3989東証グロース

シェアリングテクノロジー株式会社のM&A実績

買い方が時期によってはっきり分かれる会社です。2017〜2018年には、Webサイト、ガラス製品やプリント配線板の製造、不動産と、本業と離れた会社まで短期間に続けて買いました。その後2019〜2020年に「暮らしのお困りごと」事業へ集中する方針に切り替え、それらを元の経営陣への売却や吸収合併で手放しています。2023年以降は、自社施工を増やすために害獣駆除やリフォームの施工会社を個人オーナーから買う形に変わっています。

シェアリングテクノロジー株式会社が公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
愛知県名古屋市
設立
2006年11月
事業内容
害獣・害虫駆除、カギ、水まわり、リフォームなど「暮らしのお困りごと」の依頼をWebで集め、加盟店や自社グループの施工で解決するサービスを運営
売上高
85億7,900万円(2025年9月期(連結・IFRS))
営業利益
20億7,400万円
純資産
52億円

どんな会社を買っているか

買う業種
害獣・害虫駆除、ハウスクリーニング/住宅リフォーム・建築施工/Webメディア・比較サイト(2017〜2018年)/製造業・不動産(2018年、のちに売却)
対象の規模
対象の売上 6,300万円(サイト事業)〜12.3億円
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。70%だけを取得して後から残りを買い増す形、売り手側が新設分割で対象事業だけを切り出してから株式を買う形、サイト単位の事業譲受も使う
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
2018年に買った会社の多くは2020年までに手放しています。名泗コンサルタントとリアブロードは子会社の代表者個人へ売却、塩谷硝子は事業を止めて吸収合併、Webサイトの会社も吸収合併しました。2023年以降に買った施工会社は子会社として残し、代表者を当社のCEOに替えています。
  • 2017〜2018年の案件は取得価額を開示していました。名泗コンサルタント7億円、電子プリント工業5億8,900万円、塩谷硝子4億7,300万円、Idealinkのサイト事業2億4,000万円、「iPhone救急車」1億6,000万円です
  • 2023年以降は守秘義務を理由に非開示です。どちらも「第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、双方協議の上」決めたと書かれています
  • 取引先から買い手になった例があります。藤澤不動産は長年この会社の加盟店で、案件の紹介を受けていた施工会社でした
  • 買われた後に、元の経営陣へ戻った会社があります。名泗コンサルタントは約2年後に代表者へ8億円(特別配当含む)で、リアブロードは創業者の代表者へ売却されました

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年3月11日株式譲渡(子会社化)

株式会社ライフライン

建築設計施工、住宅リフォーム/兵庫県神戸市/1990年3月設立

取得価額
―
対象の売上
5億6,600万円
対象の営業利益
1,900万円
対象の純資産
1億3,600万円

決算期:2025年1月期/譲渡前の株主:個人1名(笠松 寛)が100%保有/守秘義務契約により非開示。第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、双方協議の上で決定

買収理由:サービスの高品質化に向けた自社施工体制の拡大

神戸で1990年から続く地域密着のリフォーム会社。売上5億6,600万円・営業利益1,900万円・純資産1億3,600万円。売上は4億4,000万円→5億3,300万円→5億6,600万円と伸びていましたが、営業利益率は3%前後です。利益が薄くても、施工の技術と実績を持つ会社は「自社施工を増やしたい」買い手の対象になります。

買収後存続2026年10月13日時点

2026年4月1日に取得が完了し、社名のまま子会社になりました。代表取締役は当社CEOの片山善隆氏に替わっています。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:(開示事項の経過)子会社の異動(株式取得)、事業の譲渡完了および連結子会社の完全子会社化に関するお知らせ

出典:株式会社ライフラインの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2023年3月31日株式譲渡。発行済株式の70%を取得(子会社化)

藤澤不動産株式会社(70%)

害獣・害虫駆除、ハウスクリーニング/三重県四日市市/2013年5月設立

取得価額
―
対象の売上
4億3,300万円
対象の営業利益
△3,900万円
対象の純資産
400万円

決算期:2022年4月期/譲渡前の株主:個人1名(藤澤 隆太郎)が100%保有/守秘義務契約により非開示。第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、双方協議の上で決定

買収理由:長年の加盟店をグループに迎え、自社グループによる施工を拡大する

売上4億3,300万円。直前期は営業損失3,900万円の赤字で、純資産は4,379万円から439万円まで減っていました。それでも買い手がついたのは、長年この会社の加盟店として案件の紹介を受けてきた関係があったからです。仕事を回してくれている元請けや取引先が、そのまま買い手になることがあります。オーナーは30%を持ったまま残る形でした。

買収後社名変更2026年10月13日時点

推定です。2026年4月1日に70%から100%へ買い増して完全子会社化された「アズサポート株式会社」は、設立日(2013年5月31日)・資本金(500万円)・害獣駆除の事業・70%の持分が藤澤不動産と一致しており、同社が社名を変えたものとみられます。商号変更そのものの開示は確認できていません。

確認元:(開示事項の経過)子会社の異動(株式取得)、事業の譲渡完了および連結子会社の完全子会社化に関するお知らせ

出典:藤澤不動産株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年5月22日事業譲受(サイト単位)

「iPhone救急車」事業(株式会社Gogasha)

iPhone修理店舗の検索ポータルサイトの運営/東京都新宿区/譲渡会社は2014年5月設立設立

取得価額
1億6,000万円
対象の売上
6,300万円
対象の営業利益
5,900万円
対象の純資産
―

決算期:2017年4月〜2018年3月(月次合算)/譲渡前の株主:株式会社Gogasha(大株主は非開示)/税抜。営業利益約58百万円に対し「投資回収期間は約2.8年」と開示/2017年4月〜2018年3月の月次損益を合算した数値。決算書上の数値ではない

買収理由:既存のWeb事業で培ったサイト集客力を活用し、収益を拡大する

売上6,300万円に対して営業利益5,900万円。引き継ぐ資産も負債もゼロの、サイトだけの売買で1億6,000万円がついています。買い手は「投資回収期間は約2.8年」と書いており、営業利益の約2.7倍という値付けが読めます。会社ではなく1つの事業だけでも売れる、という実例です。

買収後不明2026年10月13日時点

譲受後のサイトの扱いを示す開示は確認できていません。2020年8月の開示では、2021年9月期から『暮らしのお困りごと』事業のみになる見込みと説明されています。

確認元:連結子会社の異動を伴う株式譲渡契約締結のお知らせ

出典:iPhone修理店舗検索ポータルサイト「iPhone救急車」の事業譲受に関するお知らせ

2018年5月22日株式譲渡(完全子会社化)

塩谷硝子株式会社

医療用ガラス製品(アンプル、バイアル)と建設用ガラス製品(アンカー)の製造・販売/愛知県春日井市/1968年1月設立

取得価額
4億7,300万円
対象の売上
6億2,600万円
対象の営業利益
△5,200万円
対象の純資産
7億5,100万円

決算期:2018年2月期/譲渡前の株主:塩谷浩介29.35%、塩谷祐二18.22%ほか個人16名(計18名)/アドバイザリー費用等(概算)95百万円を加えた合計は568百万円。簿価純資産約6.7億円、外部専門家の試算による時価純資産約9.5億円に対し、買取価格は約4.7億円と開示

買収理由:大手との長年の取引という安定した事業基盤を取り込み、企業価値を拡大する

売上6億2,600万円・純資産7億5,100万円。営業損失が3期続いていて(3,400万円→5,100万円→5,200万円)、値段は簿価純資産を下回る4億7,300万円でした。不動産の含み益まで入れた時価純資産は約9.5億円と買い手自身が開示しています。赤字が続くと、資産があっても純資産より安い値段になりやすい例です。株主は創業家を含む個人18名でした。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2020年6月末で製造を停止し、同年9月下旬を効力発生日として当社に吸収合併されました。開示では「今後の業績向上が望めないこと等から」と説明され、承継した本社の土地建物は売却を計画するとしています。

確認元:塩谷硝子株式会社との簡易吸収合併及び特定子会社の異動に関するお知らせ

出典:塩谷硝子株式会社の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

2018年2月22日株式譲渡(子会社化)

電子プリント工業株式会社

電子回路の設計、プリント配線板(片面が主力)の製造・販売/兵庫県尼崎市/1975年5月(創業1971年5月)設立

取得価額
5億8,900万円
対象の売上
9億9,600万円
対象の営業利益
1,200万円
対象の純資産
14億8,100万円

決算期:2017年2月期/譲渡前の株主:石川豊36.6%、石川寛31.6%、石川肇11.1%、石川文子11.1%(石川家4名で90.6%)、ほか個人株主等3名/アドバイザリー費用等(概算)65百万円を加えた合計は654百万円。調整後EBITDAは61百万円→98百万円→63百万円と開示

買収理由:大手電機メーカーからの受注を基盤に、売上・調整後EBITDAが安定している

売上9億9,600万円・純資産14億8,100万円。営業利益は前々期まで2期赤字で、直前期に1,200万円の黒字に戻したところでした。取得価額5億8,900万円は純資産の4割程度です。純資産が厚くても、本業の利益が小さいと値段は純資産に届かないことが分かります。株主は創業家4名で9割を持っていました。

買収後再売却2026年10月13日時点

2020年7月の開示で、名泗コンサルタントとともに「既に流動化が完了」したと説明されています。譲渡先と譲渡価額を示す開示は確認できていません。

確認元:塩谷硝子株式会社との簡易吸収合併及び特定子会社の異動に関するお知らせ

出典:電子プリント工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年2月22日株式譲渡(子会社化)

株式会社名泗コンサルタント

不動産売買、仲介、賃貸/三重県四日市市/1980年6月設立

取得価額
7億円
対象の売上
12億2,500万円
対象の営業利益
△1億6,000万円
対象の純資産
10億3,900万円

決算期:2017年1月期/譲渡前の株主:個人1名(岡本 潤治)が100%保有/アドバイザリー費用等(概算)52百万円を加えた合計は752百万円。調整後EBITDAは85百万円→90百万円→98百万円と開示

買収理由:売上・調整後EBITDAが安定している地域密着の不動産会社を取り込み、企業価値を拡大する

売上12億2,500万円・純資産10億3,900万円。直前期は営業損失1億6,000万円でしたが、買い手は会計上の営業利益ではなく調整後EBITDA(8,500万円→9,800万円)を開示して値段の根拠にしています。取得価額7億円は純資産を下回る水準です。買い手は決算書の利益ではなく、買った後に残る稼ぐ力で値段を決めることがあるという例です。

買収後再売却2026年10月13日時点

2020年1月、子会社の代表取締役である牧野昌良氏へ全株式を譲渡する基本合意を結びました。譲渡価額は800百万円(特別配当含む)、当社は約330百万円の売却損を見込むと開示しています。2020年7月の開示で譲渡は完了済みとされています。

確認元:連結子会社の異動(株式譲渡)に関する基本合意書締結及び関係会社株式売却損の計上(見込み)のお知らせ

出典:株式会社名泗コンサルタントの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年2月1日株式譲渡(子会社化)

株式会社リアブロード

格安海外留学サービス「スマ留」の運営/東京都新宿区/2014年12月設立

取得価額
1億3,000万円
対象の売上
2億2,300万円
対象の営業利益
△2,400万円
対象の純資産
△3,100万円

決算期:2017年11月期/譲渡前の株主:神田慎54%、日吉正一36%、株式会社ワンスター10%/アドバイザリー費用等(概算)9百万円を加えた合計は139百万円

買収理由:既存のWeb事業で培ったサイト集客力を活用し、収益を拡大する

営業損失2,400万円、純資産マイナス3,100万円の債務超過で1億3,000万円がついています。売上は890万円→4,750万円→2億2,250万円と急に伸びていた時期で、赤字でも伸び方に値段がつきました。そして2020年8月、この会社は創業者で代表取締役の神田慎氏に買い戻されています。一度売っても、事業が手元に戻る道があることを示す例です。

買収後再売却2026年10月13日時点

2020年8月、当社は全株式を代表取締役の神田慎氏に譲渡する契約を結び、同月末に実行予定と開示しました。譲渡価額と直近の業績は譲渡先の意向で非公表です。

確認元:連結子会社の異動を伴う株式譲渡契約締結のお知らせ

出典:株式会社リアブロードの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2017年12月14日売り手側が新設分割で対象のサイト事業を新会社に移し、その株式を100%取得

Idealink株式会社のWebメディア事業(新設のフランチャイズの窓口株式会社)

フランチャイズ加盟希望者向けサイト「フランチャイズの窓口」、クレジットカード比較サイトなどの運営/東京都品川区/分割会社は2016年3月設立設立

取得価額
2億4,000万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2017年1月期(分割前の会社全体)/譲渡前の株主:個人1名(島袋 直樹)が100%保有/当初は非開示としていたが、2017年12月27日の訂正で開示。アドバイザリー費用等(概算)2百万円を含めた合計は242百万円

買収理由:フランチャイズ加盟希望者と、当社の加盟店の顧客層が重なり、シナジーが見込める

分割前のIdealink全体では売上2億7,900万円・営業利益1,400万円・純資産1,400万円でしたが、ストレッチ専門店などサイト以外の事業も含む数字で、買われたサイト事業だけの業績は開示されていません。売り手は売らない事業を新会社に残し、サイト事業だけを2億4,000万円で手放しています。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

取得から2か月後の2018年2月に、フランチャイズの窓口株式会社を当社に吸収合併すると決議しました。サイト「フランチャイズの窓口」の事業は、2026年4月1日に当社から外部へ譲渡されています。

確認元:完全子会社(フランチャイズの窓口株式会社)との吸収合併(簡易合併)に関するお知らせ

出典:Idealink株式会社の株式取得(子会社化)及び連結決算への移行に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された6件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 「iPhone救急車」事業(株式会社Gogasha)1億6,000万円(売上の2.54倍・営業利益の2.7倍)
  • 塩谷硝子株式会社4億7,300万円(売上の0.76倍)※営業赤字での譲渡
  • 電子プリント工業株式会社5億8,900万円(売上の0.59倍・営業利益の49.1倍)
  • 株式会社名泗コンサルタント7億円(売上の0.57倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社リアブロード1億3,000万円(売上の0.58倍)※営業赤字での譲渡
  • Idealink株式会社のWebメディア事業(新設のフランチャイズの窓口株式会社)2億4,000万円

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはシェアリングテクノロジー株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日