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株式会社ファーマフーズのM&A実績

「M&Aを重要な成長戦略として位置付けてまいりました」と開示に書いている会社です。ただ件数は10年で4件と多くなく、通販・医薬品・研究受託・病院給食と、毎回ちがう分野で「自社の素材や通販網とつながる会社」を1社ずつ買っています。そのかわり4件とも取得価額を開示しています。売り手は上場企業の子会社、社長と個人株主74名、海外法人が持つ研究会社、投資ファンドと幅があります。

株式会社ファーマフーズが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
京都府京都市
設立
1997年9月
事業内容
GABAなど卵・乳・米由来の機能性食品素材の研究開発と販売、「ニューモ」などの通信販売、抗体医薬の研究開発を行う会社
売上高
632億2,300万円(2026年7月期(連結))
営業利益
26億3,200万円
純資産
131億6,600万円

どんな会社を買っているか

買う業種
化粧品の通信販売(TV通販・自社通販)/医薬品・医薬部外品・健康食品の製造販売/研究用試薬・プロテオーム解析の受託/病院・介護施設・学校給食向けの食品(メディカルフーズ)
対象の規模
対象の売上 3.4億円〜94.8億円
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。研究受託会社からは吸収分割で事業だけを本体に引き取った
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
株式で買った会社がその後どうなったかは、手元の開示では追えていません。吸収分割で引き取った研究受託事業は、本体のバイオメディカル事業の「研究支援事業」として続いています。
  • 4件すべてで取得価額が開示されています。価格の相場を知りたい売り手にとっては、数少ない「答え合わせ」ができる買い手です
  • 純資産とほぼ同じ額で買った案件が2件あります。営業赤字だったフューチャーラボは純資産12億1,700万円に対して12億円、営業利益7億8,700万円の明治薬品は純資産24億1,400万円に対して23億円でした
  • 直近のマリン・プロフーズは50億3,000万円で、営業利益の約9.3倍、純資産の約2.8倍です。売り手は投資ファンドで、同じ買い手でも案件によって値付けの水準は大きく変わります
  • フューチャーラボの株式取得と同じ日に、京都銀行から取得価額と同額の12億円を5年・無担保無保証で借り入れたと開示しています

買収の履歴4件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年10月6日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社マリン・プロフーズ

水産加工品・大豆加工品・農産加工品を病院・介護施設・学校給食事業者向けに企画・販売(メディカルフーズ事業)/東京都千代田区/2021年11月設立

取得価額
50億3,000万円
対象の売上
94億7,500万円
対象の営業利益
5億4,200万円
対象の純資産
18億2,200万円

決算期:2026年3月期/譲渡前の株主:投資事業組合「DPIP企業支援1号」(業務執行組合員は大和PIパートナーズ)が100%保有/普通株式の取得価額。2026年3月期の営業利益542百万円の約9.3倍、純資産1,822百万円の約2.8倍、売上高9,475百万円の約0.53倍にあたる

買収理由:自社の機能性素材を病院・介護施設向けの食品に応用し、BtoBの販路と新しい事業領域を得る

売上94億7,500万円・営業利益5億4,200万円・純資産18億2,200万円。営業利益は2億4,700万円→5億1,800万円→5億4,200万円と伸びていました。売り手は国内中堅・中小企業のバイアウトを目的とするファンドで、価格は50億3,000万円と開示されています。営業利益の約9.3倍、純資産の約2.8倍という水準です。紀文、キッコーマンのグループを経て独立した経緯がある会社で、一度ファンドに渡った会社が、次は事業会社に高い倍率で買われる流れがここにも出ています。

買収後実行前2026年10月13日時点

株式譲渡の実行日は2026年10月30日(予定)と開示されています。公正取引委員会の審査で実行を妨げる要因がないことが前提です。

確認元:株式会社マリン・プロフーズの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社マリン・プロフーズの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2022年12月12日吸収分割(ファーマフーズ本体が事業と管理部門を承継し、対価として現金を交付)。効力発生日は2022年4月1日

株式会社アンテグラルのバイオサイエンス事業

研究用試薬の製造販売、プロテオーム解析などの研究受託サービス/徳島県徳島市/分割会社は2015年2月設立設立

取得価額
1億3,500万円
対象の売上
3億4,000万円
対象の営業利益
2,300万円
対象の純資産
1,800万円

決算期:2021年10月期/譲渡前の株主:RAFFINE PTE. LTD.が100%保有/吸収分割の対価として分割会社に交付した現金。承継する資産・負債の時価相当額をもとに協議・交渉で決定。承継資産は19百万円、負債は1百万円/承継した事業の売上高。営業利益は分割会社全体の数値

買収理由:自社の抗体作製技術とアンテグラルのプロテオーム解析技術を組み合わせ、創薬ターゲットの探索を強化する

事業の売上3億4,000万円。分割会社は純資産マイナス2,100万円の債務超過で、当期純損失4,600万円でした。それでも営業利益は2,300万円出ており、ファーマフーズは承継する資産・負債(差し引き1,800万円)を大きく上回る1億3,500万円を払っています。会社ごと買うのではなく、技術と人のいる事業だけを引き取る形で、債務超過でも値段がついた例です。なお、この開示は2022年2月の決議から遅れて出されています。

買収後存続2026年10月13日時点

法人ではなく事業を本体が承継した案件です。2026年7月期決算短信のセグメント説明で、バイオメディカル事業に「プロテオーム解析を受託する研究支援事業」が含まれており、事業として続いています。

確認元:2026年7月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:吸収分割による一部事業の承継に関するお知らせ

2021年8月6日株式譲渡(完全子会社化)。筆頭株主の社長がほかの株主から株式を集め、その株式を取得

明治薬品株式会社

医薬品・医薬部外品・健康食品の製造販売、自社ブランドの機能性表示食品をドラッグストアと越境ECで販売/東京都千代田区/1948年4月設立

取得価額
23億円
対象の売上
53億3,500万円
対象の営業利益
7億8,700万円
対象の純資産
24億1,400万円

決算期:2021年5月期/譲渡前の株主:石坂俊光(代表取締役社長)12.0%、その他個人等73名88.0%/完了時の開示で取得価額2,300百万円(100%取得)。当初は取得割合に応じ諸費用込みで1,500〜2,300百万円と見込んでいた。2021年5月期の営業利益787百万円の約2.9倍、純資産2,414百万円の約0.95倍

買収理由:自社の研究開発力・通販基盤と、明治薬品の製造設備・ドラッグストア販路を組み合わせる

創業73年、売上53億3,500万円・営業利益7億8,700万円・純資産24億1,400万円。株主は社長を含む個人74名に分かれていましたが、社長がまず他の株主から株を集め、そのうえで100%を譲渡しています。株が散っている会社の売り方の実例です。価格は23億円で純資産をわずかに下回り、営業利益の約2.9倍でした。もともと機能性食品素材の取引先で、取引のある会社が買い手になった案件です。

買収後不明2026年10月13日時点

2021年8月31日に100%取得を完了したと開示されています。その後の商号変更・合併・存続を示す開示は手元になく、追えていません。

確認元:(開示事項の経過)明治薬品株式会社の株式取得(子会社化)完了に関するお知らせ

出典:明治薬品株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2016年10月3日株式譲渡(完全子会社化)。子会社1社も併せて連結

株式会社フューチャーラボ

角質ピーリングゲル「デルマQⅡ」などの化粧品をTV通販と自社通販で販売/東京都港区/2003年8月設立

取得価額
12億円
対象の売上
13億5,100万円
対象の営業利益
△2億3,400万円
対象の純資産
12億1,700万円

決算期:2015年12月期/譲渡前の株主:株式会社ポーラ・オルビスホールディングス(上場企業)が100%保有/諸費用等(概算)1百万円を加えた合計は1,201百万円。株式取得と同日に京都銀行から1,200百万円を借入(5年・無担保無保証)と開示。2015年12月期の純資産1,217百万円の約0.99倍

買収理由:TV通販の販路と映像制作力を取り込み、自社の通販事業と化粧品分野でクロスセルを行う

売上13億5,100万円・営業損失2億3,400万円・純資産12億1,700万円。売上は16億6,000万円→16億1,200万円→13億5,100万円と減り、直前期に赤字へ転落していました。価格は12億円で、ほぼ純資産どおりです。赤字でも、TV通販の実績や販路といった「買い手の通販事業に足りないもの」があれば、純資産程度の値段はつきます。売り手はポーラ・オルビスで、大手の子会社が専業の会社へ渡る形の案件です。

買収後不明2026年10月13日時点

2016年11月1日に株式取得を完了したと開示されています。その後の商号変更・合併・存続を示す開示は手元になく、追えていません。

確認元:株式会社フューチャーラボの株式取得(子会社化)及び資金の借入の完了に関するお知らせ

出典:株式会社フューチャーラボの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社マリン・プロフーズ50億3,000万円(売上の0.53倍・営業利益の9.3倍)
  • 株式会社アンテグラルのバイオサイエンス事業1億3,500万円(売上の0.40倍・営業利益の5.9倍)
  • 明治薬品株式会社23億円(売上の0.43倍・営業利益の2.9倍)
  • 株式会社フューチャーラボ12億円(売上の0.89倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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