サンネクスタグループ株式会社のM&A実績
社宅管理代行を本業とする会社で、本業の周りにある小さな事業を、数年に1件のペースで取り込んでいます。相手は保険代理店、リフォーム会社、人材紹介会社と、いずれも不動産・住まいの周辺です。売り手は創業者個人の会社もあれば、大手不動産会社の一事業もあります。会社ごと買う形だけでなく、事業だけを子会社に移して引き取る形(事業譲受・吸収分割)を繰り返し使っているのが特徴です。
サンネクスタグループ株式会社が公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都新宿区
- 設立
- 1998年10月
- 事業内容
- 企業の社宅・寮の管理事務を代行する「社宅マネジメント事業」を基盤に、マンション管理、保険代理、防犯・コールセンターなどを営む持株会社(旧・日本社宅サービス)
- 売上高
- 88億8,100万円(2026年6月期(連結))
- 営業利益
- 8億1,600万円
- 純資産
- 81億5,400万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 社宅管理代行サービス/保険代理店/不動産の原状回復・リフォーム/人材紹介・人材派遣(不動産業界向け)
- 対象の規模
- 対象の売上 5.5億円(全日総管理)。ほかの案件は業績非開示。取得価額の開示は5,300万円
- 手法
- 株式譲渡(完全子会社化)、簡易株式交換、事業譲受、子会社による吸収分割での事業承継。事業だけを引き取るときは、受け皿の子会社を先に用意する(サンネクスタリーシング、新設のタスリンク)
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 会社ごと買った場合は社名を残し、創業者が社長を続けています(全日総管理、キミノミライ)。事業だけを買った場合は、受け皿の子会社にまとめ、その子会社がのちにグループ内で合併されることもあります(保険代理店事業を引き取ったサンネクスタリーシングは2021年にスリーSへ合併)。相乗効果が出なかった全日総管理は、2022年に創業者へ株を売り戻しています。
- 取得価額が開示されたのは4件中1件です。保険代理店事業の譲受で5,325万6,000円。ほかの3件は金額の記載がありません
- 買った会社を創業者に売り戻した実例があります。全日総管理は約6億円相当の株式交換で取得し、4年半後に創業者へ5億9,158万9,600円で譲渡しました。「買われたら終わり」ではなく、合わなければ元のオーナーの手に戻る道もあるという例です
- 大手の一事業を引き取る買い手でもあります。東京建物グループの社宅管理代行サービス事業を、受け皿の子会社を新設して吸収分割で承継しました。サービス内容はそのまま続ける方針と開示されています
- 株式交換で取得した全日総管理の創業者は、交付された株で親会社の大株主(5.90%、2019年6月時点)にもなっていました。現金ではなく買い手の株で受け取る形の一例です
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社キミノミライ
人材紹介・人材派遣、上京支援プログラム「東京みらいクルー」、採用コンサルティング、教育・研修/東京都中央区/2016年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人1名(西山 歩)が100%保有/非開示。業績への影響は「軽微」とのみ記載
買収理由:不動産管理会社等の働き手不足を解消する支援サービスの拡充
資本金500万円、創業10年の人材会社を、社長1人から100%買い取った案件です。買い手の本業は社宅管理ですが、取引先である不動産管理会社の人手不足を解決する手段として人材会社を買っています。自社の業種と違っても、買い手の顧客が困っていることを解決できる会社なら対象になる、という例です。完了の開示では、西山氏が「経営にとって重要」なので引き続き代表取締役を続けると明記されています。業績は開示されていません。
2026年10月1日に全株式の取得が完了し、完全子会社になりました。創業者の西山歩氏が引き続き代表取締役を務めます。
東京建物不動産販売株式会社の社宅管理代行サービス事業
社宅管理代行サービス/東京都中央区/分割会社は1980年5月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:東京建物株式会社(上場企業)が100%保有する東京建物不動産販売の一事業/非開示。業績への影響は「軽微」とのみ記載
買収理由:本業である社宅マネジメント事業の拡大
大手不動産グループが、本業の周辺にあった一事業を同業の専業会社に渡した案件です。買い手は2026年1月に受け皿の子会社タスリンクを新設し、そこへ吸収分割で事業を移しました。基本合意から効力発生まで7か月です。開示には「提供されてきたサービス内容を、そのまま継続することを当面の運営方針」とあり、事業だけを売る場合でも、顧客へのサービスが続く形で引き継がれることが読み取れます。分割会社の純資産365億6,900万円は会社全体の数字で、承継した事業の業績は開示されていません。
2026年4月15日に吸収分割契約を締結し、2026年7月1日に予定どおり承継が完了しました。事業は完全子会社のタスリンク株式会社が営んでいます。
株式会社リスクマネジメント・アルファの保険代理店事業
保険代理店(既存の顧客と関連するノウハウ)/愛知県名古屋市/譲渡会社は2002年6月設立設立
- 取得価額
- 5,326万円
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示(非上場のため開示せずと記載)/譲渡前の株主:譲渡会社は株式会社リスクマネジメント・アルファ(非上場)。株主構成の記載なし/譲受価格53,256,000円
買収理由:保険代理店事業の取得によるグループの事業展開と収益拡大
名古屋の保険代理店から、顧客とノウハウだけを5,325万6,000円で買った案件です。会社は売らずに事業だけを譲る形で、対象は「既存の顧客とそれに関連するノウハウ等」と書かれています。買い手は譲受日に合わせて名古屋オフィスを開設しており、顧客の担当を地元で引き継ぐ前提だったことが読み取れます。保険代理店のように顧客名簿そのものが資産の業種では、事業だけを切り出して売る道があります。
事業を引き取ったサンネクスタリーシングは、2021年7月1日付でグループ内のスリーSに吸収合併されました。保険代理業はスリーSの事業として続いています。
株式会社全日総管理
不動産の原状回復工事、リフォーム工事、クリーニング/東京都新宿区/1995年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億5,000万円
- 対象の営業利益
- 2,100万円
- 対象の純資産
- 1億4,500万円
決算期:2017年3月期/譲渡前の株主:個人1名(長友 孝祥)が100%保有/金額としての記載なし。交換比率は1株につき4,172株、買い手株価の算定値は719円で、交付株式834,400株×719円=約6億円相当と読める。第三者機関のDCF法による全日総管理の株式価値は1株2,235,390円〜3,333,416円(200株で約4億4,700万円〜6億6,700万円)
買収理由:グループの施設総合管理事業と補完関係にあるリフォーム・原状回復のノウハウ取り込み
売上5億5,000万円・営業利益2,100万円・純資産1億4,500万円。営業利益の約28倍、純資産の約4倍に当たる約6億円相当を、現金ではなく買い手の株式で受け取っています。創業者は社長を続け、受け取った株で親会社の大株主にもなりました。ただし4年半後、「両社において十分な効果を発揮するに到らず」として、創業者が5億9,158万9,600円で全株式を買い戻しています。その時点の業績は売上4億2,100万円・営業利益1,700万円・純資産2億6,100万円でした。合わなかったときに元のオーナーへ戻す出口が実際に使われた例です。
2017年8月1日に完全子会社化。2022年1月21日に創業者の長友孝祥氏へ全株式を591,589,600円で譲渡すると開示されました(譲渡実行予定日は2022年3月31日)。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社リスクマネジメント・アルファの保険代理店事業5,326万円
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはサンネクスタグループ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日