株式会社ダイキアクシスのM&A実績
愛媛県松山市の会社で、地元・愛媛の設備会社や施工会社を中心に買ってきました。売り手は社長個人が100%を持つオーナー会社が多く、対象は売上2億円台から17億円台までです。本業の住宅設備の販売に、空調、サッシ・エクステリア、太陽光の施工といった「隣の工事」を足していく買い方をしています。
株式会社ダイキアクシスが公表した適時開示7件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 愛媛県松山市
- 設立
- ―
- 事業内容
- 浄化槽・排水処理装置の製造販売とメンテナンスを軸に、水回りを中心とした住宅設備機器の卸売・施工、太陽光・風力・バイオディーゼル燃料などの再生可能エネルギー事業を手がける会社
- 売上高
- 483億2,100万円(2025年12月期(連結))
- 営業利益
- 12億7,200万円
- 純資産
- 96億3,800万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 空調・給排水・電気などの設備工事/住宅サッシ・エクステリア建材の施工販売/太陽光発電システムの設計・施工/土木工事/上下水道事業/排水処理関連の技術・装置
- 対象の規模
- 対象の売上 2.6億円〜17.4億円(業績非開示の案件を除く)
- 手法
- 株式譲渡(100%取得による子会社化)が中心。売り手が新設分割で事業だけを切り出した会社を買う形もある
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。ただし2017年に買った岸本設計工務(のちの株式会社DAD)は、海外展開に経営資源を集中するという理由で、3年後の2020年に地元の別の会社へ売却しています。
- 取得価額はほとんどの案件で非開示です。この一覧の7件のうち、金額が出ているのは岸本設計工務の3億8,000万円だけでした
- 非開示の理由は「相手先との合意により」と書かれることが多く、「第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、双方協議の上で妥当な金額を算出」といった説明にとどまります
- 対象会社の業績は、多くの案件で直近3期分が開示されています。ただし監査を受けていない数字であると注記されています
- 2023年2月に開示された株式会社メデアと株式会社アドアシステムの取得は、開示資料をまだ確認できていないため、この一覧には入れていません
買収の履歴7件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社アルミ工房萩尾
住宅サッシ・エクステリア建材の施工・販売/愛媛県新居浜市/2009年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億8,200万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 1億2,000万円
決算期:2020年12月期/開示なし
買収理由:水回りの住設機器に、住宅サッシ・エクステリアの提案を加えるため
売上2億8,200万円・経常利益2,300万円・純資産1億2,000万円、資本金500万円の会社です。売上は3億600万円→3億2,200万円→2億8,200万円と直近で下がっていますが、純資産は8,800万円→1億400万円→1億2,000万円と毎年積み上がっていました。取引関係もなかった地元の施工会社を、本業の販売先に「一緒に提案できる商材」として取り込んだ案件です。売上が少し落ちた年でも、利益を出して内部に貯めていれば買い手はつきます。
2021年10月26日に株式譲渡を実行予定として開示されました。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社サンエイエコホーム
太陽光発電システムの設計・施工・販売・維持管理/神奈川県藤沢市/2009年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 12億3,600万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 2億1,400万円
決算期:2021年2月期/譲渡前の株主:個人1名(武中 進)が100%保有/開示なし
買収理由:再生可能エネルギーの導入から運用までをワンストップで提供するため
売上12億3,600万円・経常利益2,100万円・純資産2億1,400万円。売上は16億5,600万円→15億8,200万円→12億3,600万円と2年で約25%減っていました。利益率も1〜2%台と薄い状態での譲渡です。それでも、愛媛の会社が神奈川の施工会社を買っています。売上が落ちている局面でも、施工の実務を持っていることが評価の対象になる例です。
2021年10月1日に株式譲渡を実行予定として開示されました。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社日本エアーソリューションズ
空調換気設備工事/愛媛県松山市/2017年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億5,700万円
- 対象の営業利益
- 8,400万円
- 対象の純資産
- 5,800万円
決算期:2019年2月期/譲渡前の株主:個人1名(冨士原 裕)が100%保有/相手先との合意により非開示。第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、双方協議の上で算出
買収理由:住設機器の販売に設備工事を加え、設備に関する総合的なソリューションを提供するため
設立から約2年半の会社です。2期目で売上2億5,700万円・営業利益8,400万円(利益率33%)・純資産5,800万円。冨士原冷機の社長が100%を持つ、いわば姉妹会社でした。設立間もない会社でも、本体とセットにすることで一緒に引き取られています。
2019年10月1日に株式譲渡を実行予定として開示されました。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社冨士原冷機
空調換気・給排水・電気設備の総合設備事業、冷凍・冷蔵設備の販売/愛媛県松山市/1986年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 17億4,500万円
- 対象の営業利益
- 5,600万円
- 対象の純資産
- 1億6,100万円
決算期:2019年4月期/譲渡前の株主:個人1名(冨士原 裕)が100%保有/相手先との合意により非開示。第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、双方協議の上で算出
買収理由:住設機器の販売に設備工事を加え、設備に関する総合的なソリューションを提供するため
売上17億4,500万円・営業利益5,600万円・純資産1億6,100万円。売上は8億8,000万円→9億5,200万円→17億4,500万円と、直近1年でほぼ倍増した直後の譲渡です。一方で直近期の当期純利益は693万円まで減っていました。社長が別に作っていた空調工事の会社(日本エアーソリューションズ)も同時に売っており、2社をまとめて1つの買い手に渡す形を取っています。
2019年10月1日に株式譲渡を実行予定として開示されました。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。
DHアクア株式会社
団地の上水道・下水道事業/愛媛県松山市/2018年11月(新設分割で設立)設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示(新設会社)/譲渡前の株主:吉井企画株式会社(宅地造成・分譲の会社)が100%保有。吉井企画の株主構成は相手先の要望により非開示/非開示。「対象会社の今後の収益性等を検討し、双方協議のうえで決定」
買収理由:以前から排水施設の管理を受託していた団地の水道事業を引き継ぐため
松山市の宅地造成会社が、自社で開発した団地(道後平ニュータウン、白水台団地)の上下水道事業を手放した案件です。売り手は本業と離れた水道事業だけを新設分割で別会社にし、その株を譲渡しています。買い手は以前からこの団地の排水施設の管理を請け負っていた取引先でした。付き合いのある取引先が、そのまま事業の引き受け手になる典型的な形です。
2018年11月1日に株式譲渡を実行し、ダイキアクシスの役員が代表取締役などに就任しました。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。
フジムラインベント株式会社
機械設計製造販売、環境関連製品製造販売(熱処理方式・亜臨界装置などの特許技術)/愛知県名古屋市/1992年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人2名(栃本 信彦 50%、長谷川 克久 50%)/開示なし
買収理由:保有する特許技術を、国内外の排水処理を中心とした環境インフラ事業に生かすため
資本金1,400万円、2人の株主が半分ずつ持っていた技術系の会社です。業績は開示されていません。買い手が理由に挙げたのは売上や利益ではなく「複数の技術特許」でした。規模が小さくても、買い手の本業に使える特許を持っていれば、それ自体が買われる理由になります。
2018年1月31日に株式譲渡を実行予定として開示されました。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社岸本設計工務
土木工事業(推進工法)、太陽光発電の売電、不動産賃貸/愛媛県松山市/1971年4月設立
- 取得価額
- 3億8,000万円
- 対象の売上
- 11億3,200万円
- 対象の営業利益
- 1億200万円
- 対象の純資産
- 3億6,100万円
決算期:2016年6月期/譲渡前の株主:個人株主が100%保有(氏名は非公開)/取得株式数4,000株
買収理由:中期経営計画で掲げたM&Aによる成長戦略の一環。グループのネットワークを生かした収益拡大
売上11億3,200万円・営業利益1億200万円・純資産3億6,100万円で、取得価額は3億8,000万円。純資産の約1.05倍、営業利益の約3.7倍です。前々期(2015年6月期)は営業損失6,300万円の赤字でしたが、翌期に1億200万円の黒字に戻した直後の譲渡でした。ただしこの会社は3年後に再び売られています(下の「その後」を参照)。上場企業に売っても、買い手の方針が変わればグループの外に出ることがあります。
株式会社DADに商号を変えたのち、2020年7月に全株式を松山市の不動産・建設会社である株式会社ミツワ都市開発へ6億8,000万円で譲渡すると開示されました。理由は「海外展開等に注力する中での経営資源の集中」です。開示文には「2017年3月に全国の土木工事業を手掛けるDADの全株式を取得」とあり、岸本設計工務と同じ会社であることが読み取れます。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社岸本設計工務3億8,000万円(売上の0.34倍・営業利益の3.7倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社ダイキアクシスが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日