7527東証スタンダード

株式会社システムソフトのM&A実績

シェアオフィス事業や首都圏の開発拠点を手放して縮んだあと、M&Aで規模を取り戻そうとしている会社です。開示文でも「M&Aを活用して非連続的な企業成長を実現」と書いています。買っているのはSESやシステム開発の小さな会社で、3期続けて営業赤字の会社や、民事再生中の親会社が手放した子会社、会社更生中のアパレル会社まで対象にしています。

株式会社システムソフトが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都千代田区
設立
1979年9月
事業内容
Web技術をベースにしたシステム開発・ソリューションサービスの提供(テクノロジー事業)と、スタートアップ支援やFAなどのコンサルティング(オープンイノベーション事業)
売上高
13億7,300万円(2025年9月期(連結))
営業利益
△4億9,300万円
純資産
43億5,400万円

どんな会社を買っているか

買う業種
SES・システム開発/DXコンサルティング/医療向けソリューション/アパレル(会社更生のスポンサーとして)
対象の規模
対象の売上 2.8億円(日本クラウド)〜124.5億円(マツオインターナショナル)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。過半数だけを買う形(67.4%)、民事再生中の売り手から裁判所の許可を条件に買う形、会社更生の更生計画に沿って新株を引き受ける形も使っている
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は基本的に社名のまま子会社として残しています。ただし同じ業種の2社を同時に買ったケースでは、約7か月後に2社を合併させています(Green&Digital Partnersをわさびに統合)。
  • 取得価額を開示する会社です。わさび・Green&Digital Partnersの2社で2億3,500万円、日本クラウドの67.4%で400万円、マツオインターナショナルで1,000万円と、金額が出ています
  • アドバイザリー費用も別に書いてあります。日本クラウドでは株式の代金400万円に対し、アドバイザリー費用等が2,700万円でした。小さな案件ほど、代金より手数料のほうが大きくなることがあります
  • 買い手自身も2期続けて営業赤字です(2025年9月期の営業損失4億9,300万円)。一方で純資産は43億5,400万円、自己資本比率は83.3%あり、2026年4月には第三者割当増資で「迅速なM&Aを実現するに十分な投資余力を確保」したと開示しています
  • 2025年にはマムクリエイト株式会社(医療向けソリューション)も子会社化したと開示文中にありますが、その取得の開示は手元にないため一覧には載せていません。また、2025年7月の休眠会社(ファンド事業用)の取得は事業の買収ではないため外しています

買収の履歴4件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年8月31日会社更生手続のスポンサーとして、既存株式を全部消却したうえで第三者割当増資の新株200株を全部引き受ける(100%子会社化)。ジェイモードエンタープライズとの共同スポンサー

マツオインターナショナル株式会社(松尾産業株式会社を合併予定)

婦人服・雑貨の企画、小売販売、卸売販売/大阪府大阪市/1985年12月設立

取得価額
1,000万円
対象の売上
124億5,000万円
対象の営業利益
△3億6,100万円
対象の純資産
△21億7,200万円

決算期:2025年8月期/譲渡前の株主:松尾産業株式会社40.2%、松尾憲久37.2%、その他個人株主22.6%(松尾産業は松尾憲久が93.0%を保有)。更生計画で既存株式は全部消却される/MICの普通株式の取得価額。これとは別に、完全子会社化の後、更生計画の弁済に必要な資金をシステムソフトがMICに貸し付ける予定。貸付額は開示されていない/マツオインターナショナル単体の2025年8月期の数値。決算期変更後の2025年12月期(4か月)は売上3,890百万円・営業損失222百万円・純資産△2,661百万円

買収理由:システムによる改善、マーケティング、資金を含めた支援でアパレル会社の再建を図る(共同スポンサーのジェイモードエンタープライズは在庫管理システムの長年の提供元)

売上124億5,000万円、従業員630名の会社が、純資産マイナス21億7,200万円の債務超過で会社更生に入り、株式の代金は1,000万円です。更生手続では既存株主の株は消却されるため、創業家は株式の対価を受け取りません。一方で事業と630名の雇用は、スポンサーの資金で再建に回されます。会社更生は「会社を売る」より「事業を残す」手続きだということが、金額によく出ています。きっかけは、長年システムを納めていた取引先がスポンサーに名乗り出たことでした。

買収後実行前2026年10月12日時点

裁判所の許可を得てスポンサー契約を締結済み。新株の引き受けは更生計画の認可後で、認可・効力発生の日付は開示されていません。松尾産業はMICに吸収合併される予定です。

確認元:子会社の異動を伴う会社更生手続中の会社とのスポンサー契約締結に関するお知らせ

出典:子会社の異動を伴う会社更生手続中の会社とのスポンサー契約締結に関するお知らせ

2026年7月29日株式譲渡。発行済株式の67.4%を取得(子会社化)

日本クラウド株式会社

ソフトウェアの開発、システム・エンジニアリング業務(SES)/東京都台東区/2011年6月設立

取得価額
400万円
対象の売上
2億7,600万円
対象の営業利益
△2,600万円
対象の純資産
1億6,000万円

決算期:2026年4月期/譲渡前の株主:代表取締役の原京介氏が67.4%を保有(開示の大株主欄は「原 恭介」表記)。ほかに株式会社ユニックスホールディングス25.9%、テラテクノロジー株式会社6.0%。今回売ったのは代表の持分のみ/67.4%分の普通株式の取得価額。アドバイザリー費用等(概算)27百万円を加えた合計は31百万円。純資産160百万円の67.4%は約108百万円で、持分の純資産の4%程度の金額

買収理由:SES事業・システム開発事業の強化

従業員25名、売上2億7,600万円。営業損失が3期続き(1,700万円→2,700万円→2,600万円)、売上も3億2,700万円から毎年減っていました。純資産は1億6,000万円残っていましたが、代表の67.4%の持分についた値段は400万円です。赤字が続くと、帳簿上の純資産があっても株式の値段はほとんどつかないという例です。また、この案件では買い手が払ったアドバイザリー費用(2,700万円)が株式の代金の約7倍でした。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年7月29日に株式譲渡実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。

確認元:子会社の異動を伴う株式の取得に関するお知らせ

出典:子会社の異動を伴う株式の取得に関するお知らせ

2025年9月18日株式譲渡(2社とも100%取得)。売り手が民事再生手続中のため、裁判所の許可を条件とした

株式会社わさび/株式会社Green&Digital Partners(2社同時)

SES事業、DXコンサルティング事業/東京都渋谷区/わさび2020年2月、Green&Digital Partners 2022年2月設立

取得価額
2億3,500万円
対象の売上
4億9,300万円
対象の営業利益
1億円
対象の純資産
1億6,000万円

決算期:2024年12月期(2社合算)/譲渡前の株主:株式会社オルツ(民事再生手続中)が2社とも100%保有/2社の合計額。アドバイザリー費用等(概算)31百万円を加えた合計は266百万円。2社合算の営業利益の2.4倍、純資産の1.5倍/2社の単純合算(わさび340百万円、Green&Digital Partners 153百万円)

買収理由:システム開発分野の拡大。2社のDX・CXコンサルティングとシステム開発の強みを、グループのWeb系システム開発に活かす

2社合算で売上4億9,300万円・営業利益1億円(利益率20%)・純資産1億6,000万円。2社とも3期続けて増益でした。それでも値段は営業利益の2.4倍、2億3,500万円です。売り手は民事再生手続中の親会社で、譲渡には裁判所の許可が条件でした。子会社の業績が伸びていても、売るタイミングと相手は親会社の事情で決まることがあります。

買収後吸収合併2026年10月12日時点

2025年10月1日に裁判所の許可を受けて取得完了。その後2026年5月にGreen&Digital Partnersがわさびと合併しており、わさびは社名のまま子会社として残っています。

確認元:子会社の異動を伴う株式の取得に関するお知らせ

出典:子会社の異動を伴う株式の取得に関するお知らせ

2022年2月25日株式譲渡(子会社SS Technologiesが87.7%を取得=孫会社化)。売り手が駆け付け事業を新設分割で切り出した新会社の株式を取得

SSサポート株式会社

電気・給排水・空調などの設備トラブル時の駆け付け事業/東京都豊島区/2022年4月(株式会社ライフイン24からの新設分割)設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示(新設会社)/譲渡前の株主:株式会社ライフイン24group 48.5%、株式会社エナジーコミュニケーションズ39.2%/契約上の守秘義務により非公表

買収理由:不動産事業者向けに、駆け付けサービスと加入手続きを一体で扱うクラウドシステムを提供し、不動産業のDXを進める

売り手は駆け付け事業だけを新しい会社に切り出し、その株式を売っています。会社全体ではなく、買い手が欲しい事業だけを渡す形です。新設会社のため業績は開示されていません。

買収後不明2026年10月12日時点

取得後の商号変更・合併・売却の開示は手元になく、現在の状況は確認できていません。

確認元:子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

出典:子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • マツオインターナショナル株式会社(松尾産業株式会社を合併予定)1,000万円(売上の0.00倍)※営業赤字での譲渡
  • 日本クラウド株式会社400万円(売上の0.01倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社わさび/株式会社Green&Digital Partners(2社同時)2億3,500万円(売上の0.48倍・営業利益の2.4倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社システムソフトが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日