ALSOK株式会社のM&A実績
警備を起点に、ビルメンテナンス(FM事業)と介護の2領域で会社を買い続けている会社です。開示文でも「M&Aや子会社間の合併などによって」FM事業の体制を作ってきたと自ら書いています。売り手は日立製作所、関西電力、クボタ、大和ハウス工業といった大企業が手放す子会社や事業部門が多い一方、創業者が持つ介護会社(ウイズネット、らいふ)や、個人株主20名が持つビルメンテナンス会社(日本ビル・メンテナンス)、地元の株主が持つ地域の警備会社(群馬綜合ガードシステム)も買っています。対象は売上14億円〜177億円と、中堅規模が中心です。
ALSOK株式会社が公表した適時開示16件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- 1965年7月
- 事業内容
- 機械警備・常駐警備・警備輸送のセキュリティ事業を軸に、ビルメンテナンスなどのファシリティマネジメント(FM)事業、介護事業を展開する警備業界大手(旧社名 綜合警備保障)
- 売上高
- 5,970億2,600万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 469億1,900万円
- 純資産
- 4,269億4,100万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 警備(常駐警備・機械警備・警備輸送)/ビルメンテナンス・設備管理・清掃/介護(有料老人ホーム・訪問介護・デイサービス)/訪問医療マッサージ/緊急通報サービス・食品検査
- 対象の規模
- 対象の売上 約14億円〜177億円(平和管財・大和ハウス系介護2社は業績非開示)
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)が中心。親会社が残る形の一部取得(日立セキュリティサービス90%、平和管財60%)、事業を新会社に切り出して受け取る会社分割、少数株主から残りを買う株式交換も使う。介護は子会社のALSOK介護が買い手になる
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社の多くは「ALSOK◯◯」に社名を変えて残ります。日立セキュリティサービスはALSOK昇日セキュリティサービス、群馬綜合ガードシステムはALSOK群馬、ウイズネットはALSOK介護になりました。一方で、事業ごとの統合も進めます。介護のHCMはALSOK介護に、日本ビル・メンテナンスは別の子会社と合併してALSOKファシリティーズに、東武デリバリーから引き取った警備輸送会社は本体に吸収されました。会社は残っても、名前と組織は数年でALSOKの形に寄せられると考えておくのが現実的です。
- 取得価額はほぼ全件で非公表です。16件のうち金額が出たのはケアプラス(約20億円)の1件だけでした。理由は毎回「相手先との協議により」で、「第三者機関による調査結果参考資料を基に決定」と添えられています
- 対象の業績は比較的よく開示されます。直近3年の売上・営業利益・純資産が載る案件が多く、赤字の年や純資産の急減もそのまま出ています
- 大企業グループの子会社を引き取る案件が多いのが特徴です。日立製作所、関西電力、クボタ、大和ハウス工業、東武鉄道、NTT東日本系、アズビル、エイチ・ツー・オー リテイリング系、日産自動車系から買っています
- 2026年にはカーライルと共同で上場企業の日本ドライケミカルを公開買付けで取得し、連結子会社化を決めています(2027年1月効力発生予定)。上場企業への公開買付けのため、この一覧には入れていません
- インドネシアやベトナムの警備会社への出資など海外案件、三菱商事との資本業務提携も載せていません
買収の履歴16件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
大和ハウスライフサポート株式会社・大和リビングケア株式会社
介護事業(特定施設を中心とする高齢者施設、在宅介護、介護周辺事業)。10都府県で1,700室超/東京都港区/東京都新宿区/2000年10月/2019年9月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:大和ハウス工業株式会社が100%(大和ハウスライフサポート)、大和リビング株式会社が100%(大和リビングケア。大和リビングは大和ハウス工業の100%子会社)/非開示。「当社連結業績への影響は軽微」とのみ記載
買収理由:介護事業の拡大・強化とラインナップ拡充
住宅大手の大和ハウスグループが持っていた介護会社2社を、ALSOK側の介護子会社がまとめて引き取った案件です。本業から離れた介護事業を、介護を本業にしている会社へ渡す流れがここにも出ています。業績や金額は開示されていません。
ALSOK介護の会社概要に、2026年6月に2社を子会社化し、ALSOK介護ライフサポート株式会社とALSOKケア株式会社に社名変更したとの記載があります。主要関係会社一覧の両社のリンク先が旧2社のドメインであることから、旧大和ハウスライフサポート→ALSOK介護ライフサポート、旧大和リビングケア→ALSOKケアと推定しています。
平和管財株式会社
ビルメンテナンス、警備・保安、施設管理、修繕・営繕、不動産/東京都中央区/1962年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社クボタ60%、ヒューリック株式会社35%、株式会社みずほ銀行5%/非開示。「今期業績に与える影響は軽微」とのみ記載
買収理由:FM事業(ビルメンテナンス)の拡大・強化。人材確保と生産性向上の課題への対応
創業1962年のビルメンテナンス会社で、警備も手がけています。買ったのはクボタが持つ60%だけで、ヒューリック35%・みずほ銀行5%は開示上そのままです。株主が複数いても、そのうち1社の持分だけで子会社化が成立する例です。開示文は「FM事業は人材の確保、生産性の向上といった多くの課題に直面」と書いており、人手の確保が難しい業種では、現場の人員を抱える会社そのものが買う理由になることが読み取れます。業績は開示されていません。
株式会社カンソー
ビルメンテナンス、警備/大阪府大阪市/1974年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 69億9,100万円
- 対象の営業利益
- 1億4,200万円
- 対象の純資産
- 78億1,100万円
決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:株式会社エイチ・ツー・オー商業開発が100%保有(エイチ・ツー・オー リテイリングの100%子会社)/相手先との協議により非公表。第三者機関による調査結果参考資料を基に決定
買収理由:関西圏でのFM事業の拡大・強化
売上69億9,100万円・営業利益1億4,200万円・純資産78億1,100万円。売上は81億4,400万円→71億2,700万円→69億9,100万円と2年で14%減り、前々期は5,000万円の最終赤字でした。それでも上場企業が全株を引き取っています。純資産が売上を上回るほど厚いのも特徴で、業績が下り坂でも、財務の厚さと関西の顧客基盤があれば買い手はつくことを示しています。
主要関係会社一覧に「カンソー」の名はありません。大阪のALSOKファシリティーズ西日本株式会社の設立日が1974年4月20日でカンソーと一致し、同社サイトに2024年12月1日付「株式完全譲渡のお知らせ」があることから、カンソーが社名変更したものと推定しています。
かんでんライフサポート株式会社
有料老人ホーム、訪問介護・看護/大阪府枚方市/2002年6月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 22億8,600万円
- 対象の営業利益
- △8,600万円
- 対象の純資産
- 3億1,900万円
決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:関西電力株式会社99.57%、株式会社関電セキュリティ・オブ・ソサイエティ0.43%/相手先との協議により非公表。第三者機関による調査結果参考資料を基に決定
買収理由:関西での高齢者施設の取り込みによる介護事業の拡大と、自立者向けを含むラインナップの拡充
売上22億8,600万円・営業損失8,600万円・純資産3億1,900万円。営業利益は8,400万円→3,700万円→△8,600万円と、黒字から赤字に転落した直後の年での譲渡でした。売上も3期続けて減っています。赤字に落ちた年でも、施設という実体があれば買い手はつきます。
株式取得日にALSOKライフサポート株式会社へ社名変更する予定と開示されましたが、現在の主要関係会社一覧に同名の会社は見当たりません(似た名前の「ALSOK介護ライフサポート」は旧大和ハウスライフサポートと推定)。合併等の開示は確認できていません。
株式会社かんでんジョイライフ
有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、訪問介護・看護/大阪府大阪市/2000年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 47億8,600万円
- 対象の営業利益
- 3,700万円
- 対象の純資産
- 2億5,500万円
決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:関西電力株式会社99.41%、株式会社関電L&A 0.59%/相手先との協議により非公表。第三者機関による調査結果参考資料を基に決定
買収理由:関西での高齢者施設の取り込みによる介護事業の拡大と、自立者向けを含むラインナップの拡充
売上47億8,600万円・営業利益3,700万円・純資産2億5,500万円。営業利益は△600万円→△500万円→3,700万円と、2期続いた赤字からようやく黒字に戻った年での譲渡です。純資産は11億1,400万円から2億5,500万円へ大きく減っていました。利益が薄くても、関西で「トップクラス」とされる施設網とブランドが評価されています。
株式取得日にALSOKジョイライフ株式会社へ社名変更する予定と開示され、同社サイトにも「2022年6月、ALSOKグループの一員となり、ALSOKジョイライフ株式会社として新たなスタート」とあります。主要関係会社一覧にも掲載されています。
株式会社らいふホールディングス
介護事業(首都圏で「ホームステーションらいふ」47施設・2,000室超)と食品検査事業の持株会社/東京都品川区/2014年12月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 126億4,200万円
- 対象の営業利益
- 9億1,800万円
- 対象の純資産
- 47億8,000万円
決算期:2019年11月期(単純合算)/譲渡前の株主:吉田伸一(代表取締役社長)50.01%、合同会社ハーバーコーポレーション49.99%/相手先との協議により非公表。第三者機関による調査結果参考資料を基に決定/持株会社・らいふ社・エムビックらいふ社の単体数値を単純合算したもの。持株会社単体の売上は375百万円
買収理由:首都圏の高齢者施設の取り込みで介護事業を6,500室規模へ拡大。食品検査事業をALSOKの顧客へ広げる
合算で売上126億4,200万円・営業利益9億1,800万円・純資産47億8,000万円。売り手の半分は創業社長個人です。営業利益は6億4,400万円→7億3,400万円→9億1,800万円と伸びている局面での譲渡でした。3期前には3億5,000万円の最終赤字がありましたが、その後の回復で評価されています。介護と食品検査という別々の事業を持株会社ごと一括で渡している点も、事業が複数ある会社の売り方として参考になります。
主要関係会社一覧に「ALSOKらいふケア(株)」と「ALSOKエムビック研究所(株)」があり、どちらのリンク先もらいふ社のサイト(life-silver.com)です。傘下の2社がそれぞれ社名変更して残っていると推定しています。持株会社のらいふホールディングス自体の扱いは確認できていません。
株式会社ケアプラス
訪問医療マッサージ(「まごころベルサービス」)、医療保険によるマッサージ施術の請求事務代行/東京都港区/2007年12月設立
- 取得価額
- 20億円
- 対象の売上
- 13億9,400万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 3億7,100万円
決算期:2018年3月期/譲渡前の株主:投資事業有限責任組合キャス・キャピタル・ファンド六号92.5%、個人株主4名7.5%/開示は「約20億円」という概数。アドバイザリー費用約9百万円は別
買収理由:あん摩マッサージ指圧師による訪問施術の実績を取り込み、介護事業と個人・法人の顧客満足を高める
この会社の案件で唯一、金額が開示されたものです。約20億円。売上13億9,400万円・純資産3億7,100万円に対し、売上の約1.4倍、純資産の約5.4倍の値段です。売上は10億8,700万円→11億9,000万円→13億9,400万円と伸び続けていました。売り手は投資ファンドで、一度ファンドに入った会社が、成長を続けたうえで事業会社に渡った例です。国家資格者による施術という、まねしにくい人材の層が評価されています。
主要関係会社一覧に「ALSOKケアプラス(株)」(東京都)が掲載されており、ケアプラスが社名変更して残っていると推定しています。商号変更の開示は確認できていません。
群馬綜合ガードシステム株式会社
群馬県内での常駐警備・機械警備/群馬県前橋市/1974年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 41億4,300万円
- 対象の営業利益
- 6億5,800万円
- 対象の純資産
- 73億300万円
決算期:2017年3月期/譲渡前の株主:綜合警備保障50.00%、金子才十郎13.00%、川崎弘(代表取締役社長)10.00%、法人株主1名・個人株主8名27.00%/現金ではなく株式交換。群馬綜合ガードシステム1株にALSOK株72.55株を割り当て、計725,500株(自己株式)を交付。非上場の同社の株式価値は類似会社比較法とDCF法で評価(第三者算定機関はフロンティア・マネジメント)
買収理由:完全子会社化によるグループ経営の機動性・柔軟性の向上
売上41億4,300万円・営業利益6億5,800万円(利益率15.9%)・純資産73億300万円。ALSOKが半分を持ち、残り半分を地元の個人株主などが持っていた地域の警備会社です。その残りを、現金ではなくALSOK株との交換で買い取りました。売り手は上場株を受け取るので、現金化の時期を自分で選べます。大手と資本関係のある地方の会社にとって、こうした出口があることを示す例です。
同社の沿革に、2017年11月に綜合警備保障の完全子会社となり、2019年に「群馬綜合ガードシステム株式会社からALSOK群馬株式会社へ社名を変更」とあります。
東武デリバリー株式会社の警備輸送事業(承継会社デリバリーサービス株式会社)
警備輸送(現金・貴重品・商品券の集配)。山梨県を除く首都圏/東京都足立区/2017年4月(承継のための新会社)設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 26億円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:年間売上規模(概数)/譲渡前の株主:東武デリバリー株式会社(東武鉄道の100%子会社)/相手先との協議により非公表。第三者機関による調査結果参考資料を基に決定/開示の「年間売上規模26億円程度」による概数
買収理由:首都圏の警備輸送の顧客基盤と事業ノウハウの取り込み
東武鉄道グループの物流会社から、警備輸送の部門だけを切り出して買った案件です。売り手は物流・倉庫事業を手元に残しています。2017年7月3日に取得を完了し、ALSOK関東デリバリー株式会社に社名を変えました。会社の一部門だけでも、新会社に移して株式譲渡の形で売ることができます。
社名変更後のALSOK関東デリバリー株式会社(2024年3月期 売上32億9,600万円・従業員440人)は、2025年4月1日付でALSOK本体に吸収合併され解散しました。取得から約8年での合併です。
テルウェル東日本株式会社の警備事業
都市部のオフィスビルを中心とした常駐警備(NTTグループ各社の入居ビルなど)/東京都/2017年1月(承継のための新会社)設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 26億円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:承継事業の売上規模(概数)/譲渡前の株主:テルウェル東日本株式会社(東日本電信電話91.7%ほかNTTグループ4社で100%)/相手先との協議により非公表。分割する資産・負債の時価を基礎に、第三者機関による調査結果参考資料を基に決定/開示の「承継する事業部門の売上高 26億円程度」による概数
買収理由:警備の人員不足や機械化に対応するため、両社の経営資源を相互に活用する
NTT東日本系の会社から、警備事業だけを切り出して受け取った案件です。売り手は対価の一部を新会社の株式で受け取り、20%を持ったまま共同運営に残ります。事業を完全に手放すのではなく、一部を持ち続けて取引関係を保つ形の実例です。
株式会社日立セキュリティサービス
日立グループ施設を中心とした常駐警備・機械警備、セキュリティ機器販売。従業員約1,200名/東京都千代田区/1997年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 81億4,000万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2016年3月期/譲渡前の株主:株式会社日立製作所が100%保有/相手先との協議により非公表。第三者機関による調査結果参考資料を基に決定
買収理由:日立グループの警備専門会社のブランド力・経営資源との融合(「共創」関係の構築)
売上81億4,000万円(75億7,400万円→74億8,800万円→81億4,000万円)。利益や純資産は「協議により非公表」です。日立製作所の警備部門を分社化した会社で、売り手が10%を持ち続ける形にしています。グループ内の施設警備という安定した仕事を、取引ごと引き継いだ案件です。
2017年2月1日に取得を完了し、ALSOK昇日(しょうじつ)セキュリティサービス株式会社に社名変更しました(同日の開示)。現在も主要関係会社一覧に掲載されています。
株式会社ウイズネット
グループホーム・介護付有料老人ホームなどの施設介護、デイサービス・訪問介護などの居宅介護、介護周辺事業/埼玉県さいたま市/1990年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 176億6,400万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2015年3月期/譲渡前の株主:髙橋行憲(代表取締役社長)40.91%、有限会社エー・ワイ・エー(代表 髙橋行憲)10.9%、髙橋利憲(取締役副社長)10.48%ほか。創業家と個人株主1名から取得/売主との協議により非公表。第三者機関による財務・法務調査結果参考資料を基に決定
買収理由:埼玉を中心とする首都圏での施設介護・居宅介護の取り込み。介護事業を売上300億円弱・利用者14,000名規模へ
売上176億6,400万円(159億2,600万円→168億6,000万円→176億6,400万円と伸長中)。この会社の案件で最大の売上規模で、売り手は創業家です。社長と副社長、社長の資産管理会社から株を集めて約7割を取得しました。売上が100億円を超える規模まで育てた創業者の出口として、上場企業への譲渡が選ばれた例です。利益と純資産は開示されていません。
ALSOK介護の沿革に、2020年6月に株式会社ウイズネットがALSOK介護株式会社に社名変更したとあります。本社はウイズネット時代と同じさいたま市大宮区三橋で、同年10月にはHCMなどグループの介護事業がここに統合されました。
アズビルあんしんケアサポート株式会社
緊急通報サービス(利用者約7万名)・健康相談、訪問介護・デイサービス・グループホーム・福祉用具レンタル/東京都大田区/1987年6月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 43億6,900万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2014年3月期/譲渡前の株主:アズビル株式会社が100%保有/売主との協議により非公表。第三者機関による財務・法務調査結果参考資料を基に決定
買収理由:高齢者向けサービスの中核として、緊急通報事業と首都圏の介護事業を取り込む
売上43億6,900万円。ビル制御大手アズビルの子会社で、民間の緊急通報事業者の草分けでした。ALSOKはこの会社を残しつつ、中の事業を後から組み替えています。介護部門は2020年にALSOK介護へ、緊急通報事業は2025年にALSOK本体へ移されました。買われた後、会社は残っても事業の置き場所は変わることがある例です。
取得時にALSOKあんしんケアサポート株式会社へ社名変更し、現在も主要関係会社一覧に掲載されています。介護事業は2020年10月にALSOK介護へ統合、緊急通報事業は2025年7月1日付の会社分割でALSOK本体へ承継されています。
株式会社HCM
在宅介護(訪問介護・通所介護・居宅介護支援)、有料老人ホーム/東京都港区/2002年8月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 39億4,800万円
- 対象の営業利益
- 2億1,200万円
- 対象の純資産
- 6億6,900万円
決算期:2014年6月期/譲渡前の株主:山崎明敏(代表取締役)34.66%、J-STAR一号投資事業有限責任組合33.02%、Pacific Minato, L.P. 23.88%ほか/売主との協議により非公表。第三者機関による財務・法務調査結果参考資料を基に決定
買収理由:三大都市圏の訪問介護・施設介護の取り込み。「HOME ALSOK」の介護サービスの中核に
売上39億4,800万円・営業利益2億1,200万円・純資産6億6,900万円。営業利益は6億3,700万円→3億5,600万円→2億1,200万円と、2年で3分の1に落ちている局面での譲渡でした。売り手は創業社長と投資ファンド2本です。利益が下がり続けていても、都市部の事業基盤と運営ノウハウがあれば買い手はつきます。
日本ビル・メンテナンス株式会社
総合ビルメンテナンス(設備管理・清掃管理・警備・工事)/東京都中央区/1955年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 96億9,100万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 17億6,800万円
決算期:2013年3月期/譲渡前の株主:本田和巳(代表取締役社長)ほか個人株主19名/売主との協議により非公表。第三者機関による財務・法務調査結果参考資料を基に決定
買収理由:建物の維持・管理・運営をトータルで請け負う体制の充実
売上96億9,100万円・純資産17億6,800万円。直前期は6億500万円の最終赤字で、純資産が23億8,700万円から17億6,800万円に減っていました。経常利益は9,900万円の黒字です。株主は社長を含む個人20名で、その77.1%を買い集めています。株が多くの個人に散らばっていても、赤字の年があっても、老舗のビルメン会社は上場企業に売れています。
ALSOKファシリティーズの沿革に、2021年4月に日本ビル・メンテナンスとALSOKビルサービスが合併し、ALSOKファシリティーズが発足したとあります。どちらが存続会社かは確認できていませんが、日本ビル・メンテナンスの社名は残っていません。
株式会社日産クリエイティブサービスのセキュリティ・ビルメンテナンス事業(承継会社ALSOK双栄株式会社)
警備、各種施設の綜合管理/神奈川県横浜市/承継のための新会社設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社日産クリエイティブサービス(日産自動車の100%子会社)/開示なし
買収理由:セキュリティ事業とビルメンテナンス事業の取り込み
日産自動車グループの会社から、警備とビル管理の事業だけを新会社に切り出して受け取った案件です。売上規模は「年間100億円程度」の見込みと開示されています(実績値ではないため売上欄は空けています)。大企業グループの施設管理部門は、こうして専業の会社に移ることがあります。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社ケアプラス20億円(売上の1.43倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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