4720東証スタンダード

株式会社城南進学研究社のM&A実績

学習塾の会社ですが、買っているのは塾ではなく保育園、英語教室、幼児教室、スポーツクラブです。「乳幼児から社会人まで」を一社でカバーする方針で、周辺の事業を一つずつ足してきました。2026年からの中期経営計画でも「保育園事業の成長」を重点戦略に掲げ、保育事業を学習塾に続く「第2の柱」として、小規模保育園を続けて買っています。売り手の大半は、株式を100%持つ創業者個人です。

株式会社城南進学研究社が公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
神奈川県川崎市
設立
―
事業内容
個別指導塾「城南コベッツ」、映像授業教室、乳幼児教育「Kubotaのうけん」、保育園、デジタル教材などを手がける総合教育サービス会社。子会社でスポーツクラブも運営
売上高
56億2,100万円(2026年3月期(連結))
営業利益
7,700万円
純資産
13億9,300万円

どんな会社を買っているか

買う業種
小規模認可保育園・認可外保育園/英語学童保育・英会話スクール/乳幼児向け教室/スポーツクラブ・スイミングクラブ
対象の規模
対象の売上 0.64億円〜3.61億円
手法
株式譲渡(子会社化)。原則100%取得だが、英会話スクールのアイベックは70%のみ取得
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残す形で開示されています。2015年に買った久ケ原スポーツクラブは、10年後の2026年3月期決算短信でも子会社として名前が出ています。そのほかの会社について、合併や商号変更の開示は確認できていません。
  • 取得価額が出ているのは8件中2件(久ケ原スポーツクラブ7億4,000万円、JBSナーサリー1億5,000万円)です。2018年以降はすべて「相手先の意向により開示を差し控える」とされています
  • 非開示の案件でも、毎回「第三者機関の価格算定に基づき決定」と書かれています。社内の目分量ではなく、外部の評価を通して値段を決めている会社です
  • 債務超過の会社も買っています。Trester(純資産マイナス699万円)とJBSナーサリー(同マイナス2,100万円)は、いずれも直前期に営業黒字へ戻した時点での譲渡でした
  • 対象の業績は3期分が毎回開示されています。売上数千万円〜数億円の小さな会社でも、数字がそろって公表されるので比べやすい買い手です

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年5月20日株式譲渡(完全子会社化)

有限会社吉祥

小規模認可保育園4園の運営(埼玉県・東京都)/埼玉県新座市/2000年5月設立

取得価額
―
対象の売上
2億3,800万円
対象の営業利益
2,300万円
対象の純資産
4,700万円

決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:個人1名(後藤 泰秀)が100%保有/相手先の意向により非開示。第三者機関の価格算定に基づき決定

買収理由:保育事業を学習塾に続く「第2の柱」とし、M&Aで規模を広げる

売上2億3,824万円・営業利益2,340万円・純資産4,666万円。売上は1億4,359万円→1億9,296万円→2億3,824万円、純資産は1,781万円→2,945万円→4,666万円と、3期続けて伸びている最中の譲渡です。4園とも駅近で「定員満員での運営を継続」と開示されており、園の数が少なくても、立地と稼働率がそろっていれば買い手の目に留まることが分かります。有限会社・資本金300万円でも、上場企業への100%譲渡が成立しています。

買収後存続2026年10月13日時点

2026年5月26日に株式譲渡を実行する予定として開示されています。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:有限会社吉祥の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:有限会社吉祥の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2020年5月15日株式譲渡(完全子会社化)

Trester株式会社

英語学童保育「トレスターインターナショナルアフタースクール」の運営(複数教室)/神奈川県川崎市/2013年2月設立

取得価額
―
対象の売上
1億7,200万円
対象の営業利益
1,500万円
対象の純資産
△700万円

決算期:2019年12月期/譲渡前の株主:個人1名(川村 るみ子)が100%保有/相手先の意向により非開示。第三者機関の価格算定に基づき決定

買収理由:英語教育事業の拡大。英語環境の学童保育のノウハウを取り込む

売上1億7,167万円・営業利益1,459万円・純資産マイナス699万円の債務超過でした。純資産はマイナス1,321万円→マイナス2,213万円→マイナス699万円と3期とも債務超過でしたが、営業利益はマイナス130万円→266万円→1,459万円と立ち直り、売上も3期で1.5倍に伸びていました。債務超過が残っていても、本業が伸びて黒字に戻っていれば買い手は付きます。

買収後存続2026年10月13日時点

2020年5月15日に株式譲渡を実行したと開示されています。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:Trester株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:Trester株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2019年9月26日株式譲渡(完全子会社化)

Cheer plus株式会社

認可外保育園「サニーキッズインターナショナルアカデミー」(プリスクール・アフタースクール)の運営/東京都世田谷区/2015年7月設立

取得価額
―
対象の売上
6,400万円
対象の営業利益
600万円
対象の純資産
900万円

決算期:2019年6月期/譲渡前の株主:個人1名(井上 愛美)が100%保有/相手先の意向により非開示。第三者機関の価格算定に基づき決定

買収理由:保育園・英語教室など乳幼児教育事業の拡大

この会社の案件で最小です。売上6,426万円・営業利益569万円・純資産870万円。設立4年、売上は1,043万円→3,347万円→6,426万円と毎年倍近く伸びていました。売上1億円に届かない、1施設だけの会社でも上場企業に売れています。創業から短期間で事業を形にして手放す、という出口の例でもあります。

買収後存続2026年10月13日時点

2019年9月26日に株式譲渡を実行したと開示されています。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:Cheer plus株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:Cheer plus株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年12月26日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社主婦の友リトルランド

乳幼児・児童向け教室(こども英語クラブ、クボタメソッド能力開発教室など)の運営、関連書籍の出版/東京都千代田区/2005年6月設立

取得価額
―
対象の売上
1億5,800万円
対象の営業利益
△400万円
対象の純資産
4,500万円

決算期:2018年3月期/譲渡前の株主:株式会社主婦の友社(出版社)が100%保有/相手先の意向により非開示。第三者機関の価格算定に基づき決定

買収理由:同じ「くぼた式育児法」をもとに別々に展開していた幼児教室を一本化する(「ワン・くぼた」)

売上1億5,802万円・営業損失428万円・純資産4,455万円。営業利益はマイナス1,030万円→96万円→マイナス428万円と、3期のうち2期が赤字でした。売り手は出版社の主婦の友社で、事業部を独立させた子会社を手放した形です。同じ教育法で競合していた相手に渡すことで、赤字の事業にも引き受け手が付きました。似た事業をしている同業は、いちばん有力な買い手候補になります。

買収後存続2026年10月13日時点

2019年1月11日に株式譲渡を実行する予定として開示されています。開示の時点で「事業統合を前提として」と書かれていますが、その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社主婦の友リトルランドの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社主婦の友リトルランドの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年9月25日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社フェアリィー

0〜2歳児向け小規模保育園9園の運営(埼玉県)/埼玉県越谷市/2015年1月設立

取得価額
―
対象の売上
3億6,100万円
対象の営業利益
2,700万円
対象の純資産
5,200万円

決算期:2018年3月期/譲渡前の株主:個人1名(玉居子 高敏)が100%保有/相手先の意向により非開示。第三者機関の価格算定に基づき決定

買収理由:既存の保育事業(JBSナーサリー)とのシナジーで保育事業の拡大を加速する

売上3億6,100万円・営業利益2,700万円・純資産5,200万円。この会社の案件で売上が最大です。設立からわずか3年余りで9園まで増やし、売上は3,500万円→2億4,100万円→3億6,100万円と急拡大していました。資本金100万円の会社です。開示では「保育士の研修・育成システム」が評価点として挙げられており、保育園は園の数だけでなく、人を育てる仕組みも値段の材料になります。

買収後存続2026年10月13日時点

2018年9月25日に株式譲渡を実行したと開示されています。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社フェアリィーの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社フェアリィーの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2018年8月27日株式譲渡。発行済株式の70%のみを取得(全部ではない)

株式会社アイベック

企業向けビジネス英語研修、英会話スクール(ビジネス英語・TOEIC講座)の運営/東京都文京区/2006年7月設立

取得価額
―
対象の売上
2億1,100万円
対象の営業利益
1,000万円
対象の純資産
3,700万円

決算期:2017年12月期/譲渡前の株主:プトラ リノ50%、久野 寛子40%、安井 聖人10%(個人3名)/株式取得の相手先との守秘義務契約により非開示。第三者機関の価格算定に基づき決定

買収理由:社会人向け英語教育への本格進出

売上2億1,100万円・営業利益1,000万円・純資産3,700万円。営業利益は0円→400万円→1,000万円と、利益はまだ薄い段階でした。買われたのは70%だけで、30%は売り手側に残っています。株主3名から合わせて70%を譲り受ける形で、全員が全部を手放さなくても譲渡は成立します。この会社にとって初めての社会人向け事業で、買い手が持っていない顧客層を持っていることが評価された例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2018年8月27日に株式譲渡を実行したと開示されています。残る30%の取得や、商号変更・合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社アイベックの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社アイベックの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2017年3月27日株式譲渡(完全子会社化)

JBSナーサリー株式会社

0〜2歳児向け小規模保育園7か所の運営(東京1・千葉5・福岡1)/東京都中央区/2012年1月設立

取得価額
1億5,000万円
対象の売上
2億4,900万円
対象の営業利益
2,200万円
対象の純資産
△2,100万円

決算期:2016年3月期/譲渡前の株主:JBSホールディングス株式会社(空港地上サービス会社)が100%保有/株式取得額150百万円

買収理由:保育事業への本格参入

取得価額1億5,000万円。売上2億4,900万円・営業利益2,200万円・純資産マイナス2,100万円の債務超過でした。営業利益はマイナス3,000万円→マイナス1,600万円→2,200万円で、認可保育園になった年に初めて黒字化しています。営業利益の約6.8倍、債務超過でも1億5,000万円の値段が付きました。売り手は本業が空港の地上サービスの会社で、「経営資源の集中」のために保育事業を手放しています。本業と離れた子会社は、その事業を伸ばしたい会社に渡すと値段が付きやすくなります。

買収後存続2026年10月13日時点

2017年5月1日に株式譲渡を実行する予定として開示され、2018年9月のフェアリィー取得の開示でも子会社として言及されています。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社フェアリィーの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:JBSナーサリー株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2015年11月5日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社久ヶ原スポーツクラブ

スイミングクラブ・スポーツジムの運営(会員2,700名超)。バレエ、ダンス、囲碁、茶道などの教室も/東京都大田区/1980年6月設立

取得価額
7億4,000万円
対象の売上
2億8,700万円
対象の営業利益
4,100万円
対象の純資産
4億1,800万円

決算期:2015年3月期/譲渡前の株主:松山 洪植氏ほか親族計5名が100%保有/株式取得額740百万円

買収理由:健康増進事業への参入

取得価額7億4,000万円。この会社の案件で最大です。売上2億8,700万円・営業利益4,100万円・純資産4億1,800万円。純資産の約1.8倍、営業利益の約18倍の値段です。売上は3億3,800万円から2億8,700万円に減っていましたが、純資産が厚く、創業35年・会員2,700名超という地域での地盤が評価されました。株主は社長と親族の計5名で、全員から買い取っています。売上が下がり気味でも、長く積み上げた資産と顧客基盤があれば高く売れます。

買収後存続2026年10月13日時点

2026年3月期決算短信で「子会社である株式会社久ケ原スポーツクラブ」としてスポーツ事業の状況が説明されており、取得から10年後も社名のまま子会社として残っています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社久ヶ原スポーツクラブの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • JBSナーサリー株式会社1億5,000万円(売上の0.60倍・営業利益の6.8倍)
  • 株式会社久ヶ原スポーツクラブ7億4,000万円(売上の2.58倍・営業利益の18.0倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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