GMOプロダクトプラットフォーム株式会社のM&A実績
「プロダクトを承継し、UXを改善し続けることで、ユーザーの課題を解決する」をミッションに掲げ、会社ではなく「プロダクト(アプリ・サービス)」を引き継ぐことを事業の柱にしている会社です。外部から買った3件はいずれもポイントやアプリまわりのサービスで、スタートアップの創業者、ベンチャー企業、サイバーエージェントの一事業部門と、売り手の顔ぶれは幅があります。
GMOプロダクトプラットフォーム株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都渋谷区
- 設立
- 2002年4月
- 事業内容
- ポイント機能を土台に、ほかの会社が手放すアプリやサービスを引き継いで育てる「プロダクト承継」を行うGMOインターネットグループの持株会社。旧GMOリサーチで、アンケート調査(GMOリサーチ&AI)とフリーWi-Fiアプリ(GMOタウンWiFi)が主力
- 売上高
- 68億1,800万円(2025年12月期(連結))
- 営業利益
- 3億4,000万円
- 純資産
- 24億5,500万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- ポイントサービス(ポイント交換・ポイント運用)/ポイントがたまるスマホアプリ/アンケート・リサーチのパネル(会員基盤)
- 対象の規模
- 対象の売上 約6,200万円(事業)〜3.7億円(ドットマネー事業は売上非開示)
- 手法
- 事業譲受(アプリやサービスだけを引き取る)が中心。会社ごと買う場合は株式譲渡で、100%ではなく81%の取得にとどめた例もある
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 会社ごと買った場合は法人を残し、社名に「GMO」を冠して代表を買い手の社長が兼ねる形をとっています(STOCK POINT→GMO STOCK POINT)。事業だけを買った場合は、グループ会社の事業として引き継がれます。
- ポイントを抱えた事業の引き取りに慣れています。CASHMARTもドットマネーも、ユーザーに付与済みのポイント(ポイント負債)ごと引き継いでいます。ポイント制度を持つアプリやサービスは、負債の扱いが売却の壁になりやすい分野です
- 0円での事業譲受があります。ドットマネー事業は譲受価額0円で、引き継ぐ資産とポイント負債が同額になるよう組まれていました
- 赤字の会社も買っています。STOCK POINTは直近2期連続の営業赤字でしたが、純資産の約2.5倍にあたる5億4,700万円で81%を取得しました
- グループ内の取引も多い会社です。2025年4月のGMOタウンWiFiとの経営統合(株式交換)や、同年11月のGMOプレイアドの取得(0円)はいずれもGMOインターネットグループ内の再編のため、この一覧には入れていません
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社サイバーエージェントの『ドットマネー事業』
ポイント交換プラットフォーム「ドットマネー」、ポイント発行・管理サービス「ドットポイント」ほか/東京都渋谷区
- 取得価額
- 1円未満
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社サイバーエージェント(上場企業)の一事業部門/譲受価額0円(無償)。当事者間の協議で決定し、金銭の授受はなし。譲り受ける資産(ソフトウェア等)と引き継ぐ債務(ポイント負債等)は同額の予定で、のれんは発生しない見込み/サイバーエージェントの一事業部門で、事業単独の業績を区分できないため非開示
買収理由:グループのプラットフォームの土台であるポイント交換機能の強化
年間ポイント流通額約180億円、累計口座開設数約3,500万件、ポイント交換元約180社という規模の事業ですが、値段は0円でした。譲渡の時点で、システムへの不正アクセスにより2026年6月8日からサービスが止まっており、譲受後にセキュリティ対策を施して再開する段取りが開示に書かれています。利用者に負っているポイントの債務ごと引き取ってもらう形で、資産と負債が同額になるよう組まれています。止まっている事業や、負債を抱えた事業でも、引き継ぎ先が見つかれば「0円で手放して債務から離れる」という出口があることを示す例です。
2026年8月10日に事業譲受が完了し、GMOタウンWiFiの事業として引き継がれています。法人ではなく事業を譲り受けた案件で、その後の再譲渡の開示はありません。
STOCK POINT株式会社
株価連動型ポイント運用システムの開発・提供/東京都港区/2016年9月設立
- 取得価額
- 5億4,700万円
- 対象の売上
- 3億7,400万円
- 対象の営業利益
- △2億3,200万円
- 対象の純資産
- 2億1,500万円
決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:株式会社クレディセゾン24.9%、創業者の土屋清美22.4%、土屋氏の資産管理会社KITS 6.2%ほか個人・法人/アドバイザリー費用等12百万円(概算)を加えた合計は559百万円。当初は53.6%を361百万円で取得すると開示し、実行日までに他の株主からも買い増して81.0%・547百万円で確定。1株あたりは当初・確定とも約42万円で同水準(計算値)。取得資金は三井住友銀行からの借入564百万円(5年)
買収理由:株価連動型ポイント運用をグループのプラットフォームの機能に組み込み、パネル会員を持つ企業などへの提案で収益性を改善する
売上3億7,400万円に対し、営業利益は2,800万円の黒字から、マイナス1億6,600万円→マイナス2億3,200万円と2期連続の赤字でした。純資産も4億6,700万円から2億1,500万円へ減っています。開示文には「金融機関を中心とした限定的な提供体制では、収益力を十分に高めることが困難」と、売り手側の行き詰まりがそのまま書かれています。それでも81%で5億4,700万円、純資産の約2.5倍の値段がついており、赤字でも技術や仕組みに使い道があれば評価される例です。創業者は譲渡後も取締役として残っています。
2025年12月26日に81.0%の取得が完了。2026年2月1日付で「GMO STOCK POINT株式会社」に商号変更し、代表取締役社長には買い手の荻田剛大社長が就任、創業者の土屋清美氏は取締役になりました(2026年1月21日開示の『連結子会社の商号変更及び代表取締役の異動に関するお知らせ』)。公式サイトのグループ会社一覧に新社名で載っています。
株式会社SNOWBALLの「CASHMART」事業
ポイントがたまるスマホアプリ「CASHMART」(ユーザー約50万人)/東京都新宿区/譲渡会社は2020年1月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 6,200万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2022年12月期/譲渡前の株主:株式会社SNOWBALL(代表の本村優揮氏が79.9%保有)/守秘義務契約に基づき非開示。第三者機関の評価算定報告を入手し、将来の収益の見積りも考慮して相手先と協議して決定。適時開示基準に該当しない規模での任意開示/2022年12月期の対象事業の売上高(約62百万円、税込み)
買収理由:アンケートモニター(パネル)の拡大と会員の定着率向上
売上約6,200万円のアプリ1本だけを、設立4年目の会社から引き取った案件です。譲渡したSNOWBALLは飲食店経営や結婚仲介なども手がける会社で、事業の一つだったアプリを切り出して売っています。買い手が評価したのは売上より約50万人のユーザーとアンケートの仕組みでした。会社を丸ごと売らなくても、会員を抱えたアプリやサービスだけを手放す道があることを示しています。開示義務のない規模でも、上場企業が任意で開示を出しています。
2024年1月9日に譲受予定として開示され、法人ではなく事業を当時のGMOリサーチが譲り受けた案件です。その後の持株会社化に伴う事業の帰属先と、アプリの現在の提供状況は開示で確認できていません(再譲渡や撤退の開示もありません)。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社サイバーエージェントの『ドットマネー事業』1円未満
- STOCK POINT株式会社5億4,700万円(売上の1.46倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはGMOプロダクトプラットフォーム株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日