5871東証スタンダード

SOLIZE Holdings株式会社のM&A実績

製造業向けのエンジニアリング会社が、ソフトウエア開発会社を中心に買い進めている会社です。2025年に持株会社へ移り、新規事業を担う子会社「+81」が買い手になる形も始まりました。4件すべてで取得価額を開示しており、売上6,300万円の解析会社から売上27億円のSES会社まで、規模の幅も読み取れます。売り手は創業者を含む個人株主が中心です。

SOLIZE Holdings株式会社が公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都千代田区
設立
1990年7月
事業内容
自動車など製造業向けの設計開発受託・エンジニア派遣・3Dプリント試作、ものづくり変革のコンサルティング、ソフトウエア開発などの新規事業を束ねる持株会社
売上高
257億7,900万円(2025年12月期(連結))
営業利益
8,500万円
純資産
113億2,800万円

どんな会社を買っているか

買う業種
システム開発・SES(金融・公共向け、組み込み制御)/CAE受託解析・データ解析/民間学童保育
対象の規模
対象の売上 1,900万円〜27.4億円
手法
株式譲渡で100%取得。2026年は子会社+81が買い手になる「孫会社化」。取得資金の大半を銀行借入でまかなう案件もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
開示文では、買った会社に「自主自律経営」を続けてもらう方針がくり返し書かれています。フューレックスは社名のまま連結子会社として決算短信に載っています。吸収合併の開示は手元の開示には見当たりません。
  • 取得価額を毎回開示しています。アドバイザリー費用の概算まで別に書かれているので、手数料の水準も分かります
  • 営業利益の倍率は12倍〜22倍。エンジョイが約12倍、フューレックスが約18倍、小規模なSiM24が約22倍でした
  • 債務超過の会社も買っています。アフタースクール寺子屋は、借入金を返済か免除で消すことを条件に、株式を300万円で取得し、そのうえで3,000万円を増資で入れています
  • エンジョイの取得(32億円)では、資金のうち27億円を都市銀行からの借入でまかなうと開示しています。自己資金だけで買える規模を超えても買う会社です

買収の履歴4件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年9月10日株式譲渡(子会社+81が取得=孫会社化)

株式会社エンジョイ

システムエンジニアリングサービス(SES)。金融機関・公共向けのシステム開発/東京都台東区/2013年11月設立

取得価額
32億円
対象の売上
27億3,600万円
対象の営業利益
2億6,300万円
対象の純資産
10億3,700万円

決算期:2025年10月期/譲渡前の株主:個人株主2名が100%保有(相手先の意向で詳細は非開示)/アドバイザリー費用等の概算12百万円を加えた合計は3,212百万円。取得資金の一部として都市銀行から2,700百万円(最長10年)を借り入れる予定と開示。前期の営業利益に対して約12.2倍、純資産に対して約3.1倍

買収理由:金融業向けソフトウエア開発の知見と、パートナー企業を組み合わせたチーム単位の開発体制を取り込み、ソフトウエア事業を拡大する

売上27億3,600万円・営業利益2億6,300万円・純資産10億3,700万円。価格は32億円で、営業利益の約12倍、純資産の約3倍です。売上は20億円→22億6,000万円→27億3,600万円と3期続けて伸びていました。開示文は「自社エンジニアに加えて自ら主導して組成したパートナーネットワーク」を強みとして挙げており、外部の協力会社をまとめて動かせる体制そのものが値段に入っていることが読み取れます。エンジョイの社長は同日のプレスリリースで、パートナー選びで「理念や組織文化」を重視したと述べています。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年10月1日に株式譲渡を実行する予定と開示されています。同日のプレスリリースでは社名のまま+81の100%子会社と記載。実行完了の開示は手元では確認できていません。

確認元:+81株式会社が株式会社エンジョイの全株式を取得し子会社化、金融領域のソフトウェア開発力を強化し、事業成長を加速

出典:当社連結子会社による株式会社エンジョイの株式取得(孫会社化)及び財務上の特約が付された金銭消費貸借契約の締結に関するお知らせ

2025年5月14日株式譲渡(子会社化)

株式会社フューレックス

組み込み制御システム、業務システム等のソフトウエア開発(独立系)/愛知県名古屋市/1989年5月設立

取得価額
12億円
対象の売上
11億500万円
対象の営業利益
6,600万円
対象の純資産
2億1,400万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:個人株主5名(筆頭29.9%、ほか4名で70.1%)。詳細は相手先の意向で非開示/アドバイザリー費用等の概算67百万円を加えた合計は1,267百万円。前期の営業利益に対して約18.1倍、純資産に対して約5.6倍

買収理由:東海エリアの顧客・案件・販路の獲得と、ソフトウエア開発需要への対応

売上11億500万円・営業利益6,600万円・純資産2億1,400万円。価格は12億円で、純資産の5.6倍、営業利益の約18倍です。売上は6億1,600万円→8億5,200万円→11億500万円、営業利益は1,600万円→4,400万円→6,600万円と、3期で売上が倍近く、利益が4倍に伸びている局面での譲渡でした。利益の額より伸び方が評価されたと読める案件です。株主は個人5名に分かれていましたが、全員から買い取って100%取得しています。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月期の決算短信で、社名のまま連結子会社として新たに連結範囲に加わったと記載されています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社フューレックスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年10月18日株式譲渡(子会社化)

株式会社SiM24

CAE受託解析(シミュレーション)、データ解析、技術コンサルテーション/大阪府大阪市/2005年4月設立

取得価額
9,000万円
対象の売上
6,310万円
対象の営業利益
410万円
対象の純資産
7,550万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:パナソニック ホールディングス32.9%、JAPAN TESTING LABORATORIES 32.9%、社長の大木 滋13.6%ほか/アドバイザリー費用等の概算20百万円を加えた合計は110百万円。手数料が株価の2割強にあたる。前期の営業利益に対して約22倍、純資産に対して約1.2倍

買収理由:数理統計による最適化技術と自社の解析・シミュレーション技術を組み合わせ、アグリ・バイオなど新しい市場へ広げる

売上6,300万円・営業利益400万円・純資産7,500万円。パナソニックの社内ベンチャー制度から生まれたCAE解析の専業会社です。売上1億円に届かない会社でも、9,000万円の値段がついています。営業利益は△600万円→430万円→410万円と、3期前は赤字でした。価格はほぼ純資産どおりで、利益の小ささより技術と実績が評価された形です。手数料2,000万円は株価の2割を超えており、小さな案件ほど費用の比率が重くなることも分かります。

買収後不明2026年10月12日時点

2024年10月31日に取引実行予定として開示されました。その後の吸収合併や商号変更の開示は手元にありませんが、社名を確認できる後続資料もありません。

確認元:株式会社SiM24の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社SiM24の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年4月19日株式譲渡(子会社化)+第三者割当増資の引受け

アフタースクール寺子屋株式会社

民間学童保育の運営/東京都目黒区/2006年10月設立

取得価額
300万円
対象の売上
1,930万円
対象の営業利益
△1,440万円
対象の純資産
△4,150万円

決算期:2023年9月期/譲渡前の株主:個人1名(望月 勝)が100%保有/株式の取得額。ほかにデューデリジェンス費用の概算3百万円、取得後の第三者割当増資の引受け30百万円があり、合計36百万円。取得日までに借入金(2023年9月時点で46百万円)を全額返済または債務免除することが前提条件

買収理由:創造性教育の新規事業を始めるにあたり、10年超の学童運営の実績(安全な空間づくり、送迎・食事のオペレーション)を取り込む

売上1,900万円・営業損失1,400万円・純資産マイナス4,100万円の債務超過。売上は2,700万円→2,100万円→1,900万円と減り続け、赤字も広がっていました。それでも株式に300万円の値段がつき、さらに3,000万円の増資で立て直し資金が入っています。ただし借入金4,600万円を取得日までに返済か免除で消すことが条件でした。債務超過の会社を売るときは、借入の始末を売り手側でつける必要がある、という実例です。買い手が欲しかったのは10年分の運営ノウハウでした。

買収後不明2026年10月12日時点

2025年12月期決算短信では、子会社+81が立ち上げた事業として「民間学童事業」が挙げられており、事業は続いているとみられます。ただし社名を確認できる資料は手元にありません。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:新たな事業の開始及びアフタースクール寺子屋株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社エンジョイ32億円(売上の1.17倍・営業利益の12.2倍)
  • 株式会社フューレックス12億円(売上の1.09倍・営業利益の18.2倍)
  • 株式会社SiM249,000万円(売上の1.43倍・営業利益の22.0倍)
  • アフタースクール寺子屋株式会社300万円(売上の0.16倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはSOLIZE Holdings株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日