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ウイン・パートナーズ株式会社のM&A実績

「M&Aによる業容拡大」を経営目標に掲げ、地方の医療機器ディーラーを1県ずつ買い足している会社です。秋田、山形、岩手、北海道函館と、既存の子会社(東北はテスコ、北海道はウイン・インターナショナル)と隣り合う地域の会社を、子会社経由で取得してきました。売り手は5件中4件が創業者などの個人株主です。

ウイン・パートナーズ株式会社が公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都中央区
設立
―
事業内容
循環器系を中心とした医療機器(カテーテル、ペースメーカ、人工弁など)の販売・賃貸・保守を行う子会社を束ねる持株会社
売上高
903億9,100万円(2026年3月期(連結))
営業利益
30億2,000万円
純資産
232億9,000万円

どんな会社を買っているか

買う業種
医療機器の販売・賃貸・修理・保守(地域ディーラー)/医療機器の輸入販売(心臓血管外科・循環器内科)
対象の規模
対象の売上 7.3億円〜45億円
手法
現金による株式譲渡で100%取得。地域ディーラーは、同じ地域の子会社が買う「孫会社化」が基本
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本ですが、統合することもあります。2018年に買ったエムシーアイは、約7年後の2026年3月に同じ東北の子会社テスコへ吸収合併されました。
  • 5件のうち3件で取得価額が分かります。大沢商事12億5,000万円とエムシーアイ10億円は取得時の開示で、プラステンメディカルは開示時に非公表でしたが、後の決算短信の企業結合注記に取得原価14億5,306万円と記載されています
  • 純資産を下回る金額での取得が2件あります。大沢商事は純資産24億3,300万円に対し12億5,000万円、エムシーアイは純資産13億1,100万円に対し10億円でした
  • 直近のプラステンメディカルは純資産10億500万円に対し14億5,300万円で、純資産を上回る金額でした。営業利益(9,500万円)の約15倍です
  • 開示文の「取得の理由」は毎回ほぼ同じ文言で、既存子会社との「地理的補完関係」が理由として書かれています

買収の履歴5件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2025年12月26日株式譲渡(子会社ウイン・インターナショナルが取得=孫会社化)

株式会社プラステンメディカル

医療機器の販売、賃貸、修理及び保守(函館エリア中心)/北海道函館市/1991年2月設立

取得価額
14億5,300万円
対象の売上
38億3,000万円
対象の営業利益
9,500万円
対象の純資産
10億500万円

決算期:2025年8月期/譲渡前の株主:個人(氏名・持株比率は先方との合意で非公開)/取得時の開示では「先方との合意により非公表」。その後の2026年3月期決算短信の企業結合注記に、取得原価1,453,067千円(現金)、アドバイザリー費用等102,944千円、のれん544,851千円(10年償却)と記載。純資産の約1.4倍、営業利益の約15倍にあたる

買収理由:北海道で事業を展開する子会社ウイン・インターナショナルとの地理的補完。北海道エリアの顧客基盤強化

売上38億3,000万円・営業利益9,500万円(利益率2.5%)・純資産10億500万円。売上は3期とも38〜39億円台で横ばいでしたが、純資産は9億円→10億円と積み上がっていました。利益率2%台の卸売業でも、純資産の約1.4倍で売れています。取得時は金額非公表でも、上場企業が買い手だと後の決算短信に取得原価が出ることがある、という点も売り手は知っておいてよいところです。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年1月1日に連結子会社化。2026年3月期決算短信で、新規連結1社として社名が記載され、結合後企業の名称は「変更ありません」とされています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:連結子会社による株式会社プラステンメディカルの株式取得のお知らせ

2023年3月29日株式譲渡(子会社化)

株式会社トライテック

医療機器の輸入販売・卸販売(心臓血管外科・循環器内科中心)/東京都品川区/1979年8月設立

取得価額
―
対象の売上
7億3,100万円
対象の営業利益
2,200万円
対象の純資産
4億5,900万円

決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:株式会社メディックスジャパン(福岡県古賀市の医療用機器販売会社)が100%保有/先方との合意により非公表

買収理由:取扱製品の拡充と顧客基盤の強化。グループの新たな事業展開の契機

売上7億3,100万円・営業利益2,200万円・純資産4億5,900万円。この会社の案件では唯一、地域ディーラーではなく輸入販売の会社で、売り手も個人ではなく事業会社でした。2期前の2020年3月期は営業損失5,400万円・純損失1億1,200万円でしたが、翌期から黒字に戻した後の譲渡です。

買収後不明2026年10月12日時点

2023年4月1日に株式譲渡の効力発生予定として開示。その後の商号変更・合併・売却の開示は手元の資料にはなく、存続を確かめる根拠もありません。

確認元:子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ

出典:子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ

2022年7月1日株式譲渡(子会社テスコが取得=孫会社化)

株式会社トーセイメディカル

医療機器の販売、賃貸、修理及び保守(岩手県中心)/岩手県盛岡市/1989年3月設立

取得価額
―
対象の売上
44億9,700万円
対象の営業利益
1億1,200万円
対象の純資産
9億4,500万円

決算期:2021年10月期/譲渡前の株主:関 誠 91.1%、その他個人3名/先方との合意により非公表

買収理由:東北で事業を展開する子会社テスコとの地理的補完。秋田・山形に続く東北エリアの顧客基盤強化

売上44億9,700万円・営業利益1億1,200万円・純資産9億4,500万円。この会社の案件でいちばん売上が大きい会社です。売上は37億円→38億円→45億円、営業利益も7,000万円台→1億1,200万円と伸びている局面での譲渡でした。開示に取引関係として「テスコと営業取引があるが軽微」とあり、もともと付き合いのあった同業に渡った形です。

買収後不明2026年10月12日時点

2022年8月1日に株式譲渡実行と開示。その後の商号変更・合併・売却の開示は手元の資料にはなく、存続を確かめる根拠もありません。

確認元:連結子会社による株式会社トーセイメディカルの株式取得に関するお知らせ

出典:連結子会社による株式会社トーセイメディカルの株式取得に関するお知らせ

2018年11月6日株式譲渡(子会社テスコが取得=孫会社化)

株式会社エムシーアイ

医療機器の販売、賃貸、修理及び保守(山形県中心)/山形県天童市/1992年4月設立

取得価額
10億円
対象の売上
25億8,200万円
対象の営業利益
1億3,300万円
対象の純資産
13億1,100万円

決算期:2018年7月期/譲渡前の株主:石井 敬一郎 50.0%、その他個人3名/取得価額1,000百万円と開示。純資産の約0.76倍、営業利益の約7.5倍にあたる

買収理由:東北で事業を展開する子会社テスコとの地理的補完。秋田の大沢商事に続く東北エリアの顧客基盤強化

売上25億8,200万円・営業利益1億3,300万円・純資産13億1,100万円に対し、取得価額は10億円で、純資産を下回りました。売上は30億8,000万円→25億9,000万円→25億8,000万円と減っていた局面です。利益は出ていても、売上が下り坂だと純資産より安い値段になることがある例です。社長が50%、残りを個人3名が持つ形でしたが、全株がまとめて譲渡されています。

買収後吸収合併2026年10月12日時点

2026年3月1日付で、同じ東北の子会社テスコ株式会社を存続会社とする吸収合併により消滅しました。取得から約7年3か月後です。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:連結子会社による株式会社エムシーアイの株式取得に関するお知らせ

2017年8月23日株式譲渡(子会社テスコが取得=孫会社化)

株式会社大沢商事

医療機器の販売、賃貸、修理及び保守(秋田県中心)/秋田県秋田市/1981年4月設立

取得価額
12億5,000万円
対象の売上
32億4,400万円
対象の営業利益
△3,700万円
対象の純資産
24億3,300万円

決算期:2017年3月期/譲渡前の株主:大澤 光二(代表取締役)83.7%。残り16.3%は自己株式で、外部株主はいない/取得価額1,250百万円と開示。純資産の約0.51倍。直前期は営業赤字のため営業利益倍率は出ない

買収理由:東北で事業を展開する子会社テスコとの地理的補完。東北エリアの顧客基盤強化

営業損失3,700万円の赤字の年に譲渡しています。売上は52億2,000万円→38億6,000万円→32億4,000万円と2年で4割近く減り、営業利益も1億1,400万円→100万円→赤字と落ちていました。取得価額12億5,000万円は純資産24億3,300万円の約半分です。赤字でも純資産が厚い会社には買い手がつきますが、業績が落ちきってからの譲渡では、純資産の額がそのまま値段になるとは限らないことが読み取れます。

買収後不明2026年10月12日時点

2017年10月1日に株式譲渡実行と開示。その後の商号変更・合併・売却の開示は手元の資料にはなく、存続を確かめる根拠もありません。

確認元:当社子会社による株式会社大沢商事の株式取得に関するお知らせ

出典:当社子会社による株式会社大沢商事の株式取得に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社プラステンメディカル14億5,300万円(売上の0.38倍・営業利益の15.3倍)
  • 株式会社エムシーアイ10億円(売上の0.39倍・営業利益の7.5倍)
  • 株式会社大沢商事12億5,000万円(売上の0.39倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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