4258東証グロース

株式会社網屋のM&A実績

「複数のセキュリティ関連事業を包括するホールディングス」を中期経営計画で掲げ、エンジニア派遣会社と機器メーカーを買っている会社です。3件とも売り手は創業者など個人で、売上1億8,600万円・純資産3,100万円の小さな派遣会社から、創業50年超・売上18億8,600万円の機器メーカーまで買っています。3件とも取得価額を開示しています。

株式会社網屋が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都中央区
設立
―
事業内容
ログ管理「ALogシリーズ」などのデータセキュリティ製品と、クラウド型ネットワークセキュリティサービスを提供するサイバーセキュリティ会社
売上高
59億3,600万円(2025年12月期(連結))
営業利益
10億5,100万円
純資産
28億3,300万円

どんな会社を買っているか

買う業種
IT技術者派遣・受託開発/ネットワーク機器・コンピュータ応用機器の開発製造
対象の規模
対象の売上 1.86億円〜18.86億円
手法
株式譲渡(子会社化)。100%取得のほか、80%だけ取得して元の株主に一部を残した案件もある
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残しています。手元の開示の範囲では、3社とも吸収合併や商号変更の開示はありません。
  • 取得価額は3件すべて開示されています。8,700万円、6,400万円、5億3,800万円。アドバイザリー費用等の概算額も別に書かれています
  • 3件とも、買う前から取引のある相手でした。派遣会社2社は網屋にIT技術者を派遣しており(年間1,100万〜1,500万円)、アンペールは網屋にネットワーク機器を販売していました
  • 価格の水準は案件ごとにばらつきます。アンペールは純資産5億4,600万円に対して5億3,800万円と純資産並み(営業利益の約3.9倍)、グローブテック・ジャパンは純資産の約1.9倍(営業利益の約11倍)でした

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年5月13日株式譲渡(子会社化)。議決権の97.84%を取得

株式会社アンペール

コンピュータ(ハードウェア・ソフトウェア)応用機器・周辺機器装置等の開発・製造・販売/東京都新宿区/1971年10月設立

取得価額
5億3,800万円
対象の売上
18億8,600万円
対象の営業利益
1億3,700万円
対象の純資産
5億4,600万円

決算期:2025年9月期/譲渡前の株主:関孝和97.84%、庄司良雄1.83%、高橋佳子0.17%、高橋竜太郎0.17%(個人。取得の相手先は関孝和氏)/アドバイザリー費用等(概算)2百万円を加えた合計は約540百万円。営業利益(137百万円)の約3.9倍、純資産(546百万円)の約0.99倍

買収理由:SASEサービスで使うルータを海外から仕入れており、円安や調達遅延が課題だった。機器メーカーを傘下に入れて調達コストの低減と安定供給を図る

創業1971年、売上18億8,600万円・営業利益1億3,700万円・純資産5億4,600万円。3期で売上16億500万円→18億8,600万円、営業利益8,300万円→1億3,700万円と伸びている中での譲渡です。価格5億3,800万円は純資産とほぼ同額で、営業利益の約3.9倍でした。買い手にとっては「仕入れ先を自社に取り込む」買収で、網屋はこの取得を機に「インダストリアルセキュリティ事業」を新しく始めています。大口の取引先に自社を買ってもらう、という出口もあることを示す例です。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年5月14日に株式譲渡実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。2026年5月15日の訂正開示は1株当たり配当金(0円→25円)の訂正のみです。

確認元:(訂正)「株式会社アンペール株式の取得(子会社化)及び新たな事業開始に関するお知らせ」の一部訂正について

出典:株式会社アンペール株式の取得(子会社化)及び新たな事業開始に関するお知らせ

2025年6月18日株式譲渡(子会社化)。議決権の80.0%を取得

株式会社ASネットワークセキュリティ

IT技術者派遣、受託開発/千葉県千葉市/2018年9月設立

取得価額
6,400万円
対象の売上
1億8,600万円
対象の営業利益
200万円
対象の純資産
3,100万円

決算期:2024年8月期/譲渡前の株主:齋藤明雄50.0%、安藤勉50.0%(個人2名)/80%分の取得価額。アドバイザリー費用等(概算)2百万円を加えた合計は約66百万円。100%に換算すると約80百万円で、純資産(31百万円)の約2.6倍

買収理由:セキュリティエンジニア派遣事業の強化。派遣人材にサイバーセキュリティ教育を施し、付加価値の高い派遣につなげる

設立7年目、売上1億8,600万円・営業利益200万円・純資産3,100万円。利益がほとんど出ていない小さな派遣会社でも、上場企業が価格を開示して買っています。評価されたのは利益よりも技術者という人材そのものです。共同創業者2名が50%ずつ持っていた株式のうち80%だけが取得され、20%は売り手側に残る形になりました。決算短信では、のれんが4,800万円計上されています。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月期決算短信で、期中に新たに連結した子会社として社名のまま記載されています。その後の商号変更や合併の開示はありません。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社ASネットワークセキュリティの株式の取得(連結子会社化)に関するお知らせ

2023年8月23日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社グローブテック・ジャパン

IT技術者派遣、受託開発、製品販売/東京都千代田区/1999年10月設立

取得価額
8,700万円
対象の売上
2億4,700万円
対象の営業利益
800万円
対象の純資産
4,500万円

決算期:2022年(23期、連結)/譲渡前の株主:川嶋康一53.3%、柄崎有香26.7%ほか(取得の相手先として開示されたのは川嶋康一氏)/アドバイザリー費用等(概算)5百万円を加えた合計は約92百万円。営業利益(8百万円)の約11倍、純資産(45百万円)の約1.9倍

買収理由:中期経営計画で掲げたセキュリティエンジニア派遣事業の立ち上げ。長年の派遣実績を持つ会社を取り込み、人材育成を施して派遣する

創業1999年、売上2億4,700万円・営業利益800万円・純資産4,500万円。営業利益は200万円→営業損失200万円→800万円と、前々期に赤字を出しています。利益が数百万円規模でも、新規事業の土台として8,700万円の値段がついています。買い手が新しい事業を「ゼロから作るより買うほうが早い」と考えるとき、小さな会社にも出番があります。

買収後存続2026年10月12日時点

2023年8月23日に株式譲渡実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。

確認元:株式会社グローブテック・ジャパンの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社グローブテック・ジャパンの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社アンペール5億3,800万円(売上の0.29倍・営業利益の3.9倍)
  • 株式会社ASネットワークセキュリティ6,400万円(売上の0.34倍・営業利益の32.0倍)
  • 株式会社グローブテック・ジャパン8,700万円(売上の0.35倍・営業利益の10.9倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社網屋が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日