リビン・テクノロジーズ株式会社のM&A実績
不動産会社向けのネットサービスを本業に、同じ住生活領域の会社や事業を年に1件ほどのペースで買っている会社です。最初は不動産向けのシステム(SaaS事業、システム開発会社)でしたが、2025年には「リアルソリューション領域に進出」として水回りメンテナンスの会社を買い、ネットの外へ広げる方針を打ち出しています。株式を買った2件はどちらも、社長個人が100%持っていた会社でした。
リビン・テクノロジーズ株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都中央区
- 設立
- 2004年1月
- 事業内容
- 不動産査定の「リビンマッチ」、外壁塗装の「ぬりマッチ」など、住生活領域に特化したマッチングサイトと不動産会社向けクラウドサービスの運営
- 売上高
- 35億9,200万円(2025年9月期(連結))
- 営業利益
- 5億300万円
- 純資産
- 17億1,600万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 不動産会社向けクラウドシステムの開発/水回りメンテナンス・リフォーム/不動産管理会社向けSaaS
- 対象の規模
- 対象の売上 15.5億円(シンエイ)。そのほかは売上非開示または「僅少」
- 手法
- 株式譲渡(完全子会社化)が中心。売上がほとんど無いSaaSを事業譲受で引き取った例もある
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 株式を買った会社は社名のまま子会社として残し、元の社長も代表として留任させています。そのうえで買い手の社長や部長が取締役に入る形です。一方で、自社で作った子会社(ぬりマッチ事業のリビンDX)は営業損失を出したあと本体に吸収合併しており、グループ内の整理はします。
- 株式を買った2件とも、取得価額が開示されています。シンエイは5億3,000万円、仲介王は7,000万円です
- 仲介王では、最初は「秘密保持義務により非公開、前期末純資産の10%未満」としていましたが、6日後に訂正を出して金額を開示しました。理由は「契約に秘密保持はあるが、法令で開示を求められる場合まで妨げる趣旨ではない」ため。秘密保持契約を結んでも、上場企業が買い手なら金額が公表されることがあるという例です
- シンエイの取得では、代金の支払いを「対象会社の一定の条件の充足を確認したのちに」行う契約になっていました。契約から実行まで約3か月あけています
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社シンエイ
水回りメンテナンス(「水のトラブルサポートセンター」)、リフォーム・リノベーション、不動産、総合建設、Web関連・通販/大阪府大阪市/2011年3月設立
- 取得価額
- 5億3,000万円
- 対象の売上
- 15億5,300万円
- 対象の営業利益
- 170万円
- 対象の純資産
- 3億4,000万円
決算期:2025年2月期/譲渡前の株主:個人1名(木原 朗広)が100%保有/アドバイザリー費用等39百万円を加えた合計額は569百万円(2026年4月1日の完了開示)。対価は対象会社の一定の条件の充足を確認したのちに支払う契約。直前期の純資産340百万円の約1.6倍、売上1,553百万円の約0.34倍
買収理由:デジタル領域に加え、水回りメンテナンスを中心とした「リアルソリューション領域」へ進出するため
売上15億5,300万円・純資産3億4,000万円に対し、取得価額は5億3,000万円。純資産の約1.6倍です。直前期の営業利益は173万円とほぼゼロでしたが、その前の期は4,786万円、さらに前の期は営業損失378万円と、利益は年によって大きく振れていました。それでも売上15億円規模の安定した事業と顧客との接点が評価されたと読めます。買い手にとって初めての「ネットの外」の会社で、本業と違う領域でも、買い手の戦略に合えば買われます。社長の木原氏は譲渡後も代表取締役に留任しています。
2026年4月1日に株式譲渡が完了し、社名のまま完全子会社になりました。木原朗広氏が代表取締役に留任し、シンエイが100%保有する株式会社LIGコーポレーションも孫会社としてグループに入っています。
株式会社仲介王
大手不動産フランチャイズ向けクラウドシステム(営業支援システム)の開発・保守・運用、スマートフォン向けアプリ開発/群馬県高崎市/2003年10月設立
- 取得価額
- 7,000万円
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:代表取締役の櫻井克彰氏。ほかの株主の株式を事前に同氏へ集約したうえで、同氏1名から全株式を取得/当初は「秘密保持義務により非公開、当社前期末純資産額の10%未満」としていたが、2023年12月26日の訂正開示で取得原価70,000千円(取得関連費用を含まない、現金払い)と開示。財務・法務デューデリジェンスを複数の外部専門家が実施
買収理由:不動産業界に特化したクラウドシステムの開発力強化、エンジニア人材の増強、顧客基盤の拡大
取得価額は7,000万円。業績は任意開示を理由に出されていません。大手不動産フランチャイズの加盟店約1,000店舗にシステムを提供している開発会社で、顧客基盤とエンジニアそのものが評価された案件です。株主が複数いても、社長が先に他の株主から株を集めておき、社長1人から買い手へ渡すという段取りが取られています。この買収で買い手は初めて連結決算に移行しました。
2026年4月のシンエイ取得完了の開示で、買い手の役員が「株式会社仲介王 取締役」を兼職していると記載されており、社名のまま子会社として残っています。
コスモテクノロジー株式会社の『BAIZO KANRI』事業
不動産管理会社向けの管理物件獲得支援SaaS(営業進捗管理・オーナー管理・物件情報管理)/東京都中央区/譲渡会社は2021年1月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:コスモテクノロジー株式会社(不動産会社向けITサービス)。株主構成は非開示/守秘義務契約に基づき非開示。当社の算定結果と将来の収益見積りを踏まえ、相手先と協議して決定/開示では「譲受対象となる事業の売上高は僅少」
買収理由:不動産会社向けDXクラウドの品ぞろえを増やし、新たな収益源をつくる
売上が「僅少」の事業でも買われています。値段は「将来の収益に対する見積り」を考慮して決めたと書かれており、今の売上ではなく、買い手の顧客に売ったときの将来の収益で評価されたことが分かります。設立2年ほどの会社が作ったSaaSで、会社ごとではなく事業だけを渡す形でした。
2023年4月1日に事業譲受が完了し、買い手本体の事業になりました。その後の開示のサービス一覧に『BAIZO KANRI』の名前はなく、サービスとして続いているかは追えていません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社シンエイ5億3,000万円(売上の0.34倍・営業利益の311.8倍)
- 株式会社仲介王7,000万円
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはリビン・テクノロジーズ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日