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ジェイドグループ株式会社のM&A実績

靴・アパレルの通販サイト、セレクトショップ、ブランド、雑誌事業まで、ファッションと女性向けの事業を買い続けている会社です。売り手は個人オーナー、大手企業の子会社や事業部門、民事再生中の会社まで幅があります。買った後は自社の倉庫とシステムに載せ替えることを前提にしており、その分、業績が落ちている会社や事業でも引き受けています。

ジェイドグループ株式会社が公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都渋谷区
設立
2010年10月
事業内容
靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を軸に、複数のECモール、他社ブランドのEC・物流を請け負うプラットフォーム事業、自社ブランド事業を営む会社(旧社名ロコンド)
売上高
194億4,100万円(2026年2月期(連結))
営業利益
24億300万円
純資産
85億6,000万円

どんな会社を買っているか

買う業種
靴・アパレルの通販サイト/ハイブランドのセレクトショップ/靴・革製品などのブランド(企画・製造)/ファッション小物の輸入販売・物流請負/女性向け雑誌・Webメディア
対象の規模
対象の売上 2億円〜10億円が中心(民事再生中で売上91億円の会社の事業も引き受けている)
手法
株式譲渡が中心。大手企業や再生中の会社からは、新設分割で事業だけを新会社に移し、その株式を買う形を多用する。中間持株会社が買い手になる孫会社化、70%だけの取得もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社はほぼ例外なく、数か月〜2年ほどで本体に吸収合併しています。モバコレは約2か月、フェアプレイとブランデリは取得と同時に合併を決めていました。2026年10月にはFASCINATE、ブルーシンシア、ARIGATO、ロイヤルなど6社をまとめて本体に合併する予定と開示しています。一方で、サイト名やブランド名(SWS、FASHION WALKER、BRANDELIなど)は残して運営を続けています。法人は残らないが、看板は残るという買い方です。
  • 取得価額は、適時開示では非開示でも、後の決算短信で明かされることがあります。2025年3月の3件は開示時点で「守秘義務により非公開」でしたが、2026年2月期の決算短信の企業結合注記に取得原価とアドバイザリー費用が載っていました
  • 価格は売上に比べて低めに出ています。マルタミは売上の約0.5倍、ブルーシンシアは70%で2億4,500万円(100%換算で売上の約0.46倍)、雑誌「サンキュ!」事業は売上約10億円に対して5,000万円でした
  • 経営不振の会社のスポンサーを2回務めています(2018年の三鈴商事、2025年の民事再生中のロイヤル)。いずれも採算の取れる事業だけを新設会社に移して買う形です
  • 大手企業の事業部門も多く買っています。千趣会からモバコレ(4億8,800万円)、ワールドからFashionwalker(3億円)、NTTドコモと伊藤忠商事からマガシーク(78%で33億2,600万円)、アディダス ジャパンからReebokの国内事業の一部(11億3,800万円の見込み)など
  • BEENOS子会社のデファクトスタンダードから通販サイト「waja」の事業を吸収分割で承継した際の対価は155万円でした(事業の売上2億5,500万円)。値段がつかないに近い事業でも、引き受け先として成立しています

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2025年10月29日民事再生中の会社が新設分割で2社を設立し、その全株式を取得(スポンサー契約)。藤原倉庫の不動産は対象外

株式会社ロイヤルの事業(新設会社 株式会社ロイヤル・株式会社ロイヤルロジスティクス)

シューズ、衣料品、スポーツ用品、日用雑貨等の輸入販売(EC・店舗・卸)、物流請負(3PL)・倉庫賃貸/愛知県名古屋市/分割会社は1973年2月設立設立

取得価額
8億8,200万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2025年8月期(分割会社)/譲渡前の株主:株式会社ニッキー43.6%、中根智大27.4%ほか(2024年2月29日時点)/新ロイヤル189百万円+ロイヤルロジスティクス693百万円。不動産の名義変更に伴う税金等は別。決算短信では取得原価882,413千円、アドバイザリー費用なし、負ののれん54百万円(暫定)と開示

買収理由:民事再生中のロイヤルのスポンサーとして、仕入れルートと販売網を獲得する

分割会社(旧ロイヤル)全体の売上は133億7,900万円→113億9,400万円→91億2,100万円と減り続け、純資産は6億6,500万円→マイナス5億9,700万円→2億7,200万円と、途中で債務超過に落ちていました。円安による仕入れコスト増と借入負担で2025年5月に民事再生を申請しています。引き継いだ在庫は、旧簿価36億円に対して譲受簿価2億3,600万円でした。再生局面では、帳簿上の在庫がほとんど値段にならないことが数字で出ています。開示には「赤字店舗や赤字見込み店舗は閉鎖する」「退職一時金制度は引き継がない」と事業運営と従業員処遇の方針も明記されており、スポンサー型の譲渡で何が残り何が切られるかが具体的に読めます。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2026年8月17日の開示で、新ロイヤルとロイヤルロジスティクスを2026年10月1日付でジェイドグループ本体に吸収合併する予定と公表されました。取得から約10か月です。効力発生後の開示は確認できていません。

確認元:完全子会社との吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

出典:株式会社ロイヤルとの株式譲渡契約書締結に関するお知らせ

2025年3月31日ベネッセコーポレーションが新設分割で設立した会社の全株式を取得

ARIGATO株式会社(ベネッセコーポレーションの「サンキュ!」事業)

生活情報誌「サンキュ!」の発行とWebメディアの運営/2025年6月(新設分割)設立

取得価額
5,000万円
対象の売上
9億9,700万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2023年度/譲渡前の株主:株式会社ベネッセコーポレーション(ベネッセホールディングスの100%子会社)/適時開示では「守秘義務契約に基づき非公開」。2026年2月期決算短信の企業結合注記で取得原価50,000千円、アドバイザリー費用なし、のれん29,499千円と開示/ベネッセにおける「サンキュ!」事業の売上高

買収理由:主要顧客層が同じ30〜50代の主婦層である雑誌・Webメディアを取り込み、EC・ブランド事業との相乗効果を狙う

売上約10億円の事業が5,000万円で売られています。売上の0.05倍です。紙の発行部数は月約15万部、Webのページビューは5,604万件超という媒体でしたが、雑誌事業そのものの収益力は価格に表れていません。大手企業が本業から外れた事業を手放すときは、規模に比べてかなり低い価格になりうることを示す例です。取得後の2026年2月期は売上4億4,700万円・営業利益1億100万円(グループ内の費用負担があるため参考値)でした。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2026年8月17日の開示で、2026年10月1日付でジェイドグループ本体に吸収合併する予定と公表されました。取得から約1年4か月です。効力発生後の開示は確認できていません。

確認元:完全子会社との吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

出典:3社の株式譲渡契約書締結のお知らせ

2025年3月31日株式譲渡(中間持株会社ANBUR LEAGUEが取得=孫会社化)

株式会社マルタミ

モンクレール、アルマーニ、カナダグース等のハイブランド商品を扱う販売店/北海道釧路市

取得価額
9,700万円
対象の売上
1億9,900万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2023年度/譲渡前の株主:個人(氏名は非開示)/適時開示では「守秘義務契約に基づき非公開」。2026年2月期決算短信の企業結合注記で取得原価96,786千円、アドバイザリー費用10,000千円、のれん21,269千円と開示

買収理由:グループの商品ラインアップ強化。マルタミ側は販路の拡大とDX

釧路に本社と店舗を構える販売店で、売上1億9,900万円。取得価額は9,700万円弱で、売上の約0.5倍でした。のれんは2,100万円にとどまり、ほぼ会社の正味の資産に近い値段だったことが読めます。地方のセレクトショップでも、扱うブランドに価値があれば上場企業が買います。ただし法人は取得から3か月で別の子会社に合併されています。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2025年6月30日付で、同じグループのFASCINATEを存続会社として吸収合併されました(2026年2月期決算短信)。そのFASCINATEも2026年10月1日付で本体に合併される予定と開示されています。

確認元:2026年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:3社の株式譲渡契約書締結のお知らせ

2025年3月31日株式譲渡(中間持株会社ANBUR LEAGUEが取得=孫会社化)。発行済株式の70%を取得

株式会社ブルーシンシア(70%)

革製品の企画・EC販売(バングラデシュの自社専属工場で生産)/岡山県/2017年12月設立

取得価額
2億4,500万円
対象の売上
7億6,600万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2023年度/譲渡前の株主:個人(氏名・持株比率は非開示)/適時開示では「守秘義務契約に基づき非公開」。2026年2月期決算短信の企業結合注記で取得原価245,000千円、アドバイザリー費用32,500千円、のれん76,902千円と開示

買収理由:グループの販売力・マーケティング・物流とIT基盤を使ったDXで事業を拡大する

売上7億6,600万円。70%で2億4,500万円、100%に引き直すと売上の約0.46倍です。バングラデシュに400名超の手作業の工場を持つ点が開示で強調されていました。アドバイザリー費用が3,250万円と取得価額の約13%に達しており、小さな案件でも仲介・助言の費用が相応にかかることが分かります。2026年2月期は売上7億1,900万円・営業損失1,100万円で、グループ内の費用の付け替えがあるため参考値と注記されています。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2026年8月17日の開示で、2026年10月1日付でジェイドグループ本体に吸収合併する予定と公表されました(消滅会社6社は完全子会社である想定と記載)。効力発生後の開示は確認できていません。

確認元:完全子会社との吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

出典:3社の株式譲渡契約書締結のお知らせ

2023年12月20日ニッセンが新設分割で設立した会社の全株式を取得

ブランデリ株式会社(ニッセンのアウトレット通販事業)

アパレル中心のアウトレット通販サイト「Brandeli」/東京都渋谷区/2024年2月(新設分割)設立

取得価額
―
対象の売上
5億2,800万円
対象の営業利益
△400万円
対象の純資産
7,700万円

決算期:2022年度(営業利益は管理会計上の数値、純資産は新設時の見込み)/譲渡前の株主:株式会社ニッセン(ニッセンホールディングスの100%子会社)/非開示(守秘義務契約による)/ニッセンにおける同事業の売上高

買収理由:自社のアウトレットモール「LOCOLET」と統合し、アパレルとシューズを相互に拡充する

売上5億2,800万円、管理会計上の営業損失400万円の赤字事業でした。大手通販の一事業部門が、新会社に切り出されて売られた例です。物流倉庫とシステムの統合を2024年2月末までに終える計画で、法人は取得からわずか2か月後に合併されましたが、「BRANDELI」の名前は今もモールとして残っています。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

株式取得(2024年2月29日)の前の2024年1月15日に、2024年5月1日付で本体に吸収合併することが決議されています。2026年2月期決算短信ではアウトレットモール「BRANDELI」としてサイトの運営が続いています。

確認元:完全子会社との吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

出典:3社の株式譲渡契約書締結のお知らせ

2023年12月20日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社FASCINATE

Maison Margiela、LANVIN PARIS等を扱うハイブランドのセレクトショップ(心斎橋・京都)/大阪府大阪市/2007年5月設立

取得価額
―
対象の売上
5億4,300万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2022年度/譲渡前の株主:個人(氏名は非開示)/非開示(守秘義務契約による)

買収理由:ハイブランドと越境ECの領域を強化する

売上5億4,300万円。売上の59.8%がEC、そのうち46.1%が海外向けの越境ECでした。店舗2つのセレクトショップでも、ネット販売と海外の顧客を持っていたことが評価の軸になっています。取得後は物流・在庫管理・POSを3か月で統合する計画が開示されており、買い手の仕組みにすぐ載せ替えられるかが重視されていることが分かります。その後は北海道のマルタミを吸収する側に回りました。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2025年6月にマルタミを吸収合併した後、2026年8月17日の開示で、2026年10月1日付でジェイドグループ本体に吸収合併する予定と公表されました。効力発生後の開示は確認できていません。

確認元:完全子会社との吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

出典:3社の株式譲渡契約書締結のお知らせ

2021年7月14日株式譲渡(完全子会社化)と同時に吸収合併を決議

株式会社フェアプレイ

サッカー・フットサル専門の通販サイト「SPORTS WEB SHOPPERS(SWS)」の運営/東京都世田谷区/2000年2月設立

取得価額
―
対象の売上
7億8,100万円
対象の営業利益
700万円
対象の純資産
2,400万円

決算期:2021年1月期/譲渡前の株主:個人1名(木村 淳一)が100%保有/相手先の意向により非開示。過去の業績・財政状態、今後の見込み、財務デューデリジェンスの結果等をもとに算定

買収理由:スポーツ専門サイトとしての地位・ノウハウ・会員基盤を取り込み、スポーツ領域を展開する

売上7億8,100万円・営業利益700万円・純資産2,400万円。営業利益は500万円の赤字→1,000万円の赤字→700万円の黒字と、直前2期は赤字でした。それでも20年以上続く専門店としての顧客基盤が評価されています。純資産2,400万円の会社でも上場企業への譲渡は成立します。株式の取得は契約の翌日、合併は1か月半後で、法人は残さずサイト「SWS」だけを残す形でした。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2021年9月1日を効力発生日として本体に吸収合併すると、取得と同じ開示で決議されています。2026年2月期決算短信ではサッカー専門店「SWS」としてサイトの運営が続いています。

確認元:株式会社フェアプレイの株式の取得(完全子会社化)及び吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

出典:株式会社フェアプレイの株式の取得(完全子会社化)及び吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

2018年8月3日スポンサー契約に基づき、三鈴商事が新設分割で採算性のある事業を新会社に移し、その全株式を取得

Misuzu & Co.株式会社(三鈴商事の事業)

婦人靴の企画開発・販売(百貨店・卸)/東京都台東区(分割会社)/分割会社は1951年3月設立設立

取得価額
1億2,000万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:平成29年8月期(分割会社)/譲渡前の株主:三鈴商事株式会社(大株主は三鈴ビル株式会社33.5%)/株式の取得価額。取引先金融機関など金融債権者の同意を実行の条件とした

買収理由:同社のブランドを展開し、百貨店事業・卸事業に本格参入する

分割会社の三鈴商事全体の売上は40億400万円→36億2,600万円→29億9,100万円と減少し、直前期は在庫評価減で営業損失4億8,500万円でした(純資産8億1,400万円、2018年6月時点)。創業1951年の老舗婦人靴メーカーが、採算の取れる事業だけを新会社に移し、1億2,000万円で譲り渡しています。ジェイドグループがもともと商品を仕入れていた取引先でした。裁判所の手続きではなく金融債権者の同意を条件とする形で、取引先が引き受け手になる例です。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2020年3月1日付で本体(当時の株式会社ロコンド)に吸収合併されました。直前の2019年2月期(5か月)は売上6億600万円・営業損失4,100万円でした。

確認元:Misuzu&Co.株式会社(完全子会社)との吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

出典:三鈴商事株式会社とのスポンサー契約締結及び子会社の異動に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された5件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社ロイヤルの事業(新設会社 株式会社ロイヤル・株式会社ロイヤルロジスティクス)8億8,200万円
  • ARIGATO株式会社(ベネッセコーポレーションの「サンキュ!」事業)5,000万円(売上の0.05倍)
  • 株式会社マルタミ9,700万円(売上の0.49倍)
  • 株式会社ブルーシンシア(70%)2億4,500万円(売上の0.32倍)
  • Misuzu & Co.株式会社(三鈴商事の事業)1億2,000万円

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはジェイドグループ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日