ヒューマンホールディングス株式会社のM&A実績
教育・人材・介護の3事業を持つグループが、教育や人材の事業に組み合わせられる小さな会社を、子会社を通じて買っている会社です。対象はWeb制作、翻訳、保育園、システム開発などで、売上6,000万円弱から6億円規模まで。売り手はほぼ全件が創業者個人で、売上5,800万円の会社や、赤字が続いていた会社も買っています。
ヒューマンホールディングス株式会社が公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都新宿区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 「ヒューマンアカデミー」の社会人・全日制教育を核に、人材派遣・紹介(ヒューマンリソシア)、介護、保育などを手がける持株会社
- 売上高
- 1,025億3,900万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 36億1,400万円
- 純資産
- 195億3,200万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- システム開発・AI/DX支援/Web制作・デジタルマーケティング/翻訳・通訳・語学研修/保育園の運営/広告代理(教育機関向け)
- 対象の規模
- 対象の売上 0.58億円〜5.95億円(ソフィエイトとアラシアスは非開示)
- 手法
- 株式譲渡が中心。ヒューマンアカデミーやヒューマンリソシアなど子会社が買い手になる「孫会社化」が多い。事業だけを譲り受ける形や、51%だけを取得する形も使う
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社はグループの事業会社として残しつつ、社名をグループ名に変えることがあります。ダイレクトワンはヒューマンデジタルソリューションズに、クデイラアンド・アソシエイトはヒューマングローバルコミュニケーションズに社名が変わり、その後どちらも次の買収の受け皿になっています。
- 取得価額は全件で非開示です。理由は毎回「売主との協議により非公表」。そのかわり「第三者機関による財務調査結果(株式算定結果)を基に決定」と、価格の決め方は必ず書かれています
- 赤字の会社も買っています。大朝アドは経常損失が2期続き、みつばは直近期が営業損失5,400万円、ダイレクトワンも直近期は経常損失でした
- 買ったあと、元の社長が会長や顧問に退くことが明記される案件があります。大朝アドとクデイラアンド・アソシエイトでは、取得と同時にグループ側の人が代表取締役に就いています
- 買われた会社が、次の買収の受け皿になります。ダイレクトワンはウェブスマイルを、クデイラアンド・アソシエイトはアラシアスの事業を、それぞれ取得する側に回りました
買収の履歴8件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社ソフィエイト
システム受託開発、AI・自動化ツール導入支援、業務改善コンサルティング(筑波大学発ベンチャー)/東京都新宿区/2021年12月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人1名(川島 碩介)が100%保有/売主との協議により非公表。第三者機関による株式算定結果を基に決定
買収理由:AIを使ったシステム開発のディレクション力と上流設計力を取り込み、ヒューマンリソシアのAI・DXソリューションを拡充する
設立から4年足らず、資本金256万円の会社です。業績の開示はありませんが、評価された点として「AIを活用するディレクション能力」「要件定義に落とし込む上流工程設計力」「筑波大学出身者とのネットワークを活かした人材獲得力」が挙げられています。もともとヒューマンリソシアからシステム開発を受託していた取引先で、取引実績のある相手に買われた例です。
2026年10月1日に株式取得実行予定として開示されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社エフ・ビー・エス(51%)
貿易システムを中心としたシステム設計・開発、帳票電子化ツール・BIツールの開発/東京都千代田区/1985年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 3億1,300万円
- 対象の営業利益
- 3,900万円
- 対象の純資産
- ―
決算期:2020年9月期/譲渡前の株主:詫間 隆志87.5%、詫間 充男12.5%(個人2名)。うち詫間隆志氏から51%分を取得/売主との協議により非公表。第三者機関による財務調査結果を参考に決定。適時開示基準には該当しない任意開示
買収理由:教育を組み合わせたDX推進サービスに、貿易システムで知名度のある同社の企画開発力を融合する
売上3億1,300万円・営業利益3,900万円(利益率12%)。売上は2億5,200万円→3億700万円→3億1,300万円、営業利益は1,200万円→4,200万円→3,900万円と伸びた局面での譲渡です。買われたのは51%だけで、社長の持分の一部と親族の12.5%は残りました。全部を一度に手放さない形でも、上場企業グループに入れる例です。
2021年10月29日に株式取得実行予定として開示されています。残りの株式の取得、商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社アラシアスの翻訳・通訳事業
多言語の翻訳・通訳/京都府京都市/2006年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人1名(今村 友美)が100%保有/非開示
買収理由:多言語翻訳のノウハウと翻訳者を迎え入れ、翻訳・通訳事業を強化する
資本金100万円の会社から、事業の全部を譲り受けた案件です。譲り受ける資産は2,900万円、負債は300万円(いずれも予定額)と開示されており、ごく小さな規模です。評価されたのは「多言語翻訳のノウハウや翻訳者」で、人とノウハウが中心の小さな事業でも、同業の受け皿があれば引き継がれます。
譲り受けたのは事業だけで、受け皿はグループのヒューマングローバルコミュニケーションズです。同社の商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社ウェブスマイル
Webサイト構築の提案・デザイン・コンテンツ制作、Webシステム開発/東京都新宿区/2007年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億6,800万円
- 対象の営業利益
- 2,300万円
- 対象の純資産
- 3,500万円
決算期:2016年3月期/譲渡前の株主:株式会社エスクリ(ブライダル事業)が全株式を保有/売主との協議により非公表。第三者機関による財務調査結果を参考に決定
買収理由:IT人材の確保と、アプリ開発・システム運用保守まで含めたデジタルマーケティングの一貫提供
売上5億6,800万円・営業利益2,300万円・純資産3,500万円。前の期は営業損失3,800万円で、赤字から黒字に戻した直後の譲渡です。売り手はブライダル事業の会社で、本業と離れたIT子会社を手放した形でした。開示には「Webディレクターやプログラマーなどの有効求人倍率は上昇を続けており」とあり、技術者を抱えていること自体が買われる理由になっています。
2017年4月27日に株式譲渡実行予定として開示されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。
ダイレクトワン株式会社
人材・教育業界向けのWebサイト制作、サイト企画/東京都渋谷区/1999年11月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5,800万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2015年10月期/譲渡前の株主:個人1名(安藤 康彦)が100%保有/売主との協議により非公表。第三者機関による財務調査結果を参考に決定
買収理由:グループ内に分散していたWeb制作・広告出稿を集約するシェアードサービスの拠点にする
売上5,800万円、資本金850万円。この会社の案件でいちばん小さな会社です。直近期は経常損失1,500万円で、売上も3期とも6,000万円弱で横ばいでした。それでも、人材・教育業界の大手を顧客に持っていたことが評価され、買われた後はグループのWeb制作を一手に担う会社になっています。
ヒューマンデジタルソリューションズ株式会社に社名が変わっています。2017年4月にはウェブスマイルを買う側に回りました。
株式会社みつば
認可保育園「スターチャイルド」8園の運営(東急田園都市線沿線が中心)/神奈川県横浜市/1994年6月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億9,500万円
- 対象の営業利益
- △5,400万円
- 対象の純資産
- 3億700万円
決算期:2014年3月期/譲渡前の株主:個人1名(古宮 清隆)が100%保有/売主との協議により非公表。第三者機関による財務調査結果を参考に決定
買収理由:首都圏での保育事業の体制強化。保育士講座など教育事業との相乗効果
売上5億9,500万円・営業損失5,400万円・純資産3億700万円。前々期も営業損失8,900万円で、本業の赤字が続いている状態での譲渡でした。それでも純資産は3億円台を保っており、認可保育園8園と保育士の研修・研究への定評が評価されています。自社の資格講座の卒業生の就職先として使えるという、買い手側の事情も開示に書かれています。
クデイラアンド・アソシエイト株式会社
海外学術論文・技術情報の翻訳、通訳、語学研修、人材派遣/東京都中央区/1969年11月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 3億2,300万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2014年6月期/譲渡前の株主:個人1名(フランシス J. クディラ)が100%保有/売主との協議により非公表。第三者機関による財務調査結果を参考に決定
買収理由:語学・通訳・翻訳ビジネスを起点にした海外事業展開の強化
売上3億2,300万円、経常利益は700万円→800万円→900万円と小さいながら黒字でした。売上は3億5,500万円から少しずつ減っていた局面です。創業から45年の会社で、創業者は取得と同時に代表取締役会長から顧問に退き、グループ側の人が社長に就いています。創業者が経営から退く前提で、同じ分野のグループに会社ごと引き継いだ形です。
ヒューマングローバルコミュニケーションズ株式会社に社名が変わり、資本金も1,500万円から8,000万円になっています。2019年にはアラシアスの翻訳事業を譲り受ける側に回りました。
株式会社大朝アド
広告代理、PR・広告の企画制作(関西の私立大学など教育機関が主要顧客)/大阪府大阪市/1988年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 3億5,000万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2013年3月期/譲渡前の株主:個人1名(米田 猛)が全株式を保有/売主との協議により非公表。第三者機関による財務調査結果を参考に決定
買収理由:グループのハウスエージェンシーとして、広告活動の効率化・集約化とブランディング強化を図る
売上3億5,000万円。経常損失が1,600万円、800万円と2期続いている中での譲渡でした。売上も4億1,900万円から落ちていました。それでも、教育機関という顧客基盤と新聞社とのつながりが、教育事業を持つ買い手には価値になっています。社長は取得と同時に取締役会長に退き、代表はグループ側に交代しています。
2014年3月31日に取得済み。商号変更や合併の開示は確認できていません。
関連する記事
本ページはヒューマンホールディングス株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日