株式会社クレスコのM&A実績
独立系のシステム開発会社で、同業の中小IT企業を毎年のように買い足しています。子会社12社・持分法適用1社の体制で、買収した会社をそのまま子会社として並べるやり方です。対象は売上5,000万円のWeb制作会社から売上25億円の受託開発会社まで、規模の幅が大きいのが特徴です。
株式会社クレスコが公表した適時開示7件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月5日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- 1988年
- 事業内容
- システム開発(金融・エンタープライズ・製造)、組込みソフト、ITコンサルティング
- 売上高
- 646億7,600万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 66億500万円
- 純資産
- 334億7,900万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 受託システム開発/Web制作/制御系・組込みシステム/IT教育・コンサルティング
- 対象の規模
- 対象の売上 4,800万円〜25億円
- 手法
- 株式譲渡(100%取得)。子会社を通じた「孫会社化」が多い
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社はいったん社名のまま子会社として残ります。ただし、現在のグループ会社一覧にはアストラザスタジオ・オフィスメーション・アイエステクノポート・エイプス・ジェット・テクノロジーズが並ぶ一方、日本ソフトウェアデザインは2024年7月に子会社メクゼスへ吸収合併されて消滅しました。数年後に統合される可能性はあります。
- 取得価額を開示しない案件が多数です。「当事者間の秘密保持契約に基づき非開示」と明記されます
- 買っているのは黒字で純資産のある会社です。直近の買収では営業赤字の会社は見当たりません
- 買い手は本体ではなく、事業領域ごとの子会社(メクゼス=Web・デザイン、クレスコ・ジェイキューブ、クレスコ北陸=CAE)です。どの子会社が買うかで、譲渡後に組む相手が決まります
買収の履歴7件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社アストラザスタジオ
Webサイトの企画・制作・運用/東京都渋谷区/1997年11月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 4,800万円
- 対象の営業利益
- 100万円
- 対象の純資産
- 1,100万円
決算期:2026年3月期/譲渡前の株主:個人1名が100%保有/秘密保持契約に基づき非開示
買収理由:アストラザスタジオの顧客基盤と、メクゼスのシステム開発力・提案力の組み合わせ
売上4,800万円、純資産1,100万円、前期は営業赤字400万円。この規模でも東証プライム上場企業のグループに入っています。買い手が見ていたのは利益ではなく、1997年から積み上げた顧客との関係です。
株式会社オフィスメーション
制御系システム開発、自治体・共済組合向けソリューション/愛知県名古屋市/1982年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 8億8,900万円
- 対象の営業利益
- 6,400万円
- 対象の純資産
- 5億2,400万円
決算期:2025年1月期/譲渡前の株主:個人1名が100%保有/開示基準を下回る任意開示のため、取得価額は非開示
買収理由:製造セグメントの対応領域拡大と、名古屋地区での対応力強化
売上8億8,900万円・営業利益6,400万円。クリーンルーム向け自動搬送制御で顧客と30年以上の関係があり、自社パッケージも持っています。「特定分野で長く続けている地方の会社」が評価された例です。
株式会社アイエステクノポート
IBM i(Power Systems)系のシステム開発/東京都港区/1990年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 3億7,100万円
- 対象の営業利益
- 6,900万円
- 対象の純資産
- 3億5,900万円
決算期:2024年9月期/秘密保持契約に基づき非開示
買収理由:IBM i 領域の技術者と顧客基盤の取り込み
売上3億7,100万円に対して営業利益6,900万円。営業利益率18.6%で、純資産も3億5,900万円あります。小さくても利益率の高い専門特化の会社です。
株式会社エイプス
FA(ファクトリーオートメーション)系システム開発/東京都板橋区/2001年9月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 4億400万円
- 対象の営業利益
- 3,100万円
- 対象の純資産
- 2億3,600万円
決算期:2024年12月期/譲渡前の株主:筆頭株主の個人が35%。複数名で分散保有/秘密保持契約に基づき非開示
買収理由:FA領域の強化
株主が1人に集中していない会社でも成立しています。売上4億400万円・営業利益3,100万円。
株式会社高木システム
情報システムの導入コンサルティング・教育サービス/東京都大田区/1988年4月設立
- 取得価額
- 6億8,700万円
- 対象の売上
- 8億6,300万円
- 対象の営業利益
- 1億3,000万円
- 対象の純資産
- 4億4,600万円
決算期:2024年3月期/ほかにアドバイザリー費用等が概算53百万円。合計740百万円
買収理由:ITコンサルティング・教育領域の取り込み
この会社だけ取得価額が開示されています。株式6億8,700万円は営業利益1億3,000万円の約5.3倍、売上8億6,300万円の0.80倍。純資産4億4,600万円との差額およそ2億4,000万円が、のれん(営業権)として評価された部分です。
現在のグループ会社一覧に社名が見当たりません。合併や社名変更の開示も確認できていないため、統合されたのか単に一覧に載っていないのかは未確認です。
ジェット・テクノロジーズ株式会社
Webアプリケーション技術開発/東京都新宿区/2005年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 25億1,800万円
- 対象の営業利益
- 9,800万円
- 対象の純資産
- 5億6,200万円
決算期:2023年2月期/譲渡前の株主:筆頭株主の個人が52.94%/デューデリジェンスを経て決定。金額は非開示
買収理由:Webアプリケーション開発の体制強化
売上25億1,800万円に対して営業利益9,800万円。営業利益率3.9%で、この一覧のなかでは低いほうですが、規模の大きさが評価されています。
日本ソフトウェアデザイン株式会社
ソフトウェアの開発・保守、情報通信システムの設計・運用、労働者派遣/大阪府大阪市中央区/1983年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 4,900万円
決算期:2024年3月期(合併開示時点)/デューデリジェンスを経て決定。金額は非開示
買収理由:関西地区の開発体制強化
この会社は、買収から1年5か月後にグループ内で吸収合併され、法人としては消滅しました。社名が残るかどうかは買い手の方針だけでなく、買収後の再編計画にもよります。
2024年7月1日、子会社メクゼスを存続会社とする吸収合併により消滅しました。合併時点の純資産は4,900万円。代表者は合併前からメクゼスと同じ方が務めていました。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社高木システム6億8,700万円(売上の0.80倍・営業利益の5.3倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社クレスコが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月5日