9235東証グロース

売れるネット広告社グループ株式会社のM&A実績

「マーケティングM&A」を掲げ、2024年から毎年数件のペースで買っている会社です。売り手のほとんどは個人オーナーで、対象は売上1億円台から15億円規模まで。業種は広告運用、ネット通販、通信機器レンタル、コールセンター、健康飲料とばらばらです。現金ではなく自社の株式で払う「株式交付」「株式交換」をよく使い、全株ではなく51%や60%だけを買うこともあります。

売れるネット広告社グループ株式会社が公表した適時開示9件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月8日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
福岡県福岡市
設立
2010年1月
事業内容
ネット通販(D2C)事業者向けの広告・マーケティング支援を祖業とし、通信機器レンタル、越境EC、コールセンターなどを傘下に持つ持株会社
売上高
16億6,100万円(2026年7月期(連結))
営業利益
△5億4,300万円
純資産
9,100万円

どんな会社を買っているか

買う業種
ネット広告の運用代行/化粧品・健康食品のネット通販/通信機器レンタル、モバイル通信・自治体向けシステム/コールセンター・BPO/映像コミュニケーション技術、AIサービス開発
対象の規模
対象の売上 0.76億円〜14.6億円
手法
現金による株式譲渡と事業譲受のほか、自社株を対価にする株式交付・株式交換を多用。現金と株式を組み合わせる案件もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま残すのが基本です。例外は同じ日に買った同一オーナーの2社で、約11か月後に合併し「オルクス株式会社」になりました。買い手自身は2026年7月期に営業損失5億4,300万円を計上し、越境EC事業ののれん約7,000万円を減損しています。
  • 取得価額が1円の案件が2件あります。債務超過だったオルリンクス製薬と、純資産がようやくプラスに戻ったばかりのライトです。どちらも営業利益は黒字でした
  • 株式で払う案件が多い会社です。株式交付・株式交換では、売り手は現金ではなく買い手の株を受け取ります。その場合は受け取る株の発行会社の業績も確かめておく必要があります。この会社の2026年7月期は営業損失5億4,300万円、純資産は9,100万円でした
  • 第三者算定のレンジを開示します。SOBAプロジェクトでは算定レンジ(1株42,988円〜55,489円)の下限をわずかに下回る1株42,589円で決まっています
  • Step y'sは51%、パロットビークは60.03%だけを買っています。売り手が株の一部を持ち続ける形で、残りの株主は引き続き経営に関わります

買収の履歴9件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年7月30日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社ライト

デジタルコンテンツの運営支援、ゲーム等の動作検証・テスト、AIサービス開発/東京都千代田区/2017年3月設立

取得価額
1円
対象の売上
1億6,500万円
対象の営業利益
1,300万円
対象の純資産
100万円

決算期:2026年2月期/譲渡前の株主:個人1名(林 ひかる)が100%保有/取得価額は1円。アドバイザリー費用等18百万円は別。決算短信の重要な後発事象でも「取得の対価 現金1円」と開示

買収理由:AIサービスの開発・運営ノウハウの獲得

営業利益1,300万円の黒字企業が、1円で売られています。売上は2億5,400万円→2億3,300万円→1億6,500万円と縮み、純資産はマイナス900万円→マイナス400万円→100万円と、債務超過をようやく抜けたところでした。総資産8,200万円に対して純資産は100万円で、資産のほとんどが負債に見合っている状態です。利益が出ていても、負債が資産と同じだけあれば、株の値段はほぼゼロになります。買い手が払うアドバイザリー費用(1,800万円)のほうが、株の代金よりはるかに大きい案件です。

買収後存続2026年10月8日時点

2026年7月31日に株式を取得し、社名を変えずに完全子会社になりました(決算短信の重要な後発事象)。

確認元:2026年7月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:「営業利益黒字・売上最大2.5億円」のAIサービス開発・デジタルコンテンツ運営支援を展開する株式会社ライトの株式取得(子会社化)のお知らせ

2026年7月3日株式交付(自社株を対価に51%を取得)

株式会社Step y's

電話代行・カスタマーサポートを中心としたコールセンター、BPO、SES/東京都中央区/2014年12月設立

取得価額
2億6,400万円
対象の売上
3億200万円
対象の営業利益
300万円
対象の純資産
3,200万円

決算期:2025年6月期/譲渡前の株主:代表者(樺澤 由加利)が100%保有。譲渡後も49%を持ち続ける/51%分の取得価額。買い手の株式492,552株を交付。決算短信で245百万円と開示された後、2026年9月29日の訂正で264百万円になった。第三者算定(DCF法、100%)は367百万円〜549百万円

買収理由:広告で集めた顧客の受注後の対応まで、グループ内で一貫して担う

売上3億200万円に対して営業利益は300万円、純資産3,200万円。それでも51%分に2億6,400万円が付きました。根拠は将来の計画で、算定の前提となった事業計画では営業利益が300万円→2,500万円(7か月)→2,900万円→4,100万円…→6,500万円と伸びる想定です。直近の利益が小さくても、継続契約で積み上がる売上と、買い手と組んだ後の計画が示せれば、値段はそちらで付きます。

買収後存続2026年10月8日時点

2026年8月10日に株式交付の効力が発生し、51.00%を取得して子会社になりました。社名の変更はありません。

確認元:2026年7月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式交付による株式会社Step y'sの子会社化及び子会社(特定子会社)の異動に関するお知らせ

2026年7月2日株式交付(自社株を対価に60.03%を取得)

パロットビーク株式会社

自治体向けモバイルシステム、法人・訪日客向けのSIM/eSIM通信サービス/東京都新宿区/2016年10月設立

取得価額
2億7,600万円
対象の売上
14億6,300万円
対象の営業利益
600万円
対象の純資産
8,300万円

決算期:2025年9月期/譲渡前の株主:前田貞行氏48.4%、鈴木一裕氏(代表取締役)28.9%、個人株主1名22.6%/60.03%分の取得価額(決算短信の重要な後発事象)。買い手の株式555,114株を交付。アドバイザリー費用等42百万円は別。第三者算定はDCF法で企業価値311百万円〜532百万円、類似上場会社法で227百万円〜381百万円

買収理由:景気に左右されにくいストック型収益の取り込みと、子会社JCNT(通信機器レンタル)との補完

売上14億6,300万円に対して営業利益600万円、純資産8,300万円。60%分に2億7,600万円が付いています。営業利益は600万円→1,600万円→600万円と小さいままでしたが、算定の前提となった計画では翌期に4,500万円へ伸び、5年後に9,400万円になる想定です。3人の株主が持株を合わせて60%分だけを売り、残りを持ち続ける形です。

買収後存続2026年10月8日時点

2026年8月10日に株式交付の効力が発生し、60.03%を取得して子会社になりました。社名の変更はありません。

確認元:2026年7月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式交付によるパロットビーク株式会社の子会社化及び子会社(特定子会社)の異動に関するお知らせ

2026年6月29日株式譲渡で47.04%を現金取得し、残りを株式交換で取得(完全子会社化)

株式会社国際漢方研究所

健康飲料の製造・通信販売/東京都千代田区/1982年3月設立

取得価額
―
対象の売上
4億6,200万円
対象の営業利益
300万円
対象の純資産
4億5,000万円

決算期:2025年8月期/譲渡前の株主:代表者(眞子達男)33.5%、永田由美14.2%、眞子英樹13.7%、眞子賢治13.7%ほか個人10名以上/現金部分は47.04%分で198,740,350円(アドバイザリー費用等の概算31.5百万円は別)。残る52.96%は株式交換で買い手の株式477,081株を交付。第三者算定はDCF法で企業価値456百万円〜518百万円。株式交換分の円換算額は開示がないため、全体の取得価額は「―」とした

買収理由:商品開発力と通販の会員基盤を取り込み、定期購入と越境ECで伸ばす

設立1982年、売上4億6,200万円・営業利益300万円・純資産4億5,000万円。現金で買った47.04%分の単価(1株約9,005円)は、純資産の1株あたり(9,591円)を少し下回る水準です。利益がほとんど出ていなくても、厚く積んだ純資産がそのまま値段の目安になったと読めます。開示には「役員報酬と事業に直接関係のない費用を除くと営業利益は約2,000万円になる」とも書かれており、ここでも買い手はオーナー経営特有の費用を足し戻して見ています。株主は親族を中心に10名以上で、現金で売る人と株式で受け取る人に分かれています。

買収後存続2026年10月8日時点

2026年8月10日に株式交換の効力が発生し、完全子会社になりました。

確認元:2026年7月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式取得及び株式交換による株式会社国際漢方研究所の完全子会社化及び子会社(特定子会社)の異動に関するお知らせ

2025年8月28日株式譲渡と簡易株式交付(現金と自社株を組み合わせて94.2%を取得)。オンライン大学向けサービスのSOBAエデュケーション(50%保有)も孫会社に

株式会社SOBAプロジェクト

映像コミュニケーション(Web会議・オンライン授業等)の技術開発。大学と企業の共同研究から生まれた会社/京都府京都市/2005年1月設立

取得価額
―
対象の売上
1億1,600万円
対象の営業利益
1,200万円
対象の純資産
1億2,100万円

決算期:2024年6月期/譲渡前の株主:代表者(乾 和志)94.2%、オムロン株式会社5.8%(オムロンは継続保有)/1株42,589円で3,250株(94.2%)を取得。うち902株は現金、2,348株は現金5,000万円と買い手の株式42,699株(5,000万円相当)の組み合わせ。第三者算定のレンジは1株42,988円〜55,489円で、下限をわずかに下回る価格。説明資料では「買収額1.3億円」と説明

買収理由:映像コミュニケーション技術の獲得と、買い手の営業力による拡販

売上1億1,600万円・営業利益1,200万円・純資産1億2,100万円。直近の2025年6月期は受託開発が落ち込み、営業利益は300万円でした。買収額は約1億3,800万円(1株42,589円×3,250株)で、純資産とほぼ同水準です。5つの大学と2社が10億円をかけて開発した技術を持つ会社ですが、社員5名で営業担当がいない状態でした。技術があっても売る力がなければ、値段は純資産あたりに落ち着く例です。

買収後存続2026年10月8日時点

2025年10月15日に株式交付の効力が発生し、94.2%を取得しました。その後も社名のまま子会社として新サービスを出しています。

確認元:簡易株式交付による株式会社SOBAプロジェクトの子会社化の結果および株式会社SOBAエデュケーションの孫会社化に関するお知らせ

出典:株式譲渡契約および簡易株式交付による株式会社SOBAプロジェクトの子会社化および株式会社SOBAエデュケーションの孫会社化に関するお知らせ

2024年8月22日株式譲渡(完全子会社化)。孫会社ジーアイエヌ(キッティング)も同時に取得

株式会社JCNT

海外・国内Wi-Fiなど法人向け通信機器レンタル(屋号「Transfone」)/東京都千代田区/2003年3月設立

取得価額
―
対象の売上
7億6,800万円
対象の営業利益
3,300万円
対象の純資産
3,200万円

決算期:2023年12月期/譲渡前の株主:株式会社グラシアスが100%保有(代表者はJCNTと同じ松本崇氏)/非開示。「2023年7月期の純資産の15%以上」。同期末の連結純資産6億4,300万円の15%=約9,600万円を上回ると読める。代金は、売り手がJCNTから借りていたお金の引き継ぎと、買い手がJCNTから借りたお金などで払うと開示

買収理由:情報通信サービス事業への参入による事業の多角化

設立2003年、売上7億6,800万円・営業利益3,300万円・純資産3,200万円。純資産はマイナス2,800万円から2年でプラスに戻したところでした。代金の払い方が珍しい案件です。売り手の親会社がJCNTから借りていたお金を買い手が引き継ぎ、さらに買い手がJCNTから借りたお金で決済しています。買われる会社の手元資金が、実質的に買収代金に回っている形です。

買収後存続2026年10月8日時点

社名のまま子会社として残り、2026年9月の開示でもグループの既存事業の一つとして挙げられています。

確認元:貸倒引当金、商品評価損および減損損失の計上、2026年7月期通期連結業績予想の修正および2027年7月期通期連結業績予想に関するお知らせ

出典:株式会社JCNTの全株式の取得(完全子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ

2024年6月28日事業譲受(子会社の売れる越境EC社が取得。負債は引き継がない)

株式会社アクセスブライトの中国越境EC事業

中国向けECショップの構築・販売、中国SNSの運営代行、中国でのマーケティング支援/東京都中央区/譲渡会社は2011年9月設立設立

取得価額
1億2,000万円
対象の売上
7,600万円
対象の営業利益
5,600万円
対象の純資産
―

決算期:2023年12月期(事業単位)/譲渡前の株主:譲渡会社の筆頭株主は柏口之宏氏(39.6%)/現金による支払い。譲受資産は倉庫連携システム

買収理由:中国市場向けのEC・マーケティング支援への参入

売上7,600万円・営業利益5,600万円という、利益率7割を超える事業を1億2,000万円で譲り受けた案件です。営業利益の2.1倍にあたります。ただしその後、買い手は2026年7月期に、この事業ののれん約7,000万円を減損しています。越境EC事業の売上は、中国でのライブ配信の準備に想定以上の時間がかかったことなどで計画を下回っていました。

買収後存続2026年10月8日時点

事業は子会社の売れる越境EC社で続いていますが、2026年7月期にこの事業に関するのれん約7,000万円が減損されました。

確認元:貸倒引当金、商品評価損および減損損失の計上、2026年7月期通期連結業績予想の修正および2027年7月期通期連結業績予想に関するお知らせ

出典:「中国越境EC事業」の事業譲渡契約締結に関するお知らせ

2024年2月6日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社オルリンクス製薬

化粧品・サニタリー用品・健康食品のネット通販(D2C)/愛知県名古屋市/2018年7月設立

取得価額
1円
対象の売上
3億4,000万円
対象の営業利益
3,400万円
対象の純資産
△2,200万円

決算期:2023年6月期/譲渡前の株主:個人1名(北川 雅人)が100%保有/取得価額は1円。アドバイザリー費用等1百万円は別

買収理由:ネット通販(D2C)事業への参入と、通販マーケティングの知見の取り込み

売上3億4,000万円・営業利益3,400万円ですが、純資産マイナス2,200万円の債務超過で、取得価額は1円でした。債務超過はマイナス8,800万円→マイナス5,700万円→マイナス2,200万円と縮んでいる途中です。営業黒字でも、債務超過が残っていれば株の値段は付きにくいという例です。ただし同じオーナーのグルプスは同じ日に3億2,000万円で売れており、オーナーの手取りとしては2社合わせて決まったと見るべき案件です。

買収後吸収合併2026年10月8日時点

2025年1月1日にグルプス(現オルクス株式会社)に吸収合併され、法人としては消滅しました。

確認元:連結子会社間の合併及び存続会社の商号変更に関するお知らせ

出典:株式会社オルリンクス製薬の全株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ

2024年2月6日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社グルプス

Web広告の運用代行/愛知県名古屋市/2016年11月設立

取得価額
3億2,000万円
対象の売上
4億5,200万円
対象の営業利益
△1,400万円
対象の純資産
1,000万円

決算期:2023年7月期/譲渡前の株主:個人1名(北川 雅人)が100%保有/取得価額は319,999,999円。アドバイザリー費用等18百万円は別。同じオーナーのオルリンクス製薬(1円)と同日に取得しており、2社の合計がちょうど3億2,000万円になる/単体の数値。オルリンクス製薬に計上されていた広告関連の売上を移した参考値では、売上5億3,500万円・営業利益5,200万円

買収理由:マーケティング支援サービスの強化と、健康食品・化粧品以外の業界への展開

単体では売上4億5,200万円・営業損失1,400万円・純資産1,000万円。同じオーナーが持つオルリンクス製薬との間で売上の付け替えがあり、整理し直した参考値では営業利益5,200万円と開示されています。取得価額は319,999,999円、関連会社のオルリンクス製薬は1円。2社まとめて3億2,000万円という値付けで、価値の付け方を片方の会社に寄せたことが数字からはっきり読めます。

買収後社名変更2026年10月8日時点

2025年1月1日にオルリンクス製薬を吸収合併し、「オルクス株式会社」に商号を変更しました。

確認元:連結子会社間の合併及び存続会社の商号変更に関するお知らせ

出典:株式会社グルプスの全株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された6件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社ライト1円(売上の0.00倍・営業利益の0.0倍)
  • 株式会社Step y's2億6,400万円(売上の0.87倍・営業利益の88.0倍)
  • パロットビーク株式会社2億7,600万円(売上の0.19倍・営業利益の46.0倍)
  • 株式会社アクセスブライトの中国越境EC事業1億2,000万円(売上の1.58倍・営業利益の2.1倍)
  • 株式会社オルリンクス製薬1円(売上の0.00倍・営業利益の0.0倍)
  • 株式会社グルプス3億2,000万円(売上の0.71倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは売れるネット広告社グループ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月8日