー費用は35百万円(概算)。自己資金で取得

買収理由:ギフトの企画機能と卸売の販路を獲得し、フードロス対象品を使ったギフトをつくる

創業1977年、桐生の老舗です。売上は8億7,000万円→10億100万円→10億3,700万円と伸び、純資産も1億5,700万円→2億8,200万円と積み上がっていました。全株ではなく70%だけを売り、代表者は30%を持ったまま残る形です。大手卸売事業者との取引関係と商品企画・製造機能が評価されています。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年8月6日に株式を取得し、社名のまま子会社になりました(決算短信の重要な後発事象)。

確認元:2026年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社みとわの株式取得に関するお知らせ

2026年7月1日売り手が酒類等の販売事業を会社分割で新会社に移し、その全株式を取得

株式会社中村商事(有限会社中村商事の新設分割会社)

酒・飲料を中心とした小売/群馬県館林市/2026年6月(会社分割で新設。分割元は1980年創業)設立

取得価額
―
対象の売上
26億800万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
1億200万円

決算期:2026年3月期(事業単位)/譲渡前の株主:有限会社中村商事(中村剛氏が100%保有)が100%保有/相手方の要請により非開示。「当社の純資産の15%以上に相当」で、約1億5,000万円以上と読める。アドバイザリー費用は40百万円(概算)。金融機関からの借入で取得/新会社に移した酒類等販売事業の2026年3月期の売上

買収理由:酒・飲料の調達網と、地域のリアル店舗という販売の出口の獲得

創業1980年の館林の酒・飲料の小売で、事業の売上は26億800万円。説明資料ではEBITDAマージンは10%弱とされています。純資産1億200万円は、移した事業の資産14億9,200万円から負債13億9,000万円を引いた額です。分割元の有限会社には発電・売電などの事業が残り、酒類の小売だけが新会社ごと売られています。事業が複数ある会社が、一部だけを売る典型的な形です。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年7月1日に株式を取得し、子会社になりました(決算短信の重要な後発事象)。

確認元:2026年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:有限会社中村商事分割子会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2026年5月29日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社中京電力

高圧・低圧の電力小売/愛知県名古屋市/2020年8月設立

取得価額
―
対象の売上
7億2,500万円
対象の営業利益
3,400万円
対象の純資産
1億1,300万円

決算期:2026年2月期/譲渡前の株主:代表者(岩崎 藍)が100%保有/相手方の要請により非開示。「当社の純資産の15%以上に相当」で、約1億5,000万円以上と読める。アドバイザリー費用は40百万円(概算)。手元資金で取得

買収理由:電力小売事業への参入。系統用蓄電池事業との組み合わせ

設立6年、売上は4億7,000万円→6億5,200万円→7億2,500万円と伸びていました。営業利益は3,100万円→200万円→3,400万円と振れています。説明資料ではEBITDAマージン15%とされています。電力小売という本業から遠い分野でも、買い手の別事業(蓄電池)と組み合わせられれば買われます。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年6月9日に取得が完了し、社名のまま子会社になりました。

確認元:(開示事項の経過)株式会社中京電力の株式の取得(子会社化)の完了に関するお知らせ

出典:株式会社中京電力の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年6月25日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社L'ATELIER de SHIORI

料理家SHIORI氏によるオンライン料理教室、レシピ開発、商品開発/東京都渋谷区/2014年2月設立

取得価額
―
対象の売上
2億6,700万円
対象の営業利益
1億500万円
対象の純資産
4億5,100万円

決算期:2024年6月期/譲渡前の株主:代表者(竹内 史織)が100%保有/守秘義務により非開示。「当社の純資産の15%以上に相当」。直前期末(2024年6月期)の純資産10億4,300万円の15%=約1億5,600万円以上と読める。一方で負ののれん9,960万円が発生しており、対象の純資産を下回る価格だったことも分かる。アドバイザリー費用は37百万円(概算)

買収理由:食の社会課題の認知と、料理教室・レシピ開発の取り込み

売上2億6,700万円に対して営業利益1億500万円(利益率39%)、純資産4億5,100万円。売上は3億1,800万円→3億3,300万円→2億6,700万円と下がった局面でした。取得価額は下限が約1億5,600万円と読める一方、負ののれんが9,960万円出ています。つまり、厚く積み上がった純資産よりも安い値段で決まっています。個人の名前で成り立つ事業は、利益率が高くても値段が純資産を超えにくいことがうかがえます。

買収後存続2026年10月9日時点

2025年6月27日に取得し、社名のまま子会社として残っています。2026年6月期の決算短信では、料理教室事業が通期で業績に寄与したと書かれています。

確認元:2026年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社L'ATELIER de SHIORIの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年6月27日会社ごと株式を取得したあと、対象外の事業(広告運用など)を新設分割で新会社に移し、その全株式を元のオーナーに1円で譲渡

株式会社クロスエッジ(冷凍弁当の宅配「Dr.つるかめキッチン」事業)

栄養バランスを考えた冷凍弁当の宅配/東京都品川区/2012年2月設立

取得価額
4億8,600万円
対象の売上
6億6,300万円
対象の営業利益
7,000万円
対象の純資産
△4,800万円

決算期:2023年11月期(取得対象事業)/譲渡前の株主:個人2名(仲戸川 和人 50%、水野 真実 50%)/アドバイザリー費用等の概算31百万円を加えた合計額は517百万円。切り出した新会社(純資産4,900万円・営業損失7,400万円)の株式は、元のオーナーへ1円で譲渡/冷凍弁当事業(取得対象事業)の2023年11月期の数値。第三者算定機関の株式価値算定報告書上の想定数値

買収理由:成長市場である宅配弁当への参入と、食の総合ECとしての存在感の強化

会社全体では売上9億6,000万円・営業損失300万円・純資産100万円でした。その中から冷凍弁当の事業(売上6億6,300万円・営業利益7,000万円)だけに値段を付け、4億8,600万円。営業利益の6.9倍です。赤字の広告運用事業は新会社に移し、元のオーナーが1円で引き取りました。法人格を残したのは「事業承継後の運営を円滑にするため」と開示されています。黒字の事業と赤字の事業が同居している会社でも、黒字の側だけを評価して売れる例です。

買収後存続2026年10月9日時点

社名のまま子会社として残り、2026年6月期の決算短信では「Dr.つるかめキッチン」が通期で業績に寄与したと書かれています。

確認元:2026年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社クロスエッジの株式の取得による完全子会社化並びに、当該子会社の会社分割(新設分割)及び新設会社の株式譲渡に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社クロスエッジ(冷凍弁当の宅配「Dr.つるかめキッチン」事業)4億8,600万円(売上の0.73倍・営業利益の6.9倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社クラダシが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日