3435東証スタンダード

サンコーテクノ株式会社のM&A実績

建設用アンカーのメーカーが、製品の幅を広げるために創業50年以上の老舗の製造業・商社を数年おきに買っている会社です。売り手は創業家の個人オーナーが中心で、取得の理由は毎回「製品バリエーションの拡充」です。3件中2件で取得価額を開示しており、どちらも対象の純資産とほぼ同じか、それを下回る金額でした。

サンコーテクノ株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
千葉県流山市
設立
1964年5月
事業内容
あと施工アンカー・ドリルビットなどの建設資材(ファスニング事業)と、FRPシート・アルコール検知器・包装機器などの機能材事業を営むメーカー
売上高
217億6,000万円(2026年3月期(連結))
営業利益
17億9,300万円
純資産
203億3,700万円

どんな会社を買っているか

買う業種
プラスチック成形機・包装機の輸入販売/土木用排水材など合成樹脂製品の製造/ネジ・シャフトなど金属圧造部品の製造
対象の規模
対象の売上 2.9億円〜14.9億円
手法
株式譲渡(100%取得による子会社化)
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として持つ形です。ただし成光産業・新光ナイロンについては、手元の開示ではその後の状況を確認できていません。2026年1月には、1977年設立の完全子会社アイエスエム・インタナショナルを本体に吸収合併しており、グループ内で整理することもあります。
  • 価格の開示は2件。成光産業は550百万円(対象の純資産555百万円)、新光ナイロンは1,313百万円(同1,920百万円)でした。純資産を基準にした、堅めの値付けが読み取れます
  • 甲府精鋲は取得価額を「相手先の要請により」非開示にしています。ただし2026年3月期の決算短信で負ののれん発生益284百万円を計上しており、受け入れた資産の時価より安い価格だったことが分かります
  • 決算短信によると、2024年12月にもアキヤ電気株式会社を取得しています(負ののれん発生益134百万円)。個別の取得開示は手元に無いため、案件の一覧には入れていません
  • 成光産業の開示は、資本金の基準に該当していたのに取得から約5か月後の事後開示になったと、会社自身がお詫びを付けています

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2025年12月17日株式譲渡(100%取得による子会社化)。タイ子会社は孫会社に

甲府精鋲株式会社

ネジ・シャフトなど金属圧造部品と部品供給装置の製造販売(PCファンモーター、HDD、自動車ドア周辺向け)。タイ子会社KOHBYO(THAILAND)を保有/山梨県中巨摩郡昭和町/1982年12月設立

取得価額
―
対象の売上
5億1,800万円
対象の営業利益
△700万円
対象の純資産
8億2,200万円

決算期:2025年5月期(単体)/譲渡前の株主:東京中小企業投資育成株式会社43.6%、代表取締役 山本 史明19.9%ほか/相手先の要請により非開示。取得後の2026年3月期決算短信で負ののれん発生益284百万円(暫定)を計上しており、受け入れた純資産の時価を下回る価格だったと読める/甲府精鋲単体の数値。タイ子会社は別に売上1,187百万円・営業損失138百万円・純資産1,862百万円(2025年5月期、1バーツ4.85円換算)

買収理由:当社の課題だった微細な金属部品の製造力を取り込み、グループの製造・開発体制を強化する

単体で売上5億1,800万円・純資産8億2,200万円。営業損益は△7,500万円→△8,400万円→△700万円と3期連続の赤字でした。それでも、買い手が苦手としていた「微細な部品」の加工技術が評価されています。売り手の筆頭は公的な投資会社の東京中小企業投資育成(43.6%)で、同社は買い手サンコーテクノの株も9.1%持っています。投資育成が入っている会社は、その出資先どうしで縁がつながることがあると読める案件です。結果として負ののれん2億8,400万円が出ており、赤字が続いた会社は純資産より安い値段になりやすいことも示しています。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年1月6日に取引実行予定として開示され、2026年3月期の決算短信で連結子会社(新規2社)として甲府精鋲とKOHBYO(THAILAND)が記載されています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:甲府精鋲株式会社の株式取得に伴う子会社及び孫会社の異動に関するお知らせ

2023年3月31日株式譲渡(100%取得による子会社化)

新光ナイロン株式会社

土木用暗渠排水材「ヘチマロン」など合成樹脂立体網状構造体の製造・販売/大阪府箕面市/1958年7月設立

取得価額
13億1,300万円
対象の売上
2億8,800万円
対象の営業利益
2,500万円
対象の純資産
19億2,000万円

決算期:2022年6月期/譲渡前の株主:個人1名(氏名は非公開)66.7%、森村興産株式会社(不動産賃貸業)33.3%/アドバイザリー費用等72百万円を加えた合計は1,385百万円

買収理由:製品バリエーションを広げ、ソリューション営業(コトづくり)を強化して既存市場・新市場への販売を拡大する

売上2億8,800万円・営業利益2,500万円に対し、純資産は19億2,000万円。取得価額13億1,300万円は純資産の約0.68倍でした。営業利益の50倍を超える計算ですが、値段を決めたのは利益ではなく積み上がった純資産だと読めます。売上の6倍以上の純資産を持つ、資産の厚い老舗です。内部留保が厚い会社は、利益が小さくても大きな金額で売れる。ただし純資産そのままの値段がつくとは限らない、という両面がある例です。

買収後不明2026年10月12日時点

2023年4月6日に取引実行予定として開示されました。その後の商号変更・合併・再売却の開示は手元に無く、2026年3月期決算短信にも社名の記載が無いため、現状は確認できていません。

確認元:新光ナイロン株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:新光ナイロン株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2019年8月21日株式譲渡(100%取得による子会社化)。2019年3月28日決議・4月10日実行の事後開示

成光産業株式会社

欧州製プラスチック成形機・シュリンク包装機の輸入販売。子会社の成光パックでプラスチック成形加工/東京都杉並区/1964年3月設立

取得価額
5億5,000万円
対象の売上
14億9,100万円
対象の営業利益
8,300万円
対象の純資産
5億5,500万円

決算期:2018年12月期(単体)/譲渡前の株主:代表取締役会長 福田 一之が100%保有/アドバイザリー費用等1百万円を加えた合計は551百万円/成光産業単体の数値。子会社1社との単純合算では売上1,585百万円・営業利益74百万円・純資産603百万円

買収理由:商品バリエーションを増やし新市場への販売を広げ、外部環境に左右されない安定成長の基盤をつくる

売上14億9,100万円・営業利益8,300万円・純資産5億5,500万円。取得価額5億5,000万円は純資産とほぼ同額で、営業利益の約6.6倍でした。売上は9億4,300万円→11億6,900万円→14億9,100万円と2年で1.6倍に伸びていた局面です。会長1人が100%を持つ会社が、伸びている最中に純資産並みの価格で売った例で、成長分のプレミアムは大きく乗っていません。

買収後不明2026年10月12日時点

2019年4月10日に取引実行済みと開示されています。その後の商号変更・合併・再売却の開示は手元に無く、現状は確認できていません。

確認元:成光産業株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:成光産業株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 新光ナイロン株式会社13億1,300万円(売上の4.56倍・営業利益の52.5倍)
  • 成光産業株式会社5億5,000万円(売上の0.37倍・営業利益の6.6倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはサンコーテクノ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日