株式会社プレイドのM&A実績
自社のKARTEとつながるIT・マーケティング系のスタートアップを買っている会社です。対象は売上4億〜6億円規模で、いずれも買う前から出資・代理店・取引などの関係があった会社です。売り手は創業者個人が中心で、創業者1人が100%持っていた会社も、ベンチャーキャピタルが入った会社も買っています。
株式会社プレイドが公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都中央区
- 設立
- 2011年10月
- 事業内容
- CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」などのSaaSの開発・提供と、企業や自治体のDXを支援するプロフェッショナルサービス
- 売上高
- 133億9,600万円(2025年9月期(連結))
- 営業利益
- 14億3,100万円
- 純資産
- 48億1,200万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- マーケティングテクノロジー・広告運用/クラウド導入・DX支援/顧客体験・従業員体験の調査SaaS
- 対象の規模
- 対象の売上 3.98億円〜5.83億円
- 手法
- 株式譲渡が中心。株式譲渡と第三者割当増資の引受を組み合わせて過半数を取り、後から残りを株式譲渡・株式交換で買い増す形も使う。CloudFitは現金で100%を一度に取得
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- まず過半数を取り、数年かけて100%にしてから本体へ吸収合併する例があります。アジトは2022年に66.76%、2025年に100%、2026年6月に本体へ吸収合併されました(約3年8か月)。
- 金額を出すことが多い会社です。CloudFitは約10億円、Emotion Techは既存株主からの取得分13億9,400万円と、具体的な額が開示されています。アジトも「数億円前半」と水準が書かれています
- 買う相手は、もともと関係があった会社です。Emotion Techには取得の1年以上前から出資、CloudFitはKARTEの販売代理店でした。いきなり買うより、提携・取引から入る買い手です
- 開示基準に該当しない小さな案件でも任意で開示しています(アジト、Newt)
- 2024年12月には、Newt株式会社からヘッドレスCMS「Newt」のソースコードなど技術資産だけを譲り受けています(取得価額は相手先の意向で非公表)。会社ごとではなくプロダクトだけを売るという出口も使われています
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社CloudFit
DX戦略策定、クラウドサービスの導入・運用、生成AI活用支援/東京都品川区/2020年4月設立
- 取得価額
- 10億円
- 対象の売上
- 5億8,300万円
- 対象の営業利益
- 1億900万円
- 対象の純資産
- 2億5,100万円
決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:個人1名(瀬沼 裕樹)が100%保有/取得総額は約10億円(アドバイザリー費用の概算数百万円を含む)。決算短信の後発事象では取得原価1,000百万円(現金)。直前期の営業利益の約9.2倍、純資産の約4倍
買収理由:大手企業向けDX支援(プロフェッショナルサービス)の強化と、生成AIを使った新しいサービスづくりの加速
資本金10万円、創業5年の会社に約10億円がつきました。売上は2億5,700万円→4億3,400万円→5億8,300万円と伸び、営業利益は1億900万円、純資産は2億5,100万円。直前期は営業利益が1億3,300万円から減っていましたが、それでも営業利益の約9倍です。もともとKARTEの販売代理店で、取引があった相手でした。買い手の製品を扱っている会社は、その買い手にとって評価しやすい対象になります。
2025年11月30日に株式譲渡実行予定として開示され、決算短信でも結合後の社名は「変更はありません」とされています。その後の商号変更や合併の開示はありません(2026年3月の吸収合併はアジトのみ)。
アジト株式会社
広告データの集計・レポート自動化「Databeat」、広告運用代行/東京都千代田区/2018年9月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 3億9,800万円
- 対象の営業利益
- 400万円
- 対象の純資産
- ―
決算期:2021年12月期/譲渡前の株主:創業者2名(高井 康辰44.56%、植野 誠史44.56%)ほか5名10.88%/2022年の66.76%取得は「数億円前半」(株式譲渡と増資引受の合計)。2025年の追加取得では23.27%(840株)を約350百万円で取得(別にアドバイザリー費用約10百万円)。残り約10%は株式交換(アジト1株にプレイド385株)。株式交換の算定ではDCF法で1株388,588円〜514,304円
買収理由:広告領域で自社の「KARTE Signals」とアジトの「Databeat」を組み合わせ、サービスを拡充する
最初の取得時は売上3億9,800万円・営業利益400万円で、その前の2期は営業赤字でした。創業者2人は全部を売らず、約3割を持ったまま残りました。2年半後の追加取得の時点では売上3億9,500万円・営業利益1億1,100万円・純資産1億6,600万円まで利益が伸びており、23.27%に約3億5,000万円。100%に換算すると約15億円で、DCF法の算定(約14億〜18.6億円)とも合います。最初の「数億円前半」で66.76%と比べると、残した持分を利益が出てから売ったほうが高くついた例です。
2025年5月15日効力の株式交換で完全子会社化(予定として開示)。その後、2026年6月1日を効力発生日としてプレイド本体に吸収合併され、アジトは解散する旨が開示されています。
株式会社Emotion Tech
顧客体験(CX)・従業員体験(EX)を測るクラウド(NPS調査のSaaSとコンサルティング)/東京都千代田区/2013年3月設立
- 取得価額
- 13億9,400万円
- 対象の売上
- 4億8,700万円
- 対象の営業利益
- △1億100万円
- 対象の純資産
- 8,500万円
決算期:2020年12月期(未監査)/譲渡前の株主:創業者 今西 良光18.7%、AT-Ⅰ投資事業有限責任組合17.7%、MICイノベーション3号投資事業有限責任組合16.0%、飯尾 礼治15.4%ほか(ファンド・事業会社を含む)/既存株主からの株式取得(普通株式18,615株・A種優先株式36,289株)が1,394百万円。ほかに第三者割当増資の引受259百万円、アドバイザリー費用等21百万円(概算)で、合計1,676百万円
買収理由:NPS調査の市場拡大を見込み、1年以上の提携・出資を経て連携を深め、調査市場での事業展開を加速する
3期続けて営業赤字(△8,800万円→△6,800万円→△1億100万円)、純資産8,500万円の会社に、既存株主分だけで13億9,400万円が支払われました。売上も4億9,100万円→4億8,700万円と横ばいです。それでも値がついたのは、海外で伸びている調査SaaSの市場と、自社製品とつながるプロダクトが評価されたためです。赤字でも、買い手の製品と組み合わせて伸ばせる事業なら高く売れることがあります。売り手はベンチャーキャピタルと創業者で、買い手は取得の1年以上前から出資して様子を見ていた相手でした。
2021年9月28日に取得実行予定として開示されました。その後の合併・売却・社名変更の開示は確認できず、2025年9月期決算短信にも社名の記載がないため、現在の状況は追えていません。
確認元:株式会社Emotion Techの株式取得及び第三者割当増資引受による子会社化及び特別利益(段階取得に係る差益)、営業外費用(取得関連費用)の計上に関するお知らせ
出典:株式会社Emotion Techの株式取得及び第三者割当増資引受による子会社化及び特別利益(段階取得に係る差益)、営業外費用(取得関連費用)の計上に関するお知らせ
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社CloudFit10億円(売上の1.72倍・営業利益の9.2倍)
- 株式会社Emotion Tech13億9,400万円(売上の2.86倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社プレイドが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日