株式会社ニッソウのM&A実績
首都圏のリフォーム・塗装・修繕の会社を、ほぼ年1件のペースで買っている会社です。売り手は4件とも創業家の個人で、対象の売上はすべて3億〜5億円台。営業赤字の会社や、2年前まで債務超過だった会社も買っています。2026年には初めて取得価額を開示し、マンションの大規模修繕会社を4億円強で買いました。
株式会社ニッソウが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都世田谷区
- 設立
- 1988年9月(創業1987年)
- 事業内容
- 不動産会社向けの原状回復工事を中心としたリフォーム事業。ほかに買取再販などの不動産流通、注文・建売住宅の不動産建設
- 売上高
- 53億7,600万円(2026年7月期(連結))
- 営業利益
- △4,200万円
- 純資産
- 15億7,400万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 総合リフォーム・外装塗装/マンション・ビルの大規模修繕/注文住宅・建売住宅の建築
- 対象の規模
- 対象の売上 2.7億円〜5.2億円
- 手法
- 株式譲渡による100%取得(子会社化)。売り手が先に不動産事業を会社分割で切り離し、リフォーム事業だけを残した会社を買った例もある
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 取得完了の開示を見る限り、買った会社は社名のまま子会社として残しています。ヤナ・コーポレーションとささきでは、取得完了と同時にニッソウ側から同じ人物(木村孝史氏)が代表取締役に就いています。
- 取得価額の開示は4件中1件だけです。第一技研(2026年)で4億250万円と開示しました。それ以外は「相手方の意向と守秘義務により非開示」
- 2023年12月以降の案件では「直前連結会計年度末の連結純資産の15%を下回る」と書かれています。2025年7月期末の連結純資産17億300万円で計算すると、2026年の第一技研は約2億5,500万円の基準を超えた案件だったことになります
- 営業赤字の会社も買っています。ヤナ・コーポレーションは修正申告前の数字で3期連続の営業赤字、ささきも3期連続の営業赤字でした
- 2026年7月期は連結で営業赤字(△4,200万円)でした。決算短信では「子会社2社において実績が当初計画を大幅に下回る」として、のれんと事業用固定資産の減損3,957万円を計上しています。どの2社かは書かれていません
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社第一技研
マンション・ビル等の大規模修繕工事/東京都文京区/1996年4月設立
- 取得価額
- 4億250万円
- 対象の売上
- 5億1,300万円
- 対象の営業利益
- 1,700万円
- 対象の純資産
- 2億9,100万円
決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:個人2名(石井 薫 80%、石井 和茂 20%)/アドバイザリー費用等(概算)31.6百万円を加えた合計額は434.1百万円
買収理由:大手デベロッパーとの取引基盤を持つ大規模修繕会社を取り込み、自社の専有部リノベーションと共用部の修繕を一体で提供する
この会社の案件で唯一、金額が開示されたものです。4億250万円。売上5億1,300万円・営業利益1,700万円・純資産2億9,100万円で、価格は純資産の約1.4倍でした。業績は売上3億900万円→8億3,400万円→5億1,300万円、営業利益も△300万円→7,600万円→1,700万円と年ごとの振れが大きい会社です。それでも開示文が評価しているのは「大手デベロッパー各社との数十年にわたるパートナーシップ」でした。利益が安定しなくても、取引先との長い関係は値段になります。取得完了の開示では、代表者が社長の石井和茂氏から副社長の藤岡陽治朗氏に替わっています。
2026年5月に取得完了。2026年7月期決算短信で、期中に連結子会社となった会社として社名が記載されています。
有限会社平成ハウジング
注文・建売住宅の設計・建築・販売、不動産売買、リフォーム/栃木県那須塩原市/1991年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億100万円
- 対象の営業利益
- 1,400万円
- 対象の純資産
- 5,600万円
決算期:2023年4月期/譲渡前の株主:個人2名(石槻 博之 95%、石槻 博恵 5%)/相手方の意向と守秘義務により非開示。「直前連結会計年度末の連結純資産額の15%を下回る金額」。第三者のデューデリジェンスの結果を勘案して決定
買収理由:栃木県の地場工務店を取り込み、東京と新設の東北営業所の中間拠点として関東・東北へ事業エリアを広げる
売上5億100万円・営業利益1,400万円・純資産5,600万円の有限会社。東京の会社が栃木の工務店を買った理由は「東京と東北営業所の中間にある」という立地でした。地方の会社でも、買い手の拠点戦略にはまれば候補になります。なお2026年7月期決算短信では、注文・建売住宅を扱う不動産建設事業セグメントののれん2,131万円が全額減損されています(社名の記載はありません)。
2024年8月に取得完了の開示があります。その後の商号変更や合併の開示は手元になく、直近の決算短信にも社名の記載がないため、現状は確認できていません。
株式会社ささき
総合リフォーム(外装塗装工事から創業)/東京都江東区/1967年6月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億7,200万円
- 対象の営業利益
- △1,000万円
- 対象の純資産
- 900万円
決算期:2023年5月期(分割後の概算)/譲渡前の株主:親族5名(佐々木 吾郎 50%、佐々木 剛士 15%、佐々木 大吉 15%、佐々木 孝吉 10%、佐々木 一成 10%)/相手方の意向と守秘義務により非開示。「直前連結会計年度末の連結純資産額の15%を下回る金額」。第三者のデューデリジェンスの結果を勘案して決定/会社分割後のリフォーム事業のみの概算(2023年5月期ベース)。分割前の会社全体は売上304百万円
買収理由:首都圏でのリフォーム事業の拡大
1967年創業の老舗。分割前の会社全体で売上3億円前後、営業利益は3期とも赤字(△1,388万円→△136万円→△58万円)でした。売り手は不動産事業を自分たちの側に切り離してから、リフォーム事業だけを渡しています。分割後の見込みは売上2億7,200万円・営業損失1,035万円・純資産891万円。本業が赤字でも、事業を分けて渡す形なら買い手は付きます。
2024年6月に取得完了の開示があり、代表取締役会長に木村孝史氏が就任しています。その後の商号変更や合併の開示は手元になく、直近の決算短信にも社名の記載がないため、現状は確認できていません。
株式会社ヤナ・コーポレーション
総合リフォーム(塗装工事から創業)、建築・土木、飲食/埼玉県所沢市/1997年6月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億2,200万円
- 対象の営業利益
- 1,200万円
- 対象の純資産
- 1,200万円
決算期:2022年4月期/譲渡前の株主:個人1名(柳澤 健滋)が100%保有/相手方の意向と守秘義務により非開示。第三者のデューデリジェンスの結果を勘案して決定/修正申告後の数値。申告当初の決算書では売上506百万円・営業損失3百万円
買収理由:首都圏でのリフォーム事業の拡大
売上5億2,200万円・純資産1,200万円。2年前の2020年4月期は純資産マイナス100万円の債務超過で、営業利益も申告当初の数字では3期連続の赤字でした。それでも売上は3億8,900万円→4億2,400万円→5億円台と伸びていました。純資産が薄くても、売上が伸びている会社は買われます。直近期は修正申告で数字が変わったことまで開示されており、買い手のデューデリジェンスで決算の数字は洗い直されることも読み取れます。
2023年5月に取得完了の開示があり、代表取締役社長に木村孝史氏が就任しています。その後の商号変更や合併の開示は手元になく、直近の決算短信にも社名の記載がないため、現状は確認できていません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社第一技研4億250万円(売上の0.78倍・営業利益の23.7倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
関連する記事
本ページは株式会社ニッソウが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日