オープングループ株式会社のM&A実績
RPA(業務自動化ソフト)の会社が、自社のソフトとAIを載せられる小さな会社を買っています。クラウドRPAのスタートアップ、診療報酬の請求事務を代行する会社、労務コンサルの会社と、業種は違っても「人手でやっている事務作業を自動化して伸ばせるか」が共通の物差しです。売り手は創業者個人が中心で、2件とも取得価額を開示しています。
オープングループ株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- 2000年4月
- 事業内容
- RPA「BizRobo!」やクラウドRPA「AUTORO」などの業務自動化ソフトと、アドオートメーション事業を展開する子会社を束ねる持株会社
- 売上高
- 81億4,800万円(2026年2月期(連結))
- 営業利益
- 10億400万円
- 純資産
- 106億4,000万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 業務自動化ソフト(RPA)の開発・販売/医療事務(診療報酬請求事務)の受託/労務コンサルティング・給与計算まわりの事務代行
- 対象の規模
- 対象の売上 2.5億円〜2.7億円(業績が開示された2件)
- 手法
- 株式譲渡で全株式を取得(完全子会社化)
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。2026年2月期の決算短信でも、オートロとOASIS INNOVATIONが主要な連結子会社として載っています。
- 取得価額を開示しています。オートロは6億円、OASIS INNOVATIONは5億3,100万円(当初5億円と開示し、のちに訂正)でした
- 赤字で債務超過の会社も買っています。オートロは3期連続の営業赤字、純資産マイナス2,974万円の状態で、6億円で取得されました。売上が伸びていたことと、自社ソフトとの組み合わせが評価された形です
- 黒字の会社には営業利益の約22倍、純資産の約10倍の値段をつけた実績があります(OASIS INNOVATION)
- 2026年3月の中小企業サポートセンター取得はプレスリリースのみで、取得価額や業績は出ていません
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社中小企業サポートセンター
労務コンサルティング、401k導入、電子タイムカード「スマートろうむ」の提供/大阪府大阪市/2014年設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:非開示(社会保険労務士法人中小企業サポートセンターの関連会社、代表は宮本宗浩氏)/非開示(プレスリリースのみで、適時開示の取得価額の記載なし)
買収理由:給与計算のデジタルBPO基盤「RoboRoboペイロール」とAIエージェントを適用し、労務領域の事務を自動化する
社労士法人の関連会社として事務やシステム提供を担っていた会社が売られた例です。社労士法人そのものは残し、周辺の事業会社だけを渡して、買い手の仕組みで社労士の手間を減らす、という組み方になっています。士業の事務所でも、法人と切り分けた事業会社なら売る対象になることが読み取れます。金額や業績は開示されていません。
2026年3月に全株式の取得を完了したとリリースされています。その後の商号変更や合併の開示は手元の開示にありません。
確認元:オープングループが中小企業サポートセンターを完全子会社化 ~労務領域のオペレーション加速化を目指し、 デジタルBPO基盤およびAIエージェントを導入~
出典:オープングループが中小企業サポートセンターを完全子会社化 ~労務領域のオペレーション加速化を目指し、 デジタルBPO基盤およびAIエージェントを導入~
OASIS INNOVATION株式会社
医療・介護・調剤・歯科などの診療報酬請求事務の受託(リモート医事)/東京都港区/2013年9月設立
- 取得価額
- 5億3,100万円
- 対象の売上
- 2億4,840万円
- 対象の営業利益
- 2,420万円
- 対象の純資産
- 5,180万円
決算期:2024年8月期/譲渡前の株主:個人株主3名が100%保有(氏名は非公開)/取得関連費用(概算)9百万円を加えた合計は540百万円。当初は500百万円(合計509百万円)と開示され、2025年10月28日の訂正で531百万円に改められた。訂正の理由は「記載内容に一部誤り」とだけ書かれている
買収理由:在宅医療クリニックや訪問看護向けに、医療事務を完全リモートで代行する「ヒト×AI」のBPOサービスを作る構想(メディカルオートメーション)
売上2億4,844万円・営業利益2,424万円・純資産5,175万円。それに5億3,100万円の値段がつきました。営業利益の約22倍、純資産の約10倍です。売上は1億4,407万円→1億8,174万円→2億4,844万円、営業利益は792万円→1,087万円→2,424万円と伸びている最中でした。15年以上前からリモートで医療事務を請け負い、離島のクリニックにも対応してきた実績が、買い手の描く事業の土台として評価されています。利益の額は小さくても、買い手の構想にぴったりはまる会社は利益の何倍もの値段で売れます。
2026年2月期決算短信で連結範囲に新規1社として加わり、主要な連結子会社(メディカルオートメーション事業)として社名のまま載っています。
オートロ株式会社
クラウド型のWeb自動化ロボット「AUTORO」の開発・販売/東京都中央区/2014年11月設立
- 取得価額
- 6億円
- 対象の売上
- 2億6,930万円
- 対象の営業利益
- △1億2,680万円
- 対象の純資産
- △2,970万円
決算期:2023年10月期/譲渡前の株主:創業者の福田志郎氏50.7%、DNX Partners 3号投資事業有限責任組合13.2%、岡秀明氏12.7%ほか。事業会社のディップやSalesforce Ventures などの投資会社も株主/取得価額600百万円(普通株式33,300株とA種優先株式14,078株の合計)。資本金は当初30,404万円と開示され、2024年7月3日の訂正で5,000万円に改められた
買収理由:オンプレミス型のBizRobo!をクラウド時代に広げ、RoboRoboのカスタマイズを容易にするため
営業損失1億2,685万円、純資産マイナス2,974万円の債務超過。それでも6億円で買われています。営業赤字は3期続いていましたが、売上は1億5,278万円→2億1,957万円→2億6,933万円と伸びていました。買い手は「国内トップブランド」と位置づけ、自社のソフトと組み合わせて伸ばせると判断しています。創業者が過半を持ち、ベンチャーキャピタルや事業会社も出資していたスタートアップで、株主が多くても全員から買い取る形で100%の譲渡が成立しています。赤字でも、売上が伸びていて買い手の製品とつながる会社なら値段はつきます。
2026年2月期決算短信のセグメント情報に、インテリジェントオートメーション事業を担う主要な連結子会社として社名のまま載っています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- OASIS INNOVATION株式会社5億3,100万円(売上の2.14倍・営業利益の21.9倍)
- オートロ株式会社6億円(売上の2.23倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはオープングループ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日