株式会社グッドパッチのM&A実績
デザインの会社が、自社に足りない機能を持つ小さな制作・開発会社を買っています。名古屋のクリエイティブ制作会社、AIデザインツールを作るスタートアップ、EC構築・アプリ開発の会社と、3件とも創業者や個人が持っていた会社です。資本金10万円の会社も買っています。件数は多くありませんが、2025年以降は1年に1件のペースで続いています。
株式会社グッドパッチが公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都渋谷区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 企業の事業変革をデザインで支援する「デザインパートナー事業」と、デザイン人材の紹介やオンラインホワイトボード、AIデザインツールを提供する「デザインプラットフォーム事業」を展開するデザイン会社
- 売上高
- 50億8,500万円(2025年8月期(連結))
- 営業利益
- 5億5,700万円
- 純資産
- 41億4,500万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- Web・アプリの制作、クリエイティブ・ブランディング/AIデザインツールの開発/EC構築・運用支援、アプリの受託開発
- 対象の規模
- 対象の売上 5.7億円(数字が開示されたのはスタジオディテイルズの1件のみ)
- 手法
- 株式譲渡(完全子会社化)。AIツールの案件では、売り手の会社が事業を新会社に切り出し、その新会社の株式を買う形を取っている
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残し、売り手の経営陣が引き続き経営する形を取っています。スタジオディテイルズは取得から約4年たった2025年8月期の決算短信でも、連結子会社として名前が出ています。
- 取得価額は3件とも非開示です。理由は「守秘義務契約」や「相手先との協議」
- ただしスタジオディテイルズは「1億円以上の支出を伴うM&A案件に該当」と書かれています。新株予約権の停止指定が解ける条件として記載されたもので、ここから取得価額が1億円以上だったことが読めます
- 対象の業績は、スタジオディテイルズでは3期分が出ていますが、Bandでは「相手先との協議に基づき」非開示でした。業績を出すかどうかは、売り手との話し合いで決まることがわかります
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社Band
EC構築・運用支援、アプリケーションの企画・受託開発/東京都目黒区/2019年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人1名(河合 航平)が100%保有/非開示。連結業績への影響は「軽微」と開示
買収理由:グッドパッチの「企画・設計・デザイン」とBandの「システム実装・EC構築・運用」をグループ内で統合し、AIを使った開発ノウハウをグループ全体に広げる
資本金10万円、設立7年の会社です。業績は「非上場企業であり、相手先との協議に基づき」非開示とされました。上場企業の開示でも、売り手が望めば業績を伏せられる例です。評価されたのは規模ではなく、D2Cやスタートアップの顧客基盤と、AIで工数を減らす開発の進め方でした。デザイン会社が「作れる会社」を買うという、足りない機能を埋める買い方です。
株式会社Layermate
AIデザインツール「Layermate」の開発・運営・導入支援/東京都渋谷区/2025年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:新設会社のため決算なし/譲渡前の株主:株式会社Rera(2023年9月設立、資本金1百万円。代表は池上 涼平)/非開示。連結業績への影響は「軽微」と開示
買収理由:Figma上で生成AIとの対話からUIデザインを自動生成するツールを取り込み、デザイン支援の力を強める
製品の公開からわずか4か月での譲渡です。2025年5月に公開されたツールで、国内外8,000人以上がインストールしていました。売上の実績ではなく、利用者の伸びと技術そのものが評価された案件です。売り手は会社を丸ごと渡したのではなく、ツールの事業だけを新会社に切り出して売っています。
株式会社スタジオディテイルズ
Web・アプリの企画・デザイン・構築・運用、広告クリエイティブ、ブランディング/愛知県名古屋市/2009年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億6,700万円
- 対象の営業利益
- 1,800万円
- 対象の純資産
- 6,100万円
決算期:2021年9月期/譲渡前の株主:創業者2名(海部 洋 50%、服部 友厚 50%)/守秘義務契約により非開示。第三者機関のデューディリジェンスとDCF法で算定。ただし「1億円以上の支出を伴うM&A案件に該当」と記載されており、取得価額は1億円以上(純資産61百万円の1.6倍以上)と読める
買収理由:グッドパッチの戦略デザイン・UI/UXデザインと、ディテイルズの質の高いクリエイティブ・ブランディングを融合し、デザインの総合力を高める
売上5億6,700万円・営業利益1,800万円・純資産6,100万円。売上は3億9,700万円→5億2,100万円→5億6,700万円と伸びていましたが、営業利益は2,770万円→6万円→1,770万円と大きく揺れています。利益がほぼゼロの年があっても、デザイナー24名と広告賞80以上という人材の質、名古屋の大手顧客基盤が評価されました。共同創業者2人が半分ずつ持つ会社でもそろって売却し、譲渡後も経営を続けています。
2025年8月期の決算短信に「連結子会社である株式会社スタジオディテイルズ」として社名が出ており、取得から約4年たっても子会社として残っています。
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本ページは株式会社グッドパッチが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日