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AIAIグループ株式会社のM&A実績

保育園と療育施設を買い集めている会社です。開示の中で「M&Aによる規模の拡大を重要な戦略として掲げており」と明言しています。保育園1施設だけの切り出し、事業譲受で3施設だけ、売上100億円規模の保育グループまで、形も大きさもばらばらです。売り手も個人オーナー、地元の介護・保育会社、NTT系の事業会社、ファンドが持つ福祉グループと幅があります。

AIAIグループ株式会社が公表した適時開示6件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都墨田区
設立
―
事業内容
認可保育園「AIAI NURSERY」「雲母保育園」、児童発達支援・放課後等デイサービス「AIAI PLUS」などを運営し、保育・療育・教育を一体で提供する持株会社
売上高
146億3,300万円(2026年3月期(連結))
営業利益
11億500万円
純資産
32億4,600万円

どんな会社を買っているか

買う業種
認可保育園・認証保育所/児童発達支援・放課後等デイサービス(療育)/介護施設(2018年当時)
対象の規模
対象の売上 1.8億円〜98.9億円(保育園1施設だけの切り出しは売上非開示)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。子会社AIAI Child CareやAIAI Inclusiveが買い手になる「孫会社化」、売り手が保育園を新会社に切り出してからその株式を売る形、施設の資産と事業だけを買う事業譲受も使う
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
取得したその日に、代表取締役をグループの社長に交代させるのが通例です。ぽこころ(2025年)もハビー(2026年)も、株式取得と同日に代表と本店所在地を変えています。法人は残す場合と吸収合併する場合の両方があり、2018年に買った東京ライフケアは約1年9か月後に保育子会社へ吸収合併されました。
  • 金額を開示する案件が多い会社です。6件のうち4件で取得価額が出ています。保育園1施設の会社が2,500万円、保育園3施設の事業が1円(資産代3,000万円は別)、療育71施設のハビーが32億5,000万円、保育77施設のきららグループが102億5,551万円でした
  • 仲介手数料も開示されています。ぽこころの取得では株式代2,500万円に対し「アドバイザリー費用(仲介手数料)」が2,000万円。小さな案件ほど手数料の比率が重くなることが数字で見えます
  • 基本合意まで進んで破談になった案件もあります。横浜市の保育会社Berry(売上10億8,500万円・営業利益9,500万円、社長が100%保有)は2024年12月に取得見込額20億円で基本合意しましたが、2025年2月に「ガバナンス並びに施設運営の方針について相違」があったとして中止になりました
  • 買収資金は借入で調達しています。2026年3月期末の連結純資産は32億4,600万円、自己資本比率は12.1%で、その期にきららグループの取得に約102億円を投じています

買収の履歴6件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年7月24日株式譲渡(子会社化)。売り手が療育事業を吸収分割で新会社ハビーに移してから、その株式を売却

ハビー株式会社

児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援・相談支援(「ハビー」「アイリスクラブ」「ディグスマイル」ブランドで全国71施設)/東京都中央区/2025年12月設立

取得価額
32億5,000万円
対象の売上
34億7,000万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2026年3月期(承継事業)/譲渡前の株主:ウェルビーホールディングス株式会社が100%保有(同社の大株主はポラリス第五号投資事業有限責任組合)/ハビー株式の取得価額。諸費用85百万円を加えた合計は3,335百万円。取得資金は金融機関からの借入/ハビーが2026年5月にウェルビー株式会社から承継した療育事業の2026年3月期売上。傘下のアイリス(444百万円)とハピネスカムズ(242百万円)は含まない

買収理由:療育領域の全国的な拠点網・専門人材・運営ノウハウの取り込み。保育施設との連携による利用者導線の強化と、管理部門の効率化

取得価額32億5,000万円を開示しています。承継した療育事業の売上34億7,000万円に傘下2社の売上6億8,600万円を足すと約41億5,600万円で、その0.8倍ほどの金額です。事業の営業利益は開示されていません。承継した資産は18億6,800万円、負債は4億3,000万円(2026年5月1日の帳簿価格)。傘下の2社はいずれも黒字で、ハピネスカムズは売上2億4,200万円に対し営業利益6,300万円(利益率26%)でした。売り手はファンドが持つ福祉グループで、療育部門だけを新会社に切り出して売っています。多角化した会社が一部門を手放すときの典型的な形です。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年9月1日に取得が完了し、同日、代表取締役がAIAIグループ社長の貞松成氏に交代、本店も銀座七丁目へ移りました。子会社のアイリスとハピネスカムズも代表が同氏に交代しています。

確認元:(開示事項の経過)ハビー株式会社の株式取得完了のお知らせ

出典:ハビー株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2026年1月23日株式等譲渡(子会社AIAI Inclusiveが株式と新株予約権を取得=孫会社化)

株式会社きららグループホールディングス(雲母保育園)

「雲母保育園」ブランドで保育所等77施設を首都圏中心に運営する株式会社モード・プランニング・ジャパンの持株会社/2021年(運営子会社のモード・プランニング・ジャパンは1991年3月)設立

取得価額
102億5,551万円
対象の売上
98億8,800万円
対象の営業利益
1億2,800万円
対象の純資産
18億3,500万円

決算期:2026年2月期(運営子会社単体)/譲渡前の株主:非開示(決算短信では「対象会社の株主」とのみ記載)/取得原価10,255百万円(現金)。別にアドバイザリー報酬等150百万円。のれんは8,183百万円で、取得原価の約8割がのれん(20年で均等償却)。逆算すると時価純資産は約2,072百万円/運営子会社モード・プランニング・ジャパン単体の2026年2月期の数値(取得後の2026年8月の開示による)。持株会社を含む連結の数字は開示されていない

買収理由:出店エリアの親和性が高く、認可保育所中心で、食育による差別化を図っている

この会社の過去最大の買収で、取得原価は102億5,551万円です。運営子会社の売上98億8,800万円に対し営業利益は1億2,800万円(利益率1.3%)でしたが、取得原価の約8割がのれんとして計上されています。利益率が低くても、77施設の認可保育園網と「雲母保育園」のブランドに値段がついた形です。取得後わずか2か月で持株会社は運営子会社に吸収合併され、約7か月後には人材派遣・職業紹介の事業がグループ内の別会社へ移されました。

買収後吸収合併2026年10月12日時点

2026年5月1日付で、持株会社のきららグループホールディングスは運営子会社のモード・プランニング・ジャパンに吸収合併されました。モード・プランニング・ジャパンは雲母保育園ブランドを維持して存続していますが、2026年10月1日付で有料職業紹介・人材派遣事業をグループの株式会社CHaiLDへ吸収分割しています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

2025年3月26日事業譲受(子会社AIAI Child Careが譲受)。基本合意と同時に施設の資産を先に買い、約1か月後に事業を譲り受ける2段階

株式会社在宅支援総合ケアーサービスの保育事業(認可保育園3施設)

千葉市内の認可保育園3施設(定員40名・59名・40名)の運営/千葉県千葉市/譲渡会社は2011年8月設立設立

取得価額
3,000万円
対象の売上
3億4,100万円
対象の営業利益
4,300万円
対象の純資産
―

決算期:2024年7月期(譲受事業)/譲渡前の株主:譲渡会社の株主は依田和孝54%、メディカルインフォマティクス株式会社34%ほか/事業譲受価額1円+資産譲受価額30,000,000円=30,000,001円。別に譲受の諸費用31百万円。現預金・金銭債権債務は対象外。資産の簿価は148百万円とされていたが、精査の結果「ほぼ資産譲受価額と同額」となり、のれんは発生しない見込み

買収理由:千葉エリアでのドミナント強化と業務運営の効率化

売上3億4,100万円・営業利益4,300万円の保育園3施設に対し、事業の値段は1円でした。支払われたのは施設の設備などの資産代3,000万円だけで、買い手側の諸費用3,100万円のほうが大きい案件です。利益が出ている事業でも、会社ごとではなく施設だけを手放す形では、営業権(のれん)に値段がつかないことがある例です。譲渡会社は訪問介護も営んでおり、保育の一部だけを切り離しています。

買収後存続2026年10月12日時点

事業譲受のため法人の移動はありません。3施設はAIAI Child Careが2025年5月1日に譲り受けました。その後の譲渡や閉園の開示はありません。

確認元:(開示事項の経過)当社連結子会社における事業の譲受に関するお知らせ

出典:当社連結子会社における事業の譲受に関するお知らせ

2024年10月7日株式譲渡(子会社AIAI Child Careが取得=孫会社化)。売り手が保育事業を吸収分割で新会社ぽこころに移し、その株式を譲渡

ぽこころ株式会社

認可保育園1施設の運営/東京都世田谷区/2024年10月設立

取得価額
2,500万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
2,500万円

決算期:契約時点の見込額/譲渡前の株主:テルウェル東日本株式会社(NTT東日本などNTTグループ各社が大株主)が100%保有/株式代25百万円。別にアドバイザリー費用(仲介手数料)20百万円、諸費用1百万円で、合計46百万円

買収理由:AIAI三育圏の中核である保育事業の規模拡大

保育園1施設だけの会社が、純資産と同額の2,500万円で売られています。一方で買い手は仲介手数料として2,000万円を払っており、株式代の8割に当たります。小さな案件では手数料の重さが目立つことが、開示の数字からそのまま読み取れます。売り手はNTTグループの事業会社で、本業から外れた保育園1施設を新会社に切り出して手放しました。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年4月1日に取得が完了し、同日、代表取締役が貞松成氏に、本店が墨田区錦糸に変わりました。2026年3月期決算短信で新たな連結子会社として社名が挙がっています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:当社連結子会社とテルウェル東日本株式会社との株式譲渡契約締結のお知らせ

2018年11月30日株式譲渡(子会社化)

株式会社YUAN

介護施設(住宅型有料老人ホーム)の運営/大阪府大阪市/2015年9月設立

取得価額
―
対象の売上
1億7,800万円
対象の営業利益
6,300万円
対象の純資産
3,500万円

決算期:2018年8月期/譲渡前の株主:個人1名(西平 香代)が100%保有/秘密保持義務により非開示。公認会計士等の第三者機関による株価算定結果を勘案して決定

買収理由:介護事業の展開の充実

売上1億7,800万円・営業利益6,300万円(利益率35%)・純資産3,500万円。2年前は純資産マイナス3,500万円の債務超過でした。開業初年度の赤字から2年で利益を出せるところまで戻し、その時点で売っています。資本金200万円の会社でも、立ち上がった施設には買い手がつきます。

買収後不明2026年10月12日時点

YUANの社名での後続開示はありません。なお、AIAIグループは2024年5月に介護子会社AIAI Life Care株式会社をQLSホールディングスへ1億2,500万円で売却しており、同社の設立日(2015年9月18日)と事業内容(住宅型有料老人ホーム等)はYUANと一致しますが、同一会社であるとは開示に書かれていないため不明としています(推定)。

確認元:(開示の経過)株式譲渡契約締結に関するお知らせ

出典:株式会社YUANの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年7月2日株式譲渡(子会社化)

株式会社東京ライフケア

認可保育園及び介護施設の運営/東京都台東区/2014年12月設立

取得価額
―
対象の売上
3億3,900万円
対象の営業利益
300万円
対象の純資産
7,800万円

決算期:2018年3月期/譲渡前の株主:個人1名(鎌田 健仁)が100%保有/秘密保持義務により非開示。公認会計士等の第三者機関による株価算定結果を勘案して決定

買収理由:保育・介護事業の展開の充実

売上3億3,900万円・営業利益330万円・純資産7,800万円。営業損益は△4,600万円→△3,200万円→330万円と、ようやく黒字に届いた年に売っています。2年前は債務超過でした。利益がほとんど出ていなくても、認可保育園という許認可つきの施設があれば買い手はいます。

買収後吸収合併2026年10月12日時点

2020年4月1日付で、グループの保育子会社である株式会社global child careに吸収合併され、法人は消滅しました。目的は「AI AI」ブランドへの統一とされています。取得から約1年9か月後のことです。

確認元:連結子会社間の合併及び特定子会社の異動に関するお知らせ

出典:株式会社東京ライフケアの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • ハビー株式会社32億5,000万円(売上の0.94倍)
  • 株式会社きららグループホールディングス(雲母保育園)102億5,551万円(売上の1.04倍・営業利益の80.1倍)
  • 株式会社在宅支援総合ケアーサービスの保育事業(認可保育園3施設)3,000万円(売上の0.09倍・営業利益の0.7倍)
  • ぽこころ株式会社2,500万円

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはAIAIグループ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日