株式会社リベルタのM&A実績
「2030年12月期に売上高300億円」という中期経営計画の柱に「事業領域拡大」を掲げ、新しい商品ジャンルを持つ会社を1〜2年に1社のペースで買っている会社です。売り手は5件とも創業者・社長の個人で、うち4件は社長1人が100%を持つ会社でした。対象は売上3億円前後の化粧品・美容・日用品の企画会社が中心で、債務超過の取引先を1円で引き受けた例もあります。
株式会社リベルタが公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都渋谷区
- 設立
- 1997年2月
- 事業内容
- コスメ、トイレタリー、機能衣料、浄水器・医療機器、生活雑貨などを企画して販売するファブレスメーカー(自社工場を持たない企画型メーカー)
- 売上高
- 100億3,100万円(2025年12月期(連結))
- 営業利益
- 1億3,300万円
- 純資産
- 15億9,200万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 化粧品の企画・販売(スキンケア、エステ向けOEM/ODM)/セルフケア商品のEC販売(Amazon・楽天)/浄水器・医療機器・歯ブラシの製造販売/化粧品・日用雑貨の卸売
- 対象の規模
- 対象の売上 3.1億円〜26.6億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)。5件とも親会社のリベルタ自身が直接買っている。1件は社長の持分86.8%だけを取得し、従業員持株会の13.2%は対象外
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 開示を見る限り、買った会社は社名のまま子会社として残す形です。ただし決算短信には子会社の一覧が無く、粧和以外は手元の開示で存続を確認できていません。もともと70%を持っていた子会社(VIVAネットワーク)は、残りを買い取ったうえで親会社に吸収合併した例があります。
- 5件中4件で取得価額が開示されています。フジアンドチェリーグループは当初「相手先の要請により非開示」でしたが、臨時報告書への記載が必要だとして6日後に訂正で金額を出しました
- 算定方法は毎回同じ文言です。「第三者機関による株式価値評価額をもとに合理的に算定」。アドバイザリー費用も概算額で別に開示しています
- 契約後に価格を下げた例があります。クレアでは、デューデリジェンスで提出された新商品計画に事実と違う点があったとして、譲渡契約に基づいて取得価額を841百万円から646百万円に引き下げ、差額の返金まで済んでいます
- 親会社の規模は売上100億円・純資産16億円ほどです。買い手としては小ぶりで、1件あたり数億円までの案件が中心になっています
買収の履歴5件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社クレア
スキンケアを中心とした化粧品のファブレスメーカー(薬用ディープクレンジング「SANTA MARCHE」など)/東京都豊島区/2007年10月設立
- 取得価額
- 6億4,600万円
- 対象の売上
- 3億900万円
- 対象の営業利益
- △800万円
- 対象の純資産
- 7億6,200万円
決算期:2025年9月期/譲渡前の株主:個人1名(三宅 伸弘)が100%保有/当初の開示は841百万円(アドバイザリー費用等の概算49百万円を加えた合計890百万円)。2026年10月5日の開示で、デューデリジェンス時に提出された進行期の新商品計画に事実相違があったとして、譲渡契約に基づき646百万円(合計695百万円)に変更。差額は2026年10月2日に入金済み
買収理由:スキンケア分野の商品開発ノウハウとドラッグストア中心の販路を取り込み、商品カテゴリーを広げる
売上3億900万円・営業損失800万円・純資産7億6,200万円。売上は3億7,800万円から3億900万円に落ち、直前期は営業赤字でした。最終的な価格6億4,600万円は純資産を下回っています。総資産7億9,600万円のほぼ全部が純資産という無借金に近い会社でも、利益が出ていなければ純資産以上の値はつきにくいことが読み取れます。さらに契約後のデューデリジェンスで新商品計画に事実と違う点が見つかり、価格が1億9,500万円下がりました。売り手が出す事業計画は、契約後でも価格に跳ね返ります。
2026年4月1日に譲渡実行予定として開示され、2026年10月の価格変更の開示でも子会社として扱われています。商号変更や合併の開示はありません。
株式会社粧和
化粧品・美容器具・衣料品・日用雑貨・健康食品の卸売(九州中心)/福岡県福岡市/1994年5月設立
- 取得価額
- 1円
- 対象の売上
- 3億8,500万円
- 対象の営業利益
- △1,000万円
- 対象の純資産
- △6,200万円
決算期:2024年4月期/譲渡前の株主:個人1名(諸正 和彦)が100%保有/1円。第三者機関の株式価値評価をもとに算定。クロージングまでに役員借入金をDEBT EQUITY SWAP(DES)で資本に振り替える前提
買収理由:地域密着の卸売機能を取り込み、グループのマーケティング力を強化する。経理・総務の支援で経営資源を効率化
売上3億8,500万円・営業損失1,000万円・純資産マイナス6,200万円の債務超過。売上は4億6,900万円から3年続けて減り、3期とも営業赤字でした。それでも1円で上場企業が引き受けています。決め手は、リベルタの商品の販売先として長年取引があったことです。社長が会社に貸していたお金はDESで資本に振り替えてから譲渡しており、役員借入金を抱えた赤字会社の出口の形として参考になります。
株式会社アフラ
エステ向け化粧品・美容関連商品の企画提案型OEM/ODM/東京都港区/2007年2月設立
- 取得価額
- 1億8,000万円
- 対象の売上
- 3億4,200万円
- 対象の営業利益
- 2,100万円
- 対象の純資産
- 6,800万円
決算期:2022年12月期/譲渡前の株主:個人1名(山口 宣行)が100%保有/アドバイザリー費用等の概算10百万円を加えた合計は190百万円。第三者機関の株式価値評価をもとに算定
買収理由:エステ向けOEM/ODMの開発ノウハウと販路を取り込み、取扱いジャンルを広げる
売上3億4,200万円・営業利益2,100万円・純資産6,800万円。価格1億8,000万円は営業利益の約8.6倍、純資産の約2.6倍です。売上は2億7,400万円→3億100万円→3億4,200万円と3期続けて伸び、純資産も毎年積み上がっていました。規模は小さくても、伸び続けている会社は利益の何倍という値がつきます。
2024年2月16日に譲渡実行予定として開示されました。その後の商号変更や合併の開示は見当たりませんが、決算短信に社名の記載が無く、存続を確認できる資料は手元にありません。
フジアンドチェリーグループ株式会社
セルフケア商品の企画・販売、Amazon・楽天を中心としたD2C/大阪府大阪市/2019年6月設立
- 取得価額
- 3億7,000万円
- 対象の売上
- 4億9,200万円
- 対象の営業利益
- 8,400万円
- 対象の純資産
- 1億3,200万円
決算期:2022年7月期/譲渡前の株主:個人1名(山下 耕平)が100%保有/当初は「相手先からの要請により非開示」。臨時報告書への記載が必要と判明したため、2023年5月1日の訂正で開示。アドバイザリー費用等の概算20百万円を加えた合計は390百万円
買収理由:セルフケア商品で取扱いジャンルを広げ、同社のECノウハウで自社EC強化を図る
売上4億9,200万円・営業利益8,400万円・純資産1億3,200万円。価格3億7,000万円は営業利益の約4.4倍、純資産の約2.8倍です。設立から4年足らずの会社で、評価されたのはAmazon・楽天で売る運用ノウハウでした。売り手は金額の非開示を求めましたが、法令上の理由で結局公表されています。上場企業に売る場合、金額が表に出る可能性は残ると考えておくべきです。
2023年4月28日に譲渡実行予定として開示されました。その後の商号変更や合併の開示は見当たりませんが、決算短信に社名の記載が無く、存続を確認できる資料は手元にありません。
ファミリー・サービス・エイコー株式会社
浄水器・医療機器・歯ブラシ・除菌装置などの企画・製造・販売/長野県長野市/1976年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 26億5,500万円
- 対象の営業利益
- 2億1,300万円
- 対象の純資産
- 16億800万円
決算期:2021年3月期/譲渡前の株主:深澤 育英86.8%、エイコー従業員持株会13.2%/相手先の要請により非開示。第三者機関の株式価値評価をもとに算定
買収理由:健康雑貨・医療機器・浄水器などで取扱いジャンルを広げ、同社の販路で既存商品も拡販する
売上26億5,500万円・営業利益2億1,300万円・純資産16億800万円。この会社の案件でいちばん大きく、当時のリベルタ自身と比べても大きな買い物でした。創業46年、資本金4億9,800万円で、毎期配当も出していました。社長が持つ86.8%だけを買い、従業員持株会の13.2%はそのまま残っています。持株会がある会社でも、社長の持分だけで子会社化は成立します。
2022年4月1日に譲渡実行予定として開示されました。2025年12月期の決算短信には「浄水器・医療機器」の売上ジャンルがありますが、社名の記載は無く、存続を確認できる資料は手元にありません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社クレア6億4,600万円(売上の2.09倍)※営業赤字での譲渡
- 株式会社粧和1円(売上の0.00倍)※営業赤字での譲渡
- 株式会社アフラ1億8,000万円(売上の0.53倍・営業利益の8.6倍)
- フジアンドチェリーグループ株式会社3億7,000万円(売上の0.75倍・営業利益の4.4倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社リベルタが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日