254A東証スタンダード

AIフュージョンキャピタルグループ株式会社のM&A実績

投資会社が、自ら事業会社を買ってグループに入れている会社です。開示の多くは上場企業への出資・TOBですが、後継者問題を抱えた地方の青果卸、フランチャイズ本部、設立直後の和菓子催事会社といった非上場の会社も買っています。開示された3件はいずれも取得価額が出ており、数千万円規模の小さな案件です。

AIフュージョンキャピタルグループ株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都港区
設立
2024年10月(単独株式移転により設立)
事業内容
ベンチャーキャピタル(旧フューチャーベンチャーキャピタル)を母体に、自己投資・ファンド・PIPEs・投資銀行の4事業を展開する持株会社。上場企業や中小企業への出資・買収でグループを広げている
売上高
32億9,700万円(2026年3月期(連結・IFRS))
営業利益
△13億8,700万円
純資産
67億2,000万円

どんな会社を買っているか

買う業種
青果物卸売/飲食フランチャイズ本部(鰻の成瀬)/和菓子催事・フランチャイズ
対象の規模
対象の売上 2.0億円〜20.8億円(設立直後で決算のない会社を除く)。取得価額は2,000万円〜5,806万円
手法
株式譲渡(子会社化)。全株を買う形のほか、58%・51%と過半数だけを取得する形も使う。子会社のミライサービスホールディングスが買い手になる孫会社化もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残しています。過半数だけ取得した会社は、売り手側が残りの株式を持ち続ける形です(FBI社は和解を経て後に100%取得)。
  • 非上場企業の案件は、3件とも取得価額が開示されています。河合青果2,000万円、FBI社(58%)5,806万円、催事ジャパン(51%)5,100万円です
  • 営業赤字・債務超過の会社も買っています。河合青果は3期連続の営業赤字で純資産マイナス5,456万円でしたが、2,000万円で全株が取得されました
  • 開示件数の多くは上場企業への出資・TOBです(ショーケースへのTOB、ラバブルマーケティンググループとタメニーの株式買集め・第三者割当増資引受による子会社化)。これらは中小企業のオーナーの売却とは性格が違うため、この一覧には載せていません
  • 暗号資産関連の株式会社エデン(売上45万円、オーナー1名が100%保有)は、2段階で株式を取得する契約です。2025年11月に第1回として33.3%を1,000万円で取得し、残る66.7%(2億9,000万円)は暗号資産交換業の登録完了が条件のため、この一覧には入れていません
  • 株式会社白寿生科学研究所の株式取得(ファンド経由で34.0%)は、2025年8月に中止が開示されています。理由はファンドへの出資予定者との協議が不調に終わったことでした

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年6月15日株式譲渡。子会社ミライサービスホールディングスが発行済株式の51.0%を取得(孫会社化)

催事ジャパン株式会社

和菓子催事(百貨店・駅ナカ等の期間限定販売)の運営、フランチャイズ、OEM・卸/東京都中央区/2026年5月設立

取得価額
5,100万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:設立直後のため決算なし(開示時点で売上実績なし)/譲渡前の株主:デアベルス・インベストメント合同会社が100%保有(同社の出資者は個人2名が50%ずつ)/51%分の取得価額。第三者(ルート株式会社)がDCF法で株主価値を評価。対象会社作成の2026年12月期〜2028年12月期の事業計画から、不確実性の高い要素を除いた保守的なシナリオを採用

買収理由:和菓子催事事業の取り込みと、生活者向けサービス領域の収益基盤の拡充

設立から1か月余り、売上ゼロの会社の51%に5,100万円がついています。売り手のデアベルス・インベストメントは、赤字で引き継ぎ先が見つからなかった和菓子事業を引き取って立て直し、2025年11月〜2026年3月に実際に催事で販売したうえで、新会社に移しています。買い手は過去の決算ではなく、実証済みの販売モデルと事業計画を見て値付けしています。開示文には、後継者不在で事業継続を断念する和菓子事業者が増えていることにも触れられており、今後は和菓子事業者の承継M&Aも進める方針とされています。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年7月上旬に取引実行予定として開示され、その後の商号変更や合併、再譲渡の開示はありません。

確認元:当社連結子会社による催事ジャパン株式会社の株式取得及び連結子会社化に関するお知らせ

出典:当社連結子会社による催事ジャパン株式会社の株式取得及び連結子会社化に関するお知らせ

2026年3月31日株式譲渡。まず代表者ら2名から58.0%を取得し子会社化、その後の和解で残る42%も取得して完全子会社化

フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社

フランチャイズ本部運営(飲食ブランド「鰻の成瀬」、直営・FC合計270店舗)/滋賀県高島市/2020年9月設立

取得価額
5,800万円
対象の売上
20億8,200万円
対象の営業利益
5,500万円
対象の純資産
7,900万円

決算期:2025年8月期/譲渡前の株主:山本昌弘52.5%、早坂直樹19.1%、株式会社N&S Partners10.0%、加藤秀行9.1%、鎌田直樹5.5%、伊藤光茂3.8%(2025年8月末時点)。このうち山本氏と鎌田氏の持分(計58.0%)を取得/58.0%分の取得価額(58,058,000円)。第三者算定等を踏まえて決定。残る42%は2026年8月の和解で有償取得したが、和解の秘密保持条項により対価は非開示

買収理由:高い再現性を持つフランチャイズ事業を取り込み、AI・DXやSNSマーケティングで出店スピードと店舗収益性を高める

設立5年で売上20億8,200万円(2億5,000万円→16億2,100万円→20億8,200万円)、営業利益5,500万円、純資産7,900万円。58%で5,806万円なので、単純に100%へ換算すると約1億円、純資産の1.3倍程度の水準です。買い手は取得前にFBI社へ2.6億円を貸し付けていました。この案件では、株主間で紛争が起きています。譲渡しなかった株主側が「株主間契約がある」として、譲渡した株主に対し譲渡禁止の仮処分を申し立て、2026年4月10日に東京地方裁判所が仮処分を決定しました。買い手は同日に株式取得を実行し、仮処分は当事者間にとどまり第三者には及ばないとの立場を開示しています。4か月後の8月10日、買い手も当事者に加わる形で和解が成立し、買い手が残る42%を有償で取得して完全子会社化しました。売り手にとっての教訓は、株主が複数いる会社では、株主間契約の有無と中身を、交渉を始める前に全員で確認しておくことです。過半数を持っていても、他の株主との契約が売却の障害になり、手続きが裁判所に持ち込まれることがあります。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年4月10日に58.0%を取得して子会社化。同年8月10日の和解で残る42%を取得し、完全子会社になりました。その後の商号変更や合併の開示はありません。

確認元:フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社に係る株式取得関連紛争の和解成立及び完全子会社化に関するお知らせ

出典:フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社の株式取得及び連結子会社化に関するお知らせ

2024年11月14日株式譲渡(全株取得による子会社化)

株式会社河合青果

青果物卸売業(名古屋市中央卸売市場北部市場が取引基盤)/愛知県名古屋市/1980年10月設立

取得価額
2,000万円
対象の売上
1億9,900万円
対象の営業利益
△1,000万円
対象の純資産
△5,500万円

決算期:2023年9月期/譲渡前の株主:個人1名(須田 勇)が100%保有/全株式5,000株の取得価額

買収理由:後継者不在の地域企業の事業承継支援。将来的にAI等によるDXで市場の活性化・業務効率化を支援し、青果卸の事業承継の受け皿を担う

売上1億9,900万円、営業赤字が3期続き(2,500万円→1,400万円→970万円の損失)、純資産はマイナス5,456万円の債務超過でした。それでも全株が2,000万円で取得されています。売上は1億4,100万円→1億7,600万円→1億9,900万円と伸び、赤字幅は毎年縮んでいました。開示文は、代表の須田氏が地元の青果物商業協同組合の理事長を10年以上務め、市場との強い取引基盤を持つことを評価し、コロナの影響と将来的な後継者問題を抱えていたことを取得の背景に挙げています。赤字・債務超過でも、市場での取引基盤と伸びている売上があれば、値段をつけて引き受ける買い手はいます。

買収後存続2026年10月9日時点

2024年11月18日に株式譲渡実行予定として開示され、その後の商号変更や合併、再譲渡の開示はありません。

確認元:株式会社河合青果の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社河合青果の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 催事ジャパン株式会社5,100万円
  • フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社5,800万円(売上の0.03倍・営業利益の1.1倍)
  • 株式会社河合青果2,000万円(売上の0.10倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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