3927東証スタンダード

株式会社フーバーブレインのM&A実績

「エンジニア集団の構築」を掲げ、社員数十人規模のIT人材会社を個人オーナーから続けて買っている会社です。中期経営計画(2030年3月期に調整後売上高150億円・調整後営業利益15億円)の実現手段として「継続的なM&A」を明記しています。対象は売上1億円台〜5億円台、従業員1名〜60名ほどの会社で、取得価額をほぼ毎回開示しているのが特徴です。

株式会社フーバーブレインが公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都千代田区
設立
2001年5月
事業内容
サイバーセキュリティ製品と働き方改革ツールの開発・販売を軸に、SES・受託開発、採用支援・人材紹介、投資事業をグループで手がける会社
売上高
56億4,100万円(2026年3月期(連結))
営業利益
2億300万円
純資産
23億1,700万円

どんな会社を買っているか

買う業種
SES・受託開発(IT人材の派遣・常駐)/未経験者を育成してIT人材にする教育型SES/採用広告・人材紹介・採用代行(RPO)/生成AIの開発・コンサルティング/モバイル通信・固定回線ネットワークの施工
対象の規模
対象の売上 0.67億円〜5.04億円
手法
株式譲渡が中心。最初に51〜70%だけを買い、残りは後から買い取る形が多い。対価の一部を自社株(自己株式の処分)で払うこと、株式交換で残りを取得することもある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。2026年3月期の有価証券報告書では、2021年以降に買った会社がすべて連結子会社として並んでいます。ARPEGGIOは株式会社Asembleに社名が変わりました。売り手の社長が経営を続け、残りの株を後から買い取る流れが繰り返されています。
  • 取得価額は8件中8件で開示されています。最小はCONVICTIONの70%分で6,900万円、最大はイチアールの51.4%分で3億6,000万円です。アドバイザリー費用の概算額まで別に書かれています
  • 「まず51%、残りは後で」が定番です。イチアールとARPEGGIO(現Asemble)は、最初の契約で残りの株を買い取る内容まで決めておき、イチアールは9か月後、ARPEGGIOは1年あまり後に100%にしています
  • 代金の一部を同社の株で受け取る形があります。CONVICTION、イチアール、フィールドテックでは、売り手が現金に加えてフーバーブレイン株を受け取っています。フィールドテックの売り手は、2027年3月期の決算発表までその株を売らないことに同意しています
  • 赤字の会社も買っています。アド・トップは2期連続の営業赤字、ARPEGGIOは直前期に債務超過の状態でした
  • 子会社化のあとに、買った会社の社長と同社の社長の対談動画を開示で告知することがあります(Youth Planet、ProofX)

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年4月24日株式譲渡で発行済株式の51.0%を取得(子会社化)。代金の一部を自社株で支払い

フィールドテック株式会社

モバイル通信・固定回線ネットワークの施工、ITソリューション/東京都墨田区/1995年2月設立

取得価額
2億300万円
対象の売上
5億400万円
対象の営業利益
3,000万円
対象の純資産
2億600万円

決算期:2025年7月期/譲渡前の株主:千葉和夫85.50%、千葉秀美11.00%、池間丈浩2.50%、平井洋一1.00%(個人4名)/51.0%(102株)の取得価額。うち92株は現金184百万円、残り10株はフーバーブレイン株19,493株(約20百万円相当)を渡す形。アドバイザリー費用等27百万円を加えた合計は231百万円。外部専門家のデューデリジェンスと株式価値評価を踏まえて決定

買収理由:AIエージェントの普及で通信インフラの再構築需要が伸びるとみて、大手通信キャリアと30年取引してきた施工会社を取り込む

創業30年、従業員9名。売上5億400万円・営業利益3,000万円・純資産2億600万円で、3期とも黒字・配当を続けていました。社長は株の49%を持ったまま残り、さらにフーバーブレイン株を受け取ってグループの業績目標を共有する形です。開示文には、大手通信キャリア(ソフトバンクグループ等)と30年にわたり取引を続けてきたことが評価点として書かれています。従業員が1桁でも、長い取引実績そのものが売り物になります。

買収後存続2026年10月9日時点

現金決済は2026年4月30日、自社株の受け渡しは2026年5月26日(同日に払込完了を開示)。2026年3月期の有価証券報告書にも「2026年5月26日付で株式の取得を完了し、子会社化」と記載されています。

確認元:フィールドテック株式会社の株式の取得(連結子会社化)及び第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ

出典:フィールドテック株式会社の株式の取得(連結子会社化)及び第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ

2026年3月13日株式譲渡で発行済株式の51.0%を取得(子会社化)。創業者は買い手のCAIOに就任

株式会社ProofX

生成AIを活用した業務改革コンサルティング、AIソリューションの開発・提供/東京都渋谷区/2022年5月設立

取得価額
3億600万円
対象の売上
6,700万円
対象の営業利益
5,200万円
対象の純資産
4,300万円

決算期:2025年9月期/譲渡前の株主:個人1名(夏目 亮太)が100%保有/51.0%(5,100株)の取得価額。アドバイザリー費用等31百万円を加えた合計は337百万円。外部専門家によるDCF法の株式価値評価を踏まえて決定

買収理由:AIのコア技術と開発の中枢を取り込み、自社製品のAIエージェント化を進める。創業者をCAIO(チーフAIオフィサー)に迎える

従業員1名、売上6,700万円の会社に、51%で3億600万円の値段がついています。営業利益は5,200万円(利益率78%)で、前の期の売上1,800万円から急伸していました。開示文の大半は創業者の経歴(国際会議での受賞、論文の引用数)の説明に割かれており、買われたのは会社というより創業者その人だと読めます。創業者は買い手の経営陣(CAIO)に入りました。子会社化の後、創業者と同社社長の対談動画、IRインタビュー動画が相次いで開示されています。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年3月25日に取得実行予定として開示され、その後5月にも「子会社化に関するIRインタビュー動画」が開示されています。2026年3月期の有価証券報告書の関係会社一覧にも、議決権51.0%の連結子会社として載っています。

確認元:株式会社ProofX子会社化に関するIRインタビュー動画公開のお知らせ

出典:株式会社ProofXの株式の取得(連結子会社化)及び重要な人事に関するお知らせ

2026年2月13日株式譲渡で発行済株式の51.0%を取得(子会社化)

株式会社Youth Planet

中途・新卒の人材紹介、RPO(採用代行)、人材紹介会社向けコンサルティング/東京都台東区/2014年7月設立

取得価額
2億400万円
対象の売上
1億6,900万円
対象の営業利益
800万円
対象の純資産
1億3,900万円

決算期:2025年6月期/譲渡前の株主:個人1名(堀田 誠人)が100%保有/51.0%(561,000株)の取得価額。アドバイザリー費用等26百万円を加えた合計は230百万円。外部専門家によるDCF法の株式価値評価を踏まえて決定

買収理由:既存子会社アド・トップの採用広告と組み合わせ、「採用広告+人材紹介+RPO」を一気通貫で提供する。グループ自身の採用力も高める

売上1億6,900万円・営業利益800万円・純資産1億3,900万円。売上は2億5,200万円→2億3,100万円→1億6,900万円と2期続けて減っていました。それでも51%で2億400万円がついています。開示文は、新卒学生向けの面接練習サービス「Sokumee」(累計ユーザー3万7,000人超)や採用代行のノウハウを「グループに欠けていたピース」と書いています。売上が落ちていても、買い手の手持ちの事業とつながる仕組みがあれば評価されます。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年2月20日に取得実行予定として開示され、4月に「子会社化に関する対談動画」が開示されています。2026年3月期の有価証券報告書の関係会社一覧にも、議決権51.0%の連結子会社として載っています。

確認元:株式会社Youth Planet子会社化に関する対談動画公開のお知らせ

出典:株式会社Youth Planetの株式の取得(連結子会社化)に関するお知らせ

2024年9月30日株式譲渡で発行済株式の51.7%を取得(子会社化)。残り48.3%は2025年12月に追加取得し完全子会社化

株式会社ARPEGGIO(現 株式会社Asemble)

未経験者を3か月で育成するSES、教育事業/東京都目黒区/2022年10月設立

取得価額
1億300万円
対象の売上
1億1,600万円
対象の営業利益
2,700万円
対象の純資産
1,900万円

決算期:2024年9月期第3四半期累計/譲渡前の株主:都築崇90.0%、株式会社MAISON MARC 10.0%/51.7%(31株)の取得価額。アドバイザリー費用等16百万円を加えた合計は119百万円。外部専門家によるDCF法の株式価値評価を踏まえて決定。残る48.3%(29株)は、最初の契約の定めに基づき2025年12月19日に145百万円で取得/2024年9月期第3四半期までの累計。前期(2023年9月期)の売上は29百万円

買収理由:未経験者を戦力IT人材に育てる独自メソッドと採用力を取り込み、「採用」「教育」「営業」「運営」の各段階に強みを持つIT人材会社4社をそろえる

創業2期目の会社です。前期(2023年9月期)は売上2,900万円・営業損失1,000万円・純資産マイナス700万円の債務超過でした。それが進行期の9か月で売上1億1,600万円・営業利益2,700万円まで伸び、延べ8,500人超の入社希望者を集めた採用力が評価されています。最初の51.7%は1億300万円、残り48.3%は1年あまり後に1億4,500万円。後から売った残りの株のほうが、持分あたりで高く売れています。

買収後社名変更2026年10月9日時点

株式会社Asembleに社名変更。2025年12月19日に残りの株を取得して完全子会社になりました(追加取得の開示で、設立日・資本金がARPEGGIOと一致)。同社公式サイトのグループ会社欄にAsembleとして載っています。

確認元:連結子会社株式の追加取得による完全子会社化に関するお知らせ

出典:株式会社ARPEGGIOの株式の取得(連結子会社化)に関するお知らせ

2024年9月30日株式譲渡で発行済株式の51.4%を取得(子会社化)。代金の一部を自社株で支払い。残り48.6%は2025年6月に追加取得し完全子会社化

イチアール株式会社

SES・受託開発、フリーランスIT人材事業/東京都渋谷区/2020年3月設立

取得価額
3億6,000万円
対象の売上
5億100万円
対象の営業利益
4,900万円
対象の純資産
1億6,800万円

決算期:2024年2月期/譲渡前の株主:個人1名(奥秋 敦史)が100%保有/51.4%(36株)の取得価額。うち27株は現金270百万円、残り9株はフーバーブレイン株122,700株(約90百万円相当)を渡す形。アドバイザリー費用等19百万円を加えた合計は379百万円。残る48.6%(34株)は、最初の契約の定めに基づき2025年6月30日に348百万円で取得

買収理由:独自のパートナー網による案件獲得力と、自動化・省力化した事業運営のノウハウを取り込み、「エンジニア集団の構築」を進める

売上5億100万円・営業利益4,900万円・純資産1億6,800万円。創業1期目から黒字でしたが、営業利益は1億600万円→6,100万円→4,900万円と下がっている局面での譲渡でした。取得は2段階です。まず51.4%を3億6,000万円(うち約9,000万円は買い手の株)で売り、残り48.6%は9か月後に3億4,800万円で売っています。2回目の買い取りは最初の契約に書かれていたもので、合計は7億800万円になりました。全部を一度に売らず、残りを後から買い取ってもらう約束を先に結んでおく進め方の実例です。

買収後存続2026年10月9日時点

2025年6月30日に残りの株を取得して完全子会社になりました。同社公式サイトのグループ会社欄に社名が載っており、2026年3月期の有価証券報告書でも議決権100%の連結子会社です。

確認元:連結子会社株式の追加取得による完全子会社化に関するお知らせ

出典:IT人材ビジネス企業2社の子会社化について

2024年2月26日株式譲渡で発行済株式の70.0%を取得(子会社化)。代金の一部を自社株で支払い

株式会社CONVICTION

未経験者を育成するSES、受託開発/東京都渋谷区/2020年3月設立

取得価額
6,900万円
対象の売上
2億2,800万円
対象の営業利益
1,600万円
対象の純資産
1,100万円

決算期:2023年2月期/譲渡前の株主:椛山隆文45.0%、森村有希央35.0%、葉倉歩20.0%(個人3名)/70.0%(210株)の取得価額。うち180株は現金60百万円、残り30株はフーバーブレイン株13,800株(約10百万円相当)を渡す形。アドバイザリー費用等17百万円を加えた合計は87百万円

買収理由:未経験者を短期間で戦力IT人材に育てる独自の教育カリキュラムを取り込み、「エンジニア集団の構築」を進める

この会社の案件で最小の6,900万円(70%分)です。売上2億2,800万円・営業利益1,600万円・純資産1,100万円。前々期は純資産マイナス200万円の債務超過でしたが、売上1,900万円→1億2,400万円→2億2,800万円と伸ばしていました。株主3名のうち社長を含む2名は、現金に加えてフーバーブレイン株を受け取っています。純資産が薄い創業4期目の会社でも、人を育てる仕組みがあれば上場企業に売れます。

買収後存続2026年10月9日時点

同社公式サイトのグループ会社欄に社名が載っています。2026年3月期の有価証券報告書でも議決権70.0%の連結子会社で、残り30%の追加取得の開示はありません。

確認元:株式会社フーバーブレイン 公式サイト(GROUP COMPANY)

出典:株式会社CONVICTIONの子会社化について

2022年11月28日株式譲渡で発行済株式の99.1%を取得(子会社化)

株式会社アド・トップ

求人広告代理店を祖業とする採用コンサルティング、有料職業紹介/東京都渋谷区/1985年5月設立

取得価額
9,900万円
対象の売上
4億5,000万円
対象の営業利益
△6,600万円
対象の純資産
1億円

決算期:2022年3月期/譲渡前の株主:株式会社ミロク情報サービス(上場企業)99.1%、社長0.9%/99.1%(570株)の取得価額。アドバイザリー費用等4百万円を加えた合計は103百万円

買収理由:37年の社歴に裏付けられた採用ノウハウを取り込み、グループのIT人材採用を強化する。人事担当者向けに自社の働き方改革ツールを売る経路にもする

売上4億5,000万円・純資産1億円で、営業損益は3,600万円の黒字→5,600万円の赤字→6,600万円の赤字と2期続けて赤字でした。売り手は会計ソフトのミロク情報サービスで、2018年にグループ入りしていた会社を手放した形です。値段は9,900万円と、ほぼ純資産と同じ水準でした。2026年3月期の有価証券報告書では、売上5億6,874万円・経常利益7,520万円・純資産1億9,123万円と経常黒字で、連結売上の10%を超える子会社になっています。

買収後存続2026年10月9日時点

2022年11月30日に取得完了。同社公式サイトのグループ会社欄に社名が載っており、2026年3月期の有価証券報告書では議決権100%の連結子会社です(残り0.9%も取得済み)。

確認元:株式会社フーバーブレイン 公式サイト(GROUP COMPANY)

出典:株式会社アド・トップの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2021年3月29日株式譲渡で70.0%を現金取得し、残り30.0%を簡易株式交換で取得(完全子会社化)

GHインテグレーション株式会社

IT人材派遣・委託(ネットワーク・インフラ構築、5G領域)/東京都新宿区/2018年4月設立

取得価額
1億8,600万円
対象の売上
2億2,000万円
対象の営業利益
1,100万円
対象の純資産
2,900万円

決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:個人1名(錦織 劉一)が100%保有/現金で取得した70.0%(280株)の取得価額。アドバイザリー費用等18百万円を加えた合計は205百万円。残り30.0%(120株)は株式交換でフーバーブレイン株74,831株を交付。第三者算定機関のDCF法による評価は1株あたり609千円〜773千円

買収理由:韓国の大学・ITスクールとの独自ネットワークで日本語のできるIT人材を確保できる体制を取り込み、エンジニア不足に備える

設立3年目、売上2億2,000万円・営業利益1,100万円・純資産2,900万円の会社です。現金と自社株を組み合わせて100%を取得しました。開示文はGHI側にとっての利点として「上場IT企業としての信頼度、ブランド、資金力」を使って採用を拡大できることを挙げています。その後2022年2月に、15%(60株)が伊藤忠テクノソリューションズへ7,998万円で譲渡され、共同で経営する形になりました。

買収後存続2026年10月9日時点

2021年4月23日に完全子会社化が完了。2022年2月に15%を伊藤忠テクノソリューションズへ譲渡し、2026年3月期の有価証券報告書では議決権85.0%の連結子会社です。同社公式サイトのグループ会社欄にも載っています。

確認元:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社との資本業務提携及び連結子会社株式の一部譲渡に関するお知らせ

出典:GHインテグレーション株式会社の株式の取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された8件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • フィールドテック株式会社2億300万円(売上の0.40倍・営業利益の6.8倍)
  • 株式会社ProofX3億600万円(売上の4.57倍・営業利益の5.9倍)
  • 株式会社Youth Planet2億400万円(売上の1.21倍・営業利益の25.5倍)
  • 株式会社ARPEGGIO(現 株式会社Asemble)1億300万円(売上の0.89倍・営業利益の3.8倍)
  • イチアール株式会社3億6,000万円(売上の0.72倍・営業利益の7.3倍)
  • 株式会社CONVICTION6,900万円(売上の0.30倍・営業利益の4.3倍)
  • 株式会社アド・トップ9,900万円(売上の0.22倍)※営業赤字での譲渡
  • GHインテグレーション株式会社1億8,600万円(売上の0.85倍・営業利益の16.9倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

関連する記事

本ページは株式会社フーバーブレインが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日