4642東証スタンダード

オリジナル設計株式会社のM&A実績

上下水道の設計コンサルが、2024年末から1年半で3社を買っています。3件とも売り手は個人(またはその資産管理会社)で、対象は売上4億〜9億円規模の非上場企業です。本業の上水道設計を補う同業と、自治体向けシステムやWeb開発のIT会社の2系統で買っており、開示では毎回「新たにパートナーとして迎える」と表現しています。

オリジナル設計株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都渋谷区
設立
―
事業内容
上下水道を軸とした水インフラの調査・計画・設計・監理を行う建設コンサルタント。2025年からシステム開発会社を買い、情報処理サービス事業を加えている
売上高
85億1,500万円(2025年12月期(連結))
営業利益
9億2,100万円
純資産
78億9,800万円

どんな会社を買っているか

買う業種
上下水道の設計・工事監理(建設コンサルタント)/自治体向けGIS・社会基盤システムの開発/受託開発・SES・ホスティング
対象の規模
対象の売上 4.19億円〜8.84億円
手法
株式譲渡による100%取得のみ。3件とも全株式を取得している
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
買った会社は社名のまま連結子会社として残しています。2025年12月期の決算短信では、クラックスシステムと日本技術サービスの2社が連結子会社として社名入りで載っています。合併や社名変更の開示はありません。
  • 取得価額は3件とも非開示です。理由は「相手先との守秘義務」。算定は外部専門家の株価算定と、弁護士・公認会計士による法務・財務調査を踏まえて協議した、と書かれています
  • 金額の手がかりは決算短信ののれんです。クラックスシステムでは11億5,078万円、日本技術サービスでは7,623万円ののれんが発生しています
  • 2社の取得にあわせて長期借入をしており、2025年12月期の投資キャッシュ・フローは14億9,500万円の支出でした。借入を使ってでも買いに行く姿勢が数字に出ています
  • 日本技術サービスは東証の適時開示基準に該当しない小さな案件でしたが、内容を一部省略したうえで任意に開示しています

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年6月17日株式譲渡(全株式を取得、子会社化)

株式会社アクティブフュージョンズ

ホスティング、システム開発、SES(システムエンジニアリングサービス)/東京都港区/2003年7月設立

取得価額
―
対象の売上
4億1,900万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2025年6月期/譲渡前の株主:個人(氏名・人数は非公開)/相手先との守秘義務により非開示。外部の専門家による株価算定と、外部の弁護士・公認会計士による法務・財務調査の結果を勘案し、当事者間の協議で決定。のれんが発生する見込み(金額は精査中)

買収理由:情報処理サービス事業の拡大と、水インフラ分野のDX・自治体向けデジタルサービスの開発体制強化。先に買ったクラックスシステムとのシナジー

売上4億1,900万円、資本金1,000万円、設立2003年。オープン系・Web系の受託開発とサーバー運用を手がける会社です。本業の水インフラと直接関係のない、民間向けの受託開発会社でも買われています。開示では、1年半前に買ったクラックスシステムとの組み合わせが理由に挙げられており、一度IT会社を買った買い手が、2社目でグループを厚くしにくる流れが見えます。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年7月3日に株式譲渡を実行する予定として開示されました。手元の開示では、その後の商号変更や合併の開示はありません。

確認元:株式会社アクティブフュージョンズの株式の取得に関するお知らせ

出典:株式会社アクティブフュージョンズの株式の取得に関するお知らせ

2025年7月29日株式譲渡(全株式〈自己株式を除く〉を取得、子会社化)

日本技術サービス株式会社

建設コンサルティング(上下水道の設計・工事監理)/兵庫県神戸市/1980年4月設立

取得価額
―
対象の売上
6億円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2024年9月期/譲渡前の株主:個人(氏名・人数は非公開)/相手先との守秘義務により非開示。東証の適時開示基準に該当しない規模の案件。決算短信では、この取得で建設コンサルタント事業セグメントにのれん76百万円が発生と記載

買収理由:下水道に強い当社が、西日本で上水道の設計実績を持つ会社を取り込み、上下水道一体の需要とウォーターPPPに備える

売上6億円、創業1980年の神戸の設計事務所です。のれんは7,623万円と小さく、利益の上乗せより人と実績を引き取る性格の案件と読めます。中期経営計画で「上水道事業の強化」を掲げた直後の取得で、買い手の計画に書かれた弱点を自社が埋められるなら、そこが売り込みどころになる例です。取締役会決議の翌日に譲渡を実行しており、話がまとまってからの手続きは短期間でした。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月期決算短信で、期中に連結範囲へ加わった新規2社のひとつとして社名のまま記載されています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:日本技術サービス株式会社の株式の取得に関するお知らせ

2024年12月25日株式譲渡(全株式を取得、子会社化)

株式会社クラックスシステム

自治体向けGISシステム、社会基盤システム・業務系システムの開発、技術者派遣/大阪府大阪市/2001年3月設立

取得価額
―
対象の売上
8億8,400万円
対象の営業利益
1億1,100万円
対象の純資産
5億1,200万円

決算期:2024年2月期/譲渡前の株主:株式会社シオントラスト(対象会社の代表取締役・宮崎晋輔氏が代表を務める資産運用・不動産の会社。2024年12月27日設立予定)が100%保有予定/相手先との守秘義務により非開示。外部専門家の株価算定と法務・財務調査の結果を勘案して決定。決算短信では、この取得で情報処理サービス事業セグメントにのれん1,150百万円が発生と記載(暫定会計の確定後)。直前期の純資産512百万円を大きく上回る金額だったことが読める

買収理由:上下水道事業の変革への対応と、鉄道・電力・空港などのシステム開発領域への事業拡大

売上8億8,400万円・営業利益1億1,100万円・純資産5億1,200万円。売上は6億7,500万円→7億9,500万円→8億8,400万円と3期連続で伸び、総資産6億7,600万円のうち純資産が5億1,200万円という厚い財務でした。のれんは11億5,078万円で、純資産の2倍を超えます。資産をあまり持たないIT会社でも、技術者と実績があれば純資産を大きく超える値がつく例です。また社長は個人で直接売らず、譲渡の直前に自身が代表を務める会社(不動産・資産運用)を設立し、株をそこに移してから売る形をとっています。買い手はこの取得をきっかけに連結決算を始めています。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年1月に取得し、2025年12月期決算短信で連結範囲に加わった新規2社のひとつとして社名のまま記載されています。2026年6月のアクティブフュージョンズ取得の開示でもグループ会社として言及されています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社クラックスシステムの株式の取得に関するお知らせ

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本ページはオリジナル設計株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日