株式会社トップカルチャーのM&A実績
書店を軸に、書店の店舗や、書店の中で営業している会社を引き取ってきた会社です。中期経営計画で「持続可能な書店創り」を掲げ、開示文でも「書店業界の事業承継問題」に取り組むと明言しています。売り手は、自社店舗内のタリーズを運営していた社長個人、北陸の老舗書店、そしてフランチャイズ本部のTSUTAYAと幅があります。
株式会社トップカルチャーが公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 新潟県新潟市
- 設立
- ―
- 事業内容
- 「蔦屋書店」のフランチャイズを中心とした複合書店の運営。ゲーム・トレーディングカード店、タリーズコーヒーのフランチャイズ運営、サッカークラブ運営、訪問看護も手がける
- 売上高
- 173億3,300万円(2025年10月期(連結))
- 営業利益
- △3億9,100万円
- 純資産
- 7億7,200万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 書店(複合書店)/書店に併設するカフェ(タリーズコーヒーのフランチャイズ)
- 対象の規模
- 対象の売上 9.4億円〜52.7億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)、店舗の事業譲受、吸収分割で事業だけを新しい子会社に移してその株式を取得する形
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 株式を買った会社には、自社の会長・社長・役員がそのまま取締役に入ります(メソッドカイザーでは取得日に社長が交代)。書店事業は、自社で新たに作った子会社に事業を移す形を取り、新設子会社「明文堂」の代表取締役は清水大輔氏(2023年の開示では当社の代表取締役社長CEO)です。
- 取得価額の開示は2件。TSUTAYAからの7店舗は14億8,500万円、明文堂書店の9店舗と外商部は「1円」でした
- メソッドカイザーは非開示ですが、「第三者算定機関の評価額を基に決定」「連結純資産額の15%未満」と書かれています
- 買い手自身も営業赤字が続いています。2025年10月期の連結営業損失は3億9,100万円、純資産は7億7,200万円です。買う側の体力が売り手の条件に影響しうる点は、交渉の前提として知っておく必要があります
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社明文堂プランナーの書店事業(9店舗と外商部)
複合書店「明文堂書店」の運営(富山県5店舗・石川県3店舗・埼玉県1店舗)と外商/富山県下新川郡朝日町(分割会社)/分割会社は1977年5月設立設立
- 取得価額
- 1円
- 対象の売上
- 52億7,400万円
- 対象の営業利益
- 7,300万円
- 対象の純資産
- ―
決算期:2025年5月期(承継事業)/譲渡前の株主:カルチュア・コンビニエンス・クラブ27.6%、トーハン25.6%、清水孝子24.7%、清水満22.1%/株式の取得価額は1円。承継する資産・負債の額は相手先との協議で非開示。のれんの額は精査中/承継する9店舗と外商部の事業のみの数値。分割会社全体(10店舗)は売上5,696百万円
買収理由:書店事業の規模拡大、運営ノウハウの共有、共同仕入、間接部門の効率化
1円での譲渡です。分割会社は売上56億9,600万円ですが、営業損失が2期続き、純資産は6億5,200万円→1億300万円→3,600万円まで減っていました。承継する事業だけを見ると営業利益は700万円→△900万円→7,300万円です。10店舗のうち9店舗と外商部だけを切り出し、残りは手元に置く形で、取引金融機関の同意が実行の条件になっていました。株主は取次・フランチャイズ本部と創業家に分かれています。利益が薄く借入の重い書店でも、店舗網と従業員ごと引き取る相手はいることを示す例です。
2026年4月1日に吸収分割の効力が発生し、子会社の明文堂が9店舗と外商部の事業を承継したと開示されています。
株式会社メソッドカイザー
タリーズコーヒーのフランチャイズ運営(新潟県内外22店舗、すべて蔦屋書店の店内)/新潟県長岡市/2011年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 9億3,900万円
- 対象の営業利益
- △4,000万円
- 対象の純資産
- 2億6,400万円
決算期:2023年1月期/譲渡前の株主:個人1名(中村 仁美)が100%保有/当事者間の契約により非開示。第三者算定機関の評価額を基に協議して決定。「直前連結会計年度末の連結純資産額の15%未満」
買収理由:店内のBook&Caféを書店事業と一体で運営し、新規導入も進める
売上9億3,900万円・営業損失4,000万円・純資産2億6,400万円。営業利益は1,000万円→100万円→△4,000万円と下がり続けていた局面での譲渡です。22店舗すべてが買い手の書店の中にあり、もともと賃貸借の取引先でした。取引先が一番の買い手になる典型です。取得日に社長は交代し、買い手の会長が代表取締役に就いています。
2025年10月期決算短信には「飲食事業(タリーズコーヒーのフランチャイズ運営)」のセグメントがありますが、社名の記載はなく、存続を確認できる開示は手元にありません。
株式会社TSUTAYAの直営7店舗
東日本地区を中心とするTSUTAYA直営店舗の運営/東京都渋谷区(譲渡会社)/譲渡会社は2014年12月設立設立
- 取得価額
- 14億8,500万円
- 対象の売上
- 31億9,800万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2017年3月期(譲受7店舗)/譲渡前の株主:株式会社TSUTAYA(カルチュア・コンビニエンス・クラブの100%子会社。買い手の第2位株主)/書籍在庫543百万円は譲受価額に含まず、仕入先から同額で別途購入。のれん(営業権)は395百万円の見込み。決済は現金
買収理由:新規出店より低いコストで、短期間に店舗網を広げる
7店舗で売上31億9,800万円・経常利益6,700万円。資産は概算16億3,300万円(うち書籍在庫5億4,300万円)、負債なし。譲受価額14億8,500万円のうち、のれんは3億9,500万円と開示されています。基本合意の段階では15店舗の予定が、本契約では7店舗に絞られました。売り手はフランチャイズ本部で、買い手の大株主という関係者間の取引です。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社明文堂プランナーの書店事業(9店舗と外商部)1円(売上の0.00倍・営業利益の0.0倍)
- 株式会社TSUTAYAの直営7店舗14億8,500万円(売上の0.46倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社トップカルチャーが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日