9325東証スタンダード

ファイズホールディングス株式会社のM&A実績

物流センターの運営を本業に、運送会社、フォワーダー、システム会社、人材派遣会社、家電の配送設置会社と、周辺の機能を1社ずつ買い足している会社です。売り手は5件とも創業者などの個人オーナーで、対象は売上3.8億円〜17.3億円、資本金600万円〜5,000万円の会社です。5件すべてで取得価額を開示しています。

ファイズホールディングス株式会社が公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
大阪府大阪市
設立
2013年10月
事業内容
ネット通販会社向けの物流センター運営(人材派遣・請負・3PL)を軸に、幹線輸送・配送、国際物流(通関・フォワーディング)、情報システム開発を手がける持株会社
売上高
403億2,200万円(2026年3月期(連結))
営業利益
15億3,200万円
純資産
48億1,900万円

どんな会社を買っているか

買う業種
貨物自動車運送/家電品の配達・設置/国際物流(フォワーディング・通関手配)/コンピュータシステムの受託開発/人材派遣
対象の規模
対象の売上 3.8億円〜17.3億円
手法
株式譲渡(子会社化)。100%取得が基本だが、51%・60%だけを取得して創業者に株を残す形もある。小さな会社では第三者割当増資の引受と組み合わせることもある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名を変えずに子会社として残すのが基本のようです。2025年に買った誠ノ真は、2026年3月期決算短信で「結合後企業の名称は変更なし」と書かれています。買った会社の事業は「国際物流サービス事業」「情報システム事業」といった独立したセグメントとして立てられています。2022年の吸収合併は自社で設立した子会社が相手で、買収した会社ではありません。
  • 取得価額を毎回開示しています。この一覧では珍しく、5件すべてで株式の価格とアドバイザリー費用の概算額が分けて書かれています
  • 小さい案件ほど、価格に対するアドバイザリー費用の割合が高くなっています。誠ノ真では3億8,500万円に対して3,200万円(約8%)でしたが、中央運輸では9,000万円に対して2,200万円(約24%)、ブリリアントトランスポートでは1,800万円に対して600万円(約33%)でした。買う側の費用は案件の大きさにかかわらず一定額かかる、ということが読み取れます
  • 基本合意の後に破談した案件もあります。2019年にドラゴン・ホールディングス(中部の運送会社、売上21億円)の51%を6億1,200万円で取得する基本合意を結びましたが、同年10月に「諸条件について最終的な合意に至らなかった」として解除しています。基本合意は成約の約束ではありません
  • ファイズHD自身も2022年に丸和運輸機関のTOBを受け、同社が58.4%を持つ親会社になっています(2022年3月末時点)。その後も単独で買収を続けています

買収の履歴5件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2025年10月16日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社誠ノ真

家電品の配達、設置工事の請負/埼玉県八潮市/2015年9月設立

取得価額
3億8,500万円
対象の売上
17億3,300万円
対象の営業利益
1,700万円
対象の純資産
8,300万円

決算期:2024年10月期/譲渡前の株主:個人1名(山中 雅弘)が100%保有/アドバイザリー費用等の概算32百万円を加えた合計は417百万円。外部専門家のデューデリジェンスと第三者機関の算定に基づきDCF法で決定。決算短信では取得原価385百万円、のれん301百万円(9年で償却)と確定

買収理由:埼玉の拠点を使った輸配送の稼働率向上と、首都圏での組立・設置配送サービスの提供

売上17億3,300万円・営業利益1,700万円・純資産8,300万円。営業利益は900万円→0円→1,700万円と薄いのに、3億8,500万円で売れています。純資産の約4.6倍、営業利益の約23倍です。売上は12億6,800万円→14億3,200万円→17億3,300万円と伸びていました。利益が薄くても、売上が伸びていて、買い手が持っていない機能(大型家電の搬入・据付)を持っていれば、利益ではなく将来の事業計画(DCF)で値段がつきます。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年10月20日に取得。2026年3月期決算短信で連結子会社の新規1社として社名が挙がり、「結合後企業の名称は変更なし」と記載されています。

確認元:2026年3月期決算短信[日本基準](連結)

出典:株式会社誠ノ真の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年2月1日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社ファインドオン

登録型の一般労働者派遣、コンサルティング/東京都千代田区/2012年8月設立

取得価額
1億5,400万円
対象の売上
3億8,300万円
対象の営業利益
△2,800万円
対象の純資産
4,500万円

決算期:2023年7月期/譲渡前の株主:個人1名(岡野 史樹)が100%保有/アドバイザリー費用等の概算14百万円を加えた合計は168百万円

買収理由:グループの物流センター運営の取引先や、グループ内への人材派遣

直前期は営業損失2,800万円の赤字でした。売上も5億2,900万円→4億5,800万円→3億8,300万円と2期続けて減り、純資産は4,500万円まで落ちていました。それでも純資産の約3.4倍、1億5,400万円で売れています。買い手のファイズにとっては、物流センターの現場に送る人を集める仕組みそのものに価値がありました。業績が下り坂でも、買い手の本業の人手不足を埋められる会社なら値段はつきます。

買収後不明2026年10月12日時点

2024年2月28日に取得予定と開示。その後の商号変更や合併の開示は手元に無く、2026年3月期決算短信にも社名の記載が無いため、現在の状態は確認できていません。

確認元:株式会社ファインドオンの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社ファインドオンの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2021年11月22日株式譲渡。発行済株式の60.0%のみを取得(子会社化)

日本システムクリエイト株式会社

情報通信・金融分野を中心としたコンピュータシステムの開発/東京都大田区/1979年5月設立

取得価額
1億4,900万円
対象の売上
11億1,400万円
対象の営業利益
400万円
対象の純資産
2億2,700万円

決算期:2021年3月期/譲渡前の株主:竹井 眞範(代表取締役社長)77.8%ほか/60.0%分の価格。アドバイザリー費用等の概算29百万円を加えた合計は178百万円。100%に換算すると約248百万円

買収理由:グループのDX推進

創業1979年、売上11億1,400万円・純資産2億2,700万円。営業利益は5,100万円→1,300万円→400万円と細り、直前期は最終赤字(1,000万円)でした。60%を1億4,900万円で取得しており、100%に換算すると約2億4,800万円、純資産の約1.1倍です。利益が細っている局面では、純資産に近い水準まで評価が下がることが読み取れます。社長が77.8%を持っていましたが、買われたのは60%だけでした。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年3月期決算短信には「情報システム事業」のセグメントがありますが、社名の記載は無く、この会社が現在も同じ形で残っているかは確認できていません。

確認元:2026年3月期決算短信[日本基準](連結)

出典:日本システムクリエイト株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2021年3月22日株式の取得と第三者割当増資の引受により51.0%を取得(子会社化)

ブリリアントトランスポート株式会社

貨物利用運送(海上・航空貨物のフォワーディング)、輸入貨物の運送手配、通関手続き代行/東京都渋谷区/2014年9月設立

取得価額
1,800万円
対象の売上
5億2,700万円
対象の営業利益
900万円
対象の純資産
1,100万円

決算期:2020年8月期/譲渡前の株主:山本 哲平(代表取締役社長)83%、松枝 史憲 17%/株式の取得と増資引受を合わせた625株(51.0%)の価格。アドバイザリー費用等の概算6百万円を加えた合計は24百万円

買収理由:グループのロジスティクスサービス事業との連携強化

資本金600万円、取得額1,800万円。この会社の案件でいちばん小さな買い物です。3期前は純資産マイナス200万円の債務超過でしたが、売上を2億900万円→2億9,100万円→5億2,700万円と伸ばし、純資産1,100万円まで戻していました。創業6年・債務超過あがりの会社でも、伸びていれば上場企業の子会社になれます。51%だけの取得で、創業者は株を持ち続ける形です。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年3月期決算短信には「国際物流サービス事業」のセグメントがありますが、社名の記載は無く、この会社が現在も同じ形で残っているかは確認できていません。

確認元:2026年3月期決算短信[日本基準](連結)

出典:ブリリアントトランスポート株式会社の株式の取得及び第三者割当増資引受(子会社化)に関するお知らせ

2020年7月21日株式譲渡(完全子会社化)

中央運輸株式会社

中・大型車両による貨物自動車運送(関東中心)/神奈川県厚木市/1979年4月設立

取得価額
9,000万円
対象の売上
6億3,900万円
対象の営業利益
400万円
対象の純資産
4,000万円

決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:個人1名(渡部 勝則)が100%保有/アドバイザリー費用等の概算22百万円を加えた合計は112百万円

買収理由:グループのロジスティクスサービス事業との連携強化

創業1979年の運送会社。売上6億3,900万円に対し、営業利益は100万円→100万円未満の赤字→400万円とほぼ収支トントン、純資産も4,000万円でした。それでも純資産の約2.3倍、9,000万円で売れています。総資産7億円前後に対して純資産が小さい、借入とトラックで回している典型的な中小運送会社です。利益が出ていなくても、車両とドライバーと荷主を持っている運送会社には買い手がつきます。

買収後不明2026年10月12日時点

2020年7月30日に取得予定と開示。その後の商号変更や合併の開示は手元に無く、2026年3月期決算短信にも社名の記載が無いため、現在の状態は確認できていません。

確認元:株式会社中央運輸の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社中央運輸の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された5件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社誠ノ真3億8,500万円(売上の0.22倍・営業利益の22.6倍)
  • 株式会社ファインドオン1億5,400万円(売上の0.40倍)※営業赤字での譲渡
  • 日本システムクリエイト株式会社1億4,900万円(売上の0.13倍・営業利益の37.3倍)
  • ブリリアントトランスポート株式会社1,800万円(売上の0.03倍・営業利益の2.0倍)
  • 中央運輸株式会社9,000万円(売上の0.14倍・営業利益の22.5倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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