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株式会社TWOSTONE&SonsのM&A実績

ITエンジニアを企業に送り出す「エンジニアマッチング」の会社を、ほぼ毎年買い続けている会社です。対象は売上2億〜7億円、社員数十人〜100人規模のSES・エンジニア紹介会社が中心で、売り手の多くは創業社長個人です。2025年からは子会社のenableXを通じてコンサルティング会社も買い始め、開示文では「ロールアップ戦略」を自ら掲げています。

株式会社TWOSTONE&Sonsが公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都渋谷区
設立
2013年10月
事業内容
フリーランスITエンジニアと企業のマッチング「Midworks」を軸に、エンジニア人材、マーケティング支援、コンサルティング・M&Aアドバイザリーを束ねる持株会社
売上高
180億7,700万円(2025年8月期(連結))
営業利益
8億1,900万円
純資産
34億6,700万円

どんな会社を買っているか

買う業種
エンジニアマッチング・SES(システムエンジニアリングサービス)/ITエンジニアの採用・育成/経営・戦略・DXコンサルティング
対象の規模
対象の売上 1.9億円〜6.2億円(直近期。設立直後のジンアースは実績0.7億円)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。株式交換で一部を自社株で払う形や、一部(70%)だけを取得する形も使う。コンサル会社は子会社enableXが買い手になる
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。2025年8月期の決算短信では、TSR、ジンアース、MapleSystems、Careconがそれぞれエンジニアマッチングサービスを担う会社として名前が挙がっています。一方、TSRソリューションズとUPTORYの名前はそこには出てこず、その後の扱いは開示から確認できていません。
  • 取得価額がほぼ毎回開示されています。掲載した8件はすべて金額が分かり、1億2,300万円〜6億2,500万円の範囲でした
  • 利益の小さい会社にも、利益の何十倍という値段をつけています。営業利益700万円のTSRソリューションズに3億2,100万円、営業利益がマイナスのCareconに6億2,500万円。営業利益より、抱えているエンジニアの数と取引先が評価されていると読めます
  • コンサル会社4社(アスピレテックコンサルティング、Nofty Consulting、Minato、ストラテジーキャンパス)も2025年に子会社のenableX経由で取得していますが、業績・金額は「軽微」として開示されていないため、一覧には入れていません
  • 算定方法は案件ごとに書かれています。DCF法と類似会社比較法(TSRソリューションズ)、進行期の業績を踏まえた類似会社比準法(ジンアース)、第三者算定機関によるDCF法(FAM)など

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2025年11月14日株式譲渡で80%を取得し、残り20%を簡易株式交換(自社株)で取得して完全子会社化

株式会社FAM

エンジニア未経験者を採用・育成して企業に送り出すシステムエンジニアリングサービス(従業員99名)/東京都新宿区/2012年12月設立

取得価額
1億6,500万円
対象の売上
4億8,900万円
対象の営業利益
2,800万円
対象の純資産
4,800万円

決算期:2024年10月期/譲渡前の株主:個人1名(菅 浩徳)が100%保有/現金での株式取得132百万円(80%分。アドバイザリー費用等5百万円は別)と、株式交換でTWOSTONE&Sons株式36,960株を交付した20%分の合計。FAM株式1株あたりの価値は1,033,955円(第三者算定機関のDCF法レンジ1,006,216円〜1,359,057円の範囲内)で、160株全体では約165百万円になる

買収理由:未経験エンジニアの採用・育成ノウハウを取り込み、ジュニア層のエンジニア人材でシェアを広げる

売上4億8,900万円・営業利益2,800万円・純資産4,800万円。営業利益は△1,700万円→0→2,800万円と、赤字から立ち上がってきたところでの譲渡です。代金の8割は現金、2割は買い手の株式で受け取る形で、社長は売却後も買い手の株主として残ります。純資産の3倍強、営業利益の約6倍の評価でした。未経験者を採って育てる仕組みそのものが、売り物になる例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年12月26日に株式交換の効力が発生し、100%子会社になったと開示されています。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:(開示事項の経過)株式取得及び簡易株式交換による株式会社FAMの完全子会社化完了のお知らせ

出典:株式会社FAMの株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ

2025年4月14日株式譲渡(70%を取得して子会社化)

SAICOOL株式会社(70%)

経営コンサルティング(成長戦略、業務改革、マーケティング、DX推進。製造・IT・金融業界向けに強み)/東京都港区/2018年7月設立

取得価額
5億7,900万円
対象の売上
3億円
対象の営業利益
3,500万円
対象の純資産
7,500万円

決算期:2024年6月期/譲渡前の株主:個人1名(剱持 駿)が97.09%ほか/70%分の金額。アドバイザリー費用等5百万円を加えた合計は584百万円。売り手が子会社enableXの取締役CEOで関連当事者にあたるため、外部アドバイザーの意見を取り、社外取締役が関与した取締役会で審議したと開示

買収理由:子会社enableXのDX・人材ソリューションに、戦略・マーケティングのコンサルを加えて一体で提供する

売上3億円・営業利益3,500万円・純資産7,500万円。売上は3,500万円→6,500万円→3億円と急伸していました。70%分で5億7,900万円、100%に換算すると8億円強で、営業利益の20倍を超える評価です。ただし売り手は買い手グループの子会社のトップでもあり、もともと取引関係のある身内同士の案件です。一般の売り手がそのまま当てはめられる水準ではありません。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年8月期の決算短信で、期中に連結の範囲に加わった子会社として社名が挙がっています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:SAICOOL株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年9月30日株式譲渡(子会社化)

株式会社Carecon

エンジニアマッチングサービス/東京都千代田区/2018年3月設立

取得価額
6億2,500万円
対象の売上
5億8,900万円
対象の営業利益
△200万円
対象の純資産
2億6,000万円

決算期:2023年10月期/譲渡前の株主:インフィック株式会社(静岡県の介護総合支援事業会社)が100%保有/アドバイザリー費用等5百万円を加えた合計は630百万円

買収理由:ジュニア層のエンジニア人材でのシェア拡大。グループの資産活用と経営の効率化で収益体質を改善できると判断

売上5億8,900万円、営業利益は3期続けて100万〜200万円の赤字、売上も6億9,300万円から減っていました。それでもこの会社の案件で最も高い6億2,500万円がついています(純資産2億6,000万円の2.4倍)。開示文にも「財務状況を慎重に検討した結果」収益改善が見込めると判断した、と書かれています。売り手は介護事業の会社で、本業と離れた子会社を、その分野の専業に渡した形です。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年8月期の決算短信で、エンジニアマッチングサービスを行う会社として社名が挙がっています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社Careconの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年1月12日株式譲渡(子会社化)。VC等の株式と優先株をいったん社長に集約・普通株に転換してから譲受

株式会社MapleSystems

エンジニアマッチングサービス(若手・WEB系エンジニア)/東京都中央区/2009年4月設立

取得価額
3億5,000万円
対象の売上
4億8,600万円
対象の営業利益
900万円
対象の純資産
1億6,500万円

決算期:2023年3月期/譲渡前の株主:望月祐介72.8%ほか(ベンチャーキャピタル等が普通株式・優先株式を保有)/アドバイザリー費用等2百万円を加えた合計は352百万円(概算)

買収理由:若手・WEB系エンジニア人材でのシェア拡大と、双方の顧客基盤・エンジニアデータベースの掛け合わせ

売上4億8,600万円・営業利益900万円・純資産1億6,500万円。株主にベンチャーキャピタルや優先株が入っていた会社ですが、譲渡の前に全株を社長1人に集め、優先株も普通株に転換してから、社長から買い手へ1回で渡す形が取られています。株主が入り組んでいても、売る前に整理すれば一括で売れるという実例です。営業利益の約39倍、純資産の約2.1倍でした。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年8月期の決算短信で、エンジニアマッチングサービスを行う会社として社名が挙がっています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社MapleSystemsの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2023年6月29日株式譲渡(子会社化)

TSR株式会社

エンジニアマッチングサービス/東京都港区/2009年4月設立

取得価額
4億3,300万円
対象の売上
6億1,600万円
対象の営業利益
1,900万円
対象の純資産
1億3,800万円

決算期:2023年3月期/譲渡前の株主:前田秀樹66%ほか個人2名/アドバイザリー費用等4百万円を加えた合計は437百万円(概算)

買収理由:前年に取得したTSRソリューションズと顧客層・技術領域が近く、同じ領域でのクロスセルを見込む

売上6億1,600万円・営業利益1,900万円・純資産1億3,800万円。売上は6億円台で横ばい、営業利益率は3%前後です。それでも純資産の約3.1倍、営業利益の約23倍の値段がついています。前に買った会社と客層が近いことが理由に挙がっており、買い手が既に持っている会社と似ていることが、そのまま売り手の強みになった例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年8月期の決算短信で、エンジニアマッチングサービスを行う会社として社名が挙がっています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:TSR株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2023年4月28日株式譲渡(子会社化)

株式会社UPTORY

エンジニアマッチングサービス(フルリモートのフリーランスエンジニア)/宮城県仙台市/2018年2月設立

取得価額
1億2,300万円
対象の売上
1億9,500万円
対象の営業利益
400万円
対象の純資産
3,800万円

決算期:2023年1月期/譲渡前の株主:歌川貴之96.1%ほか個人2名/アドバイザリー費用等2百万円を加えた合計は125百万円(概算)

買収理由:フルリモートで働くフリーランスエンジニアの顧客網とノウハウの取り込み

この会社の案件で最小の1億2,300万円。売上1億9,500万円・純資産3,800万円、仙台の会社です。営業利益は2,000万円→900万円→400万円と下がっていましたが、開示文では組織強化の費用が理由と説明されています。利益が落ちている途中でも、理由を説明できれば純資産の3倍超で売れることを示しています。

買収後不明2026年10月13日時点

合併や商号変更の開示は確認できていません。ただし2025年8月期の決算短信でエンジニアマッチングを担う会社として挙がっている4社の中に、UPTORYの名前はありません。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社UPTORYの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2023年3月22日株式譲渡(子会社化)

株式会社ジンアース

システムエンジニアリングサービス(札幌・仙台・福岡に顧客網)/東京都新宿区/2021年5月設立

取得価額
2億1,000万円
対象の売上
6,600万円
対象の営業利益
△300万円
対象の純資産
1,800万円

決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:MATSUKIホールディングス株式会社(松木利夫氏が100%保有する資産管理会社)が100%保有/アドバイザリー費用等3百万円を加えた合計は213百万円(概算)。進行期の業績を踏まえ、類似会社比準法で算定/創業1期目(2022年3月期)の実績。開示では2023年3月期を売上高3億円超、営業利益30百万円超と見込んでいる

買収理由:札幌・仙台・福岡の顧客ネットワークに、東京・大阪で展開してきたMidworksのノウハウを入れる

設立から2年足らず、確定した決算は1期だけ(売上6,600万円・営業赤字300万円)の会社に2億1,000万円。価格は過去の実績ではなく「進行期の業績」で決めたと明記されており、見込みの営業利益3,000万円超に対しては7倍弱です。伸びている最中なら、決算が出そろう前でも売れます。オーナーが個人ではなく資産管理会社を通じて持っていた例でもあります。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年8月期の決算短信で、エンジニアマッチングサービスを行う会社として社名が挙がっています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社ジンアースの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2022年1月5日株式譲渡(子会社化)

TSRソリューションズ株式会社

システムエンジニアリングサービス(ベテランITエンジニアが強み)/東京都新宿区/2008年4月設立

取得価額
3億2,100万円
対象の売上
6億1,100万円
対象の営業利益
700万円
対象の純資産
6,700万円

決算期:2021年3月期/譲渡前の株主:個人1名(関 仲良)が100%保有/アドバイザリー費用等24百万円を加えた合計は345百万円(取得完了時の確定額)。第三者機関によるデューディリジェンスを行い、DCF法と類似会社比較法で算定

買収理由:ベテランエンジニアを取り込み、自社の若手フリーランスエンジニアと組ませて高付加価値の提案をする

このシリーズの最初の1件です。売上6億1,100万円に対し、営業利益は600万〜1,000万円、純資産6,700万円。それでも3億2,100万円、純資産の約4.8倍の値段がつきました。評価されたのは利益よりも、ベテランエンジニアという人材そのものでした。社長は譲渡実行日に代表を退き、買い手の執行役員が後任に就いています。

買収後不明2026年10月13日時点

2022年2月25日に取得完了。合併や商号変更の開示は確認できていません。ただし2025年8月期の決算短信でエンジニアマッチングを担う会社として挙がっている4社の中に、TSRソリューションズの名前はありません。

確認元:TSRソリューションズ株式会社の株式の取得(子会社化)完了に関するお知らせ

出典:TSRソリューションズ株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された8件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社FAM1億6,500万円(売上の0.34倍・営業利益の5.9倍)
  • SAICOOL株式会社(70%)5億7,900万円(売上の1.93倍・営業利益の16.5倍)
  • 株式会社Carecon6億2,500万円(売上の1.06倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社MapleSystems3億5,000万円(売上の0.72倍・営業利益の38.9倍)
  • TSR株式会社4億3,300万円(売上の0.70倍・営業利益の22.8倍)
  • 株式会社UPTORY1億2,300万円(売上の0.63倍・営業利益の30.8倍)
  • 株式会社ジンアース2億1,000万円(売上の3.18倍)※営業赤字での譲渡
  • TSRソリューションズ株式会社3億2,100万円(売上の0.53倍・営業利益の45.9倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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