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株式会社北の達人コーポレーションのM&A実績

自社サイトの通販で育った会社が、AmazonやQoo10、楽天市場で売っている小さなD2C企業を買う形です。2025年2月に「ロールアップ型M&A戦略の強化」を公表し、「小規模ながらも高い収益性を実現しているが、組織基盤が弱く拡大に課題を抱える企業」を重点対象と明言しています。売り手はいずれも創業オーナー個人で、ヘアアイロンの会社、カラコンの会社と、1商品ジャンルに強い会社を選んでいます。

株式会社北の達人コーポレーションが公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
北海道札幌市(2022年に東京本社を設置)
設立
―
事業内容
自社ブランドの健康食品・化粧品「北の快適工房」を主にインターネット通販で販売。子会社でヘアアイロン「SALONMOON」やカラーコンタクトレンズをECモールで販売している
売上高
112億1,000万円(2026年2月期(連結))
営業利益
10億円
純資産
80億4,700万円

どんな会社を買っているか

買う業種
美容家電(ヘアアイロン)のECモール販売/カラーコンタクトレンズのECモール販売/健康食品・化粧品のD2C通販/FMラジオ局(2024年に売却済み)
対象の規模
対象の売上 3.4億円〜12.5億円
手法
株式譲渡(100%取得による子会社化)が中心。売らない事業は譲渡前に売り手側で会社分割して切り離す
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
法人は残し、社名を商品名・事業名に変える傾向があります(リバースチェーンコンサルティング→カラコンダイレクト。ASHIGARUもSALONMOONに改称したとみられます)。創業社長は株式譲渡と同時に退任し、北の達人側から役員を送り込むと毎回開示されています。合わなかった子会社は手放しており、FMラジオ局は3年余りで地元企業へ売却しました。
  • 取得時の開示では価格を出しません。理由は「相手先が個人であること」「株主の意向」。ただしリバースチェーンコンサルティングは、後の決算短信で取得原価3億円が判明しています
  • 「直前期の連結純資産の5%を下回る」という書き方をしており、当時の連結純資産78億6,600万円の5%=約3億9,000万円が上限と読めました。実際の価格はその範囲内でした
  • 狙いは「少人数で回っているECモール販売の会社」です。開示文では「業務の属人性が低く、プロセスが標準化されやすい」ため買収後の統合がしやすい、と理由まで書いています
  • 買ったあと合わなかった会社は売却しています。FMラジオ局は貸付金1億7,429万円を債権放棄したうえで、北海道の事業会社へ譲渡しました

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2025年11月17日株式譲渡(完全子会社化)。譲渡前に飲食事業を会社分割で新設会社へ切り離し

リバースチェーンコンサルティング株式会社

カラーコンタクトレンズのECモール販売(Qoo10、楽天市場等で90種以上)/千葉県八千代市/2010年6月設立

取得価額
3億円
対象の売上
12億5,000万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:個人1名(小森田 邦男)が100%保有/取得時の開示では非開示(「連結純資産額・単体純資産額の5%を下回る金額」)。2026年2月期決算短信の企業結合注記で取得原価300百万円と開示。別にアドバイザリー費用等25百万円。のれん279百万円を7年で償却/カラーコンタクト事業のみの2025年3月期売上高。飲食事業を含む会社全体では1,335百万円

買収理由:ECモールに強いカラコン販売会社に、北の達人の販促・クリエイティブ制作・広告最適化を載せて収益力を高める

カラコン事業の売上12億5,000万円に対し、価格は3億円(売上の約0.24倍)でした。会社全体(飲食事業込み)の数字は営業利益3,314万円、純資産4,565万円で、のれんが2億7,940万円ついているので、純資産に対して大きく上乗せされた価格です。直前期は特別損失で1,621万円の最終赤字でしたが、開示は「カラコン事業固有の要因ではない」と切り分けています。売らない飲食事業は先に会社分割で外し、カラコン事業だけの会社にしてから売っています。譲渡後、社名はカラコンダイレクトに変わり、代表は退任しました。

買収後社名変更2026年10月12日時点

2025年12月1日に取得が完了し、結合後企業の名称は株式会社カラコンダイレクトと決算短信に記載されています。同社の2025年12月〜2026年2月の売上は2億3,675万円でした。

確認元:2026年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:リバースチェーンコンサルティング株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2021年2月15日株式譲渡(72.8%を取得して子会社化)

株式会社エフエム・ノースウエーブ

北海道のFMラジオ局(放送、番組制作・販売)/北海道札幌市/1992年9月設立

取得価額
―
対象の売上
5億8,600万円
対象の営業利益
1,100万円
対象の純資産
―

決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:株式会社えんれいしゃ(広告代理店)72.8%、ほか株主25名27.1%/株主の意向により非公開。第三者機関の株式価値評価を参考に取締役会で決定

買収理由:音声コンテンツの制作ノウハウを生かしたデジタル音声広告への参入、通販ラジオ番組の制作

売上5億8,602万円・営業利益1,065万円。売上は3期続けて減っていました。本業(ネット通販)から離れた分野の買収で、結果的に続きませんでした。取得後の3期は営業損失1,768万円→営業利益306万円→営業損失1,713万円と伸びず、2024年2月期には純資産マイナス1億4,307万円の債務超過に。3年余りで手放しています。

買収後再売却2026年10月12日時点

社名を株式会社FM NORTH WAVEに変えたのち、2024年7月31日付で全株式を札幌の山地ユナイテッド株式会社へ譲渡(価格は非開示)。譲渡にあわせて貸付金・未収利息1億7,429万円を債権放棄しました。理由は、北の達人が経営機能を東京へ移し、北海道密着の事業とのシナジーが難しくなったためと開示されています。

確認元:連結子会社に対する債権放棄及び同連結子会社の異動を伴う株式譲渡に関するお知らせ

出典:株式会社エフエム・ノースウエーブの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2021年2月15日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社ASHIGARU

オリジナルヘアアイロン「SALONMOON」のECモール販売/大阪府大阪市/2018年3月設立

取得価額
―
対象の売上
3億4,200万円
対象の営業利益
1億4,300万円
対象の純資産
―

決算期:2020年2月期/譲渡前の株主:個人1名(髙﨑 毅広)が100%保有/株主の意向により非公開。第三者機関の株式価値評価を参考に取締役会で決定

買収理由:美容家電の商品開発とECモールでの販売ノウハウを取り込み、人材・資金の不足を北の達人の経営資源で補う

設立2年、資本金100万円で、売上3億4,190万円・営業利益1億4,302万円(利益率42%)。売上は前期の2億385万円から1.7倍に伸びていました。ヘアアイロン1商品で累計15万台を売ったものの「組織基盤が十分に整っておらず、人材等の経営リソースが不足」と開示されています。ヒット商品はあるが人が足りない、という段階の会社に買い手がついた例です。創業者は譲渡と同時に役員を退任しています。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年2月期決算短信に、ヘアケア商品を扱う連結子会社として株式会社SALONMOONが記載されています(同年度のSALONMOONブランド売上は8億9,834万円)。商号変更の開示は手元になく、ASHIGARUが改称した会社と推定しています。

確認元:2026年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社ASHIGARUの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • リバースチェーンコンサルティング株式会社3億円(売上の0.24倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社北の達人コーポレーションが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日