株式会社日本創発グループのM&A実績
印刷・製本・パッケージ・ディスプレイといった「ものづくり」の中小企業を、年に数社のペースで買い続けている会社です。この一覧でもっとも個人オーナーからの買収が多く、直近1年の8件のうち6件が個人株主からの譲渡でした。対象は売上1億円台から38億円まで。創業1953年、1955年といった老舗が並びます。
株式会社日本創発グループが公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月6日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都台東区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 印刷・製版、クリエイティブ制作、パッケージ、ディスプレイ、食品サンプルなど「ものづくり」企業の持株会社
- 売上高
- 869億8,700万円(直近期(連結))
- 営業利益
- 30億1,000万円
- 純資産
- 212億8,300万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 印刷・製本・製版/紙器・パッケージ/ディスプレイ・什器/食品サンプル/印刷関連機械の製造
- 対象の規模
- 対象の売上 1.16億円〜38.6億円
- 手法
- 株式譲渡が中心。一部は簡易株式交換で完全子会社化。第三者割当増資をセットにする案件が多い
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社の社名をそのまま残し、持株会社の傘下に並べる形です。ただしグループ内で機能が重なる会社どうしを後から合併させることはあり、2026年5月には傘下2社を合併させて新しい商号に変えています。
- 取得価額の大半が第三者割当増資というケースがあります。脇田コウキ製本は取得価額2億9,200万円のうち2億8,200万円が増資の引受で、これは会社に入るお金です。オーナーが受け取る金額とは別物なので、同じ「取得価額」でも中身を確かめる必要があります
- 取得価額の算定方法を毎回「純資産の額等を基礎として、財務の状況、資産の状況、将来の事業活動の見通し等を勘案」と書いています。純資産が出発点になる買い手です
- 営業赤字の会社も買っています。紋郎美術工房は営業損失が3期で拡大している途中でした
買収の履歴8件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社メタルクリエイション
合紙機・自動製函機・表紙貼機械の製造販売/大阪府東大阪市/2009年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 16億7,600万円
- 対象の営業利益
- 1億800万円
- 対象の純資産
- 8億1,800万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:個人(二上 隆)69%/財務調査費用等2百万円のみ開示。株式の取得価額は非開示
買収理由:印刷関連機械の製造機能の取り込み
売上16億7,600万円・営業利益1億800万円・純資産8億1,800万円。3期とも増収増益で、伸びている局面での譲渡です。株式交換を併用しているので、オーナーは現金と買い手の上場株式の両方を受け取る形になります。
株式会社脇田コウキ製本
製本業/愛知県名古屋市千種区/1976年2月設立
- 取得価額
- 2億9,200万円
- 対象の売上
- 2億800万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 5,500万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:個人(脇田 峰輝)50%ほか/うち282百万円は第三者割当増資の引受。オーナーへの支払いはその差額にあたる
買収理由:製本機能のグループ内取り込み
この案件は「取得価額」の読み方の教科書です。2億9,200万円のうち2億8,200万円は第三者割当増資、つまり会社に払い込まれる資本であって、オーナーの手元に入る金ではありません。純資産は3期で7,900万円→7,400万円→5,500万円と減っており、増資で財務を立て直す設計だったと読めます。提示された総額ではなく、自分がいくら受け取るのかを分けて確認してください。
株式会社シテイー・ロード
広告代理業、鋼構造物工事業、内装仕上工事業/東京都千代田区/1991年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億7,200万円
- 対象の営業利益
- △1,500万円
- 対象の純資産
- 2億1,200万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:個人(坂上 淳)50%/アドバイザリー費用等26百万円のみ開示。株式の取得価額は非開示
買収理由:広告・内装分野の取り込み
売上は3期で4億5,900万円→3億3,000万円→2億7,200万円と減り、営業利益も1,600万円→△500万円→△1,500万円と赤字が拡大しています。縮小が続く会社でも、純資産2億1,200万円と事業があれば株式交換で迎え入れられています。なお株式の評価には市場株価法と修正簿価純資産法が使われたと開示されています。
株式会社イムラサンプル
食品サンプルの制作・販売・レンタル、ディスプレイプロデュース/大阪府大阪市住吉区/1969年10月設立
- 取得価額
- 5,600万円
- 対象の売上
- 1億1,600万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 4,900万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:個人(西野 由美)95.35%/純資産の額等を基礎として決定
買収理由:食品サンプル・ディスプレイ分野の強化
この一覧で最小の案件です。売上1億1,600万円、純資産4,900万円の会社が5,600万円。純資産の1.1倍で、のれんはほとんど乗っていません。それでも創業1969年の技術が上場企業のグループに入りました。規模が小さいから相手がいない、ということはありません。
エクセルパック・カバヤ株式会社
板紙印刷、パッケージ製造、包装資材販売/岡山県岡山市/1955年6月設立
- 取得価額
- 19億6,000万円
- 対象の売上
- 33億4,600万円
- 対象の営業利益
- 9,200万円
- 対象の純資産
- 8億5,700万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:投資会社(バーチューアンドエクセレンス株式会社)が100%保有/うち940百万円は第三者割当増資の引受
買収理由:パッケージ分野の事業基盤の拡充
売上33億4,600万円・営業利益9,200万円・純資産8億5,700万円。取得価額19億6,000万円のうち9億4,000万円は増資なので、既存株主に渡ったのは残りの約10億2,000万円です。売り手は個人ではなく投資会社でした。創業1955年の会社が一度ファンドに入り、そこから事業会社へ移った形と読めます。
株式会社新和製作所
印刷紙器、ディスプレイ・紙什器の製造・加工・販売/埼玉県川越市/1953年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 38億6,100万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 2億7,900万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:個人(山崎 康成)100%/非開示
買収理由:紙器・ディスプレイ分野の強化。同時にムサシパッケージも取得
創業1953年、売上38億6,100万円。この一覧で最大の売上規模ですが、純資産は2億7,900万円しかありません。売上の大きさと純資産の厚さは別物で、薄利多売の製造業ではこの形がよくあります。純資産が薄いことは、相手が見つからない理由にはなっていません。
株式会社紋郎美術工房
モニュメント、テーマパーク施設等の製造/奈良県大和郡山市/1983年3月設立
- 取得価額
- 3億6,000万円
- 対象の売上
- 2億3,900万円
- 対象の営業利益
- △6,300万円
- 対象の純資産
- 1億9,100万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:個人(吉岡 由美子)50%/一部は第三者割当増資の引受。目的は対象会社の自己資本の充実
買収理由:造形・ディスプレイ分野の強化
売上も利益も落ち続けている会社です。売上は5億3,200万円→3億7,600万円→2億3,900万円、営業利益は4,900万円→△1,700万円→△6,300万円。それでも3億6,000万円、純資産1億9,100万円の1.9倍で売れました。赤字が拡大している最中でも、技術と設備があれば評価されます。
株式会社日本サンプル
食品サンプルの製造販売、ディスプレイ事業/愛知県名古屋市中川区/1991年12月設立
- 取得価額
- 3億1,000万円
- 対象の売上
- 2億1,600万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 2億600万円
決算期:直近期/譲渡前の株主:個人(西村 修尚)100%/一部は第三者割当増資の引受。目的は対象会社の自己資本の充実
買収理由:食品サンプル分野の強化
売上2億1,600万円・純資産2億600万円に対して3億1,000万円。純資産の1.5倍です。同じ食品サンプルのイムラサンプル(5,600万円)と比べると5倍以上の差があり、同業・同規模でも価格は揃いません。利益の出方と、買い手がその時点で何を欲しがっているかで変わります。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された5件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社脇田コウキ製本2億9,200万円(売上の1.40倍)
- 株式会社イムラサンプル5,600万円(売上の0.48倍)
- エクセルパック・カバヤ株式会社19億6,000万円(売上の0.59倍・営業利益の21.3倍)
- 株式会社紋郎美術工房3億6,000万円(売上の1.51倍)※営業赤字での譲渡
- 株式会社日本サンプル3億1,000万円(売上の1.44倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社日本創発グループが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月6日