9264東証スタンダード

ポエック株式会社のM&A実績

技術を持つ地方の製造・メンテナンス会社を、2019年から6社買っている会社です。対象はいずれも売上2億〜6億円台の規模で、売り手は全件が個人株主です。香川、神奈川、福岡、兵庫、和歌山と、本社のある福山から離れた地域の会社も買っています。

ポエック株式会社が公表した適時開示6件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
広島県福山市
設立
―
事業内容
ポンプなど水処理機器の専門商社を母体に、熱交換器・養殖設備(環境・エネルギー)、船舶用機械・プラント機器(動力・重機等)、消火設備(防災・安全)の製造会社を束ねるグループ
売上高
101億1,400万円(2025年8月期(連結))
営業利益
9億1,100万円
純資産
42億5,500万円

どんな会社を買っているか

買う業種
産業機械・省力化設備の製作/モーター・ポンプの修理・メンテナンス/水産養殖設備・熱交換器/有機溶剤の再生装置/スプリンクラーヘッドの製造/受変電設備の調整試験・保守
対象の規模
対象の売上 1.98億円〜6.18億円
手法
株式譲渡で100%を取得する形のみ。基本合意書を結んでから1〜2か月後に株式譲渡契約と実行、という段取りを踏むことが多い
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本で、2025年8月期の決算短信でもマリンリバー、コーベックス、アイエススプリンクラーが社名入りで説明されています。マリンリバーでは社長が続投すると開示されていました。一方、最初に買ったミモトは、2021年の開示の子会社一覧から名前が消えています。
  • 6件中3件で取得価額が開示されています。協立電機工業2億5,000万円、アイエススプリンクラー7億6,000万円、マルコ電機技術5億5,370万円です
  • 非開示の理由は毎回「売主が個人であるため」です。売り手が個人だと金額を伏せる、という方針がはっきりしています。開示された3件のうち協立電機工業は売主の氏名も出ていました
  • 取得価額の欄には毎回「財務・税務・法務・労務デューデリジェンスを実施した上で」と書かれています。小さな会社でも、税務と労務まで調べられると考えておくべき買い手です
  • ミモトとマリンリバーは、買う前からグループ会社と取引のあった相手でした。外注先・仕入先から買収に進む流れがあります

買収の履歴6件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年6月15日株式譲渡(完全子会社化)

マルコ電機技術株式会社

受変電設備の現地調整試験・改造、リレー試験・部品交換等のメンテナンス/兵庫県たつの市/1995年8月設立

取得価額
5億5,370万円
対象の売上
2億1,084万円
対象の営業利益
4,006万円
対象の純資産
3億15万円

決算期:2025年7月期/譲渡前の株主:個人株主複数名で100%(氏名は非公開)/アドバイザリー費用等(概算)34百万円を加えた合計は587.7百万円。営業利益(2025年7月期)の約13.8倍、純資産の約1.8倍

買収理由:受変電設備の保守という電力インフラ領域を取り込み、上場グループの採用力で技術者を増やして受注を広げる

従業員7名、売上2億1,100万円・営業利益4,000万円(利益率19%)・純資産3億円。7人の会社に5億5,370万円、営業利益の約14倍がついています。開示には「人的リソースの制約により、一部案件について受注を見送らざるを得ない状況」とあり、仕事はあるのに人が足りない会社が、上場企業の採用力を目当てに売った形です。売上は3期ほぼ横ばいでしたが、高単価の調整試験・改造に特化していた点が評価されました。

買収後存続2026年10月12日時点

予定の7月31日より早く、2026年7月21日に取得が完了しました。その後の商号変更や合併の開示はありません。

確認元:(開示事項の経過)マルコ電機技術株式会社の株式取得(子会社化)完了に関するお知らせ

出典:マルコ電機技術株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年7月29日株式譲渡(完全子会社化)

アイエススプリンクラー株式会社

スプリンクラーヘッド、流水検知装置、一斉開放弁の製造/和歌山県橋本市/1991年8月設立

取得価額
7億6,000万円
対象の売上
6億1,775万円
対象の営業利益
1億2,007万円
対象の純資産
3億959万円

決算期:2024年4月期/譲渡前の株主:個人株主が100%(氏名は非公開)/営業利益(2024年4月期)の約6.3倍、純資産の約2.5倍

買収理由:スプリンクラー消火装置を持つ防災事業と製品を組み合わせ、販路と技術を共有する

売上は1億7,900万円→4億4,800万円→6億1,800万円と2年で3倍以上、営業利益は1,800万円の赤字から1億2,000万円の黒字に転じた直後の譲渡です。伸び盛りの会社でも、資金と人員を補うために売るという選択がされています。開示には、社長は経営に携わり続け、足りない資金と人材をグループが補う形が書かれています。テレビ番組で紹介されて注目が集まった年の売却でした。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年8月期の決算短信で、前期にグループに参画した子会社として社名入りで説明されています。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:アイエススプリンクラー株式会社の株式取得(子会社化)に係る株式譲渡契約書締結に関するお知らせ

2024年3月29日株式譲渡(完全子会社化)

コーベックス株式会社

溶剤再生装置・洗浄装置・脱臭装置の製造販売、メンテナンス/兵庫県神戸市/1970年6月設立

取得価額
―
対象の売上
3億7,266万円
対象の営業利益
5,612万円
対象の純資産
1億6,665万円

決算期:2023年3月期/譲渡前の株主:個人株主2名(76.4%、23.6%。氏名は非公開)/非開示(売主が個人であるため)。財務・税務・法務・労務デューデリジェンスを踏まえた評価額を基に協議して決定

買収理由:有機溶剤のリサイクル装置という環境分野の製品を取り込む

創業55年、売上3億7,300万円・営業利益5,600万円・純資産1億6,700万円。営業利益は120万円→2,800万円→5,600万円と、ほぼトントンの状態から2年で大きく伸ばした局面での譲渡です。特許を持つ装置と4,000台以上の納入実績が評価されました。2025年8月期の決算短信では、同社の売上が二桁成長したと書かれています。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年8月期の決算短信で、2024年4月にグループに参画した子会社として社名入りで説明されています。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:コーベックス株式会社の株式取得(子会社化)に係る株式譲渡契約締結に関するお知らせ

2021年8月16日株式譲渡(完全子会社化)。基本合意書の締結後、2021年9月に取得完了

株式会社マリンリバー

水産養殖設備の設計・施工、冷却加温装置・熱交換器の設計製作/福岡県糟屋郡篠栗町/1987年10月設立

取得価額
―
対象の売上
1億9,836万円
対象の営業利益
3,924万円
対象の純資産
1億9,913万円

決算期:2020年9月期/譲渡前の株主:個人株主4名(77.5%、11.5%、9.0%、2.0%。氏名は非公開)/非開示(売主が個人であるため)。財務・税務・法務・労務デューデリジェンスを踏まえた評価額を考慮して合意

買収理由:養殖設備のニッチトップを取り込み、ポンプ・ブロワの併売と製造面の連携を図る

売上1億9,800万円・営業利益3,900万円(利益率20%)・純資産2億円。買う前からポエックと商品の売買をしていた取引先です。開示には「代表取締役社長は株式取得後も社長を継続する予定」と明記され、社長の経営能力・営業能力を評価したと書かれています。株は手放しても社長は経営に残る、という承継の形です。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年8月期の決算短信で、陸上養殖設備事業を展開する子会社として社名入りで説明されています。

確認元:2025年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社マリンリバーの株式取得(子会社化)に係る基本合意書締結に関するお知らせ

2019年10月25日株式譲渡(完全子会社化)

協立電機工業株式会社

電気機械機器の製作・修理(モーターコイル、ポンプ等のメンテナンス)、機械器具設置工事/神奈川県茅ヶ崎市/1952年1月設立

取得価額
2億5,000万円
対象の売上
2億6,176万円
対象の営業利益
6,909万円
対象の純資産
2億1,316万円

決算期:2018年12月期/譲渡前の株主:個人1名(岩橋 由紀江)が100%保有/アドバイザリー費用等(概算)20.75百万円を加えた合計は270.75百万円。営業利益(2018年12月期)の約3.6倍、純資産の約1.2倍

買収理由:モーター・ポンプ修理の技術を取り込み、関東での機器メンテナンス受注を広げる

創業83年、売上2億6,200万円・営業利益6,900万円(利益率26%)・純資産2億1,300万円。利益率26%の会社が、営業利益の3.6倍・純資産とほぼ同額の2億5,000万円で売られています。この会社の3件の価格開示のなかで、倍率はいちばん低い水準です。売り手は創業者の娘で、100%を1人で持っていました。取得完了時には代表者がグループ側の2名に替わっています。

買収後存続2026年10月12日時点

2024年7月の開示で、連結子会社6社のひとつとして社名が挙がっています。2025年8月期の決算短信には社名の言及がなく、確認できているのは2024年7月時点までです。

確認元:アイエススプリンクラー株式会社の株式取得(子会社化)に係る株式譲渡契約書締結に関するお知らせ

出典:協立電機工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2019年4月15日株式譲渡(完全子会社化)。基本合意書の締結後、2019年5月24日に取得完了

株式会社ミモト

一般産業機械・省力化設備の設計・製作・据付/香川県坂出市/1980年3月設立

取得価額
―
対象の売上
2億3,030万円
対象の営業利益
81万円
対象の純資産
9,276万円

決算期:2018年2月期/譲渡前の株主:味元 克枝65%、味元 勝弘20%、味元 昭憲15%(親族3名)/非開示(売主が個人であるため)。財務・法務デューデリジェンスを踏まえた評価額を考慮して合意

買収理由:子会社三和テスコの外注先を取り込み、製造工程の内製化と稼働の平準化を図る

売上2億3,000万円・純資産9,300万円。営業利益は3,690万円→750万円の赤字→81万円と、利益がほぼ出ていない時期の譲渡でした。もともと三和テスコから製造を請け負っていた外注先で、買い手にとっては外注費を内製化できる相手です。利益が出ていなくても、取引先にとって欠かせない工場なら買い手はいます。社長は取得後も続投する予定と開示されていました。

買収後不明2026年10月12日時点

2019年10月の開示では連結子会社として社名が挙がっていますが、2021年8月の開示の連結子会社一覧(三和テスコ、東洋精機産業、協立電機工業)には名前がありません。合併等の開示は手元に無く、その後は追えていません。

確認元:株式会社マリンリバーの株式取得(子会社化)に係る基本合意書締結に関するお知らせ

出典:株式の取得(子会社化)に関する基本合意書締結のお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • マルコ電機技術株式会社5億5,370万円(売上の2.63倍・営業利益の13.8倍)
  • アイエススプリンクラー株式会社7億6,000万円(売上の1.23倍・営業利益の6.3倍)
  • 協立電機工業株式会社2億5,000万円(売上の0.96倍・営業利益の3.6倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはポエック株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日