株式会社東京通信グループのM&A実績
ネットサービスを丸ごと買って、自社の広告運用で伸ばす会社です。電話占いの「カリス」を会社ごと買い、その2年後に同じ電話占いの「SATORI」を事業だけ買い足しました。画像メーカー「Picrew」は創業者1人が持つ会社から買っています。3件で取得価額を開示しており、金額の相場観がつかみやすい買い手です。
株式会社東京通信グループが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- 2015年
- 事業内容
- スマートフォンゲームアプリと画像メーカー「Picrew」のメディア事業、「電話占いカリス」「SATORI電話占い」などの電話占いを中心とするプラットフォーム事業を展開
- 売上高
- 62億1,900万円(2025年12月期(連結))
- 営業利益
- 1億9,500万円
- 純資産
- 8億9,000万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 電話占い・電話相談サービス/Webサービス・画像メーカー/スマートフォンアプリ開発/アイドル・アーティストマネジメント
- 対象の規模
- 対象の売上 3.2億円〜17.9億円(国内の会社・事業)。ベトナムの開発会社は約3,900万円
- 手法
- 株式譲渡(完全子会社化)が中心。買った子会社が事業譲受の受け皿になる形(ティファレトによるSATORI電話占いの譲受)も使う。最初の大型案件は全額を銀行借入で賄った
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま残し、そこへ同じ領域の会社をまとめていく傾向です。2025年12月期には、ティファレトが別の子会社2社を、テトラクローマが別の子会社1社を吸収合併しています。買われた会社がグループ内の受け皿になる形です。
- 国内の会社・事業3件はすべて取得価額が開示されています。ティファレト19億9,900万円、テトラクローマ5億3,300万円(最大4,000万円のアーンアウト付き)、SATORI電話占い事業4,000万円
- 倍率は案件によって大きく違います。ティファレトは営業利益の約3.3倍、テトラクローマは約2.8倍、SATORI電話占い事業は売上の約0.1倍でした
- テトラクローマの開示には「仲介会社への支払報酬が発生」とあり、仲介会社を通じた案件だったことが分かります
- 2023年に設立したファンドの連結子会社化(BASE Partners Fund 1号)は、運営契約の変更によるもので買収ではないため一覧に入れていません
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社オーバースの「WHITE SCORPION」事業
アイドルグループ「WHITE SCORPION」のマネジメント、原盤権、興行、グッズ、ファンクラブ/東京都港区/譲渡会社は2022年3月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示(「経営成績の規模は軽微」)/譲渡前の株主:株式会社オーバース(資本金7,000万円)/相手先の意向により非開示。「譲受価格の規模は軽微」とだけ記載。現金決済
買収理由:アライアンス契約による間接的な関与から、直接マネジメントへ切り替え、ファンビジネス事業の収益性を高める
秋元康氏プロデュースのアイドルグループの事業を、所属契約・原盤権・肖像権・ファンクラブ会員データ・SNSアカウントまで一式で引き取っています。負債は引き継がない形です。買い手はもともと提携先として関わっていた会社で、提携相手がそのまま買い手になる流れの例です。
開示によれば2026年7月1日付で譲受が実行され、メンバーは同日から子会社T-PRO所属となりました。その後の開示はありません。
株式会社テトラクローマ
画像メーカーサービス「Picrew」の運営(登記上の事業内容はシステム開発・運用保守)/東京都文京区/2012年11月設立
- 取得価額
- 5億3,300万円
- 対象の売上
- 3億1,900万円
- 対象の営業利益
- 1億9,300万円
- 対象の純資産
- 2億7,800万円
決算期:2022年10月期/譲渡前の株主:個人1名(田中 基博)が100%保有/アドバイザリー費用等45百万円(概算)を加えた合計は578百万円。業績連動のアーンアウト方式で、今後2年間の業績に応じて最大40百万円が追加で支払われる可能性あり(最大で計573百万円)
買収理由:メディア事業の拡大。「Picrew」の技術とユーザーの獲得、海外拠点のリソース共有
売上3億1,900万円・営業利益1億9,300万円(利益率60%)・純資産2億7,800万円。価格は5億3,300万円で、営業利益の約2.8倍、純資産の約1.9倍です。売上は7,900万円→2億8,300万円→3億1,900万円と急伸していました。伸びている途中の会社では、価格の一部を「その後2年の業績しだい」で後払いにする形(アーンアウト)が使われます。利益率が高くても、伸びが続くかを買い手が確かめたいときの落としどころです。
2025年12月期決算短信で、グループの株式会社デジタルプラントを吸収合併した存続会社として記載されています。同決算短信では「Picrew」が前期比で増収増益と報告されています。
株式会社サイバーエージェントの「SATORI電話占い」事業
電話占いサービス/東京都渋谷区
- 取得価額
- 4,000万円
- 対象の売上
- 3億5,000万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2022年9月期/譲渡前の株主:株式会社サイバーエージェント(上場企業)/手許現預金による現金決済/開示は「約350百万円」。売上総利益は約150百万円
買収理由:電話占い市場でのシェア拡大と、恋愛相談サービスへの展開
売上約3億5,000万円・売上総利益約1億5,000万円の事業が、4,000万円で譲渡されました。売上の約0.1倍です。譲り受けたのは、サイトの著作物、登録鑑定師、登録ユーザー、利用履歴などのデータ一式でした。利益が開示されていない事業譲渡では、売上規模があっても価格はここまで低くなることがあります。大手にとって本業から外れた事業は、同業の専業に安く渡ることがある、という例です。
2025年12月期決算短信で、「SATORI電話占い」が「電話占いカリス」と並ぶ主力サービスとして記載されています(事業譲受のため法人ではなくサービスとして存続)。
株式会社ティファレト
電話相談サービス「カリス」(電話占い)の企画・運営/東京都渋谷区/2010年11月設立
- 取得価額
- 19億9,900万円
- 対象の売上
- 17億9,300万円
- 対象の営業利益
- 6億800万円
- 対象の純資産
- 4億1,200万円
決算期:2020年9月期/譲渡前の株主:株式会社CAM(サイバーエージェントが99.99%保有)が100%保有/アドバイザリー費用等8百万円(概算)を加えた合計は2,008百万円(概算)。取得したティファレトの全株式を借入の担保に入れている
買収理由:デジタル音声メディアへの参入。自社のITマーケティングで「カリス」の集客を強化する
売上17億9,300万円・営業利益6億800万円・純資産4億1,200万円。価格は19億9,900万円で、営業利益の約3.3倍、純資産の約4.9倍です。売上は22億2,500万円→17億9,300万円と減っている局面でした。また、親会社は利益のほとんどを配当で受け取っており(2020年9月期は純利益4億400万円に対し配当約3億5,000万円)、純資産は5億9,400万円→4億1,200万円と減っています。純資産が小さくても、毎年の利益が大きければ価格は利益で決まることが分かる案件です。
2025年12月期決算短信で、グループの株式会社METAVERSE A CLUBと株式会社シーカーズポートを吸収合併した存続会社として記載されています。2023年にはSATORI電話占い事業の譲受主体にもなりました。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社テトラクローマ5億3,300万円(売上の1.67倍・営業利益の2.8倍)
- 株式会社サイバーエージェントの「SATORI電話占い」事業4,000万円(売上の0.11倍)
- 株式会社ティファレト19億9,900万円(売上の1.11倍・営業利益の3.3倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社東京通信グループが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日