6027東証グロース

弁護士ドットコム株式会社のM&A実績

弁護士と法律トラブルの周辺だけを狙って買っている会社です。判例データベース、弁護士向けの文書整理ツール、弁護士費用の立替サービス、弁護士保険と、どの案件も「弁護士ドットコムの利用者に売れるか」で選ばれています。相手は売上3,000万円台の赤字・債務超過の会社から、売上16億円超の老舗まで幅があります。法律・士業の周辺で、ほかに代わりのないサービスを持つ会社には現実的な買い手です。

弁護士ドットコム株式会社が公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都港区
設立
2005年7月
事業内容
法律相談ポータル「弁護士ドットコム」、税務相談ポータル「税理士ドットコム」、契約マネジメント「クラウドサイン」、判例データベース「判例秘書」など、弁護士・専門家向けのサービスを運営
売上高
162億8,800万円(2026年3月期(連結))
営業利益
22億400万円
純資産
72億900万円

どんな会社を買っているか

買う業種
判例データベース/弁護士向け業務ソフト/弁護士費用の立替(リーガルファイナンス)/弁護士保険(少額短期保険)
対象の規模
対象の売上 0.29億円〜16.65億円
手法
株式譲渡(子会社化)。ミカタ少額短期保険では過半数だけを買い、他の株主が残る形
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社にしています。2026年の2件は決算短信で「結合後企業の名称は変更ありません」と明記されています。買ったサービスは「判例秘書」「弁護革命」のように名前を残したまま、自社サービスとの連携を進めています。
  • 2026年の2件は、決算短信で取得額が分かります。取得の開示では非開示でしたが、決算短信の後発事象に日本リーガルネットワーク7億3,000万円、ミカタ少額短期保険27億8,844万円と載っています
  • 赤字・債務超過の会社も買っています。弁護革命は純資産マイナス635万円、日本リーガルネットワークは3期連続の営業赤字でした
  • エル・アイ・シーの開示では、金額を伏せる理由を「相手先が個人であり、金額が推察されることによる安全保護上の観点」と説明しています。個人オーナーへの配慮から金額を出さないことがはっきり書かれた例です

買収の履歴4件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年2月12日株式譲渡(完全子会社化。子会社ATEも連結子会社に)

株式会社日本リーガルネットワーク

トラブル発生後でも契約できる弁護士費用の提供サービス(リーガルファイナンス)。子会社ATE株式会社を含む/東京都港区/2015年4月設立

取得価額
7億3,000万円
対象の売上
2,900万円
対象の営業利益
△3,800万円
対象の純資産
3億300万円

決算期:2025年9月期(ATEとの合算)/譲渡前の株主:非開示(当事者間の秘密保持の合意による)/取得の開示では「当社純資産額の15%未満」として非開示。2026年3月期決算短信の後発事象で取得原価730百万円と開示。条件成立時に最大40百万円の追加支払(条件付取得対価)があり、アドバイザー費用3.4百万円は別/日本リーガルネットワークと子会社ATEの合算

買収理由:費用面で法的手段をあきらめていた人への弁護士費用サービスを、自社の顧客基盤で広げる

売上は1億4,400万円→3,900万円→2,900万円と縮み、営業損益は3期とも赤字(△3,800万円)でした。それでも純資産3億300万円の約2.4倍、7億3,000万円で買われています。さらに条件を満たせば最大4,000万円を上乗せする「アーンアウト」も付いています。売上が小さく赤字でも、買い手の本業と直結する仕組みを持っていれば値段はつきます。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年4月2日に株式を取得。決算短信では結合後企業の名称は「変更ありません」とされています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社日本リーガルネットワークの株式取得に関するお知らせ

2026年2月12日株式譲渡(過半数を取得して子会社化)。取得後にA種株式を普通株式へ転換

ミカタ少額短期保険株式会社

単独型の弁護士保険を扱う少額短期保険業/東京都中央区/2011年4月設立

取得価額
27億8,844万円
対象の売上
11億8,000万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
4億3,800万円

決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:個人株主が分散(瀬頭嘉余子7.3%、谷家衛4.3%、株式会社SHINDO 2.7%ほか)。相手先は非開示/取得の開示では「上限2,955百万円(議決権67.0%まで)」とされ、実際は議決権53%分を2,788百万円で取得(2026年3月期決算短信の後発事象)。アドバイザー費用3.5百万円は別。A種株式の転換後、議決権比率は63.2%。取得資金として銀行3行から計27億円を借り入れている。算定は外部専門家の株式価値を基に協議/保険会社のため「経常収益」の数値

買収理由:弁護士保険の販売を、弁護士ドットコムの顧客基盤で加速する

経常収益は9億900万円→10億4,800万円→11億8,000万円と伸びていましたが、経常利益は△1,600万円→△200万円→1,200万円と、ようやく黒字に届いたところでした。純資産4億3,800万円に対し、議決権の53%分だけで27億8,844万円が払われています。利益より「弁護士保険の業界最大手」という立ち位置が評価された案件です。最大株主でも7.3%と株が分散した会社でしたが、全員から買わずに過半数だけを集める形で成立しています。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年4月27日に議決権の53%を取得して子会社化が完了しました。決算短信では結合後企業の名称は「変更ありません」とされ、議決権比率は63.2%に上がっています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:ミカタ少額短期保険株式会社の株式取得に関するお知らせ

2024年4月17日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社弁護革命

弁護士向けデジタル事件記録ツール「弁護革命」の開発・提供/京都府京都市/2019年1月設立

取得価額
―
対象の売上
3,299万円
対象の営業利益
△649万円
対象の純資産
△635万円

決算期:2023年12月期(税込経理方式)/譲渡前の株主:山本了宣(代表取締役・弁護士)75%ほか/非開示(当事者間の守秘義務契約による)。外部専門家が算定した株式価値を基に協議

買収理由:2026年の民事裁判手続IT化を前に、弁護士向けの業務ツールを品ぞろえに加える

売上3,299万円、営業損失649万円、純資産マイナス635万円の債務超過でした。売上は874万円→1,909万円→3,299万円と毎年伸びていた一方、利益は出ていません。弁護士が自分で作ったツールで、約2,000名の弁護士に使われていたことが評価されました。数字が小さく赤字でも、利用者が増え続けているプロダクトは上場企業の買収対象になります。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年3月期決算短信にはサービス名「弁護革命」は出てきますが、会社名としての記載はなく、合併や商号変更の開示も見当たりません。法人の状態は確認できていません。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社弁護革命の子会社化に関するお知らせ

2023年10月2日株式譲渡(完全子会社化。販売子会社EOC.comも傘下に)

株式会社エル・アイ・シー

判例データベース「判例秘書」の開発・提供(販売子会社EOC.comを含む)/東京都港区/1996年4月設立

取得価額
―
対象の売上
16億6,500万円
対象の営業利益
1億4,600万円
対象の純資産
12億3,600万円

決算期:2023年3月期/譲渡前の株主:個人(氏名・持分は非開示)/非開示。「2023年3月期の当社純資産3,167百万円の15%以上」と開示されており、475百万円以上と下限が読める。非開示の理由は「相手先が個人であり、金額が推察されることによる安全保護上の観点」。アドバイザリー費用等は約2百万円/エル・アイ・シー単体。販売子会社EOC.com(2022年9月期 売上310百万円・営業利益78百万円・純資産322百万円)の売上はエル・アイ・シーからの販売手数料のみ

買収理由:判例データを「リーガルブレイン」(法律特化の独自AI)構想の中核データとして取り込む

売上16億6,500万円・営業利益1億4,600万円・純資産12億3,600万円。1996年の設立から創業社長が率いてきた会社です。営業利益は2億1,100万円→1億7,500万円→1億4,600万円と下がり気味でしたが、1900年代からの判例データという、ほかでは作れない資産が評価されました。買い手の純資産の15%以上という、この会社にとって大きな買い物でした。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年3月期決算短信にはサービス名「判例秘書」は出てきますが、会社名の記載はなく、合併や商号変更の開示も見当たりません。法人の状態は確認できていません。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社エル・アイ・シーの株式取得に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社日本リーガルネットワーク7億3,000万円(売上の25.17倍)※営業赤字での譲渡
  • ミカタ少額短期保険株式会社27億8,844万円(売上の2.36倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは弁護士ドットコム株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日