株式会社うるるのM&A実績
自社サービスと同じ顧客に届く小さな会社・事業を買っている会社です。入札情報の「NJSS」には同業の検索サービス、写真の「えんフォト」には出張撮影や学校写真の会社を足しています。売り手はいずれも創業者個人で、取得後も社長が経営に残る形が続いています。
株式会社うるるが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都中央区
- 設立
- 2001年8月
- 事業内容
- 入札情報速報サービス「NJSS」、電話代行「fondesk」、保育園・幼稚園向け写真販売「えんフォト」などのサービスと、BPO(業務受託)事業を運営
- 売上高
- 77億5,100万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 9億3,200万円
- 純資産
- 36億9,600万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 入札情報サービス/写真撮影・写真販売・卒業アルバム制作/人材紹介(公務員の転職支援)
- 対象の規模
- 対象の売上 約38万円〜2.3億円
- 手法
- 株式譲渡(全株式取得による子会社化)が中心。事業だけを本体で譲り受ける形もある
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った直後は社名のまま子会社として残し、前社長も経営に残ります。ただしOur Photoとブレインフィードは、取得から2〜4年後の2025年4月にうるる本体へ吸収合併されています。サービス名は残り、法人は本体にまとめる流れです。
- 取得価額を開示した案件が2件あります。Our Photoが2億3,000万円、ブレインフィードが2億7,200万円。いずれも算定は「第三者によるDCF法の評価結果等を基に当社で精査」と書かれています
- 赤字の会社や、売上がほぼ無い会社も買っています。どちらも価格は過去の利益ではなく、サービスの将来性で決まったと読めます
- 横浜綜合写真は金額非開示ですが、「連結純資産の15%以上に相当する額となる見込み」と書かれており、下限が読めます
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社パブリックコネクトのGov2Career事業
国家・地方公務員の転職に特化した人材紹介/大阪府大阪市/譲渡会社は2021年12月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/非開示。適時開示基準に該当しない任意開示で、取得価額の記載はなし
買収理由:公共分野の顧客基盤と、公務員の人材紹介を組み合わせて官民の人材不足に応える
会社ではなく、1つの事業だけを切り出して売った案件です。譲渡会社は設立5年目、資本金7,937万円。業績は開示されていません。開示義務のない規模でも、買い手が任意で開示を出しています。会社全体でなく、相手の顧客とつながる事業だけでも買い手はつく例です。
株式会社横浜綜合写真
首都圏の小学校・中学校・高校向けの写真撮影、卒業アルバムの制作・販売/神奈川県横浜市/1985年9月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億2,800万円
- 対象の営業利益
- 3,900万円
- 対象の純資産
- 2億7,400万円
決算期:2024年8月期/譲渡前の株主:代表取締役の川西圭介氏40.33%ほか個人4名(自己株式11.00%)。譲渡直前に、川西氏の資産管理会社を株式移転で新設し、その会社が売り手になる形/当事者間の守秘義務により非開示。「当社の連結純資産の15%以上に相当する額となる見込み」と開示されており、直前期(2025年3月期)の連結純資産3,028百万円の15%=約4億5,000万円以上と読める。第三者によるDCF法の評価結果等を基に算定
買収理由:小中高の顧客基盤を取り込み、「えんフォト」「えんアルバム」を小学校などへ広げる
創業1985年、売上2億2,800万円・営業利益3,900万円・純資産2億7,400万円。売上は1億9,300万円→2億1,700万円→2億2,800万円と伸びていました。金額は非開示ですが、開示から下限が約4億5,000万円と読め、純資産の1.6倍以上、営業利益の11倍以上になります。買い手が評価したのは、創業以来積み上げた首都圏の学校との取引関係です。売り手は個人のまま売るのではなく、先に資産管理会社をつくり、その会社から株を売る形を取っています。社長は譲渡後も経営に残っています。
2025年9月に全株式を取得し、2026年3月期の決算短信で連結子会社として記載されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社ブレインフィード
入札情報検索サービス「nSearch」の運営(もとはシステム受託開発)/千葉県松戸市/2011年3月設立
- 取得価額
- 2億7,200万円
- 対象の売上
- 38万円
- 対象の営業利益
- △2,109万円
- 対象の純資産
- 2,955万円
決算期:2022年2月期/譲渡前の株主:代表取締役の大向邦英氏90.91%ほか個人2名/第三者によるDCF法の評価結果等を基に当社で精査した結果、合意/2022年2月期の売上高376千円。nSearchは2021年11月開始のため、この期にはほぼ反映されていない
買収理由:入札情報検索サービス「nSearch」をNJSSと連携させ、入札情報市場を広げる
直近期の売上は37万6,000円、営業損失2,100万円の赤字。それでも2億7,200万円で売れています。受託開発をやめて自社サービスに切り替えた途中の会社で、売上は7,755万円→776万円→37万6,000円と落ちていました。評価されたのは、始めて1年で有料契約300件超まで伸ばした低価格の検索サービスそのものです。過去の決算が悪くても、伸びている自社サービスがあれば値段がつく例です。
2026年3月期の決算短信に「2025年4月をもって親会社である株式会社うるるに吸収合併」と記載されています。取得から約2年3か月後です。
Our Photo株式会社
出張撮影マッチングサービス「OurPhoto」の運営/東京都千代田区/2015年6月設立
- 取得価額
- 2億3,000万円
- 対象の売上
- 1億2,300万円
- 対象の営業利益
- △800万円
- 対象の純資産
- 400万円
決算期:2020年5月期/譲渡前の株主:代表取締役の平野歩氏50.83%、森将嘉氏14.18%ほか10名。平野氏がほかの全株主から買い取ってから、うるるへ譲渡/第三者によるDCF法の評価結果等を基に当社で精査した結果、合意。取得後、別に合計90百万円程度のシステム投資を当社からの融資等で行う計画/Our Photo作成の財務諸表の数値。うるるの会計処理に合わせると2020年5月期の売上高は47百万円(概算)と開示
買収理由:えんフォトの保護者ユーザーに出張撮影を届け、約1,300人のフォトグラファー網を共有する
売上1億2,300万円・営業損失800万円・純資産400万円。赤字で純資産もわずかな会社に2億3,000万円がついています。しかも開示には、買い手の会計基準に直すと売上は4,700万円になると書かれています。値段の根拠は決算ではなく、約1,300人のフォトグラファーと4万6,000件の撮影実績でした。株主が12名に分かれていたため、社長が先に全株を買い集めてから売る形を取っている点も参考になります。
2026年3月期の決算短信に「2025年4月をもって親会社である株式会社うるるに吸収合併」と記載されています。サービス「OurPhoto」は本体で続いています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社ブレインフィード2億7,200万円(売上の723.40倍)※営業赤字での譲渡
- Our Photo株式会社2億3,000万円(売上の1.87倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社うるるが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日