株式会社ビューティガレージのM&A実績
美容サロン向けの商材卸を本業に、その周りの小さな会社を個人オーナーから買っている会社です。地方の美容ディーラー、まつげエクステンション商材のメーカー、中古理美容機器の買取店、金属家具の町工場、美容クリニック向けの医療機器卸と、対象はいずれも売上1億円未満〜8億円台の規模でした。売り手は全件が創業者・社長個人です。
株式会社ビューティガレージが公表した適時開示6件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都世田谷区
- 設立
- 2003年4月
- 事業内容
- 理美容室・エステ・ネイル・まつげサロン向けのプロ用美容商材をネット通販「BEAUTYGARAGE Online Shop」とショールームで卸す会社。店舗設計、開業支援などのサロン向けサービスも手がける
- 売上高
- 381億9,700万円(2026年4月期(連結))
- 営業利益
- 15億1,800万円
- 純資産
- 86億8,100万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 美容業務用品の卸(美容ディーラー)/まつげエクステンション商材の企画・製造/中古理美容機器の買取・販売/金属製家具・用品の製造/医療・美容クリニック向けの医療機器卸と開業支援
- 対象の規模
- 対象の売上 0.56億円〜8.15億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)が中心。子会社のアイラッシュガレージやタフデザインプロダクトが買い手になる「孫会社化」、株式取得と第三者割当増資の引受を組み合わせる形、過半数だけを取得する形も使う
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は子会社として残すのが基本ですが、本体に吸収することもあります。美容ディーラーの和楽は子会社化から約2年半で本体に吸収合併されました。アルクは取得後に「メディカルガレージ」へ社名を変え、グループ名に寄せています。
- 取得価額は全件で非開示です。理由は毎回「売主との協議による守秘義務」。代わりに「第三者機関を通じて評価し決定」と算定の進め方が書かれています
- いずれも適時開示の基準に満たない小さな案件ですが、任意で開示を出しています。対象の3期分の業績が載るので、どの規模の会社をいくつ買ったかが読めます
- 取引先を買うことがあります。中古理美容機器のビューティーリユースは、もともと販売を受託し合う関係でした
買収の履歴6件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社アルク
医療・美容クリニック向けの医療機器卸販売、開業支援/大阪府大阪市/2007年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億900万円
- 対象の営業利益
- 1,800万円
- 対象の純資産
- 1億1,800万円
決算期:2025年2月期/譲渡前の株主:個人1名(喜多 永治)が100%保有/非開示(売主との協議による守秘義務)。第三者機関の評価をもとに決定。適時開示の基準には該当しない規模
買収理由:美容サロンから美容クリニックへ、顧客の領域を広げる(中期経営計画の「ウェルネス領域」への展開)
売上5億900万円・営業利益1,800万円・純資産1億1,800万円。売上は6億900万円→4億9,900万円→5億900万円、営業利益は1,600万円→4,100万円→1,800万円と、伸び続けている会社ではありませんでした。それでも関西の美容皮膚科・美容外科との取引実績が、買い手の「次の顧客層」に合っていたため買われています。自社の数字より、取引先の顔ぶれが評価されることがある例です。
2026年2月1日付で株式会社メディカルガレージに社名を変更し、連結子会社として残っています(2026年4月期決算短信)。
株式会社ビューティーリユース
中古理美容機器の買取・販売/大阪府大阪市/2019年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5,600万円
- 対象の営業利益
- 300万円
- 対象の純資産
- 900万円
決算期:2021年3月期/譲渡前の株主:個人1名(金井 克俊)が100%保有/非開示(売主との協議による守秘義務)。「社内評価により公正妥当と思われる水準」で妥結と記載
買収理由:祖業の中古理美容機器の流通をてこ入れするため、買取網と整備技術を持つ専業会社を取り込む
設立2年、売上5,570万円・純資産950万円という、この会社でいちばん小さな案件です。美容機器メーカー出身者が立ち上げた会社で、買い手とは以前から販売を受託し合う取引関係にありました。買った後は買い手の中古機器事業をすべてこの会社に移す計画で、取引先として実力を見せていた小さな会社が、買い手の事業の受け皿になった形です。株を買うだけでなく増資も引き受けており、売り手への支払いと会社への資金投入を分けて行っています。
取得開示では2021年9月2日付で株式会社BGリユースに社名変更予定とされていましたが、手元の後続開示では社名変更の実施やその後の状況を確認できていません。
株式会社和楽
美容業務用品・器具の販売(北関東中心の美容ディーラー)、美容情報の提供・人材育成/東京都東村山市/1995年12月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 8億1,500万円
- 対象の営業利益
- 2,000万円
- 対象の純資産
- 5,800万円
決算期:2019年9月期/譲渡前の株主:植松康男76.7%、その他23.3%(譲渡したのは植松康男氏ほか2名)/非開示(売主との協議による守秘義務)。第三者機関の評価をもとに決定
買収理由:ネット卸の買い手と、対面営業の地域ディーラーを組み合わせ、オンラインとオフラインを融合する
創業25年、売上8億1,500万円・営業利益2,000万円・純資産5,800万円。売上は3期とも8億円台で横ばい、利益率は2%台でした。ネット通販の会社が、昔ながらの対面営業の美容ディーラーを買った例で、評価されたのは北関東の顧客基盤と提案力です。ただし約2年半後には「会社を統合した方がより成果を出せる」として本体に吸収されており、社名と法人は残りませんでした。
取得時は67.3%でしたが、2022年10月末時点では完全子会社になっており、2023年5月1日を効力発生日としてビューティガレージ本体に吸収合併されました(和楽は解散)。合併開示では、和楽の2022年4月期の純資産は△2,900万円と記載されています。
株式会社まつげエクステンション研究所
プロ用まつげエクステンション関連製品の製造(ベトナムに製造子会社)/大阪府大阪市/2009年9月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億2,300万円
- 対象の営業利益
- 2,700万円
- 対象の純資産
- 5,700万円
決算期:2019年8月期/譲渡前の株主:個人1名(三本松 征彦)が100%保有/非開示(売主との協議による守秘義務)。第三者機関の評価をもとに決定
買収理由:まつげエクステンション商材の製造機能を取り込む(松風と一体での取得)
売上2億2,300万円・営業利益2,700万円・純資産5,700万円。純資産は1,500万円→3,700万円→5,700万円、売上も1億7,900万円→2億2,300万円と伸びていました。販売会社の松風と製造の研究所、ベトナム工場を同じ社長が別々の会社で持っていたものを、まとめて1回で引き取っています。会社を分けて持っていても、事業としてひとかたまりなら一括で売れます。
取得から1年以上たっていますが、手元の後続開示や決算短信に社名が出ておらず、存続・合併の別を確認できていません。
株式会社松風
プロ用まつげエクステンション関連製品の企画・販売/大阪府大阪市/2005年12月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 6億5,800万円
- 対象の営業利益
- 3,300万円
- 対象の純資産
- 5,900万円
決算期:2019年11月期/譲渡前の株主:三本松征彦53.8%、株式会社まつげエクステンション研究所46.2%(研究所も三本松氏が100%保有)/非開示(売主との協議による守秘義務)。第三者機関の評価をもとに決定
買収理由:まつげエクステンション商材の卸に製造部門を加え、独自ブランドとOEM受託を広げる
売上6億5,800万円・営業利益3,300万円・純資産5,900万円。「まつエク業界の老舗ブランド」と紹介されています。2018年11月期に1億2,200万円の最終赤字を出し、純資産が1億7,100万円から4,900万円まで減った後の譲渡でした。営業利益は6,700万円→3,200万円→3,300万円と黒字を保っており、一度大きく純資産を減らしても、本業が黒字でブランドがあれば買い手は付きます。
取得から1年以上たっていますが、手元の後続開示や決算短信に社名が出ておらず、存続・合併の別を確認できていません。
株式会社足立製作所
金属製家具・器具・用品の製造販売(多品種少量生産)/新潟県新潟市/1972年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 6億8,600万円
- 対象の営業利益
- 7,800万円
- 対象の純資産
- 1億5,100万円
決算期:2017年5月期/譲渡前の株主:個人1名(足立 太郎)が100%保有/非開示(売主との協議による守秘義務)。第三者機関の評価をもとに決定
買収理由:店舗設計子会社のデザイン力と金属加工技術を組み合わせ、グループ内に日本製の製造体制をつくる
創業45年、売上6億8,600万円・営業利益7,800万円・純資産1億5,100万円。営業利益は800万円→7,300万円→7,800万円と、直近2期で利益を大きく伸ばした直後の譲渡でした。美容商材の会社が新潟の金属加工の町工場を買った例で、業種が違っても、買い手の商品づくりに必要な技術があれば対象になります。
取得から1年以上たっていますが、手元の後続開示や決算短信に社名が出ておらず、存続・合併の別を確認できていません。
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