株式会社SHIFTのM&A実績
ソフトウェアテストの会社として始まり、2019年ごろから買収を一気に増やした会社です。自社で「これまで40件のM&Aを実施」と開示しています。中心は、社長や創業メンバーが株を持つ従業員数十〜数百人規模の受託開発会社・SES会社・SIerです。福岡、大阪、仙台、神戸、京都など地方の開発会社も買っています。2026年からは売上200億円規模のニッセイコムや、売上24億円のステップのように、大きめの会社にも対象を広げると表明しています。
株式会社SHIFTが公表した適時開示40件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- 2005年9月
- 事業内容
- ソフトウェアの品質保証・テストを起点に、コンサルティング、システム開発、ERP導入、セキュリティ、カスタマーサポートまでをグループで提供するIT企業
- 売上高
- 1,298億1,900万円(2025年8月期(連結))
- 営業利益
- 156億2,800万円
- 純資産
- 410億3,700万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 受託開発・SES・システムインテグレーション/ERP導入・業務システム/ITインフラ・ネットワーク構築/Web制作・デジタルマーケティング/ゲームのテスト・ローカライズ・3DCG制作/保険業界向けシステム開発/保育園の運営
- 対象の規模
- 対象の売上 4,400万円(事業単位)〜208億円。中心は2億〜15億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)が中心。傘下のALH、SHIFTグロース・キャピタル(M&A専門の子会社)、ホープス、DICOが買い手になる孫会社化も多い。会社分割で事業だけを買う形、事業譲受、一部だけ買って後から買い増す形も使う
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本で、2026年10月時点の公式サイトのグループ会社一覧にも、2016年に買ったメソドロジックや2020年に買ったナディア・xbsが載っています。ただし2025年以降はまとめる動きが目立ちます。KINSHAはSHIFT本体に吸収合併、Airitechはシムテック(現CRAFT MILES)に吸収合併、モズーはDICOに吸収合併されました。2026年9月には子会社15社の人事・経理などのバックオフィスをSHIFT本体へ集約する予定です。社名と現場は残っても、管理部門はグループに寄せられると考えておくのが現実的です。
- 取得価額を開示することが多い会社です。この名鑑に載せた40件のうち25件で金額が出ています。開示がない場合も「第三者算定機関による株式価値の算定結果を勘案し決定」と毎回書かれています
- 買う基準を自社で公表しています。①付加価値が高く単価向上が見込める ②顧客母集団を活用できる ③のれん負けせずすぐに利益貢献できる ④購入価格が割安、の4つです(2024年12月の開示)
- 倍率の手がかりも出ています。クラブネッツは「調整後EBITDAマルチプル6.4倍」、EQIQの人材紹介事業は算定レンジ(DCF法5.72億〜8.38億円、類似会社比較法8.2億〜10.16億円)まで開示したうえで10億円で取得しています
- アーンアウト(後払いの追加対価)を使うことがあります。リアルグローブ・オートメーティッドでは取得後の営業利益に応じて最大5,600万円、ナディア・xbsでも追加対価の条項が付いていました
- 全部買わずに一部だけ買い、後から買い増す形があります。Airitech(57.1%→株式交換で100%)、DICO(80%→100%)、クレイトソリューションズ(90.1%→100%)がその例です
- 営業赤字の会社も買っています。A-STAR(営業損失5,800万円)、サーベイジシステム(同380万円)、KINSHA(同1,100万円)など。分析屋は2期前に債務超過でした
買収の履歴40件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社ステップ
社会インフラ分野(航空・防衛・医療・金融・通信)の大規模システム開発・保守、IT教育/宮城県仙台市/1991年3月設立
- 取得価額
- 60億円
- 対象の売上
- 24億3,000万円
- 対象の営業利益
- 4億3,000万円
- 対象の純資産
- 18億9,600万円
決算期:2025年2月期/譲渡前の株主:役員及び個人の計17名(氏名は非公表)/「約6,000百万円」と開示。最終額は株式譲渡契約に基づく価格調整を経て確定
買収理由:仙台・東京・大阪の開発体制と、東北エリアのマネジメント層・エンジニア層の採用・育成力の取り込み
売上24億3,000万円・営業利益4億3,000万円(利益率17.7%)・純資産18億9,600万円。売上は19.5億→21.1億→24.3億円と伸び続けていました。価格は営業利益の約14倍、純資産の約3.2倍です。株主が役員・個人17名に分かれていても、全員から買い取る形で100%取得を目指しています。
2026年6月1日に取得実行予定と開示されましたが、取得完了を伝える続報は確認できていません。公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)にも社名は見当たりません。
株式会社ニッセイコム
業務アプリケーションパッケージ(製造業向け、大学・健康保険組合向け)の開発・販売、システム開発・保守/東京都中央区/1974年2月設立
- 取得価額
- 177億9,200万円
- 対象の売上
- 208億5,900万円
- 対象の営業利益
- 10億9,300万円
- 対象の純資産
- 53億7,800万円
決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:日精ホールディングス株式会社が100%保有。ジェイ・ウィル・パートナーズが運営するファンドの会社(ジェイ・ケイ・オー)が日精ホールディングスを買い、現物分配を経てSHIFT側へ譲渡/当初は約20,486百万円と開示。価格調整の結果、約17,792百万円で2026年4月1日に取得完了
買収理由:健康保険組合向けと首都圏以外での顧客基盤の拡大、開発力とテストサービスの組み合わせ
売上208億5,900万円、この一覧で最大の案件です。価格は当初の約205億円から、価格調整で約178億円まで下がって決着しています。契約時の金額がそのまま払われるとは限らない例です。営業利益には親会社への業務委託費約4億円が含まれており、「グループ参画後は発生しない」と開示されています。親会社に払っていた費用が消える分も、買い手は計算に入れています。
2026年4月1日に取得完了。公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)に社名が載っています。
確認元:(開示事項の経過)当社子会社(株式会社SHIFTグロース・キャピタル)を通じた株式会社ニッセイコムの株式取得の完了に関するお知らせ
出典:子会社(株式会社SHIFTグロース・キャピタル)を通じた株式会社ニッセイコムの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ
株式会社AXIS(エスコ・ジャパンの保険向けシステム開発事業)
国内の生命保険・損害保険業界向けシステム開発(ローコード開発基盤の導入コンサルティング等)/東京都新宿区/2026年1月(新設分割で設立)設立
- 取得価額
- 7億1,000万円
- 対象の売上
- 7億8,600万円
- 対象の営業利益
- 2億6,900万円
- 対象の純資産
- ―
決算期:2024年12月期(承継事業)/譲渡前の株主:エスコ・ジャパン株式会社(レインボーシステム株式会社68.9%、役員等31.1%)/承継する事業の2024年12月期の数値。新設会社のため確定した決算はない
買収理由:保険領域の拡大。保険会社向けに注力するホープスとの連携
事業の売上7億8,600万円・営業利益2億6,900万円に対して7億1,000万円。営業利益の約2.6倍で、この会社の案件では倍率が低めです。会社ごとではなく、国内の保険向け事業だけを新会社に切り出して売っています。大手保険会社との取引が安定している一方、「新規顧客向けの営業活動や人材採用における課題」があったと開示されています。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)に「株式会社SHIFT AXIS」が載っており、AXISが社名を変えたものと推定しています(商号変更の開示は確認していません)。
出典:子会社(株式会社SHIFTグロース・キャピタル)を通じたエスコ・ジャパン株式会社の新設分割会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
株式会社データウェイ・システムズ
ソフトウェアの設計・開発、システムコンサルティング/宮城県仙台市/1994年1月設立
- 取得価額
- 1億5,500万円
- 対象の売上
- 2億7,100万円
- 対象の営業利益
- 1,000万円
- 対象の純資産
- 1億2,600万円
決算期:2024年12月期/譲渡前の株主:個人株主7名(氏名は非公表)
買収理由:仙台をはじめとする東北エリアの顧客基盤強化
売上2億7,100万円・営業利益1,000万円・純資産1億2,600万円に対して1億5,500万円。純資産の約1.2倍で、純資産に近い価格です。営業利益は1,900万→1,600万→1,000万円と減っていました。大手SIerとの取引は安定していても「顧客需要に対してこたえきれない」、つまり人手が足りないことが譲渡の背景として書かれています。
2025年12月1日に取得予定と開示。公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
wonder wall株式会社のSES事業
SES(エンジニアの客先常駐による開発支援)/福岡県福岡市/譲渡会社は2018年12月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:wonder wall株式会社(中嶋 隆敦が100%保有)/非開示
買収理由:福岡エリアの供給体制の整備。ALHは福岡で1,000名規模の体制を目指す
設立7年、資本金300万円の会社から、SES事業だけを譲り受けています。金額も業績も開示されていません。買い手が「福岡で1,000名規模」と人数の目標を掲げている地域では、エンジニアを抱えていること自体が売り物になります。
事業譲受のため、事業はALHの中に取り込まれ、別の法人としては残りません(売り手のwonder wall株式会社自体は残ります)。2025年12月1日に譲受予定と開示されました。
クリブネット有限会社
システム開発・サポート、Webサイト設計開発、インフラ構築運用、大学のPC教育支援/大阪府枚方市/2002年5月設立
- 取得価額
- 1億5,000万円
- 対象の売上
- 2億1,500万円
- 対象の営業利益
- 1円未満
- 対象の純資産
- 2,500万円
決算期:2024年10月期/譲渡前の株主:個人1名(井上 雅弘)が100%保有
買収理由:大阪・関西エリアの顧客基盤強化
有限会社、資本金300万円、売上2億1,500万円で1億5,000万円の値段がついています。営業利益はほぼゼロでした。純資産は前期の1億300万円から2,500万円に減っています(理由は開示されていません)。大手メーカーとの安定した取引があり、エンジニアがいることが評価された案件です。
2025年11月1日に取得予定と開示。公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
株式会社モズー
3DCGアニメーション制作、モーションキャプチャー、キャラクターモデリング/東京都港区/2004年9月設立
- 取得価額
- 9,000万円
- 対象の売上
- 1億3,800万円
- 対象の営業利益
- 400万円
- 対象の純資産
- 5,000万円
決算期:2024年5月期/譲渡前の株主:個人1名(竹原 真治)。議決権100%(残り50%は自己株式)
買収理由:アニメ・ゲームのIPを起点にしたゲーム開発支援。DICOのゲーム開発のワンストップ化
売上1億3,800万円・純資産5,000万円で9,000万円。この会社の案件で最小額です。アニメやVTuberの人気タイトルに関わってきた実績が評価されました。ただし買われた日に合併される計画で、社名は残りません。
株式取得と同じ2025年3月1日にDICOが吸収合併する計画として開示されました。DICOは公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)に載っています。
株式会社KINSHA
家庭用ゲームのデバッグ(テスト)、ローカライズ、3D・グラフィック制作、人材派遣/京都府京都市/1968年5月設立
- 取得価額
- 12億7,200万円
- 対象の売上
- 10億5,200万円
- 対象の営業利益
- △1,100万円
- 対象の純資産
- 3億1,300万円
決算期:2024年4月期(単体)/譲渡前の株主:坂田晋一39.76%、坂田俊嗣30.12%、坂田泰子30.12%(親族3名)/1,271,991,000円
買収理由:コンシューマーゲーム市場の開拓。20年近いゲームテストの実績と人材
創業1968年の老舗。営業損失1,100万円の期に、純資産3億1,300万円の約4倍の12億7,200万円で売れています。営業損益は△4,100万→5,600万→△1,100万円と赤字と黒字を行き来していました。単年の赤字より、20年近い実績と経験者の多さが評価された例です。ただし約1年後にSHIFT本体へ吸収合併され、法人は消えています。
2025年3月に取得。2025年10月にSHIFTを存続会社とする吸収合併(効力発生日2025年12月1日予定)が決議されました。目的は「バックオフィスなど互いに保有する機能を共通化」とされています。
確認元:株式会社SHIFTグロース・キャピタルとの会社分割(簡易吸収分割)及び株式会社KINSHAの吸収合併(簡易吸収合併)に関するお知らせ
株式会社OZsoft
クラウドインフラ設計・構築、Javaのアプリケーション開発、システム運用、評価検証/東京都千代田区/2013年6月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億8,900万円
- 対象の営業利益
- 700万円
- 対象の純資産
- 8,800万円
決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:個人1名(橋本 隆雄)が100%保有/守秘義務のため非開示
買収理由:エンジニアの供給体制の強化
売上2億8,900万円・営業利益700万円・純資産8,800万円。利益は小さくても、売上は2.65億→2.79億→2.89億円と毎年伸びていました。社長1人が株を持つ設立11年の開発会社が、そのまま上場企業グループに入った例です。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
株式会社Phone AppliのLINER事業
LINE・SMSとSalesforceを連携させるアプリ(SaaS)/東京都港区/譲渡会社は2008年1月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社Phone Appli(非上場のSaaS企業)/非開示
買収理由:ERP・CRMコンサルティングのサービス強化と、SaaS型収益による収益の安定化
販売開始から約2年、導入100社以上のアプリ1本だけを切り出して売った案件です。会社全体ではなく、主力ではない製品を1つだけ手放すこともできます。金額・業績は開示されていません。
事業は既存子会社のADX Consultingに取り込まれる形です。ADX Consultingは公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)に見当たらず、その後の扱いは確認できていません。
株式会社マネージビジネス
システム基盤運用、システムインテグレーション、プロダクト開発/東京都大田区/1975年8月設立
- 取得価額
- 9億2,000万円
- 対象の売上
- 13億400万円
- 対象の営業利益
- 6,200万円
- 対象の純資産
- 5億7,900万円
決算期:2023年12月期/譲渡前の株主:役員持株会55.1%、従業員持株会27.4%、東京中小企業投資育成17.5%。持株会分は社長(檜物 茂)が集約してから譲渡/920,087,192円。開示上は100%取得の金額。うち東京中小企業投資育成が持つ17.5%は別途交渉とされていた
買収理由:「開発から運用」の実績と、継続案件の多い安定した顧客基盤
創業1975年、売上13億400万円・営業利益6,200万円・純資産5億7,900万円に対して約9億2,000万円(純資産の約1.6倍)。株が役員持株会・従業員持株会・投資育成会社に分かれていても、社長が持株会の分をまとめてから売る形で成立しています。2026年の開示では、代表は阿部和典氏に替わっています。
社名のまま残り、2026年5月の開示ではSHIFTグロース・キャピタルが100%保有(投資育成会社の分も取得済み)。同年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社クラブネッツ(子会社バリューワンを含む)
LINEを使った販促サービス、ポイントシステム(エネルギー業界に顧客多数)/東京都渋谷区/2004年9月設立
- 取得価額
- 57億5,000万円
- 対象の売上
- 13億2,800万円
- 対象の営業利益
- 4億7,700万円
- 対象の純資産
- 15億9,100万円
決算期:2023年6月期/譲渡前の株主:冨安仁と資産管理会社(合同会社TommyG)66.32%、役員22.48%、従業員等11.20%(個人22名)/調整後EBITDAマルチプル6.4倍と開示/クラブネッツの数値。子会社バリューワンは別に売上309百万円・営業利益105百万円
買収理由:「売れるサービス作り」の強化。顧客を定着させるノウハウとLINE販促の実績
売上13億2,800万円・営業利益4億7,700万円(利益率36%)・純資産15億9,100万円で57億5,000万円。「調整後EBITDAの6.4倍」と倍率を開示しています。解約率の低いポイントシステムと伸びているLINE販促という、繰り返し入ってくる売上を持つ会社は高く評価されます。2026年の開示では代表は冨安氏から蘆名真也氏に替わっています。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)に載っています。2026年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社ネットワールド
受託開発、セキュリティサービス、クラウド・ネットワーク構築と運用監視/東京都千代田区/1997年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 6億7,500万円
- 対象の営業利益
- 5,400万円
- 対象の純資産
- 1億7,300万円
決算期:2023年3月期/譲渡前の株主:塚原 誠ほか個人7名(持株比率は非開示)/相手先の希望により非開示
買収理由:ERP領域の開発・テスト需要に対応する供給力の強化
売上6億7,500万円・営業利益5,400万円・純資産1億7,300万円。営業利益は600万→1,500万→5,400万円と伸びていました。買収の開示の時点で「ホープスを存続会社とした合併に向け進める」と書かれており、社名が残らない前提の案件です。
ホープスとの合併が予定されていましたが、合併の完了を伝える開示は確認できていません。公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)にネットワールドの名はありません。
インフィニック株式会社
保育園の運営(企業主導型・認可小規模・認可の計4園)、保育事業のコンサルティング/神奈川県川崎市/2016年2月設立
- 取得価額
- 5億6,000万円
- 対象の売上
- 3億4,200万円
- 対象の営業利益
- 5,700万円
- 対象の純資産
- 1億2,800万円
決算期:2023年1月期/譲渡前の株主:個人1名(淺田 耕平)が100%保有
買収理由:自己肯定感を育てる初等教育のノウハウの取り込み。従業員と家族への保育の提供
IT企業が保育園を買った案件です。売上3億4,200万円・営業利益5,700万円・純資産1億2,800万円に対して5億6,000万円(営業利益の約10倍、純資産の約4.4倍)。売上は1.89億→2.17億→3.42億円と伸びていました。本業と関係のない業種の会社でも、買い手の人材戦略に合えば買われます。
株式会社ヒューマンシステム
システム開発、インフラ構築、技術支援、Web制作/東京都港区/1992年9月設立
- 取得価額
- 13億9,900万円
- 対象の売上
- 15億6,200万円
- 対象の営業利益
- 9,700万円
- 対象の純資産
- 8億800万円
決算期:2022年6月期/譲渡前の株主:湯野川恵美36.5%、資産管理会社(有限会社サザンリーフ)28.7%、持株会を含む役職員・他個人31.8%、他法人2.9%。少数株主の分は社長が集約してから譲渡
買収理由:大手SIerと組んだ大型開発の実績と開発力。採用力を使った供給力の強化
売上15億6,200万円・営業利益9,700万円・純資産8億800万円で13億9,900万円(純資産の約1.7倍)。営業利益は1,100万→7,500万→9,700万円と回復・成長していました。働く環境づくりや女性活躍推進での表彰歴が多いことも、開示で評価点として紹介されています。2026年の開示でも湯野川氏が代表のままで、売った後も社長を続けている例です。
社名のまま残り、2026年5月の開示ではSHIFTグロース・キャピタルが100%保有、代表は湯野川恵美氏のままです。同年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社トラストブレイン
医療系ソフトウェア開発、業務系・物流系ソリューション/兵庫県神戸市/1993年5月設立
- 取得価額
- 3億7,000万円
- 対象の売上
- 4億7,200万円
- 対象の営業利益
- 900万円
- 対象の純資産
- 1億6,900万円
決算期:2022年7月期/譲渡前の株主:個人1名(田村 賢次)が100%保有
買収理由:医療業界への進出。中途採用の強化
売上4億7,200万円・純資産1億6,900万円で3億7,000万円(純資産の約2.2倍)。直近の営業利益は900万円で、前期の4,600万円から大きく落ちた年での譲渡でした。利益が一時的に落ちても、医療業界という買い手に無い顧客基盤があれば値段がつきます。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
株式会社ネットワークテクノス
ソフトウェア受託開発/福岡県福岡市/2007年2月設立
- 取得価額
- 2億1,000万円
- 対象の売上
- 4億2,200万円
- 対象の営業利益
- 1,600万円
- 対象の純資産
- 1億2,400万円
決算期:2023年1月期/譲渡前の株主:個人1名(田中 達也)が100%保有
買収理由:福岡拠点の顧客基盤の強化。採用ノウハウの共有
売上4億2,200万円・営業利益1,600万円・純資産1億2,400万円で2億1,000万円(純資産の約1.7倍)。営業利益は△300万→100万→1,600万円で、3期前は赤字でした。地方の受託開発会社でも、大手SIerとの安定取引があれば上場企業グループに入れます。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
株式会社シムテック
業務・Web開発支援、ネットワーク構築支援、受託開発/東京都中央区/2001年3月設立
- 取得価額
- 5億円
- 対象の売上
- 7億4,300万円
- 対象の営業利益
- 500万円
- 対象の純資産
- 8,500万円
決算期:2022年12月期/譲渡前の株主:小林一男30.0%、村松徳彦29.5%、今井裕二27.0%、水島康平13.5%(個人4名)
買収理由:開発機能の強化。新卒採用に強く若手エンジニアが多い
売上7億4,300万円・純資産8,500万円に対して5億円。営業利益は500万円しかなく、純資産の約6倍という値段です。評価されたのは利益より、新卒採用に強く若手エンジニアが多いことでした。株主4名のうち水島康平氏は、2026年には同社(現CRAFT MILESと推定)の代表を務めています。
2026年3月にAiritechとマデールを吸収合併する存続会社となり、商号変更の予定が開示されました。2026年5月の開示に載る「CRAFT MILES株式会社」は、設立日・所在地・発行済株式数・代表者(水島康平氏)がシムテックと一致しており、同じ会社が社名を変えたものと推定しています。
株式会社クレイトソリューションズ
システム開発の一括受託、ERP領域の導入・保守、SES/東京都港区/1976年10月設立
- 取得価額
- 17億5,700万円
- 対象の売上
- 14億5,800万円
- 対象の営業利益
- 4,800万円
- 対象の純資産
- 1億7,800万円
決算期:2022年1月期/譲渡前の株主:ミナトホールディングス株式会社(上場企業)90.1%、個人8名8.5%、法人2名1.5%/1,756,557,464円(90.1%分)
買収理由:大手SIerのコアパートナー認定を持つERP開発力。ホープスとの連携
売上14億5,800万円・営業利益4,800万円・純資産1億7,800万円に対して、90.1%分で約17億5,700万円。純資産の10倍近い値段です。売り手は上場企業のミナトホールディングスで、2022年に子会社2社を合併させてから約1年で売却しています。大手SIerに「3社しかない開発系パートナー」として認定されていたことが評価の中心でした。
社名のまま残り、2026年5月の開示ではSHIFTが100%保有(残りの株式も取得済み)。同年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
出典:当社子会社(株式会社SHIFTグロース・キャピタル)による株式会社クレイトソリューションズの株式取得に関するお知らせ
EQIQ株式会社のWAHL+CASE事業
スタートアップ・テック業界向けのバイリンガル人材紹介/東京都渋谷区/譲渡会社は2010年3月設立設立
- 取得価額
- 10億円
- 対象の売上
- 5億5,700万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2021年12月期(承継事業)/譲渡前の株主:EQIQ株式会社(Casey Wahl 35.5%、James Francis Wahl 15.0%ほか個人55名・法人11社・4ファンド)/第三者算定機関の算定はDCF法572〜838百万円、類似会社比較法820〜1,016百万円。採用力強化への寄与を加味して決定/承継する事業の2021年12月期の売上。EQIQ全体では売上607百万円・営業損失85百万円・純資産△67百万円
買収理由:バイリンガルエンジニアなど、通常の採用では届かない層の採用力の強化
売り手のEQIQは営業赤字・債務超過でしたが、人材紹介事業だけを10億円で売っています。事業の売上5億5,700万円の約1.8倍です。算定レンジの上限近くで決まっており、買い手は「採用が難しい層に届く」という自社にとっての価値を上乗せしています。会社全体が苦しくても、強い事業1つは高く売れます。
2023年9月に子会社W&C株式会社へ移管されると開示されました。W&Cは公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)に見当たらず、その後の扱いは確認できていません。
確認元:会社分割(簡易吸収分割)による当社子会社とのWAHL+CASE事業バイリンガル人材紹介事業の承継に関するお知らせ
出典:会社分割(簡易吸収分割)によるEQIQ株式会社のWAHL+CASE事業(バイリンガル人材紹介事業)の継承を通じたSHIFTグループの採用力強化及びサービス拡大
株式会社キャリアシステムズ
ソフトウェア開発、ITインフラ構築、保守運用、組込開発/東京都港区/2010年1月設立
- 取得価額
- 11億7,700万円
- 対象の売上
- 8億600万円
- 対象の営業利益
- 3,100万円
- 対象の純資産
- 3億2,800万円
決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:個人1名(齋藤 久武)が100%保有/当初1,170,000,000円と開示し、翌日1,177,000,000円に訂正
買収理由:基盤構築・保守運用・アプリ開発の供給力強化。技術力の高さ
売上8億600万円・純資産3億2,800万円で11億7,700万円(純資産の約3.6倍)。直近の営業利益は3,100万円で、前期の7,800万円から減った年でした。社長1人が株を持つ設立13年の会社で、純資産の3倍以上の値段がついています。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
株式会社クロノス
Webシステム・アプリ開発、DXソリューション、ITエンジニア向け研修/東京都品川区/2002年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億6,800万円
- 対象の営業利益
- 900万円
- 対象の純資産
- 1億9,900万円
決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:株式会社クイック(上場企業)が100%保有/相手先との守秘義務により非開示
買収理由:AIソリューションとIT研修事業への参入。大阪拠点の拡大
売上5億6,800万円・営業利益900万円・純資産1億9,900万円。売上は6.88億→5.77億→5.68億円と減っていました。売り手は人材サービスの上場企業クイックで、本業から外れた子会社を手放した案件です。
社名のまま残り、2026年5月の開示でStride Digital Group(旧バリストライドグループ)の100%子会社として載っています。同年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社DeMiA
Webアプリ・スマホアプリ開発、AI・データ分析、エンジニア育成プログラム/京都府京都市/2019年8月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:非開示(守秘義務のため)/守秘義務のため非開示
買収理由:学生エンジニアとの接点と、独自のエンジニア育成プログラム
設立3年、資本金100万円、所属約20名で京都大学の学生エンジニアなどが中心の会社です。業績は開示されていません。評価されたのは売上ではなく、優秀な学生への接点と育成プログラムでした。
DICO株式会社
ゲームのローカライズ(翻訳・言語品質保証)、ゲーム開発/東京都渋谷区/2011年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 3億1,400万円
- 対象の営業利益
- 1,500万円
- 対象の純資産
- 3,300万円
決算期:2020年12月期/譲渡前の株主:個人株主100%(氏名は非公表)/相手先の希望により非開示
買収理由:高まるローカライズ需要への供給体制
売上3億1,400万円・営業利益1,500万円・純資産3,300万円。2期前は営業赤字でした。80%だけ売り、代表のエミリオ氏は「社内体制は変わることが無く」代表を続けると開示でコメントしています。その後SHIFTの100%子会社になり、2024年にはモズーを買う側に回っています。
2024年12月の開示時点でSHIFTが100%保有、代表はエミリオ氏のまま。公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)にも載っています。
株式会社A-STAR
フリーランスエンジニアのマッチング・プラットフォーム/東京都渋谷区/2012年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 11億4,300万円
- 対象の営業利益
- △5,800万円
- 対象の純資産
- 1,600万円
決算期:2020年12月期/譲渡前の株主:アデコ株式会社が100%保有/相手先の希望により非開示
買収理由:エンジニア情報の取り込みによるプラットフォーム事業の拡大、認知度向上
営業損失5,800万円、純資産は1億4,400万円から1,600万円まで減っていた会社です。売上も15.4億円から11.4億円に落ちていました。売り手は人材派遣大手のアデコで、ここまで傷んでいてもエンジニアの登録情報という資産に買い手がつきました。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
VISH株式会社
幼稚園・保育園・スイミングスクール・教習所向けのクラウドサービス、システム開発/愛知県名古屋市/2004年12月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 6億2,500万円
- 対象の営業利益
- 1億7,000万円
- 対象の純資産
- 3億3,000万円
決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:株式会社ヴァル研究所(非上場の事業会社)/相手先の希望により非開示
買収理由:IT化が遅れた業界への販路と、クラウドサービス機能の獲得。地方営業の強化
売上6億2,500万円・営業利益1億7,000万円(利益率27%)・純資産3億3,000万円。営業利益は5,600万→1億1,500万→1億7,000万円と3年で3倍になっていました。ニッチな業界に絞ったクラウドサービスで高い利益率を出している会社です。
株式会社サーベイジシステム
ITインフラの設計・構築・運用保守、機器販売、技術者支援/東京都千代田区/2008年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 1億9,200万円
- 対象の営業利益
- △400万円
- 対象の純資産
- 2,800万円
決算期:2020年9月期/譲渡前の株主:個人株主100%(氏名は非公表)/売主の希望により非公表
買収理由:ネットワーク・インテグレーション領域の専門性強化と顧客基盤の獲得
売上1億9,200万円、営業損失380万円、純資産2,800万円の小さな会社です。営業損益は△700万→500万→△400万円と赤字と黒字を行き来していましたが、売上は0.68億→1.33億→1.92億円と伸びていました。赤字でも売上が伸びていれば買い手はつきます。
公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)には社名がなく、合併等の開示も確認できていません。一覧は主要会社のみの可能性があります。
株式会社ホープス
ITコンサルティング、ERP導入支援、システム開発/東京都中央区/1991年3月設立
- 取得価額
- 30億5,000万円
- 対象の売上
- 50億7,000万円
- 対象の営業利益
- 6億500万円
- 対象の純資産
- 9億7,500万円
決算期:2019年12月期/譲渡前の株主:役員が保有する資産管理会社が100%保有/株式対価の概算。DD費用等8百万円を加えた合計は3,058百万円。取引実行日時点の貸借対照表に基づく価格修正条項あり
買収理由:ERP関連のサービス体制強化と顧客基盤へのアクセス
売上50億7,000万円・営業利益6億500万円・純資産9億7,500万円で約30億5,000万円。営業利益の約5倍、純資産の約3.1倍です。売上は34.9億→41.5億→50.7億円と伸び盛りの時期での譲渡でした。ホープスはその後ネットワールドを買う側に回り、グループの中核になっています。
社名のまま残り、代表は買収時と同じ上原健太郎氏です(2026年5月の開示)。同年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社CLUTCH(クラッチのウェブマーケティング事業)
ウェブマーケティング、ネット広告運用/東京都港区/2020年9月(新設分割で設立)設立
- 取得価額
- 8億5,400万円
- 対象の売上
- 19億6,900万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2020年6月期(承継事業)/譲渡前の株主:株式会社クラッチ(役職員・元役員4名が100%保有)/DD費用等を含む概算。承継事業の修正EBITDAは138百万円(約6.2倍)/承継する事業の2020年6月期の数値。新設会社のため確定した決算はない
買収理由:UI/UX領域の知見と、ネット広告代理店事業への参入
事業の売上19億6,900万円・修正EBITDA1億3,800万円に対して約8億5,400万円。引き継ぐ資産はわずか1,500万円でも、事業そのものに値段がついています。売り手クラッチの代表だった杉山康弘氏は、2026年の開示でCLUTCHの代表を務めています。
社名のまま残り、公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)にも載っています。2026年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社エスエヌシー
PCリユース、キッティング、ヘルプデスク、Web事業/大阪府大阪市/1997年7月設立
- 取得価額
- 9億800万円
- 対象の売上
- 13億1,700万円
- 対象の営業利益
- 6,900万円
- 対象の純資産
- 2億9,000万円
決算期:2019年6月期/譲渡前の株主:個人株主100%(氏名は非公表)/DD費用等を含む概算
買収理由:テスト後のPC調達・キッティングまで含めた一気通貫のサービス
売上13億1,700万円・営業利益6,900万円・純資産2億9,000万円で約9億800万円(営業利益の約13倍、純資産の約3.1倍)。純資産を2.0億→2.4億→2.9億円と着実に積んでいました。中古PCの再生という、ソフトウェアとは少し離れた事業でも、買い手の顧客ニーズに合えば高く評価されます。
社名のまま残り、公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)にも載っています。2026年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社ナディア(Nadiaの事業を新設分割)・株式会社xbs
Web・アプリ制作、グラフィック・映像・3DCG制作、UI/UXデザイン/東京都港区/ナディアは2020年3月設立(新設分割)、xbsは2010年3月設立設立
- 取得価額
- 17億円
- 対象の売上
- 20億500万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2019年12月期/譲渡前の株主:株式会社DECEM(宮本清之77.96%、りらいあコミュニケーションズ8.58%、読売新聞東京本社6.16%ほか)のグループ/2社合計・事業価値ベース。DD費用等6百万円を加えた合計は1,706百万円(概算)。取得後の営業利益に応じたアーンアウト条項あり/ナディアが承継する事業の2019年12月期の数値(修正EBITDA274百万円)。xbsは別に売上116百万円・営業利益24百万円・純資産28百万円
買収理由:クリエイティブ領域の知見と、運用まで見据えた制作の強化
事業の売上20億500万円・修正EBITDA2億7,400万円に対して17億円(EBITDAの約6.2倍)。分割元のNadiaは純資産マイナス1,500万円でしたが、事業だけを新会社に移して売っています。さらに取得後の利益次第で追加の支払いがあるアーンアウト付きで、売った後の頑張りが代金に反映される仕組みです。
株式会社リアルグローブ・オートメーティッド(リアルグローブのIT自動化事業)
IT自動化(インフラ運用の高速化・自動化)/東京都千代田区/2020年2月(新設分割で設立)設立
- 取得価額
- 1億9,900万円
- 対象の売上
- 4,400万円
- 対象の営業利益
- 1,600万円
- 対象の純資産
- ―
決算期:2019年3月期(承継事業)/譲渡前の株主:株式会社リアルグローブ(大畑貴弘40.39%、ドコモ・イノベーションファンド16.86%、ODKソリューションズ13.99%ほか)/51%分。取得後の営業利益に応じて最大56百万円の追加対価(アーンアウト)あり/承継する事業の2019年3月期の数値。引き継がれる資産はなし
買収理由:インフラ運用の高速化・自動化ソリューションの獲得
売上4,400万円・営業利益1,600万円の事業を、51%分で1億9,900万円、さらに最大5,600万円の追加対価付きで買っています。引き継ぐ資産はゼロで、評価されたのは技術とノウハウだけです。ベンチャーキャピタルが出資するスタートアップが、事業の一部を切り出して売った例です。
株式会社分析屋
データ分析(医療・マーケティング)、システムインテグレーション/神奈川県藤沢市/2011年8月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億7,000万円
- 対象の営業利益
- 1,900万円
- 対象の純資産
- 1,200万円
決算期:2019年7月期/譲渡前の株主:個人株主100%(氏名は非公表)/株主が個人のため非公表。専門家のデューデリジェンスを参考に算出
買収理由:課題を見える化するデータ分析機能の獲得
売上5億7,000万円・営業利益1,900万円・純資産1,200万円。前の期は営業損失3,300万円、純資産マイナス590万円の債務超過でした。1年で黒字に戻した直後の譲渡です。開示には、分析屋側の課題が「営業力」だったことも書かれています。
社名のまま残り、公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)にも載っています。2026年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社システムアイ
金融・流通業界の業務システム設計・開発、システムコンサルティング、ECサイト構築/神奈川県横浜市/1998年8月設立
- 取得価額
- 9億円
- 対象の売上
- 15億2,900万円
- 対象の営業利益
- 9,500万円
- 対象の純資産
- 2億7,200万円
決算期:2018年3月期/譲渡前の株主:個人1名(佐野 正朋)が100%保有
買収理由:金融・流通業界に精通したエンジニアの獲得
売上15億2,900万円・営業利益9,500万円・純資産2億7,200万円で9億円。営業利益の約9.5倍、純資産の約3.3倍です。大手プライムSIerの有力パートナーとして、金融業界の知識を持つエンジニアを抱えていたことが評価されました。
社名のまま残り、公式サイトのグループ会社一覧(2026年10月確認)にも載っています。2026年9月にバックオフィスをSHIFTへ移す予定の15社に入っています。
株式会社さうなし
Webサイトの企画・制作、マーケティングコンサルティング/東京都渋谷区/2009年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人株主100%(氏名は非公表)/売主との協議により非公表。第三者算定機関の算定結果を勘案
買収理由:使いやすさの観点からの品質保証。UI/UX設計力
資本金1,000万円のWeb制作会社。大手代理店の下請けではなく、大手企業から直接受注していることが強みとして紹介されています。業績は開示されていません。
株式会社アッション
Webマーケティング、A/Bテストツールの導入コンサルティング/東京都目黒区/2009年2月設立
- 取得価額
- 3億5,000万円
- 対象の売上
- 3億1,100万円
- 対象の営業利益
- 300万円
- 対象の純資産
- 2,600万円
決算期:2017年12月期/譲渡前の株主:個人株主100%(氏名は非公表)
買収理由:UI/UX領域の品質保証への本格参入
売上3億1,100万円・営業利益300万円・純資産2,600万円に対して3億5,000万円。純資産の13倍以上、売上を上回る値段です。世界2位のA/Bテストツールの「国内唯一のプレミアムパートナー」という立場が評価されました。利益が小さくても、ほかに代わりのいない地位を持っていれば高く売れます。
Airitech株式会社
システムのトラブルシュート・性能改善、ビッグデータ・AI、Webシステム開発コンサルティング/東京都新宿区/2017年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示(設立1年未満)/譲渡前の株主:創業メンバー等が100%保有/売主との協議により非公表。2021年の株式交換ではAiritech株の価値を1株303,302円(DCF法と類似企業比較法の中間)と算定しており、会社全体(1,750株)で約5億3,000万円の評価になる
買収理由:非機能テスト(性能・負荷・セキュリティ)領域のサービス拡大
設立1年未満、資本金950万円の会社を買っています。業績のない段階で評価されたのは、トラブル対応で15年の実績を持つメンバーそのものです。創業者は約43%を持ったまま残り、3年半後に株式交換でSHIFT株と引き換えに手放しました(2021年8月期は売上8億6,500万円)。最初に全部売らず、成長してから残りを渡す形です。
2025年12月に一部事業をSHIFTへ分割したうえで、2026年3月にシムテック(現CRAFT MILES)へ吸収合併され、法人は消えました。
バリストライドグループ株式会社
SES、Webアプリ開発、インフラ・ネットワーク構築の持株会社/東京都目黒区/2000年12月設立
- 取得価額
- 8億400万円
- 対象の売上
- 22億5,400万円
- 対象の営業利益
- 3,400万円
- 対象の純資産
- 2億3,100万円
決算期:2015年12月期(連結)/譲渡前の株主:畠山奨二96.6%、工藤慎太郎2.1%、BARISTA株式会社1.3%
買収理由:IT人材不足への対応。開発者の確保と大規模案件への対応力
連結売上22億5,400万円・営業利益3,400万円・純資産2億3,100万円で8億400万円(純資産の約3.5倍)。利益率1.5%でも、エンジニアの数に値段がついた例です。売り手の畠山奨二氏は10年後の2026年も、社名を変えた持株会社と傘下ALHの代表を務めており、ALHはその後も次々と開発会社を買う側に回っています。
2026年1月の開示に載る「Stride Digital Group株式会社」が、設立日(2000年12月25日)・所在地・代表者(畠山奨二氏)・資本金が一致しており、社名を変えたものと推定しています(商号変更の開示は確認していません)。
確認元:当社子会社(Airitech株式会社)の吸収分割及び連結子会社間の吸収合併(存続会社:株式会社シムテック)に関するお知らせ
株式会社メソドロジック
アーキテクチャ設計、IT戦略策定支援、IT人材育成/東京都新宿区/2009年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 1億9,700万円
- 対象の営業利益
- 1,500万円
- 対象の純資産
- 4,000万円
決算期:2016年6月期/譲渡前の株主:山岸耕二66.7%、山縣泰彦33.3%/売主との協議により非公表。第三者算定機関の算定結果を勘案
買収理由:大規模・高難度の開発プロジェクトに対応できる人材と、IT人材育成のノウハウ
売上1億9,700万円・営業利益1,500万円・純資産4,000万円の小さなコンサルティング会社。3分の2だけを売る形でした。10年後の2026年も社名のまま公式サイトのグループ会社一覧に載っています。
株式会社リベロ・プロジェクト
モバイルキャリア向け検証、アプリ・Web・組込開発、ネットワーク運用/東京都港区/2008年9月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 7億2,200万円
- 対象の営業利益
- △1,400万円
- 対象の純資産
- 9,100万円
決算期:2015年8月期/譲渡前の株主:個人株主100%(氏名は非公表)/売主との協議により非公表。第三者算定機関の算定結果を勘案
買収理由:SI領域の強化。経験を積んだ人材と保守運用業務の獲得
売上7億2,200万円・純資産9,100万円。営業利益は3,100万→1,100万→△1,400万円と下がり続け、直前期は営業赤字でした。それでも3分の2を買われています。SHIFTが本格的に買収を始める前の、最初期の案件です。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された25件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社ステップ60億円(売上の2.47倍・営業利益の14.0倍)
- 株式会社ニッセイコム177億9,200万円(売上の0.85倍・営業利益の16.3倍)
- 株式会社AXIS(エスコ・ジャパンの保険向けシステム開発事業)7億1,000万円(売上の0.90倍・営業利益の2.6倍)
- 株式会社データウェイ・システムズ1億5,500万円(売上の0.57倍・営業利益の15.5倍)
- クリブネット有限会社1億5,000万円(売上の0.70倍)※営業利益ほぼゼロでの譲渡
- 株式会社モズー9,000万円(売上の0.65倍・営業利益の22.5倍)
- 株式会社KINSHA12億7,200万円(売上の1.21倍)※営業赤字での譲渡
- 株式会社マネージビジネス9億2,000万円(売上の0.71倍・営業利益の14.8倍)
- 株式会社クラブネッツ(子会社バリューワンを含む)57億5,000万円(売上の4.33倍・営業利益の12.1倍)
- インフィニック株式会社5億6,000万円(売上の1.64倍・営業利益の9.8倍)
- 株式会社ヒューマンシステム13億9,900万円(売上の0.90倍・営業利益の14.4倍)
- 株式会社トラストブレイン3億7,000万円(売上の0.78倍・営業利益の41.1倍)
- 株式会社ネットワークテクノス2億1,000万円(売上の0.50倍・営業利益の13.1倍)
- 株式会社シムテック5億円(売上の0.67倍・営業利益の100.0倍)
- 株式会社クレイトソリューションズ17億5,700万円(売上の1.21倍・営業利益の36.6倍)
- EQIQ株式会社のWAHL+CASE事業10億円(売上の1.80倍)
- 株式会社キャリアシステムズ11億7,700万円(売上の1.46倍・営業利益の38.0倍)
- 株式会社ホープス30億5,000万円(売上の0.60倍・営業利益の5.0倍)
- 株式会社CLUTCH(クラッチのウェブマーケティング事業)8億5,400万円(売上の0.43倍)
- 株式会社エスエヌシー9億800万円(売上の0.69倍・営業利益の13.2倍)
- 株式会社ナディア(Nadiaの事業を新設分割)・株式会社xbs17億円(売上の0.85倍)
- 株式会社リアルグローブ・オートメーティッド(リアルグローブのIT自動化事業)1億9,900万円(売上の4.52倍・営業利益の12.4倍)
- 株式会社システムアイ9億円(売上の0.59倍・営業利益の9.5倍)
- 株式会社アッション3億5,000万円(売上の1.13倍・営業利益の116.7倍)
- バリストライドグループ株式会社8億400万円(売上の0.36倍・営業利益の23.6倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社SHIFTが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日