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株式会社ZUUのM&A実績

金融メディアの読者(富裕層・経営者)に売る商品やライセンスを、M&Aで揃えてきた会社です。買ったのはIFA法人、貸金業・第二種金融商品取引業の登録会社、老舗の経済誌出版社、広告運用の会社。4件すべてで取得価額を開示しています。自社の投資方針として「EV/EBITDA倍率の基準値設定」「黒字企業もしくは早期黒字化の蓋然性が高い企業」「マジョリティ投資による連結優先」を掲げています。

株式会社ZUUが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都目黒区
設立
2013年4月
事業内容
金融メディア「ZUU online」を軸に、富裕層・経営者向けの金融商品仲介、保険代理、ファンド組成、コンサルティングを手がけるフィンテック企業
売上高
26億2,200万円(2026年3月期(連結))
営業利益
△3億4,500万円
純資産
118億7,500万円

どんな会社を買っているか

買う業種
IFA(金融商品仲介・保険代理)/貸金業・第二種金融商品取引業などの金融ライセンス保有会社/経営者向けの出版・会員組織/デジタル広告の運用・コンサルティング
対象の規模
対象の売上 ほぼゼロ(ライセンス保有会社)〜12.4億円(総額表示、純額では2.4億円)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。アーンアウト(業績連動の追加払い)や2段階取得を組み合わせる。第三者割当増資の引受で40%を持ち、取締役の過半数を送り込んで子会社にした例もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は子会社として残しています。IFA法人のAWZは「ZUU Wealth Management」に社名を変え、売り手の創業者が引き続き社長を務めています。ライセンス目的で買ったCOOLは、いまもグループのファンド組成を担う金融子会社です。
  • 取得価額を毎回開示しています。1億1,000万円、1億3,000万円、3,300万円、2億5,000万円。アドバイザリー費用(850万円〜2,450万円)まで別に書いてあります
  • アーンアウトを2回使っています。AWZは最大3億7,000万円、グローバルマーケティングは残り30%の対価として最大3億4,400万円。最初の支払いは小さく、残りは買収後の業績しだいという設計です
  • AWZの買収資金1億3,000万円は、りそな銀行からの5年借入で手当てしています
  • 連結純資産118億7,500万円の大半は、グループが運営するファンドの出資者の持分(非支配株主持分)です。自己資本は10億2,700万円で、親会社の財布の大きさとしてはこちらが実態に近い数字です

買収の履歴4件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年3月25日株式譲渡(2段階)。第1回で70%を取得、残り30%は2029年7月中旬までに取得予定

株式会社グローバルマーケティング

リスティング広告・SNS広告・DSP広告の企画、運用、効果分析/東京都渋谷区/2020年3月設立

取得価額
2億5,000万円
対象の売上
12億4,050万円
対象の営業利益
190万円
対象の純資産
1,710万円

決算期:2025年5月期/譲渡前の株主:個人2名(左子義則 55.0%、岡田雅之 45.0%)/第1回(70%分)の対価。アドバイザリー費用等9百万円を加えた合計は259百万円。第2回(残り30%)の対価は子会社化後の業績に連動し、上限344百万円。外部専門家のデューデリジェンスと第三者機関の価格算定を踏まえて決定/広告費を含む総額表示。ZUUの連結で純額表示した場合は241.6百万円の想定と開示

買収理由:デジタルマーケティングの運用力と顧客基盤の獲得。ZUUの既存顧客へのクロスセル、グループの広告運用の移管

設立6年、資本金300万円。売上は5億6,800万円→11億3,200万円→12億4,000万円と伸びた一方、営業利益は494万円→290万円→190万円と細り、純資産は1,710万円しかありません。それでも70%で2億5,000万円がついています。利益や純資産ではなく、広告代理店や金融・人材などに広がる取引先と、リピートで回っている運用体制に値段がついた案件です。残り30%は「買った後の業績」で決まり最大3億4,400万円。全部を一度に売らず、残りの持分を業績連動にして上乗せを狙う形の実例です。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年4月1日に70%の取得を実行(決算短信の後発事象で「結合後企業の名称 変更はありません」と開示)。同じ決算短信の今後の見通しにも「買収したグローバルマーケティング」として名前が出ています。残り30%の取得は2029年7月中旬までの予定です。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社グローバルマーケティングの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年3月19日第三者割当増資の引受(40.3%取得)+取締役の過半数を選任して子会社化

株式会社経済界

月刊誌「経済界」の発行、書籍出版、広告代理、経営者向け異業種交流会「経済界倶楽部」の運営/東京都千代田区/1964年4月設立

取得価額
3,300万円
対象の売上
2億9,890万円
対象の営業利益
△2,410万円
対象の純資産
7,370万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:佐藤有美 56.8%ほか個人3名(匿名)/新株127,000株の引受額。アドバイザリー費用等6百万円を加えた合計は39百万円。自己資金で実施

買収理由:経済界の読者基盤と全国1,000名以上の経営者会員を、ZUUの金融事業・コンサルティング事業につなげる

創業60年の老舗出版社。売上2億9,900万円、営業損失2,409万円、純資産7,368万円。営業損益は△174万円→107万円→△2,409万円と赤字基調でした。株を売ったのではなく新株を引き受けてもらう形なので、3,300万円は会社に入り、オーナーの手元には入りません。持株40.3%でも取締役の過半数を握れば子会社になります。ZUUは同時に出した補足資料で、2026年3月期もやや赤字、2027年3月期からの黒字化を目指すと説明しています。赤字でも、経営者会員という顧客基盤があれば引き受け手はいます。

買収後不明2026年10月12日時点

2025年3月24日に株式取得の予定と開示。2026年3月期決算短信には社名が出ておらず、その後の合併・売却などの開示も手元で確認できていません。

確認元:株式会社経済界の株式取得(子会社化)に関する補足説明資料

出典:株式会社経済界の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2022年12月27日株式譲渡(完全子会社化)+アーンアウト

株式会社AWZ

IFA(金融商品仲介業)、生命保険・損害保険代理業/東京都港区/2018年12月設立

取得価額
1億3,000万円
対象の売上
4億1,000万円
対象の営業利益
5,100万円
対象の純資産
5,100万円

決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:個人2名(髙木貴行 83.33%、櫻井浩介 16.67%)/アドバイザリー費用等24.5百万円を加えた合計は154.5百万円。別に2024年3月期〜2026年3月期の業績目標の達成度に応じたアーンアウトが最大370百万円。第三者算定機関の算定結果を参考に個別協議で決定。資金はりそな銀行から130百万円を5年で借入

買収理由:IFAのライセンスと金融プロフェッショナルを取り込み、メディアの顧客基盤から金融取引を生み出す

設立4年の若いIFA法人。売上は6,300万円→1億3,400万円→4億1,000万円と急伸し、営業利益5,100万円・純資産5,100万円。一時金1億3,000万円は営業利益の約2.5倍ですが、アーンアウトを満額取れれば最大5億円になります。伸び盛りで実績がまだ短い会社は、「今の利益で一部、伸びた分は後から」という形で値段の差を埋められます。売り手の髙木氏は買収後も子会社の社長として残っています。

買収後社名変更2026年10月12日時点

「株式会社ZUU Wealth Management」に社名変更(2023年2月の開示で旧株式会社AWZと明記、代表取締役社長は売り手の髙木貴行氏)。2026年3月期決算短信でも金融商品仲介・保険代理を担う子会社として名前が出ています。

確認元:当社子会社(株式会社ZUU Wealth Management[旧株式会社AWZ])代表取締役社長 高木 貴行による当社株式取得に関するお知らせ

出典:株式会社AWZの株式の取得(子会社化)及び資金の借入れに関するお知らせ

2019年10月17日株式譲渡(80%取得で子会社化、COOLは孫会社)

株式会社COOL SERVICES(子会社の株式会社COOLを含む)

貸金業。子会社COOLは第二種金融商品取引業・投資助言業(アジア案件特化のソーシャルレンディング)/東京都中央区/2016年2月設立

取得価額
1億1,000万円
対象の売上
40万円
対象の営業利益
△260万円
対象の純資産
5,210万円

決算期:2018年9月期(COOL SERVICES単体)/譲渡前の株主:株式会社COOL GROUP(非上場の事業会社)が100%保有/アドバイザリー費用等8.5百万円を加えた合計は118.5百万円。取得後にCOOL SERVICESへ増資する見込みと開示

買収理由:貸金業と第二種金融商品取引業・投資助言業の登録を取得し、金融サービスを自社で直接展開する

COOL SERVICESは売上43万円・営業損失259万円、子会社COOLも売上800万円・営業損失1,447万円と、事業としてはほぼ動いていない2社でした。純資産5,206万円の会社の80%に1億1,000万円。値段がついたのは業績ではなく、取り直すと時間のかかる金融の登録(ライセンス)です。許認可を持っている会社は、赤字でも買い手が見つかることがあります。

買収後不明2026年10月12日時点

子会社の株式会社COOLは2026年3月期決算短信にファンド組成を担う金融子会社として名前が出ており存続しています。親会社のCOOL SERVICES自体は決算短信に記載がなく、確認できていません。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社COOL SERVICESの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社グローバルマーケティング2億5,000万円(売上の0.20倍・営業利益の131.6倍)
  • 株式会社経済界3,300万円(売上の0.11倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社AWZ1億3,000万円(売上の0.32倍・営業利益の2.5倍)
  • 株式会社COOL SERVICES(子会社の株式会社COOLを含む)1億1,000万円(売上の275.00倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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