株式会社エクサウィザーズのM&A実績
AIの会社ですが、買っているのはAIを売るための「人」を抱えた会社です。2023年には営業代行のスタジアム、2026年には現場伴走型コンサルのele&companyを、いずれも全株式で取得しました。どちらも買う前から取引があった相手で、取得価額を2件とも金額で開示しています。
株式会社エクサウィザーズが公表した適時開示2件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- 2016年2月
- 事業内容
- AIプロダクト(生成AIの「exaBase」シリーズなど)の提供と、企業・行政向けのAI導入支援を行う会社
- 売上高
- 119億9,600万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 15億9,400万円
- 純資産
- 47億5,000万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 営業支援・営業代行(ビジネスプロセスアウトソーシング)/経営・業務コンサルティング、人材紹介・派遣
- 対象の規模
- 対象の売上 2.1億円〜20億円
- 手法
- 株式譲渡(全株式を取得して子会社化)
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。ただし買収後に事業の取捨選択はあり、スタジアムでは採用面接システム「インタビューメーカー」事業を2024年に他社へ会社分割で譲渡し、営業支援事業を残しました。経営者の扱いは案件で分かれ、スタジアムでは創業社長が退任、ele&companyでは現経営陣が続投する予定です。
- 取得価額は2件とも開示されています。スタジアム27億円、ele&company 7億円で、それぞれアドバイザリー費用等(3百万円、4百万円)も別に書かれています
- 2件とも、買う前から取引のあった相手です。スタジアムにはサービスを提供し営業支援も受けていた関係、ele&companyにはAIコンサル業務を委託していた関係でした
- 純資産よりはるかに高い値段がついています。スタジアムは純資産1億8,300万円に対して27億円、ele&companyは2025年12月期末の純資産2,600万円に対して7億円です。人と営業の仕組みに値段がついた形です
買収の履歴2件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社ele&company
現場伴走型のコンサルティング(PM支援、新規事業開発、営業変革など)、有料職業紹介、労働者派遣/東京都中央区/2024年4月設立
- 取得価額
- 7億円
- 対象の売上
- 2億530万円
- 対象の営業利益
- 2,580万円
- 対象の純資産
- 2,610万円
決算期:2025年12月期/譲渡前の株主:森 兼作90.0%、岡 郁樹10.0%(個人2名、いずれも現経営陣)/アドバイザリー費用等4百万円を加えた合計額は704百万円。算定方法の記載はなし
買収理由:現場に入り込むコンサル人材と営業モデルを取り込み、AIプロダクトの商談の入口を広げる
設立から2年5か月の会社に7億円がついています。売上は1,234万円(初年度)→2億531万円(2025年12月期)、2026年は上期だけで3億9,587万円・営業利益5,529万円・純資産6,161万円と急伸中でした。取得価額は上期末の純資産の約11倍です。評価されたのは「個人の専門性に頼らずチームで提案から実行まで回す営業モデル」と、コンサル人材を採用・活用する仕組みだと開示されています。取得後も代表の森氏と取締役の岡氏が経営を続ける予定で、売って終わりではなく、株は渡して経営は続ける形です。もともとエクサウィザーズからAIコンサル業務を受託していた取引先でした。
2026年9月中に株式譲渡を実行予定として開示され、2027年3月期第3四半期から連結される予定です。その後の商号変更や合併の開示はありません。
株式会社スタジアム
デジタル・DX商材の営業支援(インサイドセールスからカスタマーサクセスまでの営業代行)、Web面接システム「インタビューメーカー」の開発・運営/東京都港区/2012年8月設立
- 取得価額
- 27億円
- 対象の売上
- 19億9,500万円
- 対象の営業利益
- △3,000万円
- 対象の純資産
- 1億8,300万円
決算期:2022年7月期/譲渡前の株主:太田 靖宏(創業者)35.06%、ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合18.81%、株式会社ファミリースタジアム(太田氏が100%保有)11.05%ほかベンチャーキャピタル等(2022年7月末時点)/アドバイザリー費用等3百万円を加えた合計額は2,703百万円。上場準備で用いられた仮条件・公募価格、DCF法、類似上場会社比較(倍率法等)の評価結果を総合して合意
買収理由:デジタル・DX商材の営業人員を多数抱える会社を迎え、AIプロダクトの販売拡大と相互送客、営業代行・バックオフィス代行の新サービスにつなげる
上場直前で止まった会社が、上場企業に丸ごと売れた例です。2023年3月に東証グロースへの上場承認を受けたものの、上場5日前に「確認すべき事項」が出て延期。その約2か月後に、もともと取引のあったエクサウィザーズへの全株売却が決まりました。営業損益は△8億800万円→△5億3,000万円→△3,000万円と赤字が縮んでいる局面で、純資産1億8,300万円に対して27億円がついています。値段は上場で付くはずだった公募価格等を物差しに使って決めたと開示されています。一方で創業社長の太田氏は子会社化と同時に退任し、買い手から代表が送り込まれました。
2024年3月にインタビューメーカー事業を会社分割で株式会社ZENKIGENへ70百万円で譲渡し、営業支援事業が残りました。2026年3月期決算短信でも「株式会社スタジアムの営業支援・成長支援事業」としてセグメントの記載があり、子会社として残っています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社ele&company7億円(売上の3.41倍・営業利益の27.1倍)
- 株式会社スタジアム27億円(売上の1.35倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社エクサウィザーズが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日